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2009年4月

2009/04/30

政治の軸にならない「貧困」

 今日から、日経の清水真人記者の書いた『 首相の蹉跌―ポスト小泉権力の黄昏』を読み始めた。感想は後日書くけれど、よく取材されている本だとは思うけれど、小選挙区制のもとでの2大政党制による選挙が、国民の政治選択を深めるという前提にたっているところが、まあなんというか日経だけれど。この2大政党のマニフェストによる政治選択の提示が、まやかしの選択軸になっているという問題になぜ、気がつかないのか、それが国民の政治への不信を強めているのに。

 たとえば、4月19日の東京で、ドーアが表題の小論を書いている。

 しかし、他国に比べれば、日本で不思議なのは、不平等が政党政治の重要な軸にならないことだ。メディアの関心は外国と比べ強い。本屋には、「ワーキングプアの反撃」「派遣村」「反貧困の学校」など、貧困関係の本が何十点も並んでいる。  ところが、よその国で、貪困・再分配の問題が政冶論争の主要軸になるのに、日本ではそうならない。

 これがドーアの問題意識だ。

 長期的な―少なくとも二十年来の―所得分布の不平等化傾向が、今の不況によって大いに加速されている。政府の緊急対策、「底割れ」対策が、やはり底割れの効果があるか。それこそ目下の主要な関心事である。  … 失業対策として、失業者の住宅支援、訓練費の補助、雇用調整助成全、介護職員の待遇改善など、厚生労働省の役人さんたちはいろいろと工夫を練った。その努力をけなしたいと思わないが、もし私が切られた派遣労働者だったら、危機対策の予算配分を問題にするだろう。五六・八兆円のうち、雇用対策費(国費、事業費も合めて)は四・四兆円、金融対策費はその十倍の四四・八兆円である。その数字を見て、失業者たちは「麻生政権の関心の優先順位はそんなものか」と怒るだろう。

 補正予算案が閣議決定され、その内容が、各省のHPに掲載されている。実際に労働対策、貧困対策のものは厚生労働省のHPに掲載されているがお寒い限りだ。だいたい、貧困対策については、国が制度から撤退している状態もあるから、国の制度は、ごく限られたもの。でも、地方交付税はどうなのかということになるのだが…。

 ここでも、選択の軸はどう提示されているのだろうかが問われる。
 ドーアはこう言う。

 いたるところで、フリーター組合をつくったり、不当解雇を法廷で争ったりする草の根の低抗が起こっている。ところがそれに手を伸ばしているのは、民主党支持の連合ではなくて、体制外の全労連である。その不満をくみ士げて地方の政党支部にその人たちを組み込もうとしているのは、今度天下を取るつもりでいる民主党でなくて、共産党だけである。  なぜだろう。

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2009/04/29

学校の危機…いつ始まった

 今日も、結局、働かずに休んだ。少し、元気を復活させないとダメだから。だいぶ、気分は楽になった感じがする。少し、外にもでる。天気がよく、緑も花もきれいで、元気をもらう。

 昼から、買い物に行ったり、図書館に行ったりする。夕食も久しぶりにつくる。

 夜、テレビを見ていたらTBSで「水曜ノンフィクション」という番組で、表題のテーマをとりあつかっていたので、見た。

驚くべき教師たちの精神疾患。
今、診察を受ける教師が増加している。

一体、親が教師に求めるものは何なのか?
教師と生徒の関係はどう変わったのか?
かつての"聖職"も今や"サービス業"とは本当なのか?

現役教師に密着。過酷な教育現場の実態をみつめながら
もともと「先生とはどんな存在だったのか」を考える  

 短い時間だったので、現在の教師の困難も、自殺やうつの増加など、簡単にことがらを紹介するにとどまる。
 同時に、歴史を振り返りながら「先生とはどんな存在だったのか」を考えるわけだけど、無着さんと金八さんをとりあがげ、かなり駆け足。
 現在の教育困難の、大きな要因として、教育のサービス化、新自由主義教育「改革」をとりあげていた。

 子どもの視線がなくなっているということを強調し、全体として、まじめにつくられていたので、よかったけれど、あまりにも駆け足で、どれだけ説得力のある議論となったのかは、やや疑問。個々の問題を1つひとつ掘り下げる必要がまずあるのだろう。
 いまの教育を議論するのは、時間もかかるし、丁寧さも必要だということなのだろう。

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ルポ 雇用劣化不況

4311810 朝日新聞の竹信さんのこの本を読み終えた。さすがに、取材の目の付け所は見事。今の経済危機の1つの側面を見事に言い当てている。

 堤・湯浅対談の本でもそうだったけれど、NOと言えない労働が広がり、雇用が劣化する背景には、非正規の、拡大の象徴される「賃下げ依存症」という現在の日本経済の側面があり、それが、昨年の秋からの経済危機で「津波」として到来した。しかし、この労働の劣化を特質とする経済のもとでおこなわれていることは、たとえば「労災が見えない」ということであり、その結果は、」「しわ寄せは『お客様』に」というほど、ものづくりやサービスを劣化させている。しかもそれは、民間企業でおこなわれているだけでなく、もはや公務労働の場でも主流になりつつある。 「公」が雇用をつぶしている。
 こうして、問題は非正規だけの問題ではなく、正規労働者そのもののあり方が問われるようになる。そのなかで、「 『名ばかり正社員』の反乱」がはじまっている。そして、いままだまだ小さな動きだけど、ユニオンという形で新たな「労組の発見」がすすんでいる。「反貧困との連動」し、そして「派遣村」へ広がった。著者は、こうした流れの中で、経営や既存の組合が失ったもの、そして今後求められることは、「現実からの再出発 」だということなのだろう。

 著者は、とくに経済のグローバル化のなかでの、日本経済の変化、雇用をとりまく状況の変化ということに注目する。それはたしなに、一つの大きな側面でもある。が、では、なぜ、それがなぜ、日本でこのように固有な特徴をもつ形で、進行し、餓死までもおこすような事態をつくったのか。そこにある、日本経済の特徴というのはなになんだろうか。たとえば「解雇」ということをめぐる問題。それは、どうなのだろうか? 本当に、これまでに日本では、解雇から守られていたのだろうか?そんなことは、ちょっと気になったりはするのだけれども。

 どうだろうか。

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2009/04/27

政府 09年度補正予算案提出 過去最大の13兆9200億円

 今日は、朝から、個人的な事情もあり、それから職場にむかって、午前中は実務。午後から、メディア関係に人と、企画の打ち合わせ。いまも放送企業の経営危機の背景と、それがジャーナリズムという視点からどうろらえればいいのか、ひとしきり議論。刺激をもらう。それから印刷所に行って、一仕事。編集部に戻って、実務を再開。

 夜は、知人と呑みにいく。最近、呑む相手は今日もそうだけれど、編集者が多い。まあ、自分も業界人ということで(笑い)。相手は、歴史に造詣の深い人と、外交問題で活躍する編集者。今日は、歴史の話が酒のさかなかな。雑誌編集者は、そうはいっても、テリトリーは広い。ここが少しつらいところ。

 そんなテリトリーの広い人間としては、気になるのは次のニュース。

政府 09年度補正予算案提出 過去最大の13兆9200億円(東京新聞)

 政府は二十七日、先にまとめた「経済危機対策」の裏付けとなる二〇〇九年度補正予算案を閣議決定し、国会に提出した。雇用対策や中小企業支援、環境関連などを手厚くし、補正総額は十三兆九千二百五十六億円で過去最大。一方、財源として国債を十兆八千百九十億円(うち赤字国債は三兆四千八百七十億円)発行する。景気回復を最優先とするが、財政は悪化する。 
 与謝野馨財務相は、閣議後の記者会見で「今回の補正の財政出動は極めて臨時異例的なものだが、萎縮(いしゅく)的な財政出動は避け、率直かつ大胆な財政出動をした」と述べた。…

 なぜ、気になるかと言えば、これだけ財政赤字のある国である。現在の経済危機の本質はどこにあるのかについて、もっと根本的な、検証や議論が必要なのではないのか。単純に金融の話ではないし、金融が引き金となった、輸出構造という問題にとどまらない、資本主義経済の危機という分析が必要なのではないか。グローバルな資本主義が、全体として、過剰生産という状況にあり、それが金融的手段で、いわば虚構の消費のバブルがつくりだされ、新自由主義という麻薬がうれてきた。ならば、その構造の転換に向かって、日本の経済のどういう変革が必要なのか。もっと、根元をつく議論が必要なのではないのか。

