草の実 「2・4事件」の教師たち
昨日は、飲み会があって、いろいろおしゃべりをして、結局、帰れなかった。トホホ。
今日は、2日酔いの重い身体を引きずっての仕事。さらにトホホ。
それで、夜は、このドキュメンタリー映画を観てきた。
1933(昭和8)年2月4日、長野県の若い教師達230名が一斉 に検挙された。生徒たちから慕われ、信望を集めていた教師 が一朝にして”純真なる 魂を蝕む赤い教師”として教壇から 追われた。全国では「綴り方教育」を進めていた教師達が「治安維持法」違反として弾圧された。映画は、日本が戦争 への 道を大きく歩み出した時代をドキュメンタリーとして描く…
ボクらの世代には、2・4事件というは、ピンとこない。が、「教員赤化事件」というのは、教育史の本のなかで出てくる有名な事件。ドラマとしての再現や当時の記録映像などをおりまぜて、つくられている。案外、淡々とつくられている。
当時、長野に根づいていた、新教育、自由教育の息吹のなかで、若い教員たちが子どもたちと向き合おうとしていた姿は、あらためて教師とはどういう仕事を考えさせられる。その時代と子どもたちの状況が、いまの日本の現実と、直接ダブってきて、それは意図的に、そのようにつくられているという面もあるのだろうけれど、それがドキュメンタリーとしていいのか、悪いのかは評価が分かれるのだろうけれど、ただ、心には迫ってくる。
日本の暗部とも言える事件でもあり、事件にかかわった教員たちの傷や苦悩は、ものすごく大きいものだったと痛感させられる。ボクらが歴史から学ぶという行為をすすめていくうえで、治安維持法のもとでの被害者の問題など、まだ社会や政治のレベルで総括されていない問題に正面からむきあっていくことは、絶対に避けて通れない問題だと、あらためて思った。
もう1つは、事件にかかわった人たちのその後の生き様である。さまざまな分野で、社会的な活動をしている人が多いし、革新政党の議員になった方もいる。写真家の熊谷元一が、この事件の関係者だったことはボクは全然知らなかった。いま生きておられる当事者の証言は、かなり貴重なもの。
知っておくべきことが詰まった映画だった。
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