障害児教育を考える
茂木先生の一年前の著作。最近、講演を聞く機会があり、ちょっと読んでみようと思って、読んだ。去年、勝ったときにはちゃんと読めていなかったような感じ。
久しぶりに、発達という問題について考えさせられた。階層というタテ軸と、豊かさというヨコ軸。その発達への隠された願いをどう見つめ、よりそい、働きかけるのか。そして特別支援教育の可能性と限界というものを、実践――、「子どもに尋ねる気持ちになること」「子どもに学ぶこと」です。とくに教室で日々、彼らと接する教師は、自らの感受性を高め、想像力に磨きをかけることによって、子どもの発信するサインをしっかり受け止め、読み取ることによって、初めて困難な溝を越えていきうる――にもふれながら明らかにする。
この制度がはじまって、矛盾を深める。しかし、発表された学習指導要領の案は、よりそのことを拡大しようとしているとも感じる。そして、格差と貧困の広がり、自立支援法のもとで、ますます発達は困難にさらされている。
学校とは教育とは何なのか、そんなことも真正面から考えさせられた一冊だった。
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