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2009/04/26

介護保険が「使えない」~10年目の検証~

 今日は、朝から会議にいく予定だったけれど、朝から頭がかなり痛くって起きられない。しかたがなく、休む連絡をして、そのまな寝続けることにする。ずっと寝続け、お昼をかなりまわってから起き出す。まだ、少し頭が痛い。気がつくと、頭とともに、肩や首がかなり痛いことに気がつく。疲れているのかなあ。

 少し、していから、しかたがないので、部屋の掃除をはじめる。いろいろ移動しなければならないものがあり、それを移動しないと、春物の服が出せないという事情もあり、いやいやながらすすめる。ただ、もの(とくに書類類)が整理されずに、つまれているので、これが片づかない。これはあきらめるしかない。ずいぶん片づかない部屋の様相になっている。

 夜は忙しくて、できていなかった二男の誕生会を行う。今日はめずらしく外食。

 さて、帰ってきてから、NHKスペシャルの表題の番組をみた。

090426_b 2000年4月にスタートした介護保険制度。「家族が担ってきた介護を“社会化”し、必要なサービスを自ら選択。自宅で最期まで生活できるようになる…」そこにはバラ色の未来がうたわれていた。10年目を迎えた今、その理想が実現したとは言い難い。
 今回NHKは、超高齢化社会を先取りしていると言われる都内のある団地に注目した。介護保険についてアンケートを行ったところ、1000世帯あまりから回答があり、十分なサービスが提供されず、社会から孤立する高齢者、介護家族が増え続けている実態が明らかになった。当初、国は制度の導入を優先し、その後は「走りながら考える」としてきたが、財源問題などに追われ「介護保険がどこまでサービスを担うのか」「制度を運用する自治体がどのような役割を果たすのか」といった重要な議論は先送りされてきた。今後、団塊世代の高齢化が進めば、さらに多くの人々が介護保険の網からこぼれ落ちる事態になりかねない。
 番組では独自のアンケートをもとに介護現場が直面する深刻な実態を浮かび上がらせ、さらに介護事業者や自治体などの取材を通して制度の問題点を検証。介護保険にどのような改革が求められるのか、高齢者介護はどうあるべきか、考える。

 十分なサービスが受けられない。そのもとでの家族の現状、施設の側の現状、そして、この保険制度がとどかない、とくに一人暮らしのお年寄りの実情。いっそう、介護保険は使いにくくになり、事業者を市場をベースにおこなったための問題もうきぼりになっている。
 なぜ、介護保険は、その理念から、かくも離れてしまったのか。どこに問題があり、何を解決にすべきなのか。だめですね。あまりよく理解できていないです。しっかり、勉強しないとだめですね。

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2009/04/25

今日も会議の一日

 今日は、朝、少し寝倒してしまいました。大幅に遅刻して、職場に向かいます。たぶん、ストレスからなのでしょう、そういう持病があって、その調子がいま一つよくありません。ここは少し、体調管理もしないといけないところです。午前中からたまった実務をすすめる。午後は、ずっと会議です。今日は会議っていっても、ずっと聞いているだけだけれど、それはそれで、勉強になり、おもしろかったけれども。ただ、まあ、昨日からのへこみ状態は全然、解決していませんね。電車のなかでも、知っている人がいてもすぐさけてしまう。ほんとうは誰にも会いたくないような、やや、引きこもり状態ですね。気分は。少し、リフレッシュしないといけません。

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2009/04/24

そりゃ あんまりだ!「お金がないと学べない?」

 今日は、朝、昼、夜と3ラウンドの会議の一日。かなり疲れているのに、ハードな一日。合間の時間帯はつい椅子に座りながら、うとうとしてしまう。朝は、教育問題がテーマの会議。付け刃で「就学援助」の現状について報告。かなり恥ずかしい報告だが、問題提起は一様したと。昼からはメーンの仕事の会議。なかなか、自分の思い、苦しさなどが伝わらない。かなりダメージの残る会議。へこんでいる。夜は、こどもまつりの実行委員会。

 そんなわけで、表題のNHKの番組は、つれ合いにビデオにとってもらって帰ってきてから、すぐに見る。内容は、前半は、私立の高校生の問題を、当事者の高校生たちの声をまじえて。後半は、就学援助の削減についての実態のリポート。もちろん、もっと日本の学費の問題の異常さを、世界的にみてどういう問題なのか、そしてその異常さの背景にある、子どもの発達の権利との関係で教育費がどうあるべきなのかという原理的な問題について、ふかめてほしいという思いはある。ここのあたり、ボクらはどう議論をすすべるべきなのか、もっとよく考えなければいけないのかもしれないとも感じる。この点で、社会的な合意をつくるということに、かつて70年代、80年代の運動に対する反動的な対抗をうけて以降、あまり成功していないのかもしれない。
 が、番組そのものは、当事者の高校生たちの声をふんだんに紹介して、まじめにつくられていて、好感をもてた。最後にOECDのなかでの教育予算の支出の日本の異常さでおさえるところは、よくやったとも言える。
 実態のレポートは切なかったけれど、涙を流している場合ではない。こんな政治の有り様は絶対に許していてはいけない。そんな強い思いをもって、この問題を考えていかなければいけないのだと思う。

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番組紹介 「お金がないと 学べない?」

 テレビ番組と言えば、いま注目すべきは、NHKでしょうか。大胆な番組改編ですが、はたして成功するのか? 少なくともプロジェクトJAPANが、ボク的には、あまり評価は…。
 さて、今夜には「そりゃ あんまりだ!」という番組がはじまります。いろいろお世話になったり、お世話したりの「ご近所の底力」の後継番組なのでしょうか? 「雇用・格差・医療・介護・教育」などの問題を扱うというので、見なければなりませんね。しかし、夜8時は、ちょっときついかなあ。今夜は会議もあるし…。
 その第一回目が、「お金がないと 学べない?」 ちょうど、いまの関心ともかかわります。

学用品が買えない、修学旅行に行けない、授業料が払えない。 経済危機の中、今、教育現場に変更が起きています。 子どもたちの学びの場が危ない!「そりゃ、あんまりだ!」という声がよせられました。

 内容はどうでしょうか? 見ることができたら、感想は書きたいとは思いますが、それもどうでしょうか。

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2009/04/23

テレビでにぎわしているニュースは

 テレビでは、今日は、SMAPの草薙くん(容疑者)の事件で、もちきり。お酒の失敗はしたくないものですね。ほんとに、これだけなんでしょうかね。よくわかりません。でも、ここまでニュースを占拠するようなものなのでしょうかね。「海賊対処」派兵法案の問題をはじめ、もっと突っ込んで報道すべきものがあるとも思うのですけれども。経済問題をとっても、今回の補正はものすごく問題の多いものでしょう。しかし、どうもほりさげた報道がないように思いますが。

 ショッキングなニュースと言えば、清水由貴子さんの自殺事件でしょう。介護の問題は、人ごとではありませんから。みんな不安感をもっている。どのワイドショーも介護制度そのものについてふれていますが、でも、なぜ介護制度の現状がこんな状態なのかについて、どこまで踏み込めているのかは疑問です。センセーショナルに報道するのではなく、実際の介護保険制度の問題点を1つひとつ検証する努力をしてほしいものですね。

 今日も、印刷所につめる1日です。かなり山場を越したと言えるでしょうか。少し、落ち着いて仕事がしたいものです。反省ばかりが積みかさなる日々でもありますが。

 今日は、少し早めの9時過ぎに帰宅。家族では一等賞です(苦笑)。家事をして、明日の会議の報告のための資料づくりをいままで。

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2009/04/22

正社員が没落する――「貧困スパイラル」を止めろ!

