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2009年7月

2009/07/31

反貧困ネットが都内で集会 政治で「貧しい人に光を」

 今日は、午前中は会議。午後からはインタビューの原稿の整理にとりかかる。数日の間に、2本の原稿をしがえなければいけない。原稿も届いて、なかなか仕事が山積みである。

 夜には、反貧困の集会にでかける。

反貧困ネットが都内で集会 政治で「貧しい人に光を」(共同通信)

 年越し派遣村を企画した市民団体「反貧困ネットワーク」は31日、衆院選を前に「私たちが望むこと」をテーマに東京都内で集会を開いた。母子家庭の母親や障害者らが「貧しい人に光を当てる政治を」と求めた。
 約400人の参加者を前に、生活の苦しさを次々に訴えた。高1の長男と都内で2人暮らしの女性(50)は飲食店のパートで、生活保護費と合わせた月収は約10万円。家賃や食費を引くと月1万円も残らない。
 4月に生活保護の母子加算が廃止され、生活は一段と厳しくなった。「生きるのも面倒という精神状態。子供を育てるために何とか耐えている。一日も早く母子加算を復活させて」と話した。…

Img00049200907311902_2 集会は、宇都宮健児代表のあいさつから始まって、当事者発言、支援者発言が、若年・奨学金、母子、障害、年金・医療(後期高齢者)、医療、労働・職業訓練、居住・ホームレスなど、外国人、官製ワーキングプア、中小企業からあった。途中、政党の発言。そして、ネットから「私たちの政策提言」、そして湯浅誠事務局長の集会宣言、閉会の挨拶と続いた。

 積み上げてきた、反貧困の運動を、選挙を前にまとめあげたような集会。それだけに、発言も、主張もよくまとまっていたと思う。この運動は、政治を揺り動かしてきたし、変化を現実のものにする一歩手前まできている。その意味で、今度の選挙の意味は大きいなとも思う。それは、調査からはじまるのだろうか。

 発言者たちの多くは、これまでいろいろな集会で出会ってきた人が多い。それだけに、運動の広がりというのはやっぱり気になる。
 まだまだとりくまなければいけない課題は少なくないんだとも思う。

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2009/07/30

自転車操業、現場は「手足」…バンキシャ!虚報を糾弾

 今日は、会議があったりして、とりあえず企画を考える一日。午前中は、いろいろ調べもの。
 夜は早く帰って、映画を見た次第。

自転車操業、現場は「手足」…バンキシャ!虚報を糾弾(産経新聞)

 記者会見するBPO放送倫理検証委員会の川端和治委員長=30日午後、東京都千代田区 「いろいろ取材しているようだが、実際はほとんど一歩も根拠の収集に向かわなかった」。日本テレビ「バンキシャ!」の虚偽報道について、BPO検証委が30日に示した勧告は、安易な取材方法についてだけでなく、放送日程に追われる“自転車操業”の実態や取材者の責任感の欠如など、報道番組のありようを厳しく批判した。
 「1週間では十分な取材ができないテーマでも、何とかその週に放送することが求められていた」「放送日に合わせて無理やり取材を間に合わせる」…。勧告は、虚報の根本的な原因として、取材の過密スケジュールを挙げた。
 問題となった裏金報道の場合、情報収集を始めたのが昨年11月3日。当初の放送予定は6日後の9日だったという。結局、放送は23日となったが、その2週間も、「情報源の特定につながる」などと、情報提供者以外の裏付け取材には動かなかった。勧告は「真実と信じるに足る根拠」を取材する意志がみられなかった、と糾弾した。
 取材チームの判断力や責任感の欠如も指摘された。勧告によると、現場に赴いた番組スタッフは、「幹部スタッフが取り上げると決めたからには、情報提供者の信用性はすでに判断されている」と思いこんでいたという。取材現場に真偽の判断が委ねられていなかったことも、虚報の一因になったとみられる。…

 現在の放送現場の抱える問題を凝縮したような、象徴的な事件でもあると思う。
 現在、放送局の経済基盤は揺らいでいる。ドラマは、バラエティへ、そしてニュース・ドキュメントへ、できるだけおかねのかからないものへの傾斜している。そして、報道そのものが、とても安易になされるようになる。だからこそ、報道番組として検証がもとめらる。

 検証委の服部孝章委員は「決してバンキシャだけの特殊な事例ではない。これまで委員会が扱ったいくつもの事例に同種の傾向がみられる」と述べ、報道機関が真摯(しんし)に問題を受け止めるべきだ」と言う。その検証を、テレビ全体のものにする必要がある。

 BPO放送倫理検証委員会の勧告はここ

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青い鳥

 見たかったけれど、見られないでいた映画。これもやっとDVDで見る。

Aoitori_main_large いじめで自殺未遂事件が起こった東ヶ丘中学2年1組。自殺を図った野口の転校後、クラスに臨時の担任として村内が赴任してきた。極度の吃音の村内に生徒たちは苦笑するが、生徒たちに彼は「忘れるなんて、ひきょうだな」と言い放つ。そして片付けられた野口の机をクラスに戻させ、毎朝無人の机に挨拶し続けた。そんな村内に生徒たちが反発する中、事件で深く悩む生徒・園部はその姿を複雑な想いで見つめていた。

 暴力や非人間的な行為に加担したり、容認したりするとき、人は人間性を失う。まだ、人格の発達の過程にある子どもにとっては、その経験は大きな重荷になる。では、そうすれば、その子どもたちは、回復することができるのか。
 人は、過ちや失敗を経験し、葛藤をとおして、人として豊かになる。当たり前のことが許されないのがいまの子どもをとりまく社会なのかもしれない。子どもが子どもとして大切にされないということのあらわれなのだろうか。表面的な、徳育の教育なんて何の意味もない。
 子どもによりそうということはいったいどういうことなのか。子どもへの信頼と、教育というもものの可能性を考えさせてくれる、貴重な映画だった。阿部寛をはじめ、俳優陣も好演している。

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2009/07/29

国際水連、高速水着を制限へ

 今日は、午後からインタビューが入っていて、午前中はその準備など。夕方は、刷りだし立ち会いで印刷工場で。途中で中央線の人身事故で、立ち往生。時間に間に合わなくイライラのしっぱなし。ストレスフルな一日で、人間性も削られていく…。事故…。

 ニュースが、選挙モード。いろいろありますが、自民と民主が中心にまわるのは気になるところ。
 さて、古賀選手が金メダルをとった水泳。

国際水連、高速水着を制限へ(産経新聞)

 水泳の世界選手権(ローマ)で世界記録が続出する中、国際水連は28日の理事会で、記録の大幅な伸びを助けている新型高速水着に歯止めをかけるため、素材を織物のみとする新規定を認めた。
 来年から適用される新規定では透水性がない素材は認められない。このため、世界選手権で記録を出しているラバーやポリウレタン製水着だけでなく、パネルを張り付け高速水着の火付け役ともなった「レーザー・レーサー」(LR)も使用できなくなる可能性がある。織物の厚さは現行の1ミリ以下から0.8ミリ以下とする。
 水着で体を覆う範囲も制限。現在は男女とも肩から足首までのフルボディー水着が主流だが、新規定では、男子選手は腰からひざまで、女子選手は首や肩を覆わずに、ひざまでと狭めた。体を覆う面積が多いほど、より体が浮くとされ、好記録にもつながっていた。…

 結局、この問題は選手が振り回され続けたという感じがする。国際水連の対応は後手後手で、メーカーとの癒着まで噂される始末だった。
 北島選手が、「泳ぐのは俺だ」っていうTシャツを着たことがあったけれど、スポーツで大切にすべき原則に、プレーヤーズ ファーストということがある。この原点に帰るべきだ。
 さて、今回の決定はその立場からはどうなのだろうか? 選手のための第一歩になることを願ってやまないけれども。

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自民党の時代錯誤の滑稽さ

 自民党の民主党への批判は、ヒートアップしていますね。

 たとえば自民党のHPにこんなパンフレットが掲載されています。
http://www.jimin.jp/jimin/kouyaku/pamphlet/pdf/2009_nominsyu.pdf

 「政治はギャンブルではない。国の基本政策もまともにない 民主党の『お試し政権』に日本を任せられません。」と言って、民主党の安全保障政策を批判しているのです。また、一昨日の、マニフェストにたいしては、財源問題を批判します。これらは、ボク的には、どっちもどっちという感じがするのですが、それはそれで、あえて「正論」ということができるものがないわけではありません(笑い)。

 でも、まあ、こっけいなのが、

民主党の国家観がにじみ出る問題の法案!

 民主党の国家観は、日本の歴史や有り様を自虐的に捉え、伝統やほこりを否定しています。提出法案をみれば明らかです。
◎『国立国会図書館法改正案』
 国立国会図書館に恒久平和調査局を設置し、先の大戦において内外に多くの犠牲が存在したことを究明するもの。
◎『従軍慰安婦法案』
 改めて「慰安婦」問題にスポットをあて、自虐的にその解決を図ろうとするもの。
◎鳩山代表は、『外国人地方参政権』に関してのニコニコ動画の生討論会で、「日本列島は、日本人だけのものじゃない」と発言。

 のくだりでしょうか。
 あまりにも時代錯誤。時代遅れの人権感覚と歴史観が充満して、世界でも日本でもとうてい通用しないような議論に、いまだに固執している姿があらわになっていますね。
 これは、驚きました。

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2009/07/28

違法派遣で自殺と賠償命令 ニコンなど2社に東京高裁

 今日は、共産党のマニフェストの発表がありました。実物はここ。

 さて、今日は、午前中休みをもらって、寝ていました。といっても、あまり深くは寝られませんね。疲れもそんなにとれない。気分を変えて、仕事にとりかからなければなりません。

違法派遣で自殺と賠償命令 ニコンなど2社に東京高裁(共同通信)

 光学機器大手ニコンの工場に派遣されていた男性が自殺したのは、劣悪な勤務環境によるうつ病が原因だとして、遺族が、同社と名古屋市の業務請負会社に計約1億4千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は28日、両社に計約7058万円の支払いを命じた。
 両社に計約2488万円の支払いを命じた05年3月の一審東京地裁判決を変更。「製造業への派遣を禁止していた当時の労働者派遣法に反していた」と言及した。
 原告は1999年3月に自殺した上段勇士さん=当時(23)=の母のり子さん(60)=岩手県一関市。
 都築弘裁判長は、上段さんの勤務実態に触れ「昼夜交代制勤務や寮での一人暮らしなど、生活の大部分はニコン側に抱え込まれていた」と指摘。
 その上で「健康状態の把握は近親者より、使用者の方が容易。ニコン側が、自殺の原因をうつ病でないと証明しない限り、うつ病が原因と推認するのが公平だ」として、立証責任をニコン側に求めた。

 派遣労働者の過労死というショッキングな問題を問いかけたこの事件。もう10年になるのですね。ボクが、若者異常な働かされ方という問題に関心を持つようになったきっかけの事件の1つです。
 非正規労働者が、過重な仕事のために、追いつめられるというケースは現在でも後をたたない問題ですよね。それだけに、この判決は、企業の側に、立証責任を求めたということで、とても重要な判決なようですね。くわしい判決内容を知りたいと思います。

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昭和の記憶を掘り起こす

750ceb5ds 久しぶりに中村政則さんの本を読んだ。1年ほど前に出された本である。
 ボクは、ここ数年、戦争体験をどう聞き、継承するのかという問題にかなり興味をもっている。先日の、沖縄戦のドキュメントを見て、この本を読んでみようと思い立ったのでもあるのだけれど。この種の本を読むとき、読んでいる側の身体も、ガチガチに固まる。緊張ともなんともいえない思いで読んでいる。少なくない戦争体験者が、いまその体験の語りを、あえて始めている。それをどう聞き取ることが求められているのか。
 この本の特徴は、その語りを、文献的な裏付けをすすめながらおこなっていることが1つ。それだけに、その体験の歴史的な位置づけを確認しながら、読むことができる。
 2つは、その体験が、いまを生きるボクたちに何を問いかけているかを常に考えさせられるという点。
 3つは、その体験者の、戦後の生き様、とくに、このような極限の状況を体験した人が、人間としての尊厳をどのように回復していったかを語る。それだけに、いまを生きるボクらの生き方そのものをも問いかける。

 この本は、沖縄、満州、広島・長崎の体験者の語りである。その先にあるような体験をどう聞き取るのか、そのことも聞いてみたい気がする。

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2009/07/27

宮里藍選手 米ツアー初優勝

 なかなか嫌なこともたくさんあります。自分の考えていること、感じていることを無視されたり、踏みにじられたりするのはするのは、辛かったり。

 さて、それはそうとうれしいニュースですね。ファンというほどではありませんし、ボクはゴルフなんてやりませんから、そんなに関心のあるわけではありませんが、それでも何となくうれしいです。

宮里藍選手 米ツアー初優勝

 アメリカ女子ゴルフツアーに組み込まれている「エビアン・マスターズ」は、26日、フランス南東部エビアンのエビアン・マスターズゴルフコースで最終ラウンドが行われ、宮里藍選手が通算14アンダーで並んだスウェーデンのソフィー・グスタフソン選手とのプレーオフを制して、アメリカツアーで初優勝を果たしました。

 宮里さんの出身の沖縄県東村、ものすごく田舎ですよね。ヤンバルの森にいだかれたところなんでしょうか。
 いまの若いアスリートというのは、ほんとにストイックですものね。メディアには、ここ数年、かなり振り回されたでしょうが、よくがんばったんだろうなと思いますね。

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いよいよ総選挙の論戦が活発になってきましたね

 仕事の山場は、何とか越えつつありますが、8月は、総選挙もあり、忙しくなりそうです。
 昨日のテレビでも、話題はもう選挙のことでいっぱいですね。
 今日は、民主党のマニフェストが発表されましたね。実物は、これ。
 公明党は、24日に、詳細という形で、発表しています。実物はこれ。
 近日中に、残りの政党のものも発表されていくでしょうから、このブログでも、いろいろ、自分の意見を書いてみたいものですね。

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2009/07/26

ツタンカーメン 王妃の墓の呪い

 夜、ボーっと、NHKスペシャルを見ていた。エジプト発掘 第2集である。知らないことも、あってなかなか興味深かった。

090726_b 2006年、エジプトの古都ルクソールにある「王家の谷」で大発見があった。ツタンカーメン以来、およそ80年ぶりに、新たな墓が見つかったのだ。「王家の谷は掘り尽くされ、新しい墓はもう見つからない」と言われていただけに、世界中に衝撃が走った。墓は既に荒らされていたが、一番奥に、未開封の棺がひとつ残されていた。この墓はいったい誰のものなのか? 棺の中にミイラは残っているのか? 世界中のメディアから熱い視線が注がれる中、エジプト・アメリカの合同調査が始まった。
 調査の途上、墓の主として、意外な人物が浮かび上がってきた。あのツタンカーメンの妻・アンケセナーメンである。黄金財宝で知られるツタンメカーメンは、約3500年前のファラオ。19歳で謎の死を遂げ、王家の谷に葬られた。そして、そのツタンカーメンに幼くして嫁いだアンケセナーメンは、その後歴史の闇に姿を消した、悲劇の王妃と言われている。番組では、王家の谷で新たに発見された墓の発掘調査を軸に、ツタンカーメンと王妃アンケセナーメンの物語を織り交ぜながら、ツタンカーメン一族の知られざる呪われた歴史を描き出す。

 古代エジプト史をめぐる考古学の発展はめざましい。
 番組は、KV63(王家の墓で63番目、ツタンカーメンの墓から80年ぶりに発見されたということで話題になった墓の発掘を中心に展開する。この墓を彼の妻・アンケセナーメンの墓として、ツタンカーメン一族を、彼の父のよる宗教改革、いわゆるアテン神信仰とアメン神信仰の対立の結果の悲劇の一族と見る。
 番組を見る限り、それなり有力な説なのだろう。ただ、異説もたくさんある。KV63そのものが、墓所ではないという説まである。もう少し、そうした異説にふれないと、何か歴史ドラマになってしまって、この時代の本当の姿というものも見えてこないような気がする。どうだろうか。いずれにしろ権力者の話なんだから。

 でも、まだ解明されていない歴史の謎はたくさんある。日本でも、陵墓の発掘がもっとできるようになれば、新しい歴史の姿が見えてくるのだろうか?

