エルサルバドルの新政権
中南米の変化はとまらない。今日また、新しいニュースが飛び込んできた。
旧左翼ゲリラ、政権の座に エルサルバドル大統領選(朝日新聞)中米エルサルバドルで15日、大統領選挙が行われ、左派野党ファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)が推す元テレビ記者マウリシオ・フネス候補(49)が勝利した。FMLNの母体は、80年から12年続いたエルサルバドル内戦で政府軍と戦った反政府左翼ゲリラ。92年の和平後に合法政党に転換し、初めて政権を手にした。
…公式の中間発表(開票率92%)によると、フネス候補の得票は51.4%、一騎打ちを演じた右派与党の民族主義共和同盟(ARENA)が推す元警察長官ロドリゴ・アビラ候補(44)は48.6%。
…ベネズエラやボリビアに続き、中南米に左派政権がまた一つ増えたことになるが、フネス氏自身はゲリラとしての経歴はなく、米国とも協調する中道左派路線を打ち出している。国民が支持したのは反米路線ではなく、20年にわたるARENAの長期政権への疲弊感だった。運転手のホルヘさんは「20年間も政権にいて、貧困層の生活はいっこうに良くならなかった。エルサルバドルにも『変化』が必要だ」と語った。 …
メディアは、どうも中南米の変化を正面から論じたくはないようだ。新自由主義がつくりだした矛盾に正面から挑もうとするのがこれらの政権である。ベネズエラなど左翼の政権にも、”反米””独裁”としか報じないし、中道と呼ばれる政権についても、その本質的な特徴をとらえることを拒絶する。
そういえばWBCでもこんな話題がある。 「かつて首位打者にも輝いたことのあるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ベネズエラ代表の好打者マグリオ・オルドニェス外野手(デトロイト・タイガース)が、母国のファンからブーイングを浴びせられる一幕があった。 これはベネズエラがオランダと対戦した14日の第2ラウンド初戦でのこと。オルドニェスが三振を喫すると、フロリダ州マイアミのドルフィン・スタジアムに集まったベネズエラ人ファンから歓声が上がった。この件についてニューヨークの地方紙『ニューズデイ』(電子版)は、オルドニェスが反米左派で知られるベネズエラのウゴ・チャベス大統領の支持を表明しているのが理由だと指摘。フロリダのベネズエラ人のほとんどはチャベス大統領を嫌っていると報じた」(産経新聞)。アメリカにいる現役の大リーガーのベネズエラ人が、チェベスを支持しているということも、日本ではあまり知られていない。
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