 今日は印刷工場につめる日。ひたすら活字とにらめっこでもある。まあ、何とか無事すすんでくれれば。あと一息集中である。先の企画の組み直しの必要性も発覚。いろいろ考えるべきことも少なくはない。
 家には、11時過ぎのつく、長男とひきつづき問題の解決?のために話を少しして、あと電話のまだまだ今月の仕事のやりとりもある。やっとブログに向かう。このあと、もう1つ地域の仕事をしなければいけないのだが。
 さて、今日、読み終えた本。

200806000367 湯浅誠、堤未果の2人は、いま旬の論客だろうね。『反貧困』『ルポ 貧困大国アメリカ』という2冊は岩波新書は、まちがいなく去年の論壇の1つの成果だろうしね。その2人が、現在の中間層=公務員と正社員の没落の現状の背景にある「貧困スパイラル」という問題をテーマに語り合う。
 アメリカの社会が提示する中間層の没落、日本でも非正規労働の広がりのもとで労働者がNOといえない状況に追い込まれて、労働が劣化し、ワーキングプアが広がる。とくに新しい問題の提示があるわけではないだろうけれども、論点などは、この2人、ずいぶん深まっているなあと思う。現実に向き合い続けること、そして考え、発言し続けることが、いまとても大事なのだと思うのだ。
 なぜ、NOと言えない労働者が増えるのか? ではどうせればそれは解決できるのか。NOというたたかいとともに、NOと言える条件を拡大する、その両方をとりくむことがきっと大事だのだろうな。

 ボクは、非正規の問題は、正規労働者の劣悪化の問題とセットに議論する必要があると、ずっと思っていて、弁護士のSさんにそんな原稿を書いてもらったり、超有名私学の先生に卒業生の追跡調査をしてもらったり、そんな仕事をしてきた。同じ問題を、改めてひ「貧困」という角度から、論じたこの本を提示する論点は、なかなか刺激的でもある。
 そして経済論として本質問題にせまっているわけではないけれど、この「貧困スパイラル」という指摘そのものだとても大事な問題だよね。
 うーん。いろいろ考えさせられています(苦笑)。結局は、仕事の刺激ですけど。

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2009/04/21

「海賊対処」派兵新法案の審議

 自分の仕事のやり方を反省させられる日々が続く。どうも、ほんらいよく考えるべきことが、十分に考えられていないのではないのか、という反省である。たとえば、この、「海賊対処」派兵新法案なるものについても、審議はどんどんすすんでいく。「東アフリカ・ソマリア沖の自衛隊の活動を念頭に置いた海賊対処法案をめぐり、与党と法案修正を求める民主党の協議が21日始まった。民主党は、自衛隊派遣には国会の事前承認が必要とするなどの修正案を提示。与党側も妥協案を示したが、協議は難航し、22日以降に持ち越された。早期成立を急ぐ与党は、協議の是非にかかわらず週内に同法案を衆院通過させる方針だ」(毎日新聞)という。

 この法案をめぐっては、そもそも、ソマリア沖の「海賊」なるものへの対処にとって、ふさわしいものなのかという問題があるが、同時に、この法案の構造が憲法との関係でどうなのかという問題がある。たとえば、法案のなかには、海賊の提起など何もない。つまり、「対処」という行為だけが規定される。こうして、自衛隊の海外派兵と「武器の使用」という名の武力の行使がすすめられることになる。これは、「海外派兵恒久法」への大きな一歩を意味する。しかし、自分の仕事として、こうした問題をどこまで論として詰めていたのか。ほかにも問題は少なくない。

 国会の審議は、ほとんどそういった問題について本質的な議論はなされない。民主党がそういう立場に立っていないことも大きな問題。しかし、これが数日の審議で衆院を通過してしまえば、いったい憲法はどうなるのだろうか。沖縄からの海兵隊の移転につながる保障のない「グアム移転協定」の衆院委員会での審議はたった3日だった。腰をすえて、しっかり仕事をしないといけない時期にあると、心してかからなければいけないのだ。

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銃よ、憎しみよ、さようなら~DDR・瀬谷ルミ子

 今日も結構、忙しい。残った原稿の処理をすすめながら、今日はゲラの束とのたたかいの一日でもある。合間に、企画をつめるための調べものなどもする。新しい発見もあったけど、その成果は後日。目がかなりつらい。だんだん、目が厳しくなる。加齢には勝てないということなのか。トホホ。
 今日中にやらなければならないことを頭に描きながら、処理をしていたのだけれど、夜になって、何か忘れているような気になった。帰りの電車のなかで、案の上、忘れていたことを思い出す。明日からは印刷工場に詰めなければいけないのにどうしよう。やっぱりすぐメモにしないとすぐ忘れる。これも加齢か…。

Photo02 さて、今日は、家に少し早めに帰ることができたので、NHKのプロフェッショナル・仕事の流儀の表題の番組をみた。DDR=武装解除といえば、まず伊勢崎さんを思い浮かべるが、こんな女性もいた。もともとDDRとは、D武装解除・D動員解除・R社会復帰の3つを指す。彼女はこのなかでも、Rのプロだという。「この10年、瀬谷は、国連職員や外務省職員などの立場でシエラレオネ、アフガニスタン、コートジボアールなどのDDRに関わってきた。今はその経験を生かし、フリーの専門家として仕事を請け負う。
 この2月、アフリカ・スーダンで18万人を扱う史上最大のDDRプロジェクトがスタート。国連からの要請を受け参加する瀬谷は、国連や政府に提言する際、徹底して現地調査を行う。目の前の一人一人の声に耳を傾け、現実の中から答えを見つけ出す」。

 現在でも困難のなかにあるスーダンをはじめとした世界の国々に思いを馳せる。そのなかで日本がこの国際社会のなかではたすべき役割というものを考える。世界の国々が、国際社会が必要とする仕事や役割はいろいろある。答えを決めつけず、もっとボクらは世界のことを知らなければいけないように思えた。胸を張って、日本が、ボクらが引き受けるべき、役割はたくさんありそうだ。世界で、困難に向き合いながら仕事をしている人たちから、誠実に学びたいと思った。

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2009/04/20

学力と新自由主義

Photo177174 佐貫先生の本は、相変わらず難しいです。だから読むのに時間がかかります。
 ここのところ、政策の側の議論は、「学力向上」やら「生きる力」ということ目立つます(道徳というのもありますけど)。ほんとうに、それが子どもたちの成長にとって、意味あるものになっているだろうか。教育の世界に広がる困難というものを考えたとき、とてもそうは思えない。この点を、新自由主義の批判に一貫して取り組んできた著者が、この学習指導要領がいう「学力向上」や「生きる力」という文脈が、新自由主義に包摂され、それをすすめるものにほかならないと批判する。
 この本が、おもしろい、もう1つの点は、では、教育はどうあるべきなのかを提起していること。「学力とは何か」という問いからはじまって、その構造の仮説の提示を含め、教育実践のあり方をあらためて提示する。「生きられない」子どもたちの現状から、「共に生きる力」の獲得の実践へ。大阪の千代田高校をはじめとした実践に学びながらの、問題の提起は、よく学び、議論したものになっていると思う。

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子どもの貧困と就学援助制度

 かなり今月の原稿のメドが立ちつつあると言っても、今月は、物理的に仕事量が多くて、朝から、目の回るような仕事の忙しさに追い立てられる一日だった。目先の仕事で追い立てられているというのに、ある人から「就学援助」について、調べてほしいと言われて…。ほんとうは、事務職員の研究会方に連絡をとるなどして、いろいろ調べる必要があるのだろうけれど、時間がないので、インターネットでとれる資料をまず集める。

 帰りの電車のなかで、その1つ、参院の企画調整室の鳫咲子さんという方が書いた、表題の論文を読む。参院のHPから、『経済のプリズム』という雑誌のページにいくと、今年の2月号に掲載されている。
 就学援助制度についての研究は実は少ないし、調査も多くはない。実施主体が、国ではなく、市町村にあるので、その制度の基準も運用もバラバラなのが実態である。とくに準要保護世帯の就学援助は、05年に国庫補助がなくなったため、まったく市町村に任されることになっている。ところが、援助をうけている世帯は、実は、この十年で2倍になっていて、その要因は、リストラなど世帯の経済的要因にあることも明らかになっている。

 これまで、文部科学省による調査は、64年と06年に2度、実施されている。64年の調査によると、財政力の低い市町村ほど就学援助受給者が多く、就学援助を行う必要に迫られながら、十分な援助が実施されにくいことが明らかになっていた。06年の調査では、その傾向とともに、都市部での援助率が高くなっているということが明らかになっている。これは、この制度の周知のありようとかかわっているようだ。そのために財政力と就学援助率の右肩下がりの線が二重にできるようになっているということのようだ。支給額は、現在は、財政力に比例するようになっているようだ。就学援助の制度の重要性から考えると、市町村任せの現行の制度のもつ問題は、すでにこの調査でもある程度明らかになっているとも言える。

 もう1つ、藤澤宏樹という大阪経済大学の准教授の書いた、「就学援助制度の現状」という論文も読んだ。ボクは知らなかったのだけれども、憲法、社会保障法の研究者のようだ。だいたい、これまでどのような議論があったのかということもほとんど知らないし、これまでの研究調査が、小川政亮さんのような社会保障の研究者が中心で、教育学の側での議論が少ないのはちょっと驚きでもあった。憲法研究者の手によるものだけに、理念だとか原則というものを確認しながらの議論は、とての勉強になる。