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お金がないと学校に行けないの? 首都圏高校生集会

 今日も、朝早くから、地域のお仕事。少し寝不足です。

Img00045200907261312 お昼で、地域での仕事を切り上げて、今日は「お金がないと学校に行けないの? 首都圏高校生集会」をのぞきに行って来た。


お金がないと学校に行けないの? 高校生が授業料無償化訴え(共同通信)

 深刻な不況で授業料が払えない家庭が増えているとして、高校生や教員が26日、「お金がないと学校に行けないの? 首都圏高校生集会」を埼玉県三郷市で開き、授業料の無償化を訴えた。
 高校生や大学生、教員らでつくる実行委員会の主催。シンポジウムや劇で高校生らは「多くの国で高校の授業料が無料なのになぜ日本は違うのか」「定時制高校では給食が命綱になっている生徒もいる」と自分や仲間の苦しい実情を訴えた。
 友達を通じて集めた高校生約1600人のアンケート結果も発表。4人に1人が「学費で親に負担をかけて申し訳ない」と考えていることが分かった。実行委員長で埼玉県の定時制高校に通う女子生徒(17)は「昨年秋の金融危機以降、高校生ができるアルバイトも減り、本当に苦しい。少しでも授業料を抑えてほしい」と話した。…

 アンケートの中間報告にもとづいて、報告がなされた。
 それによると、夜間定時制公立高校生の8割近く、全日制公立高校生の7割近くが、高校生活の上で経済的な不安を感じているという。また、全日制、定時制を問わず、4人に1人が「学費のことで家族に迷惑をかけて申し訳ない」と答えている。
 夜間定時制高校生の12・1%が「学費が高く高校に通い続けられるか不安」と答え、全日制の22・4%、夜間定時制の20・7%が「進学できるか学費のことで心配」と回答した。
 授業料や携帯代、娯楽費などをアルバイトをして自分で払っている生徒は全日制で24%、夜間定時制で36・8%。
 夜間定時制、通信制では授業料を自分で支払っている生徒は20%を超えていた。
 全日制の7・4%、夜間定時制の13・7%が「奨学金をもらいたい」と答えている。

 シンポジウムや劇で、高校生の声をたくさん聞くことができた。やっぱり、社会全体(もちろん政治の責任がいとばん大きいのだけれど)が、高校生の学費・教育費は、親が払ってあたりまえ、個人の責任の問題とらえ、そのことを若者たちも内面化してしまっている。それが、どれだけ、若者たち、子どもたちを追いつめていることだろうかと。とくに、定時制高校の若者たちの、状態の悪化が客観的進行しているということはよく考える必要がある。

 同時に、これだけ、親の責任ということが、一般的な認識になっているなかで、どうそれをうち破って、社会的な合意をかちとるのかも考える必要がある。結局、高校段階において(大学でもそうだけれど)、学費・教育費が無償化されていないことが、若者・子どもたちの成長や発達にどのように否定的な影響をあたえているのかということが、もっと議論されて良いのかもしれない。私立高校の学費の極端な高さが、家庭にどのような負担をあたえ、それが、どのように高校生の負担になっているのか。

 いずれにしろ、OECD加盟国で高校段階で、その教育を公的な責任で支えられていないのは日本をふくめ4カ国にすぎない。そのことに、答えを出す選挙でもある。

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2009/07/25

政府・自民党、自壊を促進する問題発言

 たぶんね。この人たちは、国民の一人ひとりがどんな思いで、生活しているのかなど、想像したこともなければ、理解もできないのだろうなと思う。分裂がすすむ日本社会の一方には、強烈な特権意識をもった人たちがいるのかもしれない。そういった姿を、政権党の人たちはあらわにしているのではないのだろうか。

「高齢者、遊び覚えても遅い」 首相、麻生流勤労の勧め(共同通信)

 麻生太郎首相は25日午前、横浜市内で開かれた日本青年会議所の会合であいさつし、高齢化社会の在り方について「高齢者は働くことしか才能がない。80歳を過ぎて遊びを覚えても遅い」と「麻生流」で勤労を促した。
 その上で、首相は「元気な高齢者をいかに使うか。彼らが納税者になれば日本の社会保障は全く違ったものになる」と述べ、活力ある社会に向け、高齢者を労働力として積極的に活用する必要性を強調した。
 首相は「日本は65歳以上の高齢者が元気で、介護を必要としない人は実に8割を超えている」と指摘した。…

 総裁が総裁なら幹事長もまた昨日、ひどい発言をしている。

細田氏「字読めぬ首相、と楽しんでる…それが国の程度」(朝日新聞)

 自民党の細田博之幹事長は24日、党本部で朝日新聞などのインタビューに応じ、党役員人事をめぐる麻生首相の姿勢を問題視したマスコミの報道について、「大したことない。役員人事だろうが閣僚人事だろうが、そんなことどうでもよい」と批判した。そのうえで「それが国民の程度かもしれない」と矛先を国民にも向けた。その後、細田氏は「誤解を招く表現だった」と記者団に発言を撤回した。
 細田氏はインタビューで、麻生政権に関する報道について、「何が正しくて、どういう方向に行くべきかの座標を失ってウロウロ、(マスコミの)皆さんが磁石を失ってウロウロしているというのが私の分析だ」といらだちをあらわにし、「(首相が)字が読めないらしい、ブレたらしいと言って楽しんでいる。それは日本国の程度を表している」とも語った。

 国民をこのような視線でしか見られない政治家・政党にははやく退場していただきたいものだ。

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道州制議論熱く…御手洗経団連会長と橋下大阪知事が対談

 早朝からの仕事で、バテバテです。

道州制議論熱く…御手洗経団連会長と橋下大阪知事が対談(朝日新聞)

 日本経団連の御手洗冨士夫会長と大阪府の橋下徹知事が25日対談し、道州制について議論した。地方活性化や行政システムの効率化のために道州制は有力な手段で、実現に向けて国民の理解を深める必要があるとの認識で一致した。
 御手洗氏は、「(道州制の導入で)削減した人件費を新たな投資に回せば地域で新産業が興る」と住民へのメリットを強調し、「草の根運動で理解を広めたい」と述べた。橋下氏は「道州制を争点にしなければ選挙に通らないというぐらい、政治家に圧力をかける国民の後押しが必要だ」と述べた。 …

 やっぱり橋下は、財界の主張する道州制の実現の別行動部隊ということなのか。
 この道州制というのは、彼らの主張する地方分権というのが、地方自治というものと大きく違うことを現しているのだから。これまでの財界の主張を見れば、福祉や教育など、くらしくかかわる仕事を担う自治体の役割を弱めることを意味するのでは…。だれのための地方活性化や行政システムの効率化なのか、が問われている。

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2009/07/24

民主「次の防衛相」が離党 神奈川4区、分裂選挙に

 いちばんの仕事のピーク。明日は、朝が早いし、忙しい一日かな。体力がもつかしら。
 新聞やテレビは、まったく「政権選択」を問いかけるモードに突入している。自民と公明以外政党が報道されないのが、かなり気になるところである。
 ところが…

民主「次の防衛相」が離党 神奈川4区、分裂選挙に(朝日新聞)

 民主党の「次の防衛相」だった浅尾慶一郎参院議員が24日、党を離れた。党公認候補がすでに決まっている神奈川4区から立候補するためだ。「追い風の民主党からあえて飛び出す勇気を示したい」と説明し、地元には賛同する声もあるが、政権交代を目前にしながら分裂選挙を招いた行動に、批判も強い。
 「民主党は安全保障政策を現実的な方向に変えてきたが、さらに加速させる必要がある」。民主党に離党届を提出した浅尾氏は24日、参院議員会館で開いた記者会見で語った。
 浅尾氏は、党の「次の内閣」防衛相として、党の防衛・外交安全保障政策に取り組んできた。23日に党が公表した09年版政策集では現実路線に転換。自民党からは「ぶれている」と批判が上がっていたが、浅尾氏はこの日の会見で反論。「追い風の民主党からあえて飛び出す勇気を示すことで、現実化路線の加速に賛同する人を増やしていきたい」と語った。 …

 浅尾慶一郎といえば、民主党のなかでも、改憲・軍拡派の急先鋒で、アメリカとのパイプも太い人物。長島昭久と並ぶ看板であろう。ただ、この浅尾の動きが何か、大きなインパクトをもつとは決して思えないけれど。それでも、選挙後に政界再編成をのぞむ動きが、自民党にも民主党の側にもあるということの証左なのだと思う。とくに、安保・外交政策については、その衝動は、案外小さくはない。

 だからこそ、選挙後の政治の動きもなかなか予想がつかないのであり、だからこそ、今度の選挙は、どんな政権をつくる選挙であるのか。それぞれの要求を実現するためには、どんな政治勢力がどのような主張と実績があるのかをよく見極めていくことが大事なのだと思うのだった。

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2009/07/23

民主外交、現実路線にシフト=政権を意識、09年版政策集

 仕事は、いちばんの山場である。体力的にもいちばん厳しい。

 さて、今日は、民主党の政策集が発表になった。残念ながら、HPには、まだアップされていない。
 今日の世論調査でも民主党の支持率は40%と、お化けのような数になっている(笑い)。ただ、政策集のある部分は、こうした支持率の高さを反映しているような内容もある。
 一方で、心配な議論もある。とりあえずそうしたニュースをクリップ。

民主外交、現実路線にシフト=政権を意識、09年版政策集(時事通信)

 民主党が23日発表した2009年版政策集のうち、焦点の外交・安保分野は衆院選後の政権獲得を意識し、日米関係などの現実を踏まえて従来路線を軌道修正した内容となった。同党の政権担当能力に対する不安を解消するのが狙いだが、個別の案件では火種も残る。
 これまで民主党は、インド洋での給油活動のために海上自衛隊を派遣する新テロ対策特措法や在日米軍への思いやり予算、海賊対処法などにことごとく反対してきた。政府・与党の追及に向け他の野党との共闘を重視してきたためだ。
 しかし、米国は民主党の外交政策を「同盟関係に摩擦を引き起こす」(ナイ元国防次官補)と懸念。与党も「民主党には政権能力がない」と批判を強め、同党は「外交は相手がある話で、野党としての意思表示と政権与党の対応は違う」(政調幹部)と判断、現実路線にシフトした。 
 インド洋での給油活動については、根拠法である新テロ対策特措法の期限が切れる来年1月までは容認した。党内には期限後の撤収を求める声は依然強く、政権を獲得した場合、早速継続するかどうかの対応が問われることになる。
 仮に撤収を決断すれば、米側が治安悪化が続くアフガニスタンでの新たな貢献策を求めてくるのは確実だ。民主党が海賊対策での自衛隊派遣を容認した背景には、「米国がインド洋派遣の代替策を要求してきたときのアピール材料にする」(幹部)思惑もある。
 ただ、民主党は「対等な日米関係」確立を目指す基本方針は変えていない。同党が県外移設を主張している米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の問題などをめぐり、現行計画の推進を求める米側と難しい外交交渉を強いられそうだ。…

 政策集の骨子は、続きで。

 どんな政権をつくるのか。くり返すが、よく議論したいものだ。

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2009/07/22

検察審査会、二階氏秘書の不起訴「不当」

 今月号のピークである。そこそこのページをこなさなけねればならないので、ピークになると実務量だけでもけっこうなものになる。いろいろ調整しなければならない問題もあり、あわただしく動き回る一日でもある。

 さて、選挙戦は、すでに本番である。そんなさなかこんなニュースがある。

検察審査会、二階氏秘書の不起訴「不当」(朝日新聞)

 西松建設がダミーの政治団体経由で二階俊博・経済産業相側のパーティー券を購入していた問題で、東京第三検察審査会は22日、東京地検が政治資金規正法違反容疑での告発を不起訴処分(嫌疑不十分)としていた二階氏の秘書について「不起訴不当」の議決をしたと発表した。議決は21日付。
 東京地検は議決を受け、再捜査した上で改めて起訴か不起訴かを判断する。
 同審査会は議決の理由で、「捜査が尽くされているとは到底言えない。パーティー券を本人の名義以外の名義で購入した側のみを処罰するのは納得できない」と指摘。東京地検が、西松建設元社長の国沢幹雄被告(70)だけを起訴したことを批判した。 …

