スラム化する日本経済
最近、何かと話題の浜先生の、この本を読んでみました。けっこうおもしろかったです。グローバル経済というものの進行を、いわば一つの必然ととらえながら、その行き過ぎから生まれる事態を批判する。なぜ、豊かな国で貧困の問題が生まれるのか、その指摘はなかなかのものがある。彼女の議論の特色は、その視野の広さだろうと思う。なるほど、こう考えればいいのかと思える指摘は多々ある。でも、物足りなさも同時に感じる。「それはなぜなのか」という疑問が残る。視野を広く、いろいろ解説して見せるのだが、その根本的な原因というか、内的な矛盾の構造というのが、今ひとつピンとこない。それは彼女が、資本主義の批判者ということではないからなのだろうか。
だから、その処方箋も、やや楽天的。ここで気になるのは、国民経済というものに対する評価だろうか。彼女は、その視点は否定的。たしかに、各国の経済が、内向きになるとき、浜さんの主張は理解できない面もないわけではない。が、世界政府みたいなものがない以上、国家という単位を基礎にした、国民経済の意味を再定義することは、必要はないのかと。でも、その処方箋そのものについては、すべて否定するものではない。あえて、戦争放棄のドンキホーテになろうという主張には共感する。『グローバル恐慌』のほうもまだ全部読んでいないので、読み切ろうかな。
« スカイ・クロラ | トップページ | 追加対策56・5兆円規模 補正も過去最大の15兆 »
「読書」カテゴリの記事
- 石破さんのインタビュー本『保守政治家 石破茂』を読み始める(2024.10.02)
- 10月号ができました(2024.09.11)
- 「歴史抹殺の態度を変えさせなければ」8月31日に都内で関東大震災朝鮮人・中国人虐殺犠牲者の追悼大会(2024.08.25)
- 木原稔防衛相、終戦の日に靖国神社に参拝 韓国「時代錯誤的」と反発 :「ニライカナイには行けない」(2024.08.15)
- 9月号ができています(2024.08.12)
「政治」カテゴリの記事
- 衆院本会議 石破首相 初の代表質問 公認方針などで論戦(2024.10.07)
- 「北海道内4港、日米演習で使用 10月23日から 釧路は米部隊輸送」「着眼点と調査力 本領発揮 JCJ賞贈賞式 「赤旗」日曜版に大賞」(2024.10.06)
- 「8番目の男」、教育機関への公的支出割合、日本はワースト2位…OECDが発表(2024.10.05)
- 石破首相、裏金問題を陳謝 「信頼取り戻す」所信表明演説(2024.10.04)
- 石破茂新首相が会長だった石破派(水月会、9月解散)が、政治資金パーティー収入を6年間で計140万円分、収支報告書に過少記載した疑いが判明(2024.10.03)
「経済」カテゴリの記事
- 衆院本会議 石破首相 初の代表質問 公認方針などで論戦(2024.10.07)
- 「北海道内4港、日米演習で使用 10月23日から 釧路は米部隊輸送」「着眼点と調査力 本領発揮 JCJ賞贈賞式 「赤旗」日曜版に大賞」(2024.10.06)
- 「8番目の男」、教育機関への公的支出割合、日本はワースト2位…OECDが発表(2024.10.05)
- 石破首相、裏金問題を陳謝 「信頼取り戻す」所信表明演説(2024.10.04)
- 石破茂新首相が会長だった石破派(水月会、9月解散)が、政治資金パーティー収入を6年間で計140万円分、収支報告書に過少記載した疑いが判明(2024.10.03)
こんばんは。
『グローバル恐慌』は面白かったですよ。YOUさんのおっしゃるように、国民経済への評価は気になりますが、「保護主義に走るな」的な話は、流行のように言われていること思ってあまり気にせずに読みました。「朝日新聞」の連載記事もなかなか面白かったのですが、中身はほとんど忘れました^^;
投稿: 洋 | 2009/04/15 22:09