 子どもの教育にお金がかかる。いいかえれば、教育を含めた家族の生活が、その主たる働き手の就労による賃金に極端に依存しているという日本の特徴が端的にあらわれている。そこに、自己責任論が襲いかかっているということか。
 施策の成り立ちで、いろいろな調査を見ると、就学援助がほんとうに権利として位置付いているのかは、いろいろ考えさせられる。運用でそのように努力しているようなところもあれば、そうでないところある。かつて権利として宣言していた自治体があった(長崎県香焼町)ことも初めて知った。もう少し、勉強したいと、帰りの電車で眠気を押さえての、勉強であった。

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2009/04/19

つみきのいえ

Images 夕食は、二男と二人。ここで「つみきのいえ」を見る。ご存じ、アカデミー賞作品。ものすごく短い作品だけれど、それだけに、ものすごくうまく作られている。絵がまず、やさしく、やわらかい線で魅力的。ストーリーも、シンプルだけれども、誰にでもある心にしみる内容。何度もみたい作品。

 それから、こどもまつりの事務局会議に向かう。存続の難局にある。財政的にどう維持することができるのか。悩ましい問題を、いろいろ議論する。答えはそんなに簡単に生まれそうではないが。

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平和と民主主義のあらたな価値の創造へ

Img00003200904191347 昨日、突然、携帯電話が壊れた。docomoに行っても直らないといわれてしまった。しかたがなく、新しいものを買う。どうせ買うなら新しいものをと思って、思い切ってBlacberryを買った。そうオバマさんが使っているやつ。まだ使い方はよくわからない。Iモードメールも使えないので、これまでの携帯アドレスは使いえなくなっているのみなさんよろしく。アドレス帳の移行もまだ、うまくできていないので…。
 携帯の写真も今度は横型になるわけで。

 さて、今日は、朝は草取り。家事をして、二男の携帯も壊れかけているので、新しいのを買いに行く。
 午後からは、表題のシンポジウムに行く。平民研連という研究団体の共同体の行った集会で、副題に「新自由主義を越えて」とある。会場の場所がすぐわからなく、しばらく探す。ここで新しい携帯の登場で、インターネットで何とか会場を見つける。が、最初の報告、渡辺治さんの「新自由主義と憲法の接点」という報告は半分しか聞けなかった。聞きながら、そういえば、この前話を聞いたのは、麻生さんが登場したころ、なかなか選挙にならないなあと、つくずくこの半年を振り返る。第2報告は、米田貢さんの「新自由主義を克服し新たな経済社会秩序に向けて」。いまの経済危機の話。金融危機と過剰生産恐慌との関係は、米田さんは前者に重きを置く。ここはもっと議論を聞きたい。第3報告は、田中孝彦さんの「子ども・若者ととに新たな人間的価値を探求する教育へ」。これは、子どもの声を聞くということを方法の基礎においた、臨床教育学の立場からの教育・教師論。この話を聞くのははじめてではないが、おもしろかったのが、報告後の質疑応答というか、討論。ここではたくさんの人が共感的な発言していた。貧困問題にとりくむ研究者、若い経済の研究者…。教育をめぐる議論が、専門外の人もふくめ広がる可能性も感じた。中身も興味深かった。

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2009/04/17

雇用悪化で少子化を懸念=就労支援の必要強調-09年版白書

 今月は、めぐりあわせてもっとも忙しい月。それでも、何とか先が見えてきたのかなあという感じ。でも、その分、たまった仕事もある。どこかで、落ち着かないといけない、と。

雇用悪化で少子化を懸念=就労支援の必要強調-09年版白書(時事通信)

 政府は17日午前の閣議で、2009年版の少子化社会白書を決定した。白書は現在の若年層の就労環境について、企業の内定取り消しにも触れ、「新規学卒者の就職状況が厳しいものとなる恐れがある」と指摘。雇用情勢の悪化が結婚や出産に影響を及ぼし、少子化につながることを懸念し、就労支援策を強化する必要性を強調している。
 白書は、特にフリーターへの就労支援を取り上げ、「わが国の将来を担う若者が安心して働き、意欲や能力を十分に発揮できる社会の実現を目指す」との目標を掲げた。その上で、職歴や職業訓練の実績を記した「ジョブ・カード」を積極的に活用するよう提言した。

 この間、いろいろ興味深い政府の報告書がある。
 最近、もっとも興味深いものだったのが、「新たな経済社会の潮流の中で生活困難を抱える男女についてとりまとめに向けた論点整理」という報告書

 今日の、「少子化白書」だって、興味深い点は多数ありそう。

 実態の分析、そこから生まれる理念、具体的な政策、それらがそれぞれ乖離しているということなのだろうえれど、政治全体が、凪のようになってしまって、政局優先で、まともな議論がすっかり影をひそめている印象。だからこそ、こうした国のありようの本当は根幹にかかわる議論をしっかりみなければいけないのだろうけれども。
 こんな問題も落ち着いて、考えたいんだけれども。

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斎藤公子さん逝く

 さくら・さくらんぼの斎藤公子先生が亡くなりました。実は、我が家の息子たちは、さくら・さくらんぼの姉妹園
の出身です。だから、長男はさくらんぼに(第二さくらだったかもしれません)に合宿に行ったり、合同卒園式行ったりしましたね。そのお手伝いに泊まりがけで行ったこともあります。二男の時は、ブロック制になっていたので、鴻巣でしたね。それでも、毎年1度、園に斎藤先生が来ての保育講座がありました。何度か話を聞きました。

 斎藤先生の考え方は、いろいろな面があります。子どもの発達ということにこだわろううという考え方は、共感はできます。いま、保育観というものをしっかりもって、保育を語ろうという実践が、少なくなっていただけに、それなりおもしろかった。
 一方で、ややカリスマ的というか、徒党を組むというか、ちょっとした封建的な世界のような側面があって、そのあたりはねえ。そのことと関連するのだけれど、柔軟さにかけるというか、教条的というか。

 「早期教育を排し、子どもを遊ばせきる」「語り聞かせ」「リズム」「絵」などが、保育の特徴でしょうか。そのことが、いまの息子たちの成長に、どんな意味があったのかはよくわからないけれど、親にとっても、子どもにとっても、よき保育園時代だったとは思う。なによりも、ものすごく、子どものことを考え、そして、子どもについて、親と保育士、親同士がいろいろ話し合えることができたもの。仲間や友だちがいっぱいできたしね。

 だから、やっぱり、斎藤先生にはお世話になったし、斎藤先生の本を読んだりするのも好きだったかな。
 そんなことをいろいろ思い出した。
 合掌。

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2009/04/16

これがノーベル賞金メダルチョコだ

20090417000835 二男にちょっとした病気が発覚、いまのところ経過を観察ということなんだけれど、まあ次々事件が起きること。その事件のもう1人の主である長男はあいかわらず落ち着かない。家庭的な葛藤の緊張のある日が続く。ああしんど。

 今日は、朝からひたすら仕事をすすめる日々。だから、あまり書くこともない。それで珍しいネタを一つ。写真はなんだかわかりますか。表題に書いているからわかるでしょうね。益川さんがおみやげにいっぱい買ったということで、すっかり有名になった、ノーベル賞の金メダルチョコです。残念ながら益川先生からもらったわけではありません(笑い)。ボクの連れ合いが、先日、研究室の調査でスウェーデンに行ったときに買ってきたおみやげです。ノーベル博物館でしか売っていないということなのですが、10枚セットで売っているとのこと。これは、うちの編集部のメンバーには、うけるだろうなと思って、つれ合いから、もらって、編集部で配りました。ボクも、これほしかったんです。
 でも、ものすごく大事にしなければならない感じがして、食べられませんよね。

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2009/04/15

ひきこもりつつ育つ

 沖縄出張の取材の原稿(対談)を必死ですすめる。昼すぎまでに何とか8割ぐらいの到達まではきたという感じ。疲れたあ。午後は、別の取材(座談会)で、永田町のほうへ…。結局、はじめるのが手間取り、7時頃までかかり、その後、1時間半ほど、近くの居酒屋で懇談。取材は、ボクにとっては刺激の場である。

