ひきこもりつつ育つ
沖縄出張の取材の原稿(対談)を必死ですすめる。昼すぎまでに何とか8割ぐらいの到達まではきたという感じ。疲れたあ。午後は、別の取材(座談会)で、永田町のほうへ…。結局、はじめるのが手間取り、7時頃までかかり、その後、1時間半ほど、近くの居酒屋で懇談。取材は、ボクにとっては刺激の場である。
さて、こんな本を読んだ。
何となく読んだんだけれど、かるく読めるかなと思ったけれど、かなり難しい本でもある。が、とても勉強になった。ひきこもりを、発達の危機ととらえる。だからひきこもりの支援の目標は、社会への適応を図ることではなく、あくまでも育ちの保障にあるとする。そして、この問題の根底にあるのは社会の問題ととらえ、 “生きづらい”社会を変える力をもった支援を提起する。小川太郎の資本主義の教育の矛盾についての指摘などを引用しながらの議論は、あらためて、今の問題をとらえるうえで、新鮮。同時に、これまでの支援活動のなかで、著者が出会った若者たちからの「聴き取り」をもとに、「ひきこもり」のとらえ直しを行い、求められる支援と支援者のあり方について考える。
閉塞感のひろがる今社会。しかし、ひここもりに対して、侵襲的介入による人権侵害も相次いでいる。その支援方向を、対処的でも、単純な臨床に限定することなく、もっと社会的なとりくみのなかで、本人が社会と、人とつながる力をつけるとりくみを模索する。1度読んだぐらいでは、なかなか難しく、理解したと言えないけれど、居場所の問題、支援者のあり方など、いろいろ勉強になった。
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ありがとうございます。How to本が売れるひきこもりの世界で、この本を出す為には、かなりの勇気が必要でした。優秀な編集者と何回も議論しながら仕上げたものです。素晴らしい評価を頂き、感謝申し上げます。できれば、多くの支援者に読んで頂きたいと思っています。
投稿: 山本耕平 | 2009/04/22 18:36
著者の方から、直接コメントをいただくなんて、光栄です。とても勉強になった1冊です。たとえば、ここのところ、なぜ小川太郎先生の議論が、いまのような時代になぜ、ちゃんと評価されないのだろうか、などということもずっと思っていたのです。我が家の本棚には、著作集は、ちゃんとあります(苦笑)。それだけで、ちょっとうれしかったです。
若者の困難に向き合うとき、支援する側の、立場だけが問われる傾向があることは事実でしょう。それは、それで、現在の若者の現状、それに対する若者観た若者施策の実態からいっても、しかたがない面もあるとは思います。が、同時に、どうそれを社会化するのかとうことを考えないと、なかなか展望は見えないなあなどもいうこともずっと思っていて、ヒントをもらったと感じています。もっと勉強して、考えていきたいと思います。
ありがとうございました。今後ともご指導よろしくお願いします(たぶん、直接、相談をもちかける機会もあるかもしれませんが)。
投稿: YOU→ 山本耕平 | 2009/04/23 01:02