刑事一代~平塚八兵衛の昭和事件史
昨日と、今日、相方がこのドラマを見ていた。全部じゃなく、半分ぐらいみたけれども、どうしても共感したしできなかったのは、なぜだろうか。
帝銀事件は、まったくちがった角度からの議論が根強く、現在でもえん罪事件としての解釈が主流の事件でもある。同じように、政治的な色合いが濃いと言われる下山事件(これはドラマではとりあげられなかったようだけれども)などもある。それぞれの事件の社会的背景があまり十分には描かれない。
ここにその原因があるのだろうか。
物語の山場は吉展ちゃん誘拐事件で、犯人とのやりとりが見せ場。有名な山手線から大火を見たというあのシーン出るが、その山場全体が、結局、自白中心で、こうした捜査体質がたくさんのえん罪を生んできたのかと思ってしまう。
犯人に心を寄せるシーンも、事件の背景に迫り切れていないせいか、何か、主人公の個人的な心情としか伝わってこない。だから。3億円事件で描かれる、警察そのものや、社会の変化も、どうも共感を感じられないのだ。
刑事警察を観察する機会があった。ボクは、いまの刑事警察そのものすべてを、権力の仕事としてすべて否定的に考えようとは思わない。そこには、いろいろなとりくみもあるだろう。
でも、そんなことも社会全体なかで、おこなわれ、そこに葛藤や問題もあるのだろうから、何か物足りなさだけが感じるようなドラマだったような感想をもつのだけれど。どうだろうか。
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