 さて、こんな本を読んだ。

0240 何となく読んだんだけれど、かるく読めるかなと思ったけれど、かなり難しい本でもある。が、とても勉強になった。ひきこもりを、発達の危機ととらえる。だからひきこもりの支援の目標は、社会への適応を図ることではなく、あくまでも育ちの保障にあるとする。そして、この問題の根底にあるのは社会の問題ととらえ、 “生きづらい”社会を変える力をもった支援を提起する。小川太郎の資本主義の教育の矛盾についての指摘などを引用しながらの議論は、あらためて、今の問題をとらえるうえで、新鮮。同時に、これまでの支援活動のなかで、著者が出会った若者たちからの「聴き取り」をもとに、「ひきこもり」のとらえ直しを行い、求められる支援と支援者のあり方について考える。
 閉塞感のひろがる今社会。しかし、ひここもりに対して、侵襲的介入による人権侵害も相次いでいる。その支援方向を、対処的でも、単純な臨床に限定することなく、もっと社会的なとりくみのなかで、本人が社会と、人とつながる力をつけるとりくみを模索する。1度読んだぐらいでは、なかなか難しく、理解したと言えないけれど、居場所の問題、支援者のあり方など、いろいろ勉強になった。

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沖縄に行ってみて3

 高江から那覇まで帰ってくると、もうすっかり夕方になっている。夜は、昔、いっしょに仕事をしていて、4年ほど前に沖縄に引っ越してきた人の家におじゃました。電話では、話をしていたが、会ったのはもしかしたら10年ぶりぐらいかもしれない。早いものである。
 食事をし、飲みながら、つもる話、沖縄の話をして、旦那のほうが、熱中している三線を聞かせてもらう。沖縄民謡を数曲。いちばん心に残ったのは、やっぱり「屋嘉節」かな。戦後、金武町の屋嘉に米軍の手でつくられた捕虜収容所に押し込められたウチナンチュの生活や、ふるさと、愛する人への思いが切々と歌われている。その日、見てきた沖縄の風景などを思いうかべると、ウルウルときてしまった。ちなみに、屋嘉節は、金武町では、現在も大会がおこなわれているそうだ。

 すっかり長居をして、ホテルに戻る。

2009041211362220090412104501 次の日(12日)は、南風原陸軍病院壕に行く。数年前に20号が公開されている。公開される前に、ここにきて、町の文化センターを見学したことがある。そのときに、はじめて沖縄戦というものを体感した。
 見学して、痛感したことは2つ。一つは、自然壕への避難というのは、沖縄ではいろいろなところでおこなわれているが、ここは、人工的に掘った壕であること。沖縄での軍民総動員のありようについて考えさせられる。2つはここでおこなわれたことの最大の特徴は、軍によるその構成員の組織的殺人ということ。軍が民間人を殺すことは、沖縄戦の問題としていろいろ語られているが、ここでは、連れて行けなくなった傷痍兵の殺人が組織的におこなわれたということ。
 壕の入り口の近くに、憲法9条の碑がつくられていた。このあたりは、死んだ兵士たちを埋めたところだそうだ。戦後、遺骨がたくさん発見されたという。

 こうして、短い沖縄の旅は終わった。

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2009/04/14

沖縄に行ってみて2

 普天間から北中城で沖縄自動車道を宜野座まで、そこから辺野古に向かう。辺野古に来るのは、6年半ぶりだと思う。この前きたときは、座り込みのテントはまだなかったのだろう。

Dscn0688 この辺野古に、普天間基地の代替の名で、新基地が作られようとしている。しかしSACO合意から13年。まだ、1本の杭も打たしていない。そのたたかいは、ほんとうに頭が下がる沖縄のたたかいである。
 この新基地については、要塞という表現を現地のたたかいはする。2本の滑走路!、今度のアセスの報告書には、4つのヘリパッドまで付け加えられている。さらに、輸送船のバースがつくられようとしている。ヘリを運ぶためというが、グアムでは大型の高速輸送船でのヘリ輸送が想定されているそうだ。
Dscn0692 写真は、大浦湾のほうから、辺野古の岬をとったもの。車のなかからだけれど、こちらの側に問題のバースがつくられる。
 ここから、高江に向かう。しばらくいくと二見というところがある。ここには沖縄の民謡で、二見情話というものがある。急な坂道を降りるような土地だ。ここには、たぶん振興策なのだろう、新しい道がつくられようとしている。二見情話については後述。

Dscn0691 1時間ほど走ると、ほんとうにヤンバルの山のなかに、この高江の地がある。ほんとうにわずかな人口の集落なのだ。自然のきれいなところで、天然記念物などが生息するし、蝶やいろいろな動植物もある。ヘリパッド反対の座り込みのテントでは、支援者の若い女性が迎えてくれた。現地の方もわざわざうきてくれた。こんな地域に、いまでも多数のヘリパッドがあり、騒音被害があることは、あまり知られていない。それが、広大な演習場の一部の返還を口実に、高江の地域に集約され、実質的に、あらたな経路により訓練が可能になるという具合に、基地が強化される。もし、普天間から、辺野古に基地が移されたら、この北部の地はいったどうなるのだろうか。
 住民の生活や豊かな自然などは、まったく考慮にいれず、あくなき基地機能の強化をすすめようとする米軍とそれにどこまでに追随する日本の政府。この高江の問題は、沖縄の米軍基地の問題を、ある意味で象徴しているとも言える。そして、そんなことは、まともに国会でも議論されないし、メディアは報じない。なかり、ショックをうけた高江の訪問だった。(つづく)

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2009/04/13

少女の涙…

 とても憤りを強く感じるニュースだった。

カルデロンさん、比に帰国の両親見送り 悲しみこらえる(朝日新聞)

 国外退去処分が確定した埼玉県蕨市のフィリピン人、カルデロン・アランさん(36)とサラさん(38)夫妻が13日、成田空港から帰国した。両親と離れ、日本に残ることを決断した中学2年生の長女のり子さん(13)が、悲しみをこらえて見送った。
 夫妻は92~93年、出稼ぎのため、それぞれ他人名義のパスポートで不法入国。日本で結婚し、のり子さんが生まれた。06年にサラさんの逮捕をきっかけに国外退去処分となり、08年9月に最高裁で処分が確定した。その後、改めて在留特別許可を求めていた。偽造旅券で入国した経緯から、法務省は両親の在留を認めなかった。のり子さんについては「日本で勉強を続けたい」という希望と近親による養育環境を確認し、在留を許可した。 …

 子どもの権利条約は、安心で安全な人間関係のなかで、受けとめられながら成長することができる権利があることにその核心がある。今回の処分は、どう考えても、その子どもの権利条約を踏みにじるものではないのか。人権規約も、家族に介入することを禁じている。これにも違反する。「秩序」という名で、人間の尊厳にもとづく人権を平気で踏みにじるこの事態は、むしろ法治国家といしてのあり方そのものが問われると思う。
 少女の涙は、悲しい。

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沖縄に行ってみて1

 沖縄取材は、結構、バタバタして、ブログの更新は十分できませんでした。
 土曜日は、すでに書いたように、午前中は普天間周辺での取材、そのあと、まずアスベストが問題になっているキャンプ瑞慶覧のSACO合意による返還予定地周辺を通過しました。このニュースは、本土ではあまり大きく取り上げられていないので、知らない人も多いかもしれません。

廃棄物にアスベスト/キャンプ瑞慶覧 県の調査で検出(沖縄タイムス)

 宜野湾市の米軍キャンプ瑞慶覧から排出した廃棄物から、アスベスト(石綿)が検出されていたことが9日までに分かった。県中部福祉保健所が現場から読谷村の保管場所に搬送された廃棄物を調べ、判明した。米軍が発注した基地内住宅約140棟の空調ダクトの撤去作業に伴う廃棄物で、施工業者は「事前調査ではアスベストは検出されなかった」としている。
 …県中部福祉保健所によると、同保健所と廃棄物を搬送した業者が6日、読谷村の保管場所から廃棄物をサンプリングし、それぞれ別の検査機関で分析。双方の調査でアスベストが検出されたという。
 アスベストが検出されたサンプルと同じコンテナに入っていた廃棄物は密封し、8日にキャンプ瑞慶覧内へ搬送された。

 もともと、少し前に、隣接する基地内住宅の撤去工事が行われたときにも、アスベストの検出がされていたと言います。そのときの工事は沖縄防衛局がおこなったわけですが、今回は、米軍が直接、業者に発注。どうも問題なしとは言えそうはありません。

 その後、辺野古に向かうために沖縄自動車道に。ここで驚くような掲示がありました。それは伊芸サービスエリアの近く。なんと、「流弾注意」というものです。
 実は、この事件も本土ではあまり知られていないのですが、昨年12月に、金武町伊芸地区で民家に駐車していた車に流弾があたるという事件がありました。ところが4月1日に…。

訓練との関連否定 金武流弾事件/米軍最終報告「証拠みつからず」(沖縄タイムス)

