学校教育と愛国心
今年四月から先行実施がはじまる新学習指導要領では道徳が強化される。その要とされているのが「愛国心」である。本来、道徳にしろ愛国心にしろ、民主的社会の形成者の育成に不可分の課題である。
戦前・戦後の学校教育において愛国心がどのように教えられてきたかに迫った本書を読むと、戦前ですらこの点ではさまざまな議論があったことがわかる。それが、軍国主義の強化とともに「忠君」と一体のものとして歪められていく。戦後の教育改革でめざされた新しい道徳は、現在でも注目すべき論点があることが示される。が、再軍備の進行と一体に、ふたたび歪められ、現在の「改正」教育基本法化の道徳の強化に連なっていく。そこからは国が法律で愛国心を強制する異常さがうかびあがってくる。
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