 この問題は、自民党の側でも決して曖昧にしてはいけない、民主主義と政党の在り方にかかわる問題だと思う。それは、民主党の側でも同じだと思う。

 いま政党に何が問われているかということを少し別の角度から考えてみた。
 たとえば、渡辺善美新党が8月にもできるという。すでに自民党から離党者も出ている。たしかに、国民は自民党政治を変えたいと思っていて、肝心の麻生さんには自民党を変えようという熱意がないから、こういう行動が生まれるのは当然だとは思う。ただ、ボクは渡辺新党というのは成功しないと思う。
 なぜなら、今度の国民の自民党政治を変えたいという志向は、明らかに一定の方向性があるからだ。それは、1つには「構造改革」でぼろぼろになった暮らしをなんとかしてほしいというものだ。この点で、渡辺新党は逆の方向を向いているのだから。
 一方で、民主党に対しては、いろいろな議論は成り立つし、そのいろいろな議論のたいていの部分は正しいのだと思う。ただ、民主党が、07年の参議院選挙のころから、一定の変化をみせ、いわば結党のころの保守2大政党の一翼をになうということから、明らかに違うような動きを見せるようになったのは、この国民の志向の反映だと思う。明らかに、そういう志向と民主党の動きはだぶっているところがある。だからこそ、今度の選挙に向けて、民主党に大きな期待が広がっているのには意味がある。
 もちろん、民主党という政党には、不確定で、矛盾に満ちた、危険な面もたくさんもっている。そのことについては、あげればきりがないし、個人的には、ボクは、あまりこの政党に対して楽観的な印象はもっていない(笑い)。
でも、たぶんいま問われているのは、民主党を国民の志向から逸脱させないために、この選挙でどんな議論と選択が必要なのかということかもしれないと思ったりする。

 その1つにたとえば、この政治とカネの問題で、民主党にきっぱりした態度をせまることでもあるのだと思う。二階さんの問題もあるように、でないと、ほんとうに自民党に変わるような政権が望めるはずもない。そして、民主党には、その声にこたえる義務があると思う。もし、その問いにこたえられないのなら、その政権も、結局長くは続くまい。
 こうした議論や問いかけを、しっかりとすすめたいと思うがどうだろうか。

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桑田のOh!クラウディア

 今日、何となく、子安さんのブログをのぞいたら、桑田佳祐がOh!クラウディアの歌詞を変えて歌った話が出ていた。
http://www.youtube.com/watch?v=0Bm4l-a7nq4

「先の見えぬ海を「日本」という船が行く

ときめくようなガイドラインもないじゃない

舵とる人が…いない

茶番や…ために捨てないで明日を」

たしかに、いまの政治状況とだぶらせて考えさせられる。
不安に包まれた、いまの日本社会であるが
「貫いて夢を!」の呼びかけは
大切にしたいものである。

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2009/07/21

衆議院が解散 いよいよ総選挙へ

 今日、衆議院が解散され、いよいよ総選挙だ。もう1年まえから、言い続けてきた総選挙。ボクのような仕事は、この夏は、休みがなしかな。法事とやむおえない用事があるのだけれどね。

 とにかく、自公政権退場の歴史的選挙になりそうだ。しっかりした、議論をしたいものだ。
 40日もある長い選挙戦でもある。たんなる雰囲気だけでこのまますすんでいくとも思えない。議論をとおして、いろいろな流れも出てくるのではないかとも思う。
 あまり経験したことのない選挙戦になるとも思う。たのしみな選挙にしたいものでもある。

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子どもたちに伝えたい 人権と歴史 人権と歴史認識を考える7・21集会

 連休は、地域で仕事をかかえていたので、めいっぱいその仕事だった。とくに日曜日はかなり暑かったので、疲れがなかなかたまっている。昨日、早く寝ようと思っていたのだけれど、深夜にBSでマイケル・ジャクソンの特集番組「 “KING OF POP”の軌跡」をやっていたので、何となく見てしまった。やっぱり、なかなかの才能である。「スリラー」や「バッド」のビデオのフルバージョンをはじめて見たけれど、なかなかおもしろかった。やはり、マイケル・ジャクソンの背後には、つねに、黒と白のアメリカ事態の葛藤というものが透けて見える。そんな悲しさというものもある。

 さて、今日は、よるは表題の集会に、ある人に会いに行って来た。
Img00043200907211909 前半は、蓮池透さん(北朝鮮による拉致被害者家族会前事務局長)と池田香代子さん(翻訳家)の対談。あらためて蓮池薫さんをはじめ拉致被害者の心情に思いをはせる。暴力による抑圧、不安や恐怖、あきらめや絶望、生きるための服従、そして、大きな転換。そのことを通しての心の負担はどのようなものだったのだろうか。その傷と、圧迫、そして回復についていろいろ考えさせる。では、家族の心情がどうだったのか。日本社会は、こうした被害者、その家族の人権と人としての苦しみに、どのようによりそい、向き合うことに、鈍感だったのかということも考えさせられた。

03119521 蓮池さんの新著も読み応えはある。複眼的な視点から、この問題を捉え直そうとした、バランスのとれた本である。日本の外交に戦略がない。タフな交渉こそ必要だ、などの主張は、正論である。
 ボクは、彼の思いが多くの人に伝わればいいなあと思う。へんにレッテル張りをされたり、おもしろおかしく取り上げることの好きなメディアに振り回されることがないように、願う。被害者のことをまず考えるのではなく、利用したりしようという人が多すぎる。善意だけど、感情的になってしまうことも多い問題である。そして、無関心にならないためには、このことが問いかけている問題について、より本質から理解することも必要なのだろうと考えさせられる。

Img00044200907212015
 後半は、中村政則さん(一橋大学名誉教授)の講演。戦前の日本は、どこで間違えたのかということを、少しはしょりながら話された。印象にのこったのは、戦後の日本の転機が、サンフランシスコ条約・安保条約の締結の時期と、2番目がいまだという話。漠然とだけれど、この提起は、大事な気がした。そのことも深めたいと思った。

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2009/07/20

生活保護ビジネス   福祉施設の“闇”に迫る

 深夜、NNNドキュメントのこの番組をみた。

Next_image 家電を修理する仕事で食いつなぎ、サウナや公園で寝泊まりしていたAさん。ある日、男から「寝ているだけで食事と寝床が保障される所がある。小遣いももらえる」と声をかけられてついていった。それはNPO法人が運営する第2種社会福祉事業で、ホームレスなどに無料や低額で居室を提供する「無料低額宿泊所」だった。存在そのものは合法だが、宿泊所を住所として生活保護を受給。しかし部屋代や食費などの名目で経費を引かれ、本人の手元には2,3万円しか残らないという場合が多い。Aさんも一度も全額もらったことがないという。ホームレス支援をする市民団体や弁護士らは「生活保護ビジネス」として批判している。

 話には聞く、貧困ビジネス。それがどのようにはびこっているのかが、リアルに浮き彫りにされる。
 なぜ、どのような背景をもって、このビジネスが広がるのか。しかし、同時に、いまの社会のありようが、こういったビジネスを容認し、促進していると言えるのだろうか。
 強い、怒りを感じる。

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2009/07/19

ベルギー:「非核三原則」法制化へ 米の配備困難に

 もう一つ、安全保障関連のニュースから

ベルギー:「非核三原則」法制化へ 米の配備困難に(毎日新聞)

 市民に甚大な被害を及ぼすクラスター爆弾と劣化ウラン弾の禁止法を世界で初めて制定したベルギーで、核爆弾の使用、製造などを禁止する議員立法の準備が進められていることが分かった。一連の禁止法制定を推進してきたフィリップ・マウー上院議員(65)が核兵器禁止法案を9月初旬に議会に提出すると毎日新聞に明らかにした。オバマ米大統領が「核兵器なき世界」の目標を掲げて核軍縮に取り組む中、核廃絶の法整備を目指す国際的な動きが広がる可能性がある。
 禁止法案は核爆弾など軍事目的での核物質の国内での使用、製造、貯蔵を禁止する内容になる見通しで、ベルギー版の「非核三原則」法制化に相当する。ベルギーは非核保有国だが、北大西洋条約機構(NATO)加盟国として米軍の戦術核兵器が配備されており、禁止法ができれば、ベルギー管轄下の基地での核兵器貯蔵は原則、禁止される。
 米科学者連盟(FAS)によると、ベルギー北部の同国空軍クライネ・ブローゲル基地には推定10~20発の米軍のB61核爆弾がある。仏軍事シンクタンク「戦略研究財団」によると、2国間協定で核爆弾の安全管理や使用に際しての手続きなどが定められており、禁止法が成立すれば、協定の見直しが必要となるとみられる。…

 もちろん、現在のアメリカの戦略においては、戦術核の前線配備は必ずしも重要な位置にあるのではないのだろう。そういう意味ではたぶん厳密に言えば、日本のように「非核三原則」として問われるのは、むしろ、緊急時の持ち込みにたいして、どういう態度をとるのかという問題なのだと思うのだけれど、報道の範囲では、そのことについてはわからないの。
 ただ、こうした法制化の背景には、明らかに「核のない世界」をめざす動きがある。記事は、「欧州ではベルギーのほか、ドイツ、オランダ、イタリアに米軍戦術核が配備されており、ベルギーで禁止法が成立すれば、撤去を求める動きが他国に波及する可能性がある」とも指摘している。
 いま、この点でも大きな世界の転換期にあることは、間違いないようである。

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日米安保のゆくえ

 昨日のニュースに、次のようなものがあった。

日米安保50年で共同文書も 同盟再確認をと米高官(共同通信)

 来日中のキャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は17日、1960年に改定された日米安全保障条約が来年1月に締結から50周年を迎えることを受け、日米同盟の意義を再確認する必要性を指摘、宣言や声明など共同文書の発表を視野に入れていることを明らかにした。都内で一部メディアに語った。
 日米両国は、冷戦が終結し、同盟の意義が問われた1996年に「日米安保共同宣言」を作成し、同盟の再定義を試みた経緯がある。当時、国防総省高官だったキャンベル氏も関与した。
 共同文書作成の可能性についてキャンベル氏は「選挙を待たなければならない」と述べ、8月の総選挙後に登場する見通しの日本の新政権の意向を尊重したいとの考えを強調した。…

 アメリカは民主党新政権?に、すでにメッセージ(圧力)をかけている。

 一方、当の民主党は

普天間移設は「最低でも県外へ」 鳩山代表訴え(共同通信)

 民主党の鳩山由紀夫代表は19日、沖縄県沖縄市の集会で、衆院選で政権を獲得した場合の米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)移設に関し「『最低でも県外』の方向で積極的に行動したい」と述べた。移設候補地であるキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)の新基地建設については「沖縄の過剰な基地負担をこのまま維持するのは、納得がいかない」と指摘した。
 鳩山氏は「日米政府の合意を『何も変えてはいけない』と地元に押しつけるのは、違うと思う」とも述べ、地元の反発が強い在日米軍再編のロードマップ(行程表)見直しにも言及した。…

 以前にも一度「沖縄ビジョン2008」で言っていたことでもあるが、代表の発言だけに重みもある。

 では、鳩山さんは、キャンベル氏のよびかけにどうこたえるのか。これまで日米同盟絶対という印象のある民主党の安保・外交政策であるが、アメリカの海外展開にどうつきあいのだろうか。
 実は、オバマになっても、日本の米軍基地の位置づけは大きく変わったわけではなく、前方展開の重要な基地としての役割をはたしている。空母打撃群などのローテーションも頻繁である。そこを自衛隊が補完しているのもかわりはない。鳩山さんは、国際貢献には積極的な言説をくり返してきたが、この現状については、どういう政策を、今度の選挙で掲げるのだろうか?

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2009/07/18

どうする? 日本の若者支援

 今日は、午前中は会議。お昼に原稿の処理をいくつか。相談もしながらメールも送る。

 昼から、表題のシンポジウムに。系統的に、追っかけなければいけない大事な問題。いつものように、ある編集者プロデュースのとりくみである。見事な仕掛けである。さすがだなあ。いくなり、知り合いの高校の先生だとか、何人もと遭遇。おしゃべりも貴重な場である。

Homeuserpicturesimg0004020090718155 集会は、前半は、自立援助ホーム、生活支援、就労支援、「ニート」・ひきこもり支援、定時制高校という現場からの報告である。後半は、佐藤洋作、大塚幸寛(内閣府)、本田由紀、宮本みち子という研究者、政策に直接かかわる人からの発言である。

 若者の困難や貧困と言っても、その問題はとても広い問題である。だからこそ、包括的な支援が必要なのだけれど。会場いっぱいの参加者で、その関心の広がりには励まされる。同時に、社会的な合意にはまだまだ遠い。
 呼びかけ人の湯浅さんは、排除(棄民)と転換といまの問題を特徴をのべた。佐藤洋作さんは、労働と教育と福祉の共同をよびかける。
 とにかく、てんこ盛りである。が、てんこ盛りには、それなりに理由がある。その理由に、科学や議論のほうが正直、ついていっていない。こんど、その編集者のてによって、若者と貧困の問題の本が出たけれど、こうした角度の本すら、いままで、正面からとりあげたものはなかったんだから。

 社会政策的な接近のいっそうの深まりの必要を感じる。と同時にそれは、社会科学としての、方法や理論の遅れというものを痛感する。ここは、ちょっと、宿題である。かなり大きな宿題の答えをそろそろね。

 政治の動きといい、社会論的な問題とともに、理論問題を感じる日々。すぐに手をつけるべき課題、しっかり考える課題。たくさんあるのだけれどね。

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2009/07/17

西松元社長に有罪、東京地裁判決 小沢氏側・二階派に違法資金

 政治家は、選挙を前に、「政治とカネ」の問題についてはっきりと語るべきである。西松違法献金事件の判決は、そのことを今求めている。

西松元社長に有罪、東京地裁判決 小沢氏側・二階派に違法資金(日経新聞)

 西松建設の巨額献金事件で、政治資金規正法違反などの罪に問われた同社元社長、国沢幹雄被告(70)の判決公判が17日、東京地裁で開かれた。山口雅高裁判長は「政治活動の公明と公正を確保しようとした法規制をことさら免れるなど、刑事責任は到底看過できない」などと述べ、国沢被告に禁固1年4月、執行猶予3年(求刑禁固1年6月)を言い渡した。国沢元社長側は控訴しない方針。…

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貧しくなる57%・自由減る40%、不満は「選挙で」 国民性調査

 もう1つニュースをクリップ。

貧しくなる57%・自由減る40%、不満は「選挙で」 国民性調査(日経新聞)

