「悲しい歴史、絶対繰り返さない」310万の戦没者追悼
今日は、一日、原稿処理の作業である。
いわゆる「終戦記念日」である。もちろん、この日が、戦闘が終了した日でもなければ、停戦の命令が出された日でもないし、ポツダム宣言の受け入れを国際的に確認した日でもない。昭和天皇が国民に終戦を告げる玉音放送が行なわれた日ということであるのだけれど。
「悲しい歴史、絶対繰り返さない」310万の戦没者追悼(朝日新聞)64回目の終戦記念日となる15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で開かれた。遺族、各界の代表者ら計約6千人が参列し、約310万人の戦没者を哀悼して不戦の誓いを新たにした。麻生首相は式辞でアジア諸国への加害責任について言及し、「悲惨な戦争の教訓を、次の世代に継承していく」と述べた。
この日を前後して、テレビでもいろいろな番組が放映される。昨日は、「火垂るの墓」をやっていたし、今日は、「硫黄島からの手紙」だ。それぞれよくできた映画である。
ニュースではむしろ、国会議員の靖国参拝が報じられる。国立の追悼施設の建設問題とも絡んで、いろいろ報じられたが、靖国に参拝する国会議員の主張を、あまりにも無批判に報じるニュースに驚いてしまった。テレビのニュースは、靖国問題の本質を忘れてしまったのだろうか?
靖国の問題を考えるうえでも、この時代の戦争を生きた、兵士一人ひとりのことを知ることは、とても大事なことなのかもしれない。ボクらの世代は、ちょうど父親が、兵士として戦争に行った世代ではあるけれども、実は、兵士のことをそれほどよくしっているわけではない。そして、その兵隊の特質をとくあらわしているのが、”特攻”や”少年兵”なのかもしれない。
水島朝穂先生のHPに、「靖国神社には行かないよ ―― ある特攻隊員の遺書」という文章が掲載されている。『あゝ祖国よ恋人よ-きけわだつみのこえ 上原良司』という本を紹介したもので、さっそく読んでみた。徹底した、自由主義の思想に、生きようとした彼のことについては、このブログでも紹介したことのある、高木俊朗さんが紹介している。そして、『きけ わだつみのこえ』でも注目されている。
彼には、3つの遺書がある。一般的な遺書のほかに、第二の遺書、そして、「所感」という第三の遺書(高木さんのすすめで書いたもの)がある。そこには、自由主義の立場を深め、葛藤する彼の思いが赤裸々に語られている。彼は高木さんに、「全体主義で、戦争に勝つことはできません。日本も負けますよ。私は軍隊でどんなに教育されても、この考えを変えることはできません」。「私は、軍隊のなかにいても、自由主義者です」と、語ったという。
たしかに、生きた兵士がいて、そして死を強いられたという歴史がある。
日本の加害の歴史を、こころに刻むととともに、そういうことも考えたい「8月15日」でもある。
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