もう、ひとりにはしない~ホームレス支援・北九州の現場から~
深夜に放送されたこの番組を見た。ものすごい心に迫ってくる番組だった。
仕事と住まいを失い、去年の暮れ大分から北 九州に出てきた堀孝徳さん(仮名29歳) 。20年間で700人近いホームレスの自立を助けてきたNPO法人「北九州ホームレス支援機構」に身を寄せた。堀さんは支援機構の職員、仰木節夫さん(67)らの協力で、生活保護を受けながら就職活動を始めた。ボランティアに加わるうちに「人の世話をする仕事につきたい」と介護の職をめざすようにもなった。しかし、仰木さんが手応えを感じ始めていた矢先、堀さんが突然姿を消す。仰木さんらの必死の捜索活動が始まった…。「誰かの支えがあれば、人は何度でもスタートラインに立てる」ホームレス支援最前線からのメッセージ。
「派遣切り」にあった若者たちは、往々にしてさまざまな人間関係を築く上での傷をもつと言われる。自己肯定感の低さということも指摘される。だから大事なのは、ある意味で、騙されるというような行為をされても、その人のすべてをまず受けとめることだというメッセージが込められている。人間の尊厳を守るという取り組みは、その人が、人として生きる人間関係を築くという権利が保障されることなんだと。
”心を開いてもらう”というのは、とてもたいへんな取り組みだ。機構の人たちは、「家族」なんだ。だから、弱いところもすべて出し合うぐらい信じてほしいと訴えていた。でも、ボクも父親として、子どもにたいして、ここまですべてを受けとめるというのは、難しい。期待とまでいわなくても、あるべき姿視線というので、どうしても見てしまう。番組では、信じるということを基礎とした、ほんとうの厳しさというものも、問いかけていた。”痛い”ところだ。
社会を変える取り組みとともに、生きた人間を支援するという粘り強い取り組みが必要であり、そういう努力がくり広げられている。
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