 金武町伊芸区で昨年12月13日、乗用車のナンバープレートに銃弾の金属片が突き刺さっていた事件で、在沖米海兵隊は1日、「訓練場から発砲された証拠が見つからなかった」として、最近の訓練との関連性をあらためて否定する最終報告をまとめ、調査を終了した。一方、県警は事件の解明に向け、引き続き捜査を行う考え。金武町議会は2日、米軍基地問題対策調査特別委員会を開き、今後の対応を協議する。
 これまでの県警の鑑定では、金属片は米軍が使用する50口径通常弾「M33BALL」の弾芯と同種であることが判明している。
 …儀武剛金武町長は「大変残念で強い憤りを感じる。このままうやむやにさせてはいけない。町としても出来る限り対応したい」と話した。池原政文伊芸区長は「予想通りの内容。訓練を継続したいがための言い訳にすぎない」と指摘。…

 被害者も、県警も事件がおきたのは12月10日と認定しています。が、米軍は11日として、その日は訓練は行われていないと言い張って、無関係という結論を出しています。これまでも、流弾事件は、繰り返され、そして、特定されることなく終わっている。
 だいたい居住区のすぐ近くに、実弾演習場がつくられていることそのものがおかしいのです。

 しかし「流弾注意」という掲示。車に乗っている人間にどうしろというのでしょうか?(続く)

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2009/04/11

辺野古 そして高江へ

 午前中は、仕事のうえでの取材を普天間で。おどろいたのはF18の飛行の爆音。ヘリだけではなく、F18の飛行が日常化しているようだ。
 午後は、地元の方にご無理をいって、辺野古そして東村の高江のヘリポート建設反対の座り込みの場にいくことができた。詳しくは、後日、写真入りで紹介するけれども、結局、沖縄の基地問題とは何かのかということを深く考えさせられる体験だった。
 夜は、沖縄に移住した、知人宅におじゃまする。いろいろ話をした。
 そんなわけで、ものすごく充実した一日を送ることができた。くわしくは後日ですね。

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2009/04/10

久しぶりの出張です(グアム協定のことなど)

2009041018192420090410195709 久しぶりの出張です。そのために今日は、午前中からかなりバタバタしてしまいました。出張までにやるべき仕事も結構、あるのです。午後の飛行機で沖縄に向かいます。明日の朝から取材ですから。沖縄にくるのはたぶん6回目。1回目は新婚旅行で24年前が最初です。次が、保育園時代のなかまと、平和ツアーが6年半ほど前でしょうか。その後、仕事で3回。最初の取材のときはついでに嘉手納と海軍司令部跡に行きました。2回目はまったくの仕事の素通り。3回目は、前泊だったので、牧志の公設市場で夕食。そして、取材後は、壷屋を少しうろうろ。今回も、前泊なので、まず牧志に向かいます。3回目の「きらく」ですけど、あいかわらずおいしいですね。貧乏なボクなりの贅沢です。かわったものは食べれないのですが、でも、幸せですね。もっと穴場を探さなくてはいけないのですがね。そういえば前回の沖縄出張の時には、泊の定食屋を紹介してもらいました。ものすごく汚い店ですけど、おいしかったなあ。

 考えてみればあ、出張はものすごく久しぶりです。家族と離れるのも久しぶり。ここ一年ぐらいはそんなことはなかったのかもしれません。まあ、役割としてはかっこつきの「母親」というのがボクの役割でしたから。少しは、いろいろな家族の葛藤を冷静に見る機会なのでしょうか。気持ちのゆとりをもちなさいということなのでしょうか。
 ほぼ3年ぶりの沖縄は、そんなに変わったという印象はありません。でも、「きらく」は、金曜日ということもあるのでしょう。ものすごく、混んでいました。
 ほんとうは、沖縄にとってが深刻な日だったかもしれません。グアム移転協定が衆院の委員会で、採択されたのですから。

グアム移転協定、今国会で承認へ=麻生首相、海兵隊削減の実数は不明(時事通信)

 衆院外務委員会は10日午後、在沖縄米海兵隊のグアム移転協定の承認案を与党の賛成多数で可決した。14日の本会議で承認、参院に送付される。野党が多数を占める参院で否決される見通しだが、両院協議会を経て、憲法の衆院優越規定により今国会中に承認される。
 協定は、2006年の在日米軍再編合意に基づき、海兵隊8000人とその家族9000人のグアム移転のため、費用の一部として日本側が最大28億ドル拠出すると規定。拠出金は移転事業のみに使用することや、事業終了後に残金を返還することを米側に義務付けている。…

 この協定の最大の問題の1つは、際限のない米軍のグアム移転のための日本の財政支出という問題がありまます。同時に、沖縄の負担軽減ということをいいながら、それがとんでもない欺瞞であるということでもあります。そもそも、沖縄駐留米軍が減ることが予定されていないし、同時に、銃剣とブルドーザーで土地を奪われ、基地にされたものの返還に、パッケージ、つまり普天間の移設(県内の!)などがすすまないと、基地の返還がおこなわないという、これまでにもない条件をつくるというものなのですから。

 メディアの議論、本土での議論は、どこか本質をさけているように思えてなりません。

 関連するのかもしれませんが、今日、やっと、NHKのプロジェクトJAPANのプロローグの前半を見ました。これも、問題の本質を実は見事なぐらいさけている。見ていて驚きました。ボク個人としては、この前半を見ているかぎり、この間のNHKの歴史物の労作のなかでは、あまりにも問題が多いと感じざるを得ませんでした。詳細が後日、書き込みますが、よく議論が必要といわざるを得ないでしょうね。

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2009/04/09

七生養護学校金崎元校長事件、勝訴

 先日の日の丸・君が代の被処分者の裁判は完敗でしたけれど、「ここから」に続いて、金崎裁判の2審も完勝です。うれしいニュースです。

都立七生養護学校元校長、2審も勝訴(日刊スポーツ)

 性教育の在り方が東京都議会で問題視された都立七生養護学校(現・七生特別支援学校)の元校長金崎満さん(61)が、別の理由で降格などの懲戒処分を受けたのは不当として、都教育委員会に処分取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は9日、処分を取り消した1審判決を支持、都の控訴を棄却した。
 大谷禎男裁判長は1審同様「処分理由とされた不適正な学級編成の事実は認められず、処分は裁量権を乱用し違法」と指摘した。処分と性教育との関係については判断を示さなかった。
 判決によると、金崎さんは2003年9月、七生養護学校の学級数を水増し報告し教員を多く配置させたなどとして、都教委から降格と停職1カ月の懲戒処分を受けた。
 七生養護学校は、性器の付いた人形を使うなどした独自の性教育を実践。視察の際に非難した都議と都に対し、教員らが慰謝料などを求めた訴訟で東京地裁は3月、教育への不当介入を認める判決を言い渡している。

 この問題は、たんに思想や信条の自由という問題にとどまらない、教育の自由という、教育のありようそのものを問いかけた問題です。言い換えれば、子どもの権利とか、子どもの発達という問題を、社会がどのように考えるかという、現代社会のあり方そのものを問いかけた問題でもあると思います。教育という、子どもと教員の人間的な営みを、子どもの発達という視点にたって、大人の責任を果たすことを問いかけているのでしょう。

 ちなみに全教の杉浦障害児教育部長の談話はこれ

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2冊目?の「つくる会」の教科書?!

