シリーズ 日本と朝鮮半島 2000年 第2回 “任那日本府”の謎
昨日の夜、眠たい目をこすりながら、この番組を見た。
古代史における「任那日本府」の問題は、今なお日韓の間で議論を呼んでいる。『日本書紀』では、「任那」とは倭王権が朝鮮半島南部の国々を平定したあとに置いた天皇の直轄領・ミヤケの意味で使われ、「任那日本府」の記述が、6世紀代に現れる。さらに、19世紀末に中国東北部で「広開土王碑文」が発見され、「倭」の半島侵入の記述が見つかった。そこで、4世紀後半からおよそ200年の間、日本が朝鮮半島へ軍事的に進出し、大陸の先進文物を「任那日本府」から吸収したと、長らく考えられてきた。 しかし、1970年代以降、日韓の様々な研究や発掘調査によって、「任那日本府」の実態や 朝鮮半島南部と倭をめぐる関係性が見直されている。 4世紀後半を境に、日本の古墳の埋葬品の中から、朝鮮半島産の鉄製品や武具が出現する一方で、韓国南部の古墳から倭系の銅器が出土する。韓国南西部のヨンサンガン(栄山江)流域からは、日本特有の前方後円墳が次々と見つかる。いったい、これらはどんな関係を物語るのか。最新の発掘調査と研究成果をもとに、描かれ始めた古代の関係の真実に迫る。
ボクの子どものころの教科書にも、任那日本府という記述があり、日本が朝鮮半島の一部を支配していたという記述があった。しかし、今の歴史研究の到達では、その事実がないことは明らかになっている。
では、この時期の、日本と朝鮮半島との関係はどのようなものだったのか。「七支刀」や「筑紫磐井の乱」など、かつて学んだことのある謎に満ちたことがらの、解説は興味がつきなかった。
伽耶・加耶、百済、新羅、高句麗、そして中国と、実は、この時代のそれぞれの国のありようは、多様で、そして、その関係も、柔軟で、多彩で、豊かなものだったと思う。当たり前のことだけど、東アジアという世界のなかで、「倭」を考えるということの重要性を教えられる。
こうした議論は、現在の東アジアを考えるうえでも、大事な経験だと思うけど。
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