 経済状況や社会への不安が大きく、将来の生活にも自信が持てない――。文部科学省所管の統計数理研究所が16日公表した「日本人の国民性調査」から、こんな現代の日本人像が浮き彫りになった。生活が「貧しくなる」と答えた人は57%、社会への不満を「選挙の投票で考慮する」と答えた人の割合も55%とそれぞれ過去最高になったことが明らかになった。
 調査は1953年以降、5年ごとに実施しており12回目。今回は昨年10~11月、国内の20~79歳の男女6400人を抽出し52%が回答した。…

 実物は、これ。

 メディアは、「若年層のいらいら、過去最高」とも報道している。いずれにしろ、今度の選挙は、国民の強い政治への不満を、自・公への審判という形で、実現するという選挙であることはまちがいないようだ。

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自衛官らの自殺83人=昨年度、精神疾患が最多原因-防衛省

 気になるニュースのクリップ。

自衛官らの自殺83人=昨年度、精神疾患が最多原因-防衛省(時事通信)

 防衛省は17日、2008年度の自衛官と事務官の自殺者が前年度比6人減の83人だったと発表した。原因のうち「その他・不明」の内訳を初めて公表。その結果、「精神疾患」が全体の3割(25人)で最多だった。過去5年間でも精神疾患が最も多かった。
 83人のうち自衛官が76人。原因は職務が22人で2番目に多く、借財が15人、家庭6人、病苦2人の順。

 自衛隊のいまをよくみつめる必要がある。

自殺者1万4236人=5月末、前年比5%増-警察庁(時事通信)

 5月の自殺者数は前年同月比172人(6.2%)増の2968人だったことが26日、警察庁のまとめ(暫定値)で分かった。11年連続で3万人を超えた前年を5カ月連続で上回った。1~5月の累計も1万4236人となり、前年同期より697人(5.1%)増えた。

 この背景も、考えたいものだ。

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民主政権支持の意見も 同友会セミナーが閉幕

 暑くってバテバテですね。湿気があるのが身体に結構きついです。
 今日は、朝から、原稿の処理が山盛りでした。それでも、なかなか、仕事がすべて解決にはいたりませんね(笑い)。

 自民党内の政争はみにくいほどの展開になっている。そして、総選挙への時計は確実にすすんでいる。

 さて、こんなニュースが。

民主政権支持の意見も 同友会セミナーが閉幕(共同通信)

 経済同友会は17日、長野県軽井沢町での夏季セミナーで、次期衆院選に向けた経済界の対応を議論、閉幕した。民主党中心の政権が発足した場合に「自民党ができなかった改革を実行すれば、長い目で見守る必要がある」(長谷川閑史武田薬品工業社長)と、経済界として支持する可能性があるとする意見も出た。
 ただ、民主党が検討しているマニフェスト(政権公約)については「ばらまき的な政策が並んでいる」(小島邦夫経済同友会専務理事)と財源の裏付けや政策効果を疑問視する声が相次いだ。政権交代後の体制整備に手間取り、政治空白が長期化するとの懸念も多かった。…

 さて、この経済同友会のセミナーは、「新しい国づくりに向けた覚悟と行動を求める」という軽井沢アピールを採択した。
 一言でいって、引き続く「構造改革」を、民主党に迫ったものといえるような内容だろう。

 かつて、新・民主党がつくられたとき、民主党のマニフェストの内容は、財界の影響下にあった。
 いまは、どうだろうか。

 いずれにしても、ボクらの願いをどう実現するのか、選挙にむけた豊かな議論が求められる。

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2009/07/16

西日本新聞編集者の違和感

 NHKの「JAPANデビュー」という番組で、日本の台湾支配を描いた番組について、タカ派研究者らが提訴しているわけだけれど、そのことについて、強い違和感を覚え、新聞づくりをおこなったことを、西日本新聞の編集者が今日のコラムに書いていたそうだ。

「NHKの番組が偏向している」として8000人が提訴した(西日本新聞)

 「NHKの番組が偏向している」として8000人が提訴したという記事を、紙面で目立つ扱いにした。どう受け止めるかはもちろん読者次第だが、私としては違和感を伝えたかった。
 日本による台湾の植民地統治を検証した番組「JAPANデビュー」に反発する人たちが、ネットやCS放送、デモなどで抗議を続けている。それ自体は「言論の自由」だ。嫌な感じなのは元首相を含む国会議員が絡んでいること。以前、NHKの従軍慰安婦問題を特集した番組や映画「靖国」でも指摘されたことだが、政治家の発言は圧力になりかねない場合がある。特に慎重であってほしいと思う。…

 このコラムを書いた人は、「番組内容は『台湾は親日的』との固定観念が問い直され、当時の『同化政策』がチベットやウイグルへの施策と通じる面もあるように感じられ、興味深かった」とも書いている。現在の、中国における同化政策は、経済格差の是正など、経済政策という面もあって、とても複雑で、難しい問題なので、どこまで、日本の戦前のアジア支配の問題と同列に扱えるのかは、わからないけれども、違和感そのものは、ボクと共有はしているようだ。
 コラム子は言う。「万人が納得するキャンペーンはない。『筆を曲げない』気概だけは譲らないでほしい」と。政治家による不当な攻撃を許さないような、国民的な支援も必要であろう。同時に、NHKはふんばりどころであろう。

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非核三原則、見直し不要=将来の扱いは米と議論-鳩山代表

 核密約をめぐっての民主党・鳩山代表の発言がいろいろ波紋を呼んでいる。

非核三原則、見直し不要=将来の扱いは米と議論-鳩山代表(時事通信)

 民主党の鳩山由紀夫代表は15日、政府の非核三原則について「核を搭載した米国の船が日本に寄港する必要はなくなっている。非核三原則が現実問題として堅持できる状況であり、何も不自由はない」と述べ、見直す必要はないとの考えを示した。都内で記者団に語った。
 鳩山氏は「少なくとも近未来においては三原則は十分に守られ得ると思っている」と強調。一方で「遠い将来の議論をどこまでやるか、米国の考え方も徹底的にうかがいながら議論していく必要がある」と語り、将来的な扱いについて日米で議論すべきだとの見解も示した。 …

 この発言には、誰もが疑問をもつ。たしかに、前線での核兵器の配備を現在のアメリカは核管理上、抑制していると言われている。しかし、緊急時にアメリカは核の展開を否定はしていない。日本の核が持ち込まれることはないのか。
 密約は現在でも生きている。だからこそ、政府は密約はないと発言する。緊急時の核持ち込みを担保するための方便だからだ。この政府の発言と、密約があっても、現在では三原則は守られていて、今後も問題はないという鳩山氏の発言は、本質的にどこが違うのかボクにはどうにもわからない。
 政権をとると、密約はオープンにするという。では、この三原則との矛盾はどう解決するのか。その心配があるから、長期的には、アメリカと三原則について協議をするというのだろうか。それは「見直し」という意味としか受け取れない。
 だから選挙をともにたたかう社民党はすぐに不快感を示し、発言に注意するよう注文を付けたそうだ。

 自民党政治を終わらせたいという、国民の願いは、いよいよ政権交代を実現させそうである。しかし、民主党は、とくに安全保障・外交政策では、かならずしも多くを語っているわけではない。
 9条を守るとか、平和外交を求める国民の願いも強い。選挙結果をよりよきものにするうえでも、憲法や安全保障の問題ではっきりした態度をとる政党が、選挙で前進することも必要であると思う。

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2009/07/15

日本における軍需産業の利権と思惑

 麻生おろしの動きはまたまた活性化している。予想通り、与謝野さんや石破さんは、動いている。
 さてさて、どんな政局劇が展開されるのか。ますます、この自民党劇場を千秋楽にしたいという国民の願いは強くなる。そのためには、何がいま必要なのだろうか?

 日本にける軍需産業の思惑というのは、おもしろいものがある。
 経団連は、先日、「わが国の防衛産業政策の確立に向けた提言」を発表している。
 軍需産業は、もっとも寡占的産業である。価格も独占価格である。防衛機密と技術の継続性・継承性の名の下で、この分野を重視することを訴えるのである。
 とくに宇宙関連は、ミサイル防衛ともあいまって、その要求は強い。経団連も今年初め、「戦略的宇宙基本計画の策定と実効ある推進体制の整備を求める」という提言を出している。

 同時に、アメリカとの関係では、ライセンス契約を重視をする。アメリカの技術をそのまま持つ込むことで、軍需産業の技術水準の発展や維持を訴える。
 おりしも、次期主力戦闘機についての駆け引きは山場である。F22については、アメリカ国内でも綱引きが行われている。アメリカでも、日本の軍事的な位置づけについては、微妙なやりとりがあるような気配である。それでも、軍事的な役割を求める動きはたぶんやみそうにない。

 防衛大綱の議論はこれから山場を迎える。来年50年を迎える新安保条約。日米同盟の今と、日本の軍産共同体の動向も注視をしておきたいテーマである。

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「被爆していた」三宅一生さん、オバマ大統領に広島訪問を呼びかけ

 暑いですね。
 今日から原稿の処理が山場に入ってきます。政治情勢が流動的ですから、なかなか難しい問題もたくさんあります。
 さて、こんなニュースがありました。

「被爆していた」三宅一生さん、オバマ大統領に広島訪問を呼びかけ(AFP)

 自らも被爆体験を持つ世界的デザイナーの三宅一生(Issey Miyake)さん(71)は、米ニューヨーク・タイムズ(New York Times)社の傘下にあるインターナショナル・ヘラルド・トリビューン(International Herald Tribune)紙に寄稿し、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領に広島を訪れるよう呼びかけた。
 14日付の同紙で、三宅さんは、自身がオバマ大統領が言う「閃光(せんこう=原爆)」を経験した生き残りの1人であると告白した上で、被爆体験を語ることに「かつてないほど個人的かつ倫理的責務を感じている」と述べた。
 また、8月6日の第64回広島平和記念式典にオバマ大統領が出席することを希望するとし、「オバマ氏が広島の平和橋を歩く時・・・核の脅威がない世界の構築に、実際的にも、象徴的にも、1歩近づくことになる」と大きな期待を示している。…

 全然知らなかった話である。三宅さんは、「7歳のときに広島で被爆した」という。被爆体験を公にしたのは今回が初めてだともいう。また「原爆を生き延びたデザイナー」というレッテルを貼られるのを嫌い、被爆体験を語ることは避けてきたともいう。三宅さんの戦後の人生なかで感じてきたいろいろな思いをいろいろ考えてみる。

 オバマの演説は、それだけ大きなインパクトをもつということだろう。ならば、この時期に、核兵器の廃絶に向かって、大きく一歩をふみだすことは、ボクらの世代がもつ人類史的な課題であり、責務である。
 ワクワクするようなぐらい、世界は動いているのである。

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2009/07/14

国策紙芝居で戦時知って

 来年のNHK大河ドラマの「龍馬伝」のおりょう役は真木よう子に決まったそうだ。はっきりいって楽しみである。
 SPで彼女を見たときは、ビリビリときたものね。

 インターネットで、こんな記事に出会う。ボクは、実はこれは知らなかった。

国策紙芝居で戦時知って 紙芝居師歴37年の鈴木さん(朝日新聞)

 戦意高揚のためにつくられ、戦後多くが廃棄された「国策紙芝居」を集め、現代の大学生らに演じたときの感想などを、愛知大非常勤講師で、紙芝居師歴37年の鈴木常勝(つねかつ)さん(61)=大阪市東住吉区=が本にまとめた。戦時中、「軍国美談」で国民の胸を高鳴らせた紙芝居を通じて、若い世代に戦争プロパガンダについて考えてもらう狙いだ。
 鈴木さんは02~08年、愛知大や立命館大の講義で国策紙芝居を実演し、学生や留学生に感想を求めた。
 1940年発行の紙芝居「フクチャントチョキン」は、漫画家の故・横山隆一さんが生んだ人気キャラクターのフクチャンが、軍事費を工面するための国債を買う話だ。フクチャンはおもちゃ屋の前を、目をふさいで通り過ぎ、懸命に貯金。おじいさんもこっそり貯金箱にお金を入れて協力する。
 ある学生は「戦争のためにがんばろうという気にさせる。大人が見ても貯金を始めそう」との感想を寄せた。
 39年発行の「チョコレートと兵隊」は家族愛を描いている。中国へ出征した父親は、慰問でもらったチョコの包み紙の点数を集め、内地の息子と娘に送る。点数がたまって兄妹がチョコを手に入れた日の夜、父の戦死の公報が届く。母は「お父さんに負けないような、立派な人になるんですよ」と兄妹を諭す。
 中国人留学生は「侵略行為を粉飾するものだと知っているにもかかわらず、美しい物語に感動してしまった自分に驚きました。当時の日本人がだまされたのも無理はない」と感想を書いた。
 国策紙芝居は、当時の政府などが作らせた。発行部数は多いもので1万部を超えたが、敗戦直後、戦犯になることを恐れた紙芝居編集者が多くを焼却した。鈴木さんはわずかに残った国策紙芝居を求めて全国の寺や公民館、図書館などを回って閲覧・収集、その数は約200作品に上った。本では6作品を紹介している。


 この国策紙芝居を紹介した『戦争の時代ですよ!』が中日・東京新聞の書評欄でも紹介されていた
 文化や教育が、戦争動員に使われていた時代であるのだから、こういうことがあったのは、たしかに当然であろうが。実演をしてみると、学生の気持ちをとらえてしまうというところに、やっぱり文化や教育というものの怖さというものもあるのだろうか。だからこそ、この時代から教訓を学びとることの必要性もあるのだろうと思う。

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児童虐待から見える支援の貧しさ

 梅雨が明けて、一気に暑くなりました。早々とバテバテです。太っていて、汗っかきで、最悪ですよね。
 昨日は、夜中に、二男が突然、自分の部屋の最近きたパソコン(巨大なワークステーション、これってプロ用。ちょっとずるいです)を、インターネットにつなげって言ってきて。しばらくはインターネットにつながないとか言っていたのに、課題をしあげるのに、クイックタイムが必要で、それが入っていないとか。かってあった、長いランケーブルを、はわせて。夜中の仕事としては、ちょっとつらいですよね。
 今日は、今日で、職場の机の脇に置いてある、古いパソコンで、宣伝物の処理などをしているのですが、版下の原案をつくったところで、まったく動かなくなった。たぶんもうダメかな。2時間ぐらい、格闘。眠気だけが残る、ちょっとトホホの一日であった。