 朝から、結構、家事に追われ、出勤。アルバイト生活(プー)の長男は、なかなか家事がこなせません。
 今日は、出張の準備です。合間に、発注もします。来月以降の仕事を、2つほど固めます。いずれも80代の、その分野の大家と言っていい尊敬すべき方です。社会のもっとも先端の課題に、自身の知識と経験を生かして果敢に挑戦する、そういう仕事を、ボクらのような中間の世代がどう若い人の清新・フレッシュで、精力的な仕事と結びつけて、社会認識の深化を勝ち取っていくのか。自分のような仕事の役割もためされているのだろうと思いますね。

 さて、今日は教科書検定の結果が発表されました。すぐに、新学習指導要領にもとづく教科書の発行が控えているので、狭間の検定ですが、なんといっても自由社の教科書の検定結果が注目をされていたものです。

教科書2点が合格=つくる会の中学歴史など-08年度検定・文科省(時事通信)

 文部科学省は9日、2008年度の教科書検定の結果を公表した。「新しい歴史教科書をつくる会」(藤岡信勝会長)の会員らが執筆した自由社の中学用「歴史」と、東京書籍の高校用「生物II」の計2点が合格した。
 今回は主に中学用の申請を受け付ける年度だった。しかし、中学の学習指導要領改定で内容が一新される教科書の検定が10年度に控えているため、大半の出版社は申請を見送った。
 合格した教科書のうち、自由社の歴史は516カ所に上る欠陥があるとして、08年12月にいったん不合格となり、同社が指摘された点を変更して再申請していた。

 実は、この自由社の教科書の内容は、扶桑社のものとほとんど変わらない。執筆の中心になったのがつくる会の藤岡さんだからあたりまえと言えばあたりまえ、戦艦大和の話だとか、天皇のお言葉が入ったりはしているけれども。
 そもそも、つくる会のメンバーらが扶桑社版をつくったわけだけど、その後、内部対立して一部メンバーが分かれ、「日本教育再生機構」ができた。そのメンバーが新しい指導要領のもとでは育鵬社から教科書を出すわけだけれど、そので現行の扶桑社版が扱いで対立する。藤岡さんたちが昨年6月、現行の扶桑社版について出版差し止めを提訴しているという具合だ。
 彼らの対立は、彼らの運動がもつ根本的な矛盾の反映なのだと思うけれども、この契機に、杉並などの採択をひっくり返したいものだ。しっかりと、こうした教科書の問題を考えていきたいものである。

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2009/04/08

追加対策56・5兆円規模 補正も過去最大の15兆

 今日は、午前中は、衆院のグアム協定の参考人質疑をインターネットで見ていた。この問題については、数日中に、少し書き込もうと思う。
 実務をしたり、結構、忙しい一日。
 気になるニュースは、これかな。

追加対策56・5兆円規模 補正も過去最大の15兆(共同通信)

 政府は8日、深刻な経済危機に対応する追加経済対策を実行するための2009年度補正予算の財政支出を15兆円とし、事業規模は総額56兆5000億円にする方針を固めた。財政支出、事業規模とも過去最大の大型対策となり、雇用や資金繰り支援、環境などの成長分野に重点配分、不況脱却を目指す。
 自民、公明両党は住宅購入などを対象に10年末までの時限措置として贈与税の非課税枠を500万円上乗せし、年最大610万円とすることで合意。子育て応援手当など焦点の社会保障で大詰めの協議を続け、政府とともに10日に追加対策を正式決定する方針だ。…

 かなり大胆な経済政策である。なかには、この間の運動を反映したものがあるともいえなくないものもある。が、全体として気になるは、1つはばらまき的であること、2つはどさくさに紛れて、大企業やお金持ちへの政策もならんでいる。従来型の公共事業も。3つは、財政再建との関係で、何か消費税増税があたかも前提とされていて、歯止めのない支出を考えているような傾向が顕著、そして、そのこととも関連して、では将来的にどんな政府をつくっていくのか、どんな日本にしていくのかというヴィジョンがあまりにも希薄ということ。このことが、実は、国民のどうにもならないほどの将来不安をかき立てていることをどうして政治は気づかないのか?!
 ここは、よく考えるべき課題があるのだと思うけれども。

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スラム化する日本経済

2725632 最近、何かと話題の浜先生の、この本を読んでみました。けっこうおもしろかったです。グローバル経済というものの進行を、いわば一つの必然ととらえながら、その行き過ぎから生まれる事態を批判する。なぜ、豊かな国で貧困の問題が生まれるのか、その指摘はなかなかのものがある。彼女の議論の特色は、その視野の広さだろうと思う。なるほど、こう考えればいいのかと思える指摘は多々ある。でも、物足りなさも同時に感じる。「それはなぜなのか」という疑問が残る。視野を広く、いろいろ解説して見せるのだが、その根本的な原因というか、内的な矛盾の構造というのが、今ひとつピンとこない。それは彼女が、資本主義の批判者ということではないからなのだろうか。
 だから、その処方箋も、やや楽天的。ここで気になるのは、国民経済というものに対する評価だろうか。彼女は、その視点は否定的。たしかに、各国の経済が、内向きになるとき、浜さんの主張は理解できない面もないわけではない。が、世界政府みたいなものがない以上、国家という単位を基礎にした、国民経済の意味を再定義することは、必要はないのかと。でも、その処方箋そのものについては、すべて否定するものではない。あえて、戦争放棄のドンキホーテになろうという主張には共感する。『グローバル恐慌』のほうもまだ全部読んでいないので、読み切ろうかな。

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2009/04/07

スカイ・クロラ

 最近、ブログの書き込みの力が弱まっているのが、露骨に反映しているのでしょうね。アクセス数もここのところ、かなり減っています。ピークの月の半分ぐらいでしょうか。まあ、あまり無理をせずに、マイペースのブログにしたいものですね。
 昨晩は、深夜に長男が乗っていた車のタイヤが、高速の上で、大破するという事故?があって、親も睡眠不足。いろいろ事件は続きます。ちなみに、大学生になった二男は、サークルと称して、まだ帰っていません。はてさて、どんなオタク系のサークルなのでしょうか。
 仕事は、朝から、出張の準備作業をすすめ、その打ち合わせを電話で。それから、会議の準備をして、会議にのぞんで、あと、安保・外交関係の論文のやりとり、処理などを2本。来月号の準備作業もありました。今月はやたらと仕事が多いです。
 11時少し前に、やっと帰宅して。

 さて、先日見たアニメ「スカイ・クロラ」はなかなか刺激的というか、残酷な物語だった。

001  ショーとしての戦争が行われる、仮初めの平和の時代。永遠に年をとらない「キルドレ」のユーイチは、新たに兎離州基地に配属となった。過去の記憶のない彼だが、初めて乗る機体も身体に馴染み、エースの座に着く。基地司令のスイトはそんなユーイチを複雑な眼差しで見つめていた。そんなある日同僚のパイロット、ユダガワが撃墜され死亡してしまう。墜とした相手は、「ティーチャー」となのる敵のエースパイロットだった……。

 抗しがたい何かを前にもがき、苦しむ。そんな心象風景は、いまの若者のものなのだろうか。原作の森博嗣はボクと同世代だし、監督の押井守はボクより上の世代だ。ならば、大人になりきれずにいる、ボクらの世代の心象風景なのか。「何かが変わる前生き続けなければならない」と言って、変えるためにティーチャーに挑んだ姿には希望があるのだろうか。ちょっと、とらわれてしまった。

 CGとアニメーションを組み合わせた、映像もきれいだった。二男は食い入るように見ていた(苦笑)。母親は、「また、二男にこんなものを見せて」って、おこっていた。でも、これって二男の専門領域だものね(爆笑)。

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2009/04/05

北朝鮮 「ミサイル」発射狂騒

 北朝鮮から、「ミサイル」といわれるものが発射され、そのことで、この数日、大騒ぎという状況でしたね。誤報もありましたし。
 韓国などは、打ち上げたのは衛星という判断をしているようですね。北朝鮮そのものは、打ち上げは成功と言っているようですが、韓国もアメリカも、衛星は軌道にのっていないとしています。結局、失敗だったということでしょうか。

 日本のメディアは、ここ数日、この問題での特番ばかりでした。この騒ぎ方は異様でした。気になるのは、こうしたなかで、世論調査でも、撃ち落とすべしという意見が大勢だったことです。考えてみれば、何かしらのものが、日本に向かってやってくるというのなら、撃ち落とすという反応はある種当然でしょうが。もともと、世論調査の質問の意図もよくわからない。なんとなく、撃ち落とすということだけが一人歩きしたような印象があります。
 問題を、緻密に、冷静に議論されることが不足しているということが気になるのです。最初から。私自身、今回の北朝鮮の行動は、正しいとは決して思っていませんが、たとえば、本当に北朝鮮の行為が安保理決議に違反しているとまでいえたのかどうかも、ほんとうはもっと慎重な議論が必要であったような気もしますよね。そして、迎撃の体制づくり。

 だいたい本気がことにあたろうとしているのなら、首相も、防衛大臣も、打ち上げられてきた、役所にやってくるというのもおかしな、緊張感のない話ですよね。PAC3は秋田などと、首都圏の三カ所に設置されましたが、これはどう考えても国民の安全を考えての配置ではないでしょう。せいぜい守れるのは基地の周辺だけ。迎撃の体制の目的は決して国民の安全にあるわけではないということも透けて見えます。むしろ、一大デモンストレーションのような感じで、世論操作がされたというのが、ふつう考えれば出てくる答えだということなのでしょうか。

