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2009/08/05

学校から社会へ~各国若者就労支援の実態と課題

Img00051200908051025 今日は、朝から全進研の大会3日目に行って来た。ほんとうは、3日間ともいきたかったんだけれど、仕事でそうはいかず。3日目のメインは表題のシンポジウム。

 まず、平塚真樹さんが「若者への社会的支援の仕組み~フィンランドの場合」と題して報告。
 決して理想的な国ではない。格差がひろがった。新自由主義的傾向で、社会保障の縮小。若者の政治への関心は最低。みんな学校は嫌い。などと前おきをしながら、社会への信頼感が高い。日本、イギリス、アイルランドとの違い。問題はありといいつつ、問題を解決していけばいいというのが国民のうけとめと紹介。大事な点として、普遍主義的社会保障システム、職業教育・訓練制度、豊富なユースワーク
 たとえば教育・職業訓練の無償制は 単純ではないが、すべての教育・訓練機関の授業・利用料無償、基礎教育の完全な無償制として、教育をうけるために必要なものはすべて無償(たとえば、めがね、歯科)、義務教育後教育・職業訓練参加への公的補助を紹介していた。義務教育後の進路として、アカデミック以外のコースの多さ
とくに後期中等教育は、6・5割でそれ以外は職業学校、見習いで、しかも近年、職業学校の人気が高まる傾向
を紹介していたもっとも、高等教育は最終的には8割になるということなんだけれど
 早い自立の促進の背景として、児童手当終了(17歳)が自立への契機で、住宅手当、所得補助を紹介され、失業や無業になったら、社会給付(失業手当)があり、社会サービスのアクセスの容易さも紹介された。
 オムニアという高校から専門学校段階の職業訓練の学校の内容は興味深かった。なによりも、豊富なユースワークというものがいちばん心をとらえる。

 続いて、樋口明彦さんが、「欧州・豪州とアジア~なにが違うのか?」を報告。
 彼は、端的に、社会サービスは若者に届いているのかと指摘。その構造として、・漠然とした自己責任論? 若者を支える社会保障制度が存在しない・日本固有の現象としての「ひきこもり」? 日本的な言い方。社会サービスがない、結果として家にとどまらざるをえない。世界でこのような言い方をするところはない。同じような若者。・見えない家族の負担・学校への過剰な期待 キャリア教育
 これにたいし、ヨーロッパは、これらのサービスを若者に届けることを重視している。たんに制度があるかないかではなく、制度があって、その制度がほんとうに必要としている若者にとどくかどうか。日本の場合、制度があっても、使われまい構造的な問題があると指摘した。
 そのうえで社会サービスを届ける仕組みとして、①普遍的な所得保障制度、②早期段階における予防的取り組み、③社会サービス機関の一元化を指摘。若者の所得保障と社会サービスの国際比較をすると、失業の場合。雇用のリスクが高い若者にはセイフティネットにならない。では公的扶助は、これもうまくきいていない。アジアは低受給率 若者個人が扶助の対象になる割合が低い。アジアは家族・世帯単位だからか。ヨーロッパの間には、雇用保険と公的扶助のあいだに、失業扶助という制度があると。
 日本における社会サービスの問題として、・拠出の義務がないような制度が存在しない。・制度があるが資格がないので使えない・制度や資格もあるが、アクセスできないと指摘した。

 佐藤洋作さんの簡単な報告のあと討論。それがどれだけかみ合っていたかはわからないけれども、聞いていて、それはそれでおもしろかった。
 ボク的な理解では、若者に社会サービスがとどかなといったとき、樋口さんは、社会は存在するのかという問いかけを仕掛けれど、この日本における社会の弱さというのは、新自由主義のもとで社会が破壊されたという面と、そもそも日本で、資本主義の発展に(矛盾に)対応したもとめられるような社会の形成がなされているのかという問題があると思う。新自由主義への対抗は、現実の問題として大きな問題だけれど、だからといって、単純に、新自由主義の政治の転換がなされたら問題が解決するという問題でもない。後者に対応した、社会の形成は、政治的には、その担い手が保守政治のもとでも、試行錯誤しながら、前進したり後退したりするという面ももつ。その知恵も必要な課題でもあるのだと思う。言い方をかえれば、新自由主義の政策の転換が不十分なもとでも、いろいろな手だてをつくさなければいけない政策的な課題でもあるのだと思う。もちろん、1つひとつ新自由主義にからめたられないような、議論を進めなければいけないわけだけれども。
 だから、もっといろいろなことを出し合い、立場の違う人の意見にも耳を傾け、一致することを大事にしながらすすめるべき議論だと思うんだけれども。若者の声を聞き、よく実態を見ながら、議論するということが大事なのだと思うんだけれど。

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