 さて、今日のニュースから。

昨年度の児童虐待、過去最多4万件超す 0歳児が5割弱(朝日新聞)

 全国の児童相談所が08年度に対応した児童虐待は、過去最多の4万2662件(速報値)に上ると、厚生労働省が14日、発表した。前年度より2023件増えた。子どもの安全確認のため、児童相談所は08年度から強制的に立ち入り調査できるようになったが、相談職員にはためらいもあるとみられ、実施は2件にとどまった。
 児童虐待の件数は、統計をとり始めた90年度から連続して増え続け、10年前の約6倍に。厚労省虐待防止対策室は「虐待そのものが増加しているほか、虐待に対する認識が高まり、通報や相談が増えている」とみている。
 また、07年1月~08年3月に虐待によって死亡したのは、115件142人。心中・心中未遂を除く73件78人のうち、0歳児が5割弱を占めた。母親に相談相手がいなくて孤立していたり、精神的問題を抱えていたりするケースが目立った。
 昨年4月の改正児童虐待防止法施行により、虐待が疑われる親が知事からの2度の出頭要求に応じない場合は、相談所が裁判所から許可状を取れば、警察の援助を受けて強制的に立ち入り調査できるようになった。
 強制的な立ち入り調査を実施したのは2自治体2件で、子ども計4人を一時保護した。うち1件は子どもを学校に通わせず、自宅アパートからは異臭がしていた。出頭要求などにも応じないため、大家から借りた合鍵で解錠、さらに金属製のドアロックも切断し、子ども3人を一時保護した。 …

 虐待の話に直面すると、とても心が痛くなる。つらい状況が広がっている。とくに0~2歳児をもつ家庭の貧困と、その家庭への支援の貧しさが、そのままこの数に反映しているというのは想像に難くない。同時に、その解決への対策の貧しさも、とても気になる。臨検と言われる「強制立ち入り調査」には、慎重さも必要だし、そのためには、個々の家庭への支援をおこなういことができる、十分な体制が必要だろう。2件の実例は、幸い効果があったようだけれど、現場で働く児相の人たちの苦悩というものが聞こえてきそうな記事である。

 児童養護の現場からも悲鳴が聞こえてきそうだ。

施設入所児童ら、4万人超す=「虐待のため」3割超に-厚労省調査(時事通信)

 親から離れて児童養護施設に入所したり、里親の下で暮らしたりしている児童数が2008年2月時点で4万1602人となり、03年から8.6%増加したことが13日、厚生労働省の調査で分かった。4万人を超えたのは、戦後の孤児や貧困児童らも保護されていた時代の1961年の調査以来47年ぶり。また、入所などの理由では虐待が全体の33.9%(前回28.4%)を占め、初めて3割を超えた。
 調査は5年ごとに実施している。対象は児童養護施設や乳児院、母子生活支援施設などに入所したり、里親に委託されたりしている原則18歳未満の児童。入所・委託先は、里親が前回比47.1%増の3611人と大きく増えた。…

 児童養護施設は、どこもかしこも、満杯で、そこで働く人たちの困難も増大している。できるだけ、子どもの安心などを保障していけるよう、小規模化や小舎制が追求されているのだろうと思うけれども、財政的な問題はどこでもたいへんで、そこで働く人たちの低賃金で長時間労働、たくさんの子どもに対応しなければならない問題など、問題は山積みなのだという。そもそも数が足りない。そのために、児相に長期に留め置かれている子どもも多いという。
 現場の声、子どもたちの声をていねいに聞き取りながら、こうした問題にも向き合う必要があることを考えさせられるニュースでもある。

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2009/07/13

子どもたちは忙しく そして 疲れている…

小中高生、忙しい・疲れやすい ベネッセの生活実態調査(共同通信)

 忙しくて疲れやすく、もっと眠りたい―。ベネッセ教育研究開発センター(東京)が、全国の小学5年生から高校2年生までを対象にした「生活時間の実態と意識調査」で、回答者全体の57%が日々の生活を忙しいと感じ、54%が睡眠時間を増やしたいと考えていたことが12日、分かった。
 調査は昨年11月実施。質問書を2万5716人に郵送し、8017人から回答を得た。
 調査結果によると、「忙しい」と感じているのは小学生の49%、中学生59%、高校生64%。「疲れやすい」と答えたのは小学生52%、中学生68%、高校生71%で、中学生になって多忙感や疲労が急増した。
 小5で8時間36分あった平均睡眠時間は、学年が進むにつれ徐々に減り、高2では6時間32分。一方で、学校の宿題以外の勉強をする時間は小5で32分、高2で36分に対し、中3は92分。…

 調査の実物は、ここにある。

 どうやら、活動の種類がふえて忙しいということのようだ。そして、友だちの関係でも時間を使う。なかなか時間の配分がうまくできないことが、自己を否定的にとらえるおとにつながり、いっそう疲れを感じるということもあるようだ。
 同時に、調査をよく読んでみると、将来への展望のなさ、目標の持ちづらさも、何らかの関係がありそうでもある。将来幸せになれそうにもない…と。

 いろいろ考えさせてくれる調査である。

 さて、総選挙は8月30日ということを麻生さんは表明した。まだまだ余震がありそうだけれど。いずれにしろ、いよいよ総選挙である。またまた、仕事は忙しくなるのだろうね。

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虜囚の記憶

 10数年前、『戦争と罪責』で、加害兵士の、罪とその人間性の回復について追跡した、野田正彰氏が、侵略の被害者の心の傷を、精神医学の立場から追いかけたのが本書である。

07468 「過ぎ去ろうとしない記憶は、老いてさらに鮮明になっていく。今生きている日本人に、そして中国人に、中日戦争で何が起こったか、民衆はいかに苦しんだか、知ってもらうために記憶は生き続けている」(「第1章」より)
 日中戦争時(1937~45年)、日本に強制連行された中国人男性、日本軍に性的暴力を受けた女性たち――虜囚にされた人びとは、その後の人生を抑圧と障害を背負い続けて生きて来ている。著者は中国・台湾を訪ね、老いた被害者から体験を丹念に聞き取り、記録としてまとめた。歴史の証人の言葉を伝え、戦争の罪責を訴えかける貴重なドキュメント。
 「90年代末から2000年代初めにかけて、中国人強制連行と従軍慰安婦の裁判判決が続き、遠い過去の出来事とか、サンフランシスコ講和条約で解決済みとか、1972年の日中共同声明で戦争被害の請求権はなくなっているとかの理由によって、被害者原告の訴えを斥けていくのを見て、何かしなければならないと焦るようになった。戦争被害者は過去の犯罪について訴えている以上に、今なお苦しんでいるのである」(「あとがき」より)
 本書は、元日本兵の体験の聞き取りと分析を行った『戦争と罪責』(岩波書店1998)と対をなす。今回は被害者である中国民衆の体験を語り伝える。

 読んでいて、とてもつらい、かなり心のなかにまで痛みをともなう本である。本当に、ボクらは、侵略の加害についてどこまで、わかっていたのかを問いかけてくる。たしかに、実は、ボクらは何もわかっていなかったのかもしれない。強制連行で、どこかもわからない場所で、ひたすら奴隷的生活を強いられる苦しみ。性奴隷として、暴力のもので、恐怖と絶望の日々を長期にわたっておくるということがどういうこyとなのか? そして、そこでの体験が、その人たちの戦後にどのような精神的な苦悩や、実際の「傷」をつくりだしたのか。それに対して、いったい日本は何をしてきたのか?

 著書のなかには、戦後の補償裁判もとりくみに対する批判もある。ボクは、対象となった花岡事件の裁判の詳しい経過を知らないので、簡単に判断を下すことはできないけれども、少なくとも、われわれのとりくみが、被害者の苦しみによりそって、どこまでとりくむことができていたのかという著者の問題提起は大事な視点であることは、まちがいはない。

 かなりボロボロになるほど、苦しい本であるけれど、和解と、われわれの社会の「回復」のためにも、向きあわなければいけない問題の1つがたしかにここにあるのだろうと思う。

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2009/07/12

政治の転換への大いなる模索は続いている…

 仕事がら、政治の話をいろいろな人とすることが多い。今日も、30人以上の人と政治の話をした。
 あるシングルのお母さんは、子どもとの生活を支えるために、必死になってがんばっている。16年間ほんとうにがんばりつづけたという。でも、がんばれなくなるときもある。
 ある老人は、これまでずっと政権保守政党を支持し続けていたという。でも、少ない年金でのぎりぎりの生活をしていて、保守政党は信じ切れなくなったという。最大の野党も政権党と同じではないかといいっていた。
 みなさん、いまの政治を変えてほしいと思っているし、変えてもらわないと困るぐらい、ぎりぎりのところでくらしている。でも、話をしていて、やっぱり、さめていたり、あきらめかけていたりしている人が多い。政権党も最大野党もかわらないのではないかと感じている人が多いというのは、朝日や毎日の世論調査のとおりであると思う。だから、自分の願いの託し先をとっても悩んでいる。ほんとうに悩んでいる。

 東京の選挙は、民主党の大勝であるそうだ。でも、政治は変わってほしいとねがっている。だから、みんな模索するのだと思う。話し合ったり、情報を伝えあったり、その根本にある問題は何かを考えあったりするということがより大事になるのだと思う。
 総選挙は、もうすぐである。

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2009/07/11

こつこつと、たんたんと

 早朝から、一仕事。それから職場の留守番みたな仕事。ひとりで、こつこつと仕事をこなします。結構、忙しい。お昼に、職場の人と議論。新自由主義とその対抗理論の破綻の問題(笑い)。

 夜は、外食。そのあと、また、家で地域の仕事である。

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2009/07/10

無駄遣いを批判するのなら この問題に答えるべきだ

 いよいよ首都の政治決戦は、日曜に審判の日を迎える。
 どうしても気になる問題がいくつかある。たとえば、この選挙の”政権交代”を掲げる、ある政党は、しきりに「無駄遣いをなくす」ということを主張する。
 しかしたとえば、少し前に産経新聞に、次のような記事があった。

【09首都決戦 都議の正体】(中)多額の海外旅費 一度は行きたい視察(産経新聞)

 昨年9~10月にかけて、都議会民主や自民などが作成した海外調査報告書で、相次いで専門家らの論文の丸写しが発覚。“盗用”された一人の京都府立大学公共政策学部の青山公三教授はあきれ返った。
 自民、公明両都議は平成18年2月に米国・ニューヨークを視察。この時に自民都議が執筆した報告書全52ページのうち、青山教授の執筆分を含む日本都市計画学会の学術論文計8ページがほぼ丸写しとなっていた。
 疑惑発覚後、自民幹部は「専門家と議論してまとめたので問題ない」と開き直り、事務手続きのミスを主張。青山教授への謝罪はないという。盗用疑惑は共産党都議団が指摘した。「都議が執筆したリポートにしては専門的すぎるので、内容を検索にかけたら専門家の論文だった」と振り返る。
 同様の疑惑は民主でもあり、18年10月に視察団がブラジルを視察した際、全27ページの報告書のうちエネルギー政策に関する4ページ分が日本貿易振興機構(JETRO)職員の論文を丸写ししていた。同党幹部は「参考資料として載せるつもりだったが、『盗作』といわれても仕方ない」と謝罪。その後、報告書の内容を修正した。…

 しかし、民主党は自公両党と同様、豪華海外視察旅行を繰り返してきた。前回都議選(05年)以降3年間での都議1人あたりの最高額は、北欧都市を“視察”した民主党都議の約270万円。このことに、どう答えるのだろうか?

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核密約文書、外務省幹部が破棄指示 元政府高官ら証言/「共犯」の同盟史―― 日米密約と自民党政権 ――

 核密約をめぐる問題は、引き続き、ニュースをにぎわしている。戦後の「日米同盟」なるものの根幹にかかわる問題である。あいまいにされては困る問題だ。メディアの奮闘を願いたいものだけれど、テレビは、ほとんど反応はないのはどうしてか? 

核密約文書、外務省幹部が破棄指示 元政府高官ら証言(朝日新聞)

 日米両国が、60年の日米安保条約改定時に、核兵器を搭載した米艦船の日本への寄港や領海通過を日本が容認することを秘密裏に合意した「核密約」をめぐり、01年ごろ、当時の外務省幹部が外務省内に保存されていた関連文書をすべて破棄するよう指示していたことが分かった。複数の元政府高官や元外務省幹部が匿名を条件に証言した。
 01年4月に情報公開法が施行されるのを前に省内の文書保管のあり方を見直した際、「存在しないはずの文書」が将来発覚する事態を恐れたと見られる。
 核密約については、すでに米側で公開された公文書などで存在が確認されている。日本政府は一貫して否定してきたが、80年代後半に外務事務次官を務めた村田良平氏が先月、朝日新聞に対して「前任者から事務用紙1枚による引き継ぎを受け、当時の外相に説明した」と話した。
 今回証言した元政府高官は密約の存在を認めた上で、破棄の対象とされた文書には、次官向けの引き継ぎ用の資料も含まれていたと語った。外相への説明の慣行は、01年に田中真紀子衆院議員が外相に就任したのを機に行われなくなったと見られるという。
 元政府高官は、文書が破棄された判断について「遠い昔の文書であり、表向きないと言ってきたものを後生大事に持っている意味がどこにあるのか」と説明した。別の元政府関係者は「関連文書が保管されていたのは北米局と条約局(現国際法局)と見られるが、情報公開法の施行直前にすべて処分されたと聞いている」と述べた。ライシャワー元駐日大使が81年に密約の存在を証言した際の日本政府の対応要領など、日本側にしかない歴史的文書も破棄された可能性が高いという。ただ、両氏とも焼却や裁断などの現場は確認しておらず、元政府関係者は「極秘に保管されている可能性は残っていると思う」とも指摘する。…

0225710 さて、今日、やっと「共犯」の同盟史を読み終えた。なかなか、骨太く、戦後の日米同盟の根底を形成した密約を浮き彫りにする。沖縄返還をめぐる財政負担のところが少し、わかりにくい(苦笑)。

 日米が守り続けた秘密の価値とは何だったか.在日米軍基地の自由使用という根本利益を死守する米国と,主体性を追求すればするほど対米依存が深まる日本.吉田政権から現政権まで,日米間に交わされた数々の密約を文書と関係者証言から洗い出し,国益の名の下に国民の眼から隠されてきた真の独立の挫折の軌跡を検証する.

