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2009/06/10

シリーズ JAPANデビュー 第3回 通商国家の挫折

 昨日は、深夜に、この表題の番組の再放送を、日曜日は、ちゃんとみれなかったところがあったので、みのがしている部分を見た。

090607_a 太平洋戦争後、GHQが徹底的に解体した企業があった。明治から大正、昭和にかけ国家と一体となり経済の屋台骨を支えた三井物産である。  150年前、貧しい島国として世界にデビューした日本は、貿易によって富国強兵の「富国」を実現する戦略を立てる。明治政府が貿易立国の担い手としたのは元徳川幕府騎兵隊長の益田孝が作った三井物産だった。世界に残された最後で最大の市場、中国に打って出た三井物産は、日清日露戦争の時代は綿製品の加工貿易で、重工業の時代には資源の獲得でイギリスやアメリカと熾烈な戦いを繰り広げた。  世界恐慌後の1933年、日本の綿製品輸出は世界一を達成し、経済大国へとはずみをつけた。しかしまさにその時、世界の貿易は自由貿易から保護貿易へと枠組みが変わってしまう。石油という戦略物資をめぐり英米の国際資本と激突した結果、富の源であった世界市場から閉め出されるに至る。  貿易を通し世界経済の激流のなかで日本の興亡をみつめ、未来への生存条件を探る。

 やっぱりずいぶん不満が残る。経済の論理と言えばそれまでだけれど、海外との貿易に立国の舵をとった裏返しとして、国内市場の脆弱さがつくられる。貧困な都市労働者、そして封建的な地主制のもとでの農民の貧窮。そのことが結局、国づくりの方向として放置され、むしろそれをバネに企業の海外展開がすすめられる。それは、現在の日本の基礎をつくっている。

 もう1つは、それでも、日本は貿易で利益をあげなければ生きていけない国であることも事実である。ところが国内市場の脆弱さとかかわって、極端に海外に原料と市場を求める方向が、武力による進出・侵略という形ですすめられた。そこでは、国際的なルールの遵守は2の次にされる。ところが番組では、あたかも資源の争奪のかけひき、そして判断で負けたというような描き方がされる。最終的な石油からの締め出しにしても、その結果すすんだ南部仏印進駐以前に、中国への全面戦争、その後の北部仏印進駐という事実があり、その結果としてもたらされたものであることは描かれない。

 このシリーズは、テーマごとに、ある一つの角度からものごとをみるという方法をもっているようだ。そのことで、現在の、日本の課題を見つめようとするのなら、それは誤った答えを導きだしそうな、危うさがある。

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