貧困・格差社会のなかのこども わかものたち
昨日は、横浜で開かれた子どもを守る文化会議 神奈川・横浜集会に行って来た。中西新太郎さんの話を聞きに行くためだ。テーマは表題のもの。わかりやすく、しかし、厳しい話だった。この手の集会は、高齢の方が多いわけだけれど、ややショッキングな話だったのかもしれない。寝ている人はほとんどいなかったような感じ。
話の筋は、去年という年は若者たちの時代状況が刻印された年だったと。貧困そしてすざまじい孤独…。そのことを「放置とユースフォビア」と表現する。ユースフォビアとは、中西流の表現で「若者が怖いぞ」という見方のことをいう。
一方で、政治や国家は、矛盾の集中するこどもや若者の問題を、どう見ているか。ここで中西さんは、教育再生会議以来の伝統回帰型の子ども像・家族像に注目する。もっと親がちゃんとしつけるべきだというものだ。そこから、政治の側かただされる政策は、保護の対象から統治の対象にというわけである。ここはちょっと図式的な整理で、実際は為政者の側からも破綻と矛盾のほうが大きいのだろうと思うけれど。なるほどと思ったのは、「応益負担型の子ども・若者像」という言い方。子どもはコストのかかる存在だという見方。
では、「いま」の子ども・若者は? 貧困という問題をかなり丁寧に紹介。と同時に、孤立という問題。貧困との関係で孤立ということを注目すると同時に。若者をとりまく文化における孤立ということを話された。そのなかで、若者たちは必死の努力として、群生態としての「社会」をつくろうとすると。あまりにも痛々しい若者の姿に胸がつまる。困難ななかで、こうしか生きられないというようなギリギリの生き方に追い込まれる若者たち。
結論は、かなりはしょった話。うーん。子ども・若者はどのように「未来を拓く存在」になりうるのか? この問いにこたえるのは簡単ではない。その答えをさがしている。
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