封鎖された街に生きて ~ガザ ウンム・アシュラフ一家の闘い~
BS世界のドキュメンタリーで、古居みずえさんの手による表題のドキュメンタリーの再放送をしていた。昨年放映されたときは、見ることができなかった。古居さんは、いっしょに仕事をさせていただいたことのある知人で、いま、ガザに取材に行っている。彼女のHPにアップされている、瓦礫のガザの風景はほんとうに痛ましい。
以前、ドキュメンタリー映画「ガーダ パレスチナの詩」を発表され、これも見た。
今回の本は以下のような内容だ。
イスラエルによる経済封鎖が続く、パレスチナ・ガザ地区。ガスや電気、水の供給がしばしば止まり、生活必需品の欠乏に人々は苦しめられている。そのガザに暮らす女性、ウンム・アシャラフ(60)さん一家をジャーナリストの古居みずえ(映画「ガーダ」監督)が、12年以上にわたって撮り続けてきた。
ウンム・アシュラフさん一家は夫、息子たちとその家族、娘の家族と30人を越える大家族。
「封鎖」の中、息子や夫の仕事はなくなり、家計をやりくりするウンム・アシュラフにとっては、頭が痛い。家族はささいなことでイライラしけんかが絶えなくなる。独身の五男は結婚したいと望んでいるが、新居を作る金もなく、見通しがたたない。でも「パレステナ人はあきらめない」と語るウンム・アシュラフは、工夫を重ねてその日その日を何とか乗り切っていく。
「封鎖」という状況の中、パレステナ・ガザの人々は一体どうなっているのかー。外からはなかなか分からない人々の暮らしを、古居のカメラがパレステナ人女性ウンム・アシュラフの目線で描いていく。
楽天的な、そしてしたたかに生きるガザの人の暮らしは、封鎖で一転する。その困難のなかでの暮らしを丁寧に追っていった。
ハマスは、原理主義であり言ってみれば、かなり反動的な運動体ということも言えるかもしれない。しかし、ガザを封鎖し、空爆までおこなったイスラエルの行為は、どうかんがえても法と正義のものと許されるものではない。この間の、事態で逆にハマスへの支持はパレスチナにおいて拡大したという。停戦がむすばれたものの、ガザの未来はいまだはっきりとは見えない。こうしたもとで、その被害は女性や子どもたちのうえに降りかかる。いつも戦争の被害者は女性と子どもである。
では、ボクらに何ができるのか。そのことをこの番組は問いかけている。それにボクは答えを十分には見いだせない。重い、重い課題を突きつけているのである。
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