子どもへの性暴力はなぜ教育問題にならないのか
今日も、朝から、印刷工場に詰めての仕事。ふー。
さて、今日は、たまたま読んだ論文の話です。唯物論研究協会が、最近「哲学から未来をひらく」というシリーズ本の刊行をはじめているのですけれど、その1冊、『生きる意味と生活を問い直す』という本を買って、読んでいます。もともと、別の論文を読むつもりで買ったのですが、まず片岡洋子先生の書いた「子どもへの性暴力はなぜ教育問題にならないのか」という論文にちょっと関心をもって読んでみて、刺激を受けました。
実は、この間、取材先で話を聞いたりしていると、若者たちをとりまく困難の1つに、性の問題があるという感じがしています。そして、性をめぐって若者たちが苦しむ1つの要因に、子どもへの性的な虐待や犯罪があるのではということも感じていたのです。そして、その背景には、貧困という問題も存在しています。
たとえば、『若者たち』という夜間定時制高校の生徒たちの姿を追ったルポルタージュがあります。読むと、ややステレオタイプかなという印象もありますが、同時に、よく実態に迫っているという感じもします。そこでも、若者の困難の背景として、貧困と虐待ということを追いかけています。
最近、知ったある高校の教育実践のなかでも、その問題がありました。
片岡さんは、これまで性暴力ということは語られてこなかったし、教育の世界でもタブー視されてきたと指摘しています。しかし、問題なのは、では日本では子どもの性暴力被害は少ないのかです。実は、他の先進国と比較しても、決して少なくないという調査も明らかにされています。なのにそれは、封じ込められてきたのです。この問題に向き合うことの不十分さは、日本の人権のうえでも大きな弱点(課題)であるようにも思えるのです。
若者たちの生きづらさということとのかかわりでも、この問題は、たぶん、避けて通ることのできない重大な問題だと思います。
もちろん片岡先生の論文では、どう対処するのかという問題が、すべて十分に展開されているわけではありません。さらには、若者の生きづらさと性ということを考えたときには、考えるべき問題は、もっといろいろあるのだと思います。
大きなテーマですが、もう少し詰めて考えてみたいテーマです。
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