青い鳥
見たかったけれど、見られないでいた映画。これもやっとDVDで見る。
いじめで自殺未遂事件が起こった東ヶ丘中学2年1組。自殺を図った野口の転校後、クラスに臨時の担任として村内が赴任してきた。極度の吃音の村内に生徒たちは苦笑するが、生徒たちに彼は「忘れるなんて、ひきょうだな」と言い放つ。そして片付けられた野口の机をクラスに戻させ、毎朝無人の机に挨拶し続けた。そんな村内に生徒たちが反発する中、事件で深く悩む生徒・園部はその姿を複雑な想いで見つめていた。
暴力や非人間的な行為に加担したり、容認したりするとき、人は人間性を失う。まだ、人格の発達の過程にある子どもにとっては、その経験は大きな重荷になる。では、そうすれば、その子どもたちは、回復することができるのか。
人は、過ちや失敗を経験し、葛藤をとおして、人として豊かになる。当たり前のことが許されないのがいまの子どもをとりまく社会なのかもしれない。子どもが子どもとして大切にされないということのあらわれなのだろうか。表面的な、徳育の教育なんて何の意味もない。
子どもによりそうということはいったいどういうことなのか。子どもへの信頼と、教育というもものの可能性を考えさせてくれる、貴重な映画だった。阿部寛をはじめ、俳優陣も好演している。
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