学力と新自由主義
佐貫先生の本は、相変わらず難しいです。だから読むのに時間がかかります。
ここのところ、政策の側の議論は、「学力向上」やら「生きる力」ということ目立つます(道徳というのもありますけど)。ほんとうに、それが子どもたちの成長にとって、意味あるものになっているだろうか。教育の世界に広がる困難というものを考えたとき、とてもそうは思えない。この点を、新自由主義の批判に一貫して取り組んできた著者が、この学習指導要領がいう「学力向上」や「生きる力」という文脈が、新自由主義に包摂され、それをすすめるものにほかならないと批判する。
この本が、おもしろい、もう1つの点は、では、教育はどうあるべきなのかを提起していること。「学力とは何か」という問いからはじまって、その構造の仮説の提示を含め、教育実践のあり方をあらためて提示する。「生きられない」子どもたちの現状から、「共に生きる力」の獲得の実践へ。大阪の千代田高校をはじめとした実践に学びながらの、問題の提起は、よく学び、議論したものになっていると思う。
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