黒い手帖 創価学会「日本占領計画」の全記録
3月には、こんな判決も出されている。
矢野氏側が逆転勝訴、「手帳持ち去り」認める…東京高裁(読売新聞)公明党の元国会議員3人が、矢野絢也・元同党委員長の自宅から手帳を持ち去ったなどとする記事を「週刊現代」に掲載され、名誉を傷つけられたとして、発行元の講談社や矢野氏らに損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が27日、東京高裁であった。
南敏文裁判長は「記事の内容は真実」と述べ、名誉棄損を認めて660万円の賠償などを命じた1審・東京地裁判決を取り消し、請求を棄却した。また、南裁判長は、矢野氏が3人に「プライバシーを侵害された」として賠償などを求めた訴訟で、矢野氏への手帳の返還と300万円の賠償を命じた。
問題となったのは、同誌2005年8月6日号と同13日号の記事。3人が、矢野氏の自宅から同党や創価学会に関する情報が記された手帳を無理やり持ち去ったと報じた。1審判決は「矢野氏は自分の意思で手帳を渡した」と認定したが、2審判決は「原告らの脅迫の結果、矢野氏が引き渡した」と認定した。
矢野さんといえば、ボクが政治の世界に関わる仕事をするようになった時代の公明党の書記長、委員長だった人。公明党のトップだった人だ。竹入さんといい、この時期の公明党の幹部が、創価学会・公明党に批判的な立場にあるのは何ともいえない。
内容的に言えば、この手帳にかかわるやりとりのところは、なかなか迫真の緊張感がある。創価学会の数々の犯罪については、これまでだいたいいろいろなところで報じられている内容を、改めて、書かれているといういうもの。
ただ、正直に言って、もう一つ、奥歯にものがはさまっているというか、説得力に欠けるというか。それは、たぶん、1つは、矢野さんがすべてを語っていないからだろうなと。自分も当事者としてかかわっていたわけだから、すべてを語れないということだろうか。もう1つは、矢野さん自身のかつての行為に、自身が十分な総括をできていないのだと思う。
それでも、創価学会・公明党の特質というか、なぜ社会的に犯罪行為を繰り返すのかという背景はあるていどわかる。池田氏が会長になって以降の変化、そして、宗門からの破門、公明党の政権への参加…。
あらためて、創価学会というのがなにものなのかということをつくづく考えさせられる。
自民党政治が、ゆきづまりに直面してるいま、そして民主党がしっかりした対抗軸を示させないでいるなかで、国民のなかに政治不信が広がっているいま、もし選挙で、投票率が低下すれば、公明党の役割というのは、否定的な意味で軽視できないということも言える。ゆきづまりを政治の改革にむすびつけるのか、それとも、そのゆきづまりの新たな延命の許すのか、この点でも、公明党が与党としてどんな役割をはたしてきたのかについての、しっかりした検証が求められるこということなのだろうと思うが。
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