 自立を取り付くために、形式的にこだわる日本政府と、基地の特権にこだわるアメリカとの合作が「密約」であるという。徹底した、アメリカの戦略への追随は、やがて、日本政府において、アメリカの軍事力に依存することこそが、日本の外交であり、安全保障であるという”神話”を形成することになる。ここに、軍事一辺倒の日本の外交と、日米同盟を絶対化する日本の安全保障の今が見える。それは、あまりにも脆いものだ。

 日米密約をめぐる、両政府の経緯の理解にはもってこいの一冊か。

プロローグ 長すぎた戦後

第一章 かすむ「独立」の座標
  祖父の幻/ 満洲に描いた絵/ 交錯する「反米」と「反共」/ 古い指導者は退場/ 最も鋭敏な政治家/ 重光惨敗/ 蘇る不死鳥/ 安保改定を仕掛けた男/ 最大の貢献は「基地」/ いびつな相互性/ 「反岸」の野火/ 絡み付く現実/ 秘密の討論記録/ 「これが,提案できる限界」/ 吉田と岸

第二章 「黄金時代」の陰で
  黙契/ 「低姿勢」の時代へ/ 失言居士/ 「教師と生徒」の関係/ 宣教師ライシャワー/ 池田降ろし/ 主要敵/ 秘密の核貯蔵計画/ 基地こそ紐帯/ イントロダクション/ 吉田学校の二人/ パーフェクト・ストーム

第三章 増殖する秘密
  親米保守の系譜/ 終らない戦後/ 返還の「見返り」/ 唯一,避けられない選択/ 核信仰/ 依存の代償/ 「基地の価値」を徹底教育/ 密使/ 前哨戦/ 無視できない誤解/ 「小笠原より強力に」/ ニクソンと岸/ 兄の遺産/ 交渉開始/ 相互信頼の問題/ 二通の秘密合意文書/ 狂いだすシナリオ/ 「後世史家の批評にまつのみ」/ 紙切れの効力

第四章 最も“利益”を上げた取引
  もう一つの密約/ ゲームの終焉/ ニクソンの復讐/ ジャパン・カード/ 「返還というより獲得」/ 「一括払い」で攻防/ 「最後の変更だね」/ 負担拡大の呼び水/ 角福戦争/ 「ジャップは最低」

第五章 膨らむ「応分」の負担
  フィクサーたちの系図/ 話の分かる男/ 「望んだのは日本」/ 克服困難な障害/ 周恩来の「ゴーサイン」/ 波紋を呼ぶ資源外交/ 「道を踏み外さなければ……」/ 密かな試み/ アンチテーゼの宰相/ 「毒消し」のチャンス / 米軍ありきの日本防衛/ 雪解けが終わる/ 密約は「担保」/ 繕い師たち/ バックグラウンド・ミュージック/ 「大平さんも悔やんでいる」/ 解雇減らしを演出/ 沖縄の亡霊/ 同盟の対価

第六章 共通の敵
  密約,頭から離れず……/ 静かなる転換/ 秘密ファイルのなかで/ 魔術の効果/ 「シーレーン」で大混乱/ “不沈空母”は確信犯/ 風見鶏か,ナショナリストか/ 消える自主防衛/ 「持ち込みの権利を確保すべきだ」/ ウィリアムズバーグの駆け引き/ 黙認のからくり/ 祭りのあと

エピローグ 「主体性」という幻影
  秘密の価値/ 「非自民」という幕間劇/ 安保を「再定義」する/ 風化する事前協議/ 二人の異端者/ 抜け出せない「古い関係」/ 戦後処理/ はがれ落ちるスローガン/ 支持なき同盟/ 幻影を追って

  ある学者の死,そして風景の断絶――あとがきに代えて
密約を中心とした日米戦後史年表(1945―2009年)

 こうした動きを、日本の戦後史の全体のなかで、また日本の軍事史のなかで位置づけて考える作業もしてみたいものだ。

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2009/07/09

橋下知事たちの「地方分権」への疑問

 今日は、原稿の仕上げの作業と、インタビューの準備が中心。だるい日が続く。あまり、人と話したくない日(苦笑)。
 最近、東国原知事、そして橋下知事と、メディアをジャックした様相になっている。選挙にむけた動きも、なぜか、彼らが一つの軸になっている。
 地方分権というのが彼らの旗印である。聞こえはいいことばである。けれど、違和感をもつ。

分権実現へ「橋下私案」 国との協議機関設置など盛り込む(産経新聞)

 大阪府の橋下徹知事は9日の定例会見で、地方分権の推進に向けてまとめた改革構想を明らかにした。国と地方自治体の協議機関「自治院(仮称)」設置をはじめ、地方自治法を改正し知事と参院議員の兼職を可能にすることや、首相直属の分権推進チーム創設などを盛り込んだ。
 構想はこの日午前、自民党の古賀誠選対委員長と党本部で会談した際に提案したほか、8日には民主党と公明党にも示した。
 構想によると、自治院は各省庁から独立して内閣に設置。「国の政策立案過程に地方が関与する」(橋下知事)ことが狙いで、自治体側が同意や拒否の決定権を持つ。
 また、首長と国会議員の兼職を禁じた地方自治法を改正、参院議員を「地方の代表」と位置づけ、知事との兼務を可能にする。橋下知事は「知事になった時点で自動的に参院議員にすることは難しい」との認識を示し、「参院選に知事の『特別枠』を設けるなどの仕組みが考えられる」としている。
 さらに分権担当大臣を総務大臣から独立させ、総務省とは別の直属スタッフを配置、調整業務にとどまらない権限を与える。…

 もともと、憲法の言葉でいっても、国民が政治の主人公であるという観点から言っても、基本にあるのは地方自治という問題である。実は、地方分権というのは、国と地方の関係だけを問題にして、そこからは国民・住民が排除されるような奇妙な議論になっている印象はぬぐえない。このあたりは、専門家のご意見をどこかで聞いてみたいものだのだけれども。

 国と地方の関係ということになると、ほんとうにそれが国民のためになるという保障は何もない。たとえば、国の官僚の利権を解体すると言っても、それが地方に移管されたとして、地方の政治家の食い物にされたならば、問題はいっそう深刻になるだけではないのか。たとえば、最近の、道路の問題など、そこのとをもっとも示しているのではないのか?と思ってしまう。高校生の学費の問題を自己責任と言い放ってしまうような知事が、住民の福祉や教育の充実という本来の地方自治体の立場にたって、地方自治を運営するとは思えない。そういう人に権力をわたすことはどういうことなのかということをどうしても考えてしまう。

 そんな知事に媚びを売って、意見が一致して感激したという政党の”政権交代”の主張も、たかが知れていると思ってしまうのはボクだけだろうか。そういえば、この政党は、東京では、この4年間、知事提案に議会で99.3%、賛成してきたれっきとした与党である。にもかかわらず、野党ポーズを押し出すのは、都民をだますことになるとは思わないのか、不思議で仕方がない。

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学校から見える子どもの貧困

03119014 ここ数年、学校事務職員の方たちの貧困の集会というものが開かれ、参加することがあった。少なくとも教師が見えない子どもの実態の側面を、事務の方たちは的確につかみ、発信してきた。この仕事の独自の専門的な役割と、それが学校づくりにはたす役割というものを痛感させられる。

 主題は貧困である。格差と貧困が広がり、そのうえに経済危機が襲いかかるという状況のもとで、教育費の問題は、かなり深刻な問題となる。しかし、学校で扱われているお金というものが実はどうなっているのかということなど、あまり知られていない。義務教育は無償だと言いながら、中学などへの公的なお金の支出は、人件費と箱が中心で、日常的な教育活動のかなりの部分が父母の負担でまかなわれていることなど、ほとんど意識されない。教育・子どもとはお金がかなるもの、そのために苦労するのが愛情だという神話が、まだまだ圧倒的な支配力をもっているということなのだろうか。
 高校にいくと、より深刻になる。公立でも高い。しかも、公立にいけない子どもたちもいる。しかも、現在の日本では、中卒という選択に未来は開かれていない。それを自己責任だといいきって何とも思わない”知事”が存在する。ボクはそれを決して許すことはできない。
 これらのことがどれだけ子どもを傷つけ、子どもの未来をふさいでいるのかということをどれだけ社会は自覚しているのだろうか。それが社会のあり方を根底から脆くしていることを。

 もともと、子どもによりそい、子どもの貧困をみつめ、子どもの成長をねがったとりくみが日本にあった。たとえば50年代の給食費未払いのとりくみがそうだったという。6~70年代の香焼町の教育無償化のとりくみだってそうだ。そして、現在でも、そんな努力は各地に見られる。
 それでも「構造改革」の名で、一部の人たちの特権にふみつけられた教育の現場は、無力感がただよっているというのは正直なところだろう。「子どもの貧困」が注目を浴び、文部科学省は教育への公的支出の増大で、安心・安全の学校を訴える。問題は、その子どもの実態にあった規模と内容の政策を実現することができるかにある。そのために、教育と福祉が一体となったような、垣根を越えた現場のとりくみと子どもへの社会的な費用の支出の内容への幅広い合意を広げること。そのことを基礎に、1つひとつ政治を揺り動かすことなのだろうけれど。

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2009/07/08

相次ぐ事件に、思うこととは

 今日は、午前中、依頼の電話をかけたり、打ち合わせがあったり、午後からも、資料を読んだりして、時間がすぎていく。この暑さと湿気に参って、少し…(秘密)。
 ある原稿の仕上げの作業を手伝う。最近なくなった方の遺稿だけれど、これがまたおもしろい。これはまた別の機会に。夕食は、となりの編集部の方と、野菜中心のカレーを食べる。どこも悩みの多い日々である。

 悩みが多いということでは、この間、相次いでいる事件に心が痛む。

千葉殺人未遂:大やけどの職安職員「つきまとわれている」(毎日新聞)
 こんな事件もあった。
補導の13歳、昨秋家出「父親から叱責」 島根の父刺殺(朝日新聞)

 先日のパチンコ屋での放火殺人事件もある。
 事件そのものは、ぜったいに許されないものだけれど、共通しているのは、すでに自分を大切にするという感覚が加害者から失われていること。自己肯定感ともいえるのかもしれないけれども、人と人との関係のなかで、自分の存在を確認できなくなっている”闇”のようなものを感じてしまう。

 他人の人生を感じられなくなっている。」それほど、人が人として生きていくのは、孤独で、不安定で、不安な状況にあって、生きることがもろくなっているということか。
 とてもつらい社会の状況があるのだろうか。

 人とつながって生き、たたかうことのよろこびみたいなものをもっと感じたいし、伝えたいですよね。自分も、ここはつらいんだけれど。そんな思いで、河野伸枝さんの『わたしは学童保育指導員』という本を、仕入れる。

 だいぶ、心は消耗しているので、気分転換にブログのデザインを変えてみた。シンプルにした。

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産経新聞が”小学校塾教材に自虐史観 南京犠牲「十数万人」記述も”という記事を

 産経新聞にこんな記事が載っていた。

小学校塾教材に自虐史観 南京犠牲「十数万人」記述も(産経)

 大手学習塾の栄光ゼミナール(本部・東京都渋谷区)の小学5年生の社会科教材で、昭和12年の南京事件を「市民十数万人を虐殺(南京大虐殺)」と記述するなど、自虐史観に偏ったものが使われていることが分かった。塾の教材は教科書検定のようなチェックなしに使われており、識者らは「子供が初めて学ぶ日本史が、日本を悪と強調する10年以上前の教科書の内容で、それを丸暗記させられている」と警鐘を鳴らしている。
 栄光ゼミナールは、首都圏を中心に318拠点で小中高校生向け教室を展開する。同社広報室によると、中学受験指導コースで使われている「私国立中受験新演習小学5年社会下」で、「1937年12月、首都南京を占領した日本軍は、市民十数万人を虐殺(南京大虐殺)し、世界中から非難をあびました」との記述がある。
 千葉県内の教室では、講師が「南京大虐殺」「強制連行」「集団自決」などを正答とする穴埋め問題のプリントを授業で使用。プリントでは、終戦間際のソ連の対日宣戦布告を米英との協定に基づいて行われたとする一方、日ソ中立条約違反だったことには触れない偏った内容となっている。…

 ほかに記事がないのかとも思ってしまうけれど。

 先日、南京事件の被害者である夏淑琴さんへの名誉毀損裁判の勝訴を記念する集会がおこなわれた。夏さんは1937年に南京市を占領した日本軍が多数の一般市民を虐殺した南京大虐殺で両親や姉妹を殺され、自身も銃剣で刺された被害者だ。この夏さんに対し、例の東中野修道教授が『南京虐殺の徹底検証』でニセ被害者としたものだ。
 これに対し、一審で「被告東中野の原資料の解釈はおよそ妥当なものとは言い難く、学問研究の成果というに値しない」とされ、最高裁までいって夏さんの勝訴が確定したもの。

 こうした問題は、歴史の事実をどう見つめるのかという問題とともに、被害者の傷にどう向き合うのかという意味をももつ。被害者の人たちの証言を聞けばよくわかるが、極限の状況に追いつめていった残虐行為の被害の傷が、ボクらの想像以上の傷となって苦しめている。日本の側ではそのことについてあまり知られていない。
 だから、東中野氏らの行為は、2重3重に被害者を苦しめる行為であるとも言える。
 判決は下った。しかし、いまだに東中野氏からの謝罪はないという。

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2009/07/07

核密約についての中曽根発言

 今日は、朝から執筆の打ち合わせをしたり、筆者におくる資料を調べたりする(主には歴史物)。お昼の食事で、知人と議論(少し熱くなる?)。よく考えなければいけないことはたくさんある。けれど、そんなに簡単に答えはでてこないのも事実。自分で見つけることのできる答えは、自分自身は必死でとりくんでいるつもりでも、ものすごく少ないから。落ち込むことも多い。午後からは、会議。あとは、当番仕事もあり。

20090704org00m100003000p_size2 ◇世紀の顔合わせ  ◇中曽根元首相 91歳 vs.不破共産党前議長 79歳  ◇「旧制高校」「マルクス」から「核持ち込み密約」まで   ▼「オバマの核廃絶宣言に鋭敏に食いついたね」   ▼「密約知らされない首相は怒るべきでしょ」

