「戦地」派遣 変わる自衛隊
東京新聞で半田さんがルポを書いたり、連載をしたらちゃんと読むようにしている。そのぐらい、よく取材しているなあと思う。彼の取材を参考に、いろいろ考える。
この本では、政治家は、とにかくアメリカの顔色を読む。自衛隊は、法整備の「不十分」さゆえ、軍隊としての行動をとれないことをたてに、海外での活動にためらいながら、自分たちの権限を拡大するチャンスを伺う。こうしたなかで、自衛隊の実態の活動が、たとえ、具体的に憲法に抵触していようが既成事実だけが積み重なっていく。ということが浮き彫りにされている。
ボクは、いまの自衛隊の問題を考えるとき、最近、大きな枠として、あらためて日本の対米従属の現状という問題を正面から考える必要があると思っている。アメリカにとっては植民地的な支配の名残が現存している。それは基地のありようにあらわれている。軍事的な面でも、自衛隊はあくまで米軍の補完的な面を色濃く残している。現在の自衛隊の近代化も、米軍との関係を抜きに考えられない。
しかし、自衛隊が、軍隊として自立していくためには、このような従属的な軍隊であることは、大きな障害になる。しかし、スキルの点ではアメリカに頼るしかない。勢い、自衛隊の自立は、精神面が強調される。それが田母神問題の一つの問題であるような気がする。
さて、自衛隊は、ソマリア沖に向かった。まったく国会での審議を抜きにである。自衛隊の海外での活動は、もはや憲法との関係をつめて考えるということを政治の側が放棄するぐらい論理的ではなくなっている。では、ここで、ボクらは、どのような言葉でこの問題を語ればもっとも有効なのか。考えどころである。
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