新年の新聞
今年の新聞をパラパラと読む。ここ数年の新聞と違い、たしかに、現在の社会が生み出している歪みについての鋭い取材記事も少なくはない。社説にも危機感というようなものが漂う。
しかし、期待していただけに、少し残念な気もしている。以下が社説のタイトル。
1/1
【朝日】混迷の中で考える―人間主役に大きな絵を
【読売】急変する世界 危機に欠かせぬ機動的対応、政治の態勢立て直しを
【毎日】09年、チェンジ 日本版「緑のニューディール」を 環境の先導で成長を図れ
【日経】危機と政府(1)賢く時に大胆に、でも基本は市場信ぜよ
【産経】
【東京】年のはじめに考える 人間社会を再構築しよう
【北海道】選択の時 経済危機の中で 人を粗末にしない社会に
【中国】元気の芽 豊かな土壌どう生かす
【沖縄】[琉球・沖縄400年]希望のありかを探ろう1/3
【朝日】不況と保護主義―過ちの歴史を繰り返すな/職業訓練―人材立国のために充実を
【読売】急変する世界 カギ握る米国経済の再生、深刻な世界同時不況の中で
【毎日】09年チェンジ 衆院選の年 いよいよ国民の出番が来た
【日経】危機と政府(2)金融蘇生を急ぎ規制と監視の再構築を
【産経】アフガン問題 リスク担う国際協力を 払拭したい軍事アレルギー
【東京】年のはじめに考える 曲がり角の学校選択制
【北海道】選択の時 拡大する貧困 雇用と暮らしを守りたい
【中国】住民が主役 汗かいてこそ進む自治
【沖縄】[政局展望]「政治再生」の時がきた1/4
【朝日】温暖化防止―「緑の日本」担える政治を/世界天文年―さらにガリレオの先へ
【読売】急変する世界 国際秩序安定をどう図るか、米新政権が背負う重い課題
【毎日】09年チェンジ オバマ政権 のびやかな日米関係に 近現代史の知識を広げよう
【日経】危機と政府(3)バラマキ政策はやめ、地域資源生かせ
【産経】経済財政運営 「禍を福となす」戦略を
【東京】年のはじめに考える 歴史的選挙に備えたい
【北海道】選択の時 岐路の政治 有権者こそ変革の担い手
【中国】結び直し 「場」でつながる安心感
【沖縄】[経済展望]危機に勝機を見いだせ
どの社説も今年は大きな変革の年であることを予感させている。
が、変革のためには、いまの政治や経済、社会の歪みの根幹にどんな問題があるのかを、明らかにする。しかし、大手メディアにはそこながい。だから、では、歪みをただして、どんな社会をつくることが大事なのかというビジョンがない。あっても、きわめて抽象的だったりするだ。
金融危機に端をはっした経済危機対して、あえて保護主義におちいたないことを強調する主張に、どんな解決策があるのだろうか。ここで、日米同盟の強化を主張することに、どんな未来があるのか。
危機は共有できたのか(その国民にとっての深刻さについての認識が共有されているとは思えないところもあるけれども)、もしそうならば、でももう1歩前にすすめるための緻密な議論が求められるのだろうなあ。
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