歩いても歩いても
腰の調子が悪かったので、今日は仕事を休んで、家で、寝たり、ボーッとしたりした。つれ合いが、リビングを占領しているので、暖房の弱い部屋で、ジャンバーを着て、パソコンの画面でこの映画をDVDで見た。是枝監督の映画だから、どこかで見たいと思っていた。
ストーリーはいたって私的な出来事。
ある夏の終わり。横山良多は妻・ゆかりと息子・あつしを連れて実家を訪れた。開業医だった父と昔からそりの合わない良多は現在失業中ということもあり、気の重い帰郷だ。姉・ちなみの一家も来て、楽しく語らいながら、母は料理の準備に余念がない。その一方で、相変わらず家長としての威厳にこだわる父。今日は、15年前に不慮の事故で亡くなった長男の命日なのだ…。
その一家の、実家でも1泊2日を描いたもの。しかし、必要以上の内容はすべて切り捨てられているほどシンプル。だから、私的なストーリーが展開するというようり、見る手の想像の世界を思い切り広がらせてくれる。そうどこでもある、話である。主人公と親の葛藤。主人公と子どもとの関係…・。自分にあるそうした問題と重ね合わせながら、見ざるをえないのだ。だから、おかしく、切なく、とても辛かったりする。そこで、やっと社会との結びつきを広げるという言い方もできるのかもしれない。
配役は抜群。登場人物の表情を追う監督の手腕が遺憾なく発揮されている。この監督は、ほんとうに才能あふれた、すごい監督だと思う。
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私もこの映画を観ました。
そう、一見どうということのない内容ですが、やっかいでもあり、離れがたくもある、人とのつながりが丁寧に描かれていたように思います。
このような映画が、日常的に、たくさんの人が観ることができるといいですね。
投稿: さくらおばさん | 2009/01/25 10:44
いい日本映画は増えたのでしょうか? そうでないのでしょうか?
昨年は飛び抜けていい作品はなかったですね。
投稿: YOU→さくらおばさん | 2009/01/25 23:24