国策紙芝居で戦時知って
来年のNHK大河ドラマの「龍馬伝」のおりょう役は真木よう子に決まったそうだ。はっきりいって楽しみである。
SPで彼女を見たときは、ビリビリときたものね。
インターネットで、こんな記事に出会う。ボクは、実はこれは知らなかった。
国策紙芝居で戦時知って 紙芝居師歴37年の鈴木さん(朝日新聞)戦意高揚のためにつくられ、戦後多くが廃棄された「国策紙芝居」を集め、現代の大学生らに演じたときの感想などを、愛知大非常勤講師で、紙芝居師歴37年の鈴木常勝(つねかつ)さん(61)=大阪市東住吉区=が本にまとめた。戦時中、「軍国美談」で国民の胸を高鳴らせた紙芝居を通じて、若い世代に戦争プロパガンダについて考えてもらう狙いだ。
鈴木さんは02~08年、愛知大や立命館大の講義で国策紙芝居を実演し、学生や留学生に感想を求めた。
1940年発行の紙芝居「フクチャントチョキン」は、漫画家の故・横山隆一さんが生んだ人気キャラクターのフクチャンが、軍事費を工面するための国債を買う話だ。フクチャンはおもちゃ屋の前を、目をふさいで通り過ぎ、懸命に貯金。おじいさんもこっそり貯金箱にお金を入れて協力する。
ある学生は「戦争のためにがんばろうという気にさせる。大人が見ても貯金を始めそう」との感想を寄せた。
39年発行の「チョコレートと兵隊」は家族愛を描いている。中国へ出征した父親は、慰問でもらったチョコの包み紙の点数を集め、内地の息子と娘に送る。点数がたまって兄妹がチョコを手に入れた日の夜、父の戦死の公報が届く。母は「お父さんに負けないような、立派な人になるんですよ」と兄妹を諭す。
中国人留学生は「侵略行為を粉飾するものだと知っているにもかかわらず、美しい物語に感動してしまった自分に驚きました。当時の日本人がだまされたのも無理はない」と感想を書いた。
国策紙芝居は、当時の政府などが作らせた。発行部数は多いもので1万部を超えたが、敗戦直後、戦犯になることを恐れた紙芝居編集者が多くを焼却した。鈴木さんはわずかに残った国策紙芝居を求めて全国の寺や公民館、図書館などを回って閲覧・収集、その数は約200作品に上った。本では6作品を紹介している。
この国策紙芝居を紹介した『戦争の時代ですよ!』が中日・東京新聞の書評欄でも紹介されていた。
文化や教育が、戦争動員に使われていた時代であるのだから、こういうことがあったのは、たしかに当然であろうが。実演をしてみると、学生の気持ちをとらえてしまうというところに、やっぱり文化や教育というものの怖さというものもあるのだろうか。だからこそ、この時代から教訓を学びとることの必要性もあるのだろうと思う。
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