 この『サンデー毎日』の対談は、結構、話題になっている。読んでいていちばんおもしろかったのは、核密約をめぐるやりとりか。中曽根氏は、核兵器を搭載した米軍艦船が「安保条約の下、(日本への)領海通過や一時寄港もあり得ると考えるのが常識」「米国の艦船が日本に入る時だけ核を外すなど考えられない」と述べている。さらに、「政府の非核三原則(持たず、つくらず、持ち込ませず)については、その実態と形式的な表現や国会における答弁が、ある時代において乖離(かいり)しているのは意識していました」「81年にライシャワー元駐日米大使が『核武装した艦船が入港したり、領海を通過することはあり得る』と発言した時は『正直なこと言ったな』と思いました」とも。

2009070703_01_0b この密約は、日米の政府代表(藤山愛一郎外相とマッカーサー駐日大使)が文書に正式のサインもしたものであることは、いまでは、アメリカからの資料で明らかになっている。アメリカで公開された際の、朝日の記事は、ここ

 この間の、次官経験者の証言で、この密約の存在を確実に知っていた首相は5人、岸氏、大平、宇野、橋本、小渕とされている。が、考えてみれば、ライシャワーと大平の密約確認の経緯から言って池田が知らなかったはずがないし、沖縄返還の経緯から言って佐藤が知らなかったはずはない(沖縄への核持ち込み密約)。では、中曽根氏は、ほんとうのところはどうなのだろうか。
 どうも語ってないことも多そうだなあなどと思いながら読んだけれど、おもしろい対談であった。

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”民主:国の事業仕分け 27%「無駄」 ”というけれど

 総選挙が近づいて、マニフェストづくりが佳境にはいりつつある。民主党は、次のようなことをしている。

民主:国の事業仕分け 27%「無駄」(毎日新聞)

 民主党は7日、政権獲得後に実施する独自政策の財源のめどを立てるため、政府の事業の無駄を調べた「事業仕分け」結果を発表した。全省庁09年度予算2767事業中、87事業(合計7410億円)を抽出し調査。27%に当たる1989億円が削減可能と判定した。「アニメの殿堂」と同党が批判する国立メディア芸術総合センターなどが含まれる。
 民主党は国の総予算約210兆円の10%を無駄として削減し、独自政策に回すとしており、直嶋正行政調会長は「事業仕分けが無駄を省く有力な手段になると立証できた。捻出(ねんしゅつ)は十分可能」と結論付けている。…

 しかし、「事業仕分け」というのは、実は結構食わせ物である。地方自治体では、かなりすすめられているのだけれど、目標とマニュアルが先にある。それを、自治体に当てはめるわけである。膨大な事業を短時間で仕分けすることになるわけだから、かなり機械的におこなわれる。福祉や保健という、住民生活に直結するような事業も、十分な多角的な検討、当事者の意見なども聞くこともなく切り捨てられているというのが、多くの地方の現状であったりする。

 民主党が国の事業を、どのように点検をしているのかは、まだよくわからない。ただ、やり方として、乱暴な事業の切り捨てにならないかどうかは、よく見ていく必要がありそうだ。かつて、鳩山さんは、小泉さんの「構造改革」に対して、自分たちのほうが、より効率よくできると、競いあおうとしていたことをふと思い出してしまう。ほんとうに1つひとつの事業の内容に立ち入って検討されているのか。だいたい、この事業仕分けそのものについては、たとえば、政党助成金だとか、軍事費だとか、はっきりいって聖域がつくられているということも否定のできない事実なのでもある。

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2009/07/06

夫はなぜ、死んだのか

 2週間ほど前、NHKで放映されたドキュメントを録画していたものを、今日は早く帰ってきたので、やっと見ることができた。世界的企業、トヨタを相手にたたかった内野博子さんをおったものである。もともと、MBS(毎日放送)が制作したものである。“地方の時代”映像祭2008グランプリを受賞した作品であるが、しかし、この2007年につくられたこのドキュメントは、TBS系列で未だ全国放送はされていない。民放では、こうした企業の告発につらなるような番組を放送することには、特別の難しさがあるのだろうか?

 番組そのものは、つつましやかな内容で、サブタイトルに「過労死認定の厚い壁」とあるように、むしろ過労死を迅速に認定しようとしない労基署をはじめとした、国の労働行政の責任の問題を告発することが中心的な内容になった。

 内野さんの裁判は六年かがりで過労死認定を引き出した。子どもを育てながらのそのたたかいは、胸を打つ。そして、その裁判は、”カイゼン”を含め、トヨタの非人間的な働かせ方を断罪する画期的な内容となった。その点で、やはりこのドキュメンタリーは企業の責任も問いかけている。

 だが、トヨタの、日本の大企業の働かせ方を変えていくには、まだ第一歩を踏み出したにすぎないのも事実である。内野さんのたたかいに力をもらいながら、ルールある経済社会をつくるたたかいをボクらはより強めなければならないのだと思う。

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経団連会長、各党政権公約への要望発表 社会保障など10項目

 今日は、午前中は会議。昼から、資料を読みながらメール(企画書)をつくる。夕方は、執筆者と相談に向かう。

経団連会長、各党政権公約への要望発表 社会保障など10項目(日経新聞)

 日本経団連の御手洗冨士夫会長は6日の記者会見で、各政党に次期衆院選のマニフェスト(政権公約)に盛り込むことを求める項目について発表した。持続的な社会保障制度を柱に、道州制の導入に向けた具体案など10項目を求めた。
 御手洗会長は「経済が危機的状況を脱し、成長軌道に乗せるには次の選挙を政策本位にする必要がある」と強調。「きちんとした社会保障制度の確立が何よりも重要」と述べたうえで、消費税を含む税制改革の形などを示すべきだと指摘した。道州制については「究極の構造改革であり、基本法制定を公約に明記してほしい」と訴えた。…

 実物はこれ。

次期総選挙における各党政権公約に期待する

 わが国は世界同時不況という荒波の直撃を受け、未曾有の危機に直面している。現下の雇用への不安に加えて、少子化・高齢化の進行、深刻な財政赤字、そして社会保障制度に対する不信が相俟って、国民は将来への展望を失いかけている。
 将来を見据えた大胆な政策を国民に示し、不退転の決意で経済社会の改革を推進することが、政治の責務である。次期総選挙では、まずもって各党がこうした危機意識を共有することを求める。
 各政党には、それぞれの政権公約に以下の政策を盛り込み、活力ある経済社会の構築に向けた決意を示すことを強く期待する。その際、政策項目ごとに実行主体、取組方法、工程表等を明記するとともに、可能な限り定量的な目標を提示し、有権者の審判を仰ぐべきである。

 このあと、「各党政権公約に盛り込むべき優先事項」がならぶが、その内容は、毎年の「優先政策事項」と基本的には同じ内容のようだ。
 ただ、ボクには、政権のコントロールを失った自民党、政権の行方や形そのものが、必ずしもはっきりしない民主党と、ほんらい願っていた2大政党制からほど遠い現状にある政治にたいするいらだちのようなものを感じるのは、ボクだけれだろうか。

 経済同友会は、6月に「次期衆議院総選挙 各党の『政権公約(マニフェスト)』に望む」という提言をおこなっている。

 経済同友会では、政権公約(マニフェスト)の重要性を訴え続けて来た。 2003年11月の衆議院総選挙を機に実現した国政レベルの「政権公約(マニフェスト)選挙」は、次回衆議院総選挙で5回目を迎える。各党とも工夫を重ねており、その努力には敬意を表するが、政策本位・政党本位の政治を実現するためには、マニフェストを起点とした「PDCAサイクル」を機能させ、政権公約の「質」の向上のみならず、「政策実行力」の強化につなげていく営みが必要である。  目前に迫っている次期衆議院総選挙が、新しい国づくりに向けた政権選択選挙となるよう、各党が以下の項目の通り、マニフェストの要件を充たすとともに、重要政策課題について明記したマニフェストを国民に提示して、活発な政策論争を繰り広げることを望みたい。

 ここにも経済界の苛立ちのようなものを感じる。もちろん、こりもせず、「構造改革」を求めるのかと、へきへきするのだけれど。

 これらは、基本的には自民・民主に発せられたものである。自民・民主は、どう返答するのか。これまで、財界に語ってきた言葉を、国民に対しても、きっちり説明してほしいののである。

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2009/07/05

週刊朝日 政治家とカネ

 今日は、午前中は、団地の防災の会議。午後から、地元で仕事。本職のほうの仕事の準備をきちんとしなければいけないのに、なかなかたいへんです。

 さて、『週刊朝日』を読んでいると、「これだけ言われても透明にならない やっぱり政治家とカネ 検察よ、どうぞおやりなさい」という記事を読んだ。与謝野馨大臣の悪質な迂回献金、鳩山由紀夫代表の偽名献金の問題性などを指摘する。その記事に、「主な国会議員のずさんな資金管理」という表が掲載されていたけれど、これがまたわかりやすかったりする。

 そこでは自民・民主の60人近い政治家(幹部)のおカネにかかわる疑惑がならんでいる。事務所費問題から、迂回献金と手口はよく似ている。そのもっともの基本は、おカネの出所の偽装ということにあるのだろうと思う。

 緩い企業献金の禁止が、迂回献金の通路をつくっている。では禁止すれば、おカネの流れはいっそう闇に潜るのか。それをなくすには、徹底して企業献金を禁止すること、おカネの流れを徹底してオープンにし、だれでもがみれるようにすること、そして国民の監視と、不正をゆるさない世論であろう。

 企業からのおカネと縁の切れない政治家は選ばない。今度の選挙もそうしたいものであろう。

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官僚たちの夏

 城山三郎の小説のドラマ化が今日からはじまった。なかなか熱っぽいドラマだし、やっぱり佐藤浩市はかっこいいですよね。

 時代は昭和30年代初頭、今回の話はボクの生まれるまだ前。日本の自動車産業の隆盛がどのようにしてはじまったのかという話で、プロジェクトX的な見方もできる。たしかに、この時代の経済の発展は、国民生活の向上をひっぱるという”光”の部分があったのだと思い。ただ、ドラマだから、どうしても一面的。たとえば、国産車の開発に努力した。アケボノ自動車のモデルは、たしか富士重工で、中島飛行機がその前進である。いってみれば軍需産業再生のドラマでもある。あまりにも拠点産業の中心企業再生に特化した、当時の経済政策には、当然、”影”の部分もあろう。そういうことも含め、丸ごと、事実に向き合うということが必要な時代、そのことができる時代にもうきているのではないのか。そうでないと、たんなる美化ドラマに終わってしまうと思うのだけれどね。

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2009/07/04

09年の青少年白書

 年をとると、あちこちが痛くなる。筋肉も内蔵系も同じく…。ちょっとね、年はとりたくないものだと。トホホの日々ですが。
 今日も仕事です。座談会の原稿は、とりあえず仕上げて、参加者の送る。一息。
 夏の企画もので発注が遅れている企画を押さえるため、電話をがんばってかけまくる?? ちょっとずつ、仕事は進みつつあるのだけれど。関連書籍を数冊読み始めている。これも結構、大変でもある。
 夕方ぐらいに、完全に燃料切れで、何も手がつかなくなる。こういう状態は厳しい。

 お昼休みに、週刊誌のベテラン編集者とおしゃべりをする。ひとしきり、政治の話をしたあと、仕事の仕方の話になる。ものすごく高いプロ意識をもって、独特の仕事の仕方をしている。刺激と勉強になる。勉強量だけは負けたくはない。若い記者を育てているところも偉いなあと思う。自分は、若い人に何も伝えられていないし、自分の仕事のやり方を学んでくれるわけではない。人格者じゃないから、学ぶ魅力がないのだろうなと反省はさせられる。
 ただ、ボクらのような仕事は、仕事をするということと、生き方とがかなりむずびついている。だから、その仕事を責任もって考え、つくりあげるということが、生き方の構成の重要な部分になっているという意識で仕事をしているわけで…。

 さてさて。
 昨日、青少年白書が発表されている。実物はこれ

青少年白書:ニート高年齢化 25~34歳、6年で3万人増(毎日新聞)

 小渕優子少子化担当相は3日午前の閣議で09年版青少年白書を報告した。仕事も職業訓練もしていない若者(ニート)が、08年は前年比2万人増の64万人となった。中学、高校時代に不登校だったり中退した人がニートになる傾向が強いことも判明した。白書は「さまざまな支援が必要とされているにもかかわらず(現在の支援が)ニート状態からの脱却に必ずしもつながっていない」と施策見直しの必要性に言及した。…
 今回は不登校や中退した人の調査を初めて実施。今年2~3月、04年度に高校を中退した人1595人(回答168人)と、中学で不登校だった人480人(同109人)を対象とした。現在ニート状態にある人は高校中退者の20・8%(同年代平均5・9%)、中学不登校者の16・5%(同2・3%)と、いずれも同年代平均を大きく上回った。

 青少年白書は、結構、おもしろい。膨大な量だから、パラパラと概要を見たていどだけれど、若者非正規のいっそうの拡大や、無業者の高止まりなど実態を反映している。今回の白書は、高校中退の調査をはじめておこなっているのが注目される。ただ、調査の回答は一割である。中退問題にとりくんでいる関係者はだいたいみんなそう思っているわけだけれど、回答がこない部分にこそ、いちばん考えなければならない実態がある。

 青少年白書そのものが描く施策そのものがそうなのだけれど、いちばん必要なことに手が届かない。そして、その隙間から、どうしても統制と管理ということが見えてくる。
 論じるべきテーマがたくさんありそうな感じである。

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「自民に政権担当能力」56%に急落…読売・早大調査

 総選挙を目前にして、興味深い世論調査が読売にのっていた。

「自民に政権担当能力」56%に急落…読売・早大調査(読売新聞)