 どんなふうに考えればいいのかなあ。そうすれば説得力があるのかなあ、などといろいろ考えますが。まずは、冷静で、緻密な議論が必要なのでしょうね。

 今日はよる、NHKスペシャルのプロジェクト・ジャパン「アジアの”一等国”」を見る。そういえば、台湾の植民地支配のことは、ほんとうによく知らないし、知られていない。続いて、ETV特集の「もう一つのシベリア抑留 韓国朝鮮人捕虜の60年」も途中から見る。これは、かなり衝撃をうけた。
 アニメの「スカイ・クロラ」を見る。これもまた残酷…。

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2009/04/04

『国際共同研究 韓国併合と現代』のシンポジウム

 沖縄出張が実現しそうな気配なので、その準備のための資料を午前中つくっていた。今日は、朝から、北朝鮮のミサイル(ロケット)の発射があるという話でもちきりで、なかなか大変な一日(笑い)。あと、西松問題の資料の少し探す。

2905_2 そして午後には、表題のシンポジウムに参加。これはほんとうによく考えるべきだと思うけれども、たとえば来年100年になる韓国併合について、その法的な有効性に関して、日韓のあいだでどんな議論があるのかということをどれだけの人が知っているだろうか。現在2期目の最終段階になっている、日韓の歴史共同研究の第一期の際、どのような議論がなされていたのかということについても、ボクは、最近まで、あまりまともに関心をもっていたわけではない。

 たしかに江華島事件にはじまり、日清戦争の際の王宮占領や、その後の朝鮮王妃殺害事件など、日本が朝鮮の植民地支配について、日本の支配層の総体の思惑として、暴力的にそのことがすすめられていた事実は知っていた。が、それはやはり断片的で、総体として理解していないなあというのが率直な感想。

 だから、比較的良心的とも言えるかもしれない、韓国併合合法・不当論つまり併合は、国際法上合法だが実態として不当なものだったという日本の研究者になかに一定ある議論への、韓国の批判なども、そんなに重視して勉強してこなかった。

 韓国の研究者の指摘にはっとさせられたのは、その解釈についての違いがあっても、まずどのような資料を共有できるのかという確認をすすめるべきという発言。これが、いろいろな議論のなかで、日本の併合合法論者の側にかけている点でもある気がした。そして、それは、両国間の懸案である領土問題、竹島=独島問題についても同じことがいえる。
 植民地支配にかかわってま、まだまだいろいろな意見の相違があろう。しかし、和解の道に踏み出さなければならないということも、歴史が求めている大きな課題である。併合100年が大きな意味をもつ年になればと、願ってやまない。

 かなり勉強になったシンポジウムだった。

 今夜のNHKのプロジェクト・ジャパンは、このシンポもあり、とりあえず録画ですます。
 今日は、二男の入学式。まあ、家族はいかないですけど。もう二男も大学生である。早いもの。
 今夜は、家で、家族でささやかながらの「お祝い」?の夕食? そんなわけで、番組の感想は録画を後日見てということで。


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今年の読売憲法世論調査

 毎年、紹介している読売の憲法世論調査が今年の発表されました。

憲法改正「賛成」51・6%、再び多数占める…読売世論調査(読売新聞)

 読売新聞社の全国世論調査(面接方式、3月14~15日)によると、今の憲法を改正する方がよいと思う人は51・6%と過半数を占め、改正しない方がよいと思う人の36・1%を上回った。
 昨年3月調査では改正反対が43・1%で、改正賛成の42・5%よりわずかに多かったが、再び改正賛成の世論が多数を占めた。国際貢献のための自衛隊の海外派遣が増えたことや、ねじれ国会での政治の停滞などで、今の憲法と現実との隔たりを実感する国民が増えたためと見られる。
 1981年から実施している「憲法」世論調査では、93~2007年は改正賛成が多数派だった。ただ、04年の65・0%をピークに賛成派が減り始め、昨年は反対派を下回った。それが今回は増加に転じた。
 賛成派は自民支持層で54%(昨年比7ポイント増)に増え、民主支持層で53%(同12ポイント増)に急増した。
 …戦争を放棄し戦力を持たないとした憲法9条については、「解釈や運用で対応するのは限界なので改正する」38%が最も多く、昨年(31%)から増えた。「解釈や運用で対応する」33%(昨年36%)、「厳密に守り解釈や運用では対応しない」21%(同24%)は、ともに昨年より減少した。…

 新しい特徴が出ていることは、見逃せません。全体として改憲反対が減少したのは、安倍さん流の(靖国派的な)動きが、政治過程のうえでは明らかに後景に引っ込んだからでしょうか。国際協力ということがキーワードになる気配ですね。ただ、新しい特徴が生じていると言っても、あいかわらず9条の改憲については、現行の9条を変えないというのが読売の調査でも54%と強固です。

 新しい特徴はなぜ、生まれたのか。読売の記事の論評はあたらずとも遠からずという感じでしょうか。これだけ、グローバル化した時代ですから、日本が国際社会のなかで何らかの役割を果たさなければいけない、そうでないと国際社会のなかで生きていくことはできないと考えるのは当然です。政治の停滞のもとで、新しい国家的なビジョンを求めるというのも当然の感情です。
 ただ改憲の核心にはあいかわらず9条があることも事実です。そのねらい、そして現実にすすんでいる自衛隊の国際活動=海外派兵の真ん中には、アメリカの追随した活動があることも事実です。それは、ソマリアもふくめそうであることは否定できません。そうした自衛隊の現在の実際の活動と実態をふまえた議論がもっと、なされるのなかで、日本の国際貢献の道筋を議論したいものです。前述の世論をふまえた説得力ある議論というものを心したいと思います。

 その際によく考える必要があるなあと思うのは、現在の戦争への想像力という問題です。はたして、イラクにしても、アフガニスタンにしても、パレスチナにしても、何がおこっているのか、その事実をよく知ること、そしてその本質を理解する想像力です。それはソマリアでも同じです。ソマリアやソマリア沖で何がおこっているのか、そのことについて、十分に日本では報道も議論もおこなわれていません。そのことをソマリアの方の話を聞いたとき、痛感しました。

 改憲の動きを軽視しないことと同時に、日本の外交に課せられている課題というものの大きさを心して考えていきたいものです。

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2009/04/03

派遣村 国を動かした6日間

51xzfszluol_sl160_  表題の本を読み終えました。いろいろあって、なかなか手につかない日々も続いているのですが……。
 この本は、半分が毎日新聞の東海林記者のレポート。実際に、派遣村の中心にいたと言っていい記者の書いたものだけに、なぜ派遣村が開村されたのか、どんな問題に直面し、どのように対応し、そしてどのように運営し、どんな新しい課題が生まれ、どのようにその新しい問題に対応していったのかが、手にとるようにわかるものになっている。予想のつかない受け入れから、やがて生活相談に向き合い、自立への支援にうつっていく。その中身もリアルである。
 参加したボランティアの手記もある。そして、中心になった労働組合の人たちの論考は、とても参考になる。派遣村の教訓をどう生かすかということを考えても、これらの論考は必読ではないだろうか。とくに全労連の井上さんと、ガテン系連帯の小谷野さんのものは強い印象が残った。これはぜひ読んでほしい。
 最後には、顔となった湯浅村長をはじめ、雨宮、棗、猪股、宇都宮さんたちの論考がならぶ。生活保護の運用の発展、社会的な連帯の新しい形など、よく考えるべき論点が豊富に示されている。
 いやはや、頭が下がります。岩波の本も悪くはないが、派遣村そのものを考えるうえでは、こちらの本のほうが、はるかに具体的で、教訓的でもある。やはり、その運動の真ん中にいた人たちの手によるものだからだと思う。
 絶対におすすめの一冊である。

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2009/04/02

『南京事件70周年国際シンポジウムの記録』が刊行されました

53551669 昨日は、新しく出版されたこのシンポジウムの記録集の出版記念レセプションなるものに参加してきました。といっても、割合とこぢんまりした集まりです。知っている人が半分。最初は落ちつかなったけれども、まあ名刺をくばりまくって、一安心です。
 世界各地でおこなわれたシンポジウム。その特徴も、だれが、どのような苦労をして、すすめられたかがよくわかりました。都高のOBの先生方をはじめ、そうした年代の方々の奮闘にはほんとうにあたまが下がりました。尊敬する尾山先生をはじめです。

 この本は、ぜひ手にとって、読んでいただきたいですね。

 勢いで、二次会にも参加し、いろいろな方と、話をすることができ、いろいろ考えるところもたくさんありました。ありがとうございます。いろいろ考えています(笑い)。

 でも、飲み会の翌日は、いつものように最悪、うつモードですね。今日は、しんどい一日でしたけれども、よく仕事しましたねえ。

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