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2009/03/12

貧しくて学べない

 日々、まだまだいろいろあります。疲れます。

 さて、昨日、たまたま全教などがおこなった「入学金・授業料・教育費 緊急ホットライン」の内容を教えてもらった。朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、NHKが事前にこのとりくみを報道したこともあり、電話は鳴りっぱなしだったという。

○「母子家庭で失業したため、2人の子どもの授業料が払えない」(東京・母親)
○「自己破産した。入学金と授業料を払わなくてはならないのに…」(愛知・母親)
○「授業料滞納で、このままでは退学になる」(岡山・父親)
○「年収で奨学金を断られた」(大阪・父親)
○「不況で収入が5万円に減った。生活保護が受けられないか」(福岡・祖母)
○「就学援助の申請を続けているが、所得基準で認められない」(高知・母親)
などなど、深刻な実態が広がっている。ところが現状では、対処の方法は細い福祉の施策と奨学金しかない。ともすれば、その対応は、現状では、多重債務促進運動ににもなりかねないほど、深刻な実態なのだ。

 そこで、全教は、『卒業・入学・進級で子どもたちにつらい思いをさせないための緊急提言』を急きょ発表してる。

■ 「緊急提言」の柱
○緊急提言1 
 すべての都道府県・市町村で、入学金・授業料などが払えず困っている保護者のために、無利子・無保証人の緊急融資制度をつくることを求めます。
○緊急提言2 
 現在実施されている就修学援助制度の周知徹底をはかるとともに、3月末を目前に、卒業・入学・進級時の教育費負担に苦しんでいる児童・生徒・保護者が、今すぐ活用できるよう、緊急受付の実施と現行制度の拡充をはかるよう求めます。
○緊急提言3 
 自治体に、保護者の失業・倒産等による経済的困難に対する緊急の就修学支援制度の創設を求めます。そのために、国は財源確保と指導力発揮に全力をあげるよう求めます。
○緊急提言4 
 全国の都道府県庁、行政機関、学校に教育費のことが相談できる「相談窓口」を設け、緊急の相談に対応できる体制をつくるよう求めます。
 
○すべての学校関係者のみなさんへの呼びかけ 
 「教育費でつらい思いをする子」を一人も出さないために、学校関係者による最大限の努力をつくしましょう。

 さて、昨日は、NHKのクローズアップ現代で、「貧しくて学べない」を報じていた。

Photo27121 深刻な経済危機の中、家計が貧しいことで学校に通えなくなる子どもが急増している。愛知県の高校では、自動車関連の仕事に就いていた親達が次々と仕事を失い、中退を余儀なくされたり、授業料を払えず高校を続けられるか不安に揺れる生徒が相次いでいる。景気の悪化で顕在化した、"貧しくて学べない"子ども達。社会の格差が広がる中で、すでに深刻な状況となっている。埼玉県内の高校では、入学した生徒の半分近くが卒業までに中退する。中退後の生徒を見守り続ける教師は、背景に貧しさから来る無気力や、将来に希望が持てない刹那的な思いがあるという。中退した子ども達が社会的に孤立し、生活の糧を得るため犯罪組織や風俗業など闇の世界に引き込まれるケースも多いという。親の世代の貧困が、子どもの学ぶ機会を奪い、貧困の再生産につながる社会の歪みを教育の現場から伝える。

 番組では、まず現在の経済危機のもとでの授業料滞納の実態を追う。私学ではこの一年で三倍になっている。
そして、高校をやめていく=後期中等教育から排除されていく若者たちの実態を追う。その先は、絶望的でもある。
 たしかに、宮本みち子さんがいうように、社会のありようそのものを変えることが課題になっている。が、同時に、緊急の対策をおこなわなければならない課題でもあるのだ。

 そして、今日は、「病院に行けない子どもたち」だった。

090209_a 未曾有の経済危機の中、貧困の拡大が子どもの健康まで脅かそうとしている。国は去年10月、保険料を滞納し「無保険」状態に置かれている子どもが3万人以上にのぼると発表。救済策として、今年4月から、そうした中学生以下の子どもに対し、一律に保険証を発行する方針を打ち出した。しかし、それでも3割の医療費自己負担分が重く、病院に行けないままの子どもが相当数に上っていると見られる。そうした中、群馬県などの自治体は、中学生以下の医療費を完全無料化する方針を発表。先進的な取り組みと評価される一方で、県や市町村は新たな財政負担の確保に課題が残る。先の見えない不況の中で、子どもの健康をどう守るのか、その処方箋を探る。

 子どもの安全や命までもおびやかされているということなのか!
 徹底して、子どもの立場にたつということが問われていると思う。

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コメント

私の高校時代、とても優秀な友人がいて卒業後はパソコンの専門学校に行きたいかなとも言っていたのですが。金銭的な問題から断念していました。高校は卒業しているので、今のような本当に明日の生活にも困るとまではいきませんが…。どの子どもも理由なく可能性や希望を持っています。努力すれば誰もが報われる社会の構築が必要ですし、緊急的な対処法と同時に実行しなくては、日本の将来も危うい気がします。

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