 読売新聞社と早稲田大学が6月27~28日に共同実施した面接方式の全国世論調査で、自民党に政権担当能力があると答えた人は56%で、前回4月調査の69%から急落した。
 日本郵政の社長人事などを巡る混乱が政権担当能力への評価を後退させたようだ。民主党に政権担当能力があるとの答えは51%(前回49%)で、自民との差は縮まった。
 読売・早大共同世論調査は、自民、民主に対する有権者意識の変化が、次期衆院選の投票行動にどう結びつくのかを探るのが狙いだ。昨年10月から継続実施し、今回は6回目となる。
 今回の調査で、自民に「期待している」は36%(同46%)に下がり、「失望している」は73%(同67%)に上がった。自民に対する有権者意識が悪化したのは明らかだ。
 民主については「失望している」が52%(同58%)に下がるなど、有権者の意識は改善された。民主に一度、政権を任せてもよいという人は62%(同60%)に上がった。
 ただ、自民と民主の政策に「はっきりとした違いがある」と思う人は28%で、「あまり違いはない」は64%に上った。「民主党政権」で日本の政治は「良くなる」は26%、「悪くなる」9%で、「変わらない」59%が最も多かった。有権者は政権交代に積極的な期待を抱いてはいないようだ。
 次期衆院選の投票先は小選挙区が「民主32%-自民25%」、比例が「民主33%-自民24%」で、いずれも民主が自民を上回った。…

 自民党政権がいよいよ末期的な状況にあることが示されている。自民党政治を終わらせ、政治を変えるというのは国民の強い願いである。
 が、同時に、政権交代をねらう民主党への国民の思いは、消極的であり複雑であることも、この世論調査からは読みとれる。メディアは、いまいっせいに「政権交代」を見出しに掲げ、自民と民主と対決を演出しているが、国民はそれほどあつくそのキャンペーンにのっているというわけでもなさそうだ。自分たちの願いをたくせる政治の方向という点で、もう1つ民主党に、たくしきれないということのだろう。「政治とカネ」という点で、くり返しいろいろな問題をおこしているし、安保・外交では自衛隊の海外派兵を強力に推進するタカ派だし、経済政策の点では、財源に不安があるし、第一、かつての政策からの転換?一貫性という点では説明がなかなかなされないということのだろうか。
 3月の朝日・東大の調査と共通しているということなだろうと思う。しっかりした、政治の全体構想=ヴィジョンというものが求められているということのだろうとつくずく思う。

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2009/07/03

幼稚園や保育所の無償化求める 文科省 教育安心社会懇談会

 今日は、午前中は会議、昼からは2カ月ほどかけている座談会の原稿の仕上げにかかっている。あともう1歩。
 ムシムシするのはいやだ。それに腰が痛い。

幼稚園や保育所の無償化求める 文科省 教育安心社会懇談会(京都新聞)

 教育費のあり方を考える文部科学省の「教育安心社会の実現に関する懇談会」は3日、東京都内で会合を開き、幼稚園や保育所の無償化などを求める報告書をまとめた。文科省は今後、財源確保を含めた具体策を検討する。
 報告書は、教育費を人生前半の社会保障や社会が活力を持続するための先行投資と位置づけ、低所得家庭の小中学生に対する就学援助の充実▽高校生、大学生に対する授業料の減免や奨学金事業の拡充▽大学院生への経済支援-などを提言した。
 また幼稚園、保育所の無償化に7900億円、小中学生への就学援助に620億円など必要な公費負担の試算も盛り込んだ。 …

 残念ながらまだ文部科学省のHPにはアップされていない。詳しくは、後日ということだけれど、報道を見る限り、学費の無償化だとか、教育費の無償化という発想はもちろんないし、奨学金についても給付制については踏み込んでは発言しない。
 これまで出されていた資料は、現実をふまえたものになっている。教育への国家予算の支出の少なさという問題も強い自覚をもっているようだ。が、政治が教育を重視するということに根強い敗北感があるのか、現在の政治の枠組みをよく理解しているというのか、きわめて限定的な提言になっている。幼稚園や保育園の無償化は聞こえは良いが、ほうっておけば、これまで保育の支出をしていた予算の基準のひきさげに繋がりかねない。また、これを自・公の選挙向けの実績にしていこうというのは透けて見える。
 しかし、政権がかわればそれまでの命である。何とも政治的なもので、真剣に教育をどうするという発想ではないことは、とても悲しい限りだと思う。

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「新自由主義教育改革」への対抗軸とは

Homeuserpicturesimg0003820090703185 夜、浦和でおこなわれた表題の学習会に行って来ました。世取山氏の話もたまにきかないといけないしね。

 世取山さんは、新自由主義の特徴として、まず渡辺治さんの言葉である「10兆円削って3兆円集中投下」と指摘する。その原動力として、労働政策の大転換=「新時代の日本的経営」でいわれた労働者の三区分、つまり無期雇用の範囲をエリートに限定し、労働力の質を全体として低下させたいということがあると。リカレント型ライフスタイルという言葉があって、学校教育ではチープな労働能力の形成をし、有期雇用につく、そこで行き詰まったら、また学校にもどって新しい能力をみにつけて、仕事につくというスタイルだ。結局、高校教育で、ちゃちなものを学ばせる軽量化がはかられる。

 そもそも新自由主義では権力の流れ方(おそい方)が変わると指摘。巧妙な統制が、教員評価・学校評価などの形でおこなわれる。彼が、国立大学法人化に直面しながら、市場化といいながら、大きなパワーを感じたと。それは金の力という感覚があり、もともと”教育の自由”の本質的意味の1つに、金銭の支配力からの解放ということがあるのならば、その復活が法人化だと感じたと。
 New Governanceというのは契約関係、財布の紐を握っている人間がコントロールするというものだけれど、しかし、金の出してのいうことを聞かない労働者をどうするのか。そのことを明らかにする理論として、PA理論(principal-agent theory) 主人代理人理論というものがあると紹介、ここでは、職務内容の標準化、評価、競争の組織、賞罰という形で上から下まで、競争を用いた徹底した統制がおこなわれると。

 では新自由主義はなにをするのか。競争をできるだけ早期から、競争で排除すると。自身がデトロイトに留学したときの経験を紹介。貧しい地域、できない地域では、ぼくはダメダメと排除される。成績と相関関係があるのは、親の収入だけ。子どもは自分たちでは対応できないもので、できないという烙印を押される。

 日本では、教育における新自由主義は臨教審からつまみ食いにすすめられたが、2000年代の教育改革国民会議で、全体像を明らかにする。2005年には経済財政諮問会議で学テが提案され、学テによる強力な統制がすすめられていく。教育基本法を改正して、その法的障害をとりのぞく。学校教育法の改正も学力の種別化(基礎+応用)を(基礎OR応用)と。三鷹では小中一貫がすすめられているが、豪華な校舎を呼び水に統廃合がすすめられている。しかも、小中一貫を4・3・2年にわけ、5年以降は主要教科は習熟度別となる。

 今後、何が起こるのかは、アメリカをみると明らか。デトロイトの新聞で、親の投書、高校卒業したらギャングになるか、軍隊か。小さい頃からの絶望感の蓄積で、軍隊にいく…。
 では対抗軸は、ミシガンで危機にある子どもの比率が高いが、学力テストの高い学校を調べてみると、その学校の教育目標は、人格の完成 全面発達であり、教師は集団性・共同が重視をされ、さらに親向けのコンピュータ教室もおこなっていた。かつて日本がつくっていたいちばんいい学校。つまり対抗軸は旧教育基本法のなかにある。バーミンガムでは教師の研修費に150万つかっているがリキュラムの自主編成をいっしょにすすめている。

 日本の新自由主義改革に学テ判決における教育の自由の容認t、義務教育国庫負担制を基礎にしたナショナルミニマムの必要性という限界性がある。しかしこれは過去の運動の成果がまだ生きているもの。”高”進学率 親の要求をどうすぐれた要求に組み直せるのか。教育機会の延長のより積極的な意義をどこにみるのか。おこっていることは経済活動による”子ども期の浸食”であり子ども期をどう考えるのか 社会的な合意をと訴えていた。

 PA理論をベースにした、世取山氏のいつもの話だけれど、聞いた人は、新自由主義というのは破綻しているのではないのかと違和感をもったかもしれない。もともと、世取山さんの議論は、システムの問題を扱っているので、教育の分野では、新自由主義的なシステムは、ある意味では完成期にあるとも言えるのかもしれない。ただ、現実の施策の進行の場にある、力関係やそこに反映される矛盾などのものは、捨象されるわけだけれども。東京のように理論をそのままつきすすめているようなところではわかりやすいのかもしれないけれども。
 そういう理論の枠組みでの話だから、対抗軸といっても、やや理念的で、現実の力関係のなかで、どう突破していくのかという話ではないので、ここも違和感をもつ人はいたかもしれない。

 あいかわらず、よくいろいろ勉強しているし、よく考えている人ですよね。

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2009/07/01

核持ち込み密約:河野衆院外務委員長、事実関係調査も

 今日は、とにかく手紙を書いたり、メールを書いたりした日。これはこれで、中身をつめて考えなければならないので、結構、一仕事でもある。そのために、数冊の本や論文を読んだり、講演のテープ(音声ファイル)を聞いたりしなければなりません。まあ、その感想はおいおい。

 さて、

核持ち込み密約:河野衆院外務委員長、事実関係調査も(毎日新聞)

 河野太郎衆院外務委員長は1日、国会内で記者会見を開き、1960年の日米安全保障条約改定時に両政府が結んだ日本への「核持ち込み」の密約に関し、村田良平元外務事務次官が「歴代外務事務次官に引き継がれていた」と証言したことについて、「米側にも(密約を認める)ライシャワー元駐日大使らの発言や文書もあり、次官経験者が発言し、政府が一方的に密約はないと繰り返すのは、常識で考えるとやや違うのではないか」と述べ、委員会として事実関係を調査する考えを示した。
 今国会中に村田氏ら歴代外務次官や外相経験者などに事情を聴き、参考人招致なども検討する方向だ。

 河野太郎というのは沖縄の基地被害を委員会で重視したり、ちょっと意外なところのある議員である。もちろん、背景には、アメリカそのもので、核兵器の役割が相対的に低くなっているということはあるのだとは思うけれども、これだけ、証拠も、証言も広がって、さすがに「公然のウソ」というのは政治にはなじまないということなのだろう。
 国会で、共産党の不破さんが、この問題をくり返しとりあげて政府を追及したこと有名。この期に、はたして国会で、どこまで、そのことが可能かどうなのかは、今後、注目されるところだけど。

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政治家とカネ

 今日も、政治とカネの話題。国会議員の資産公開があって、おどろくようなことも明らかになる。

 たとえば朝日新聞昨日の夕刊が次のような記事を掲載している。


与野党69議員に顧問料

 企業や労働組合の顧問を務め、報酬を受け取っている国会議員は69人に及ぶことが、30日に所得報告書とともに公開された関連会社報告書(今年4月現在)からわかった。仕事内容は様々だが、「大所高所から助言する」ことで年に数百万円を得ている例も目立つ。政治家個人の資金管理団体への企業・団体献金は禁じられているが、金額さえ見えにくい別のルートで資金が流れていた。
 国会議員資産公開法は、顧問を務める企業・団体名を報告書に記載するよう定めているが、報酬は議員歳費などと合計し「給与所得」として記すため内訳はわからない。そこで、朝日新聞社は顧問を務める主な議員や企業側への取材とともに、額を明らかにしない議員については注の方法で推計し実態把握を試みた。
 推計報酬が突出していたのは小泉純一郎元首相で、年約1710万円。小泉氏の事務所は「報告内容以外のことを答える必要はない」として金額を明らかにしていない。
 支払っているのは東京都内のシンクタンク「国際公共政策研究センター」(会長=奥田碩トヨタ自動車相談役)。07年3月、経済界が小泉氏を顧問に招いて設立。外交政策や構造改革などを研究テーマに掲げ、キヤノン、東京電力など大手企業十数社の経営トップが理事に名を連ねる。…
 青木幹雄・前自民党参院議員会長の「顧問歴」は古い。年240万円を支払っている製薬会社「協和発酵キリン」(旧協和発酵工業、本社・東京)によると、関係が始まったのは20年近く前。創業者と青木氏が旧知の間柄だった縁だという。…
 民主党最高顧問の藤井裕久元蔵相は、田中角栄元首相が創業した建設会社「田中土建工業」(本社・東京)など3企業と学校法人、宗教法人の計5団体の顧問を務める。藤井氏の事務所に経緯を尋ねると「古くからの友人」とだけ答えた。個々の報酬額は「申し上げかねる」としているが、顧問料と、その他1社の取締役報酬をあわせ、約2860万円の給与収入を得たとみられる。
 69人の内訳は自民36人、民主26人、国民新6人、社民1人。中には、自民の小坂憲次元文科相や丹羽雄哉元厚相のように、親族が創業にかかわった企業の顧問になるケース▽奥野信亮元法務政務官のように、自身がかつて経営していた企業の顧問を務めるケースもあった。

 これについては、いつもの上脇さんが自身のブログで、新聞に掲載された自身のコメントをふくめて、くわしく紹介している。
 「特定企業から高額な顧問料を得るのは問題だ。報酬に見合った勤務実態がない場合は、企業側に何らかの魂胆があると考えるのが普通だ」というのはそのとおりだと思う。
 上脇さんは言う。

 小泉純一郎元首相は、財界が設立した「国際公共政策研究センター」の顧問を勤めているが、推計「1710万円」は、その顧問料だろうか。
 これだけ受け取っていれば、国会議員を簡単に辞めても、何の心配もいらないだろう。
首相時代には、「聖域なき構造改革」を強行し、財界政治を進めた結果として、大勢のワーキングプアを生み出し、大勢の人を自殺に追い込んだが、「1710万円」は、財界からのご褒美(賄賂!?)なのだろうか。

 さらにこんな記事もある。

国会議員の所得、平均2482万円 2年連続民主トップ(朝日新聞)

 国会議員の08年分の所得報告書が30日、公開された。1人当たりの平均所得は2482万円で、前年より98万円減った。政党別では、民主の2636万円(前年比13.4%減)が最も多く、自民の2492万円(同0.8%増)が次いだ。民主が自民を上回るのは2年連続。
 松本龍氏(衆院福岡1区)が土地売却などで8億4千万円の所得を得て、民主の平均を押し上げた。07年も松野頼久氏(同熊本1区)の土地売却所得が大きく、2年続けて同様の形になった。松本氏を除いた民主の平均は2261万円で、自民より少ない。…

 なんとお金持ちが多いのかと思う。新聞には、麻生さんと鳩山さんの資産の比較なども出ていたたが、これがまたすごいこと。さすがに、御曹司たちである。
 別に、お金持ちが政治家になることが悪いとは言わない。けれども、そういう人が政治をするのなら、自身のお金については、意識して透明にする必要があると思うし、またふつうの生活をしている人にとっての政治というものにどう向き合っているのかということについては、しっかり語る必要があると思うのだけれど。どうだろうか?

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