「派遣切り」と生活保護
「派遣切り」という言葉が、いつの間にか新聞をにぎわせています。厚生労働省は3万人という数を出していますが、いっそうその数は増えていきそうな勢いです。
やっぱり大企業が、こうも簡単に派遣の首を切ることには納得がいきません。本当に、首を切らなければいけないほど、大企業は困っているのでしょうか。数字をしらべて見ると、この間、大企業は、リストラをすすめにすすめ、正規労働者を非正規に置き換えるなかで、莫大な利益を上げ、ため込み学は230兆円にもなっているのですから、7800人の首を切るトヨタにしても、減収減益と言っても、6000億円の利益が見込まれているわけですよ。非正規の置き換えで莫大な利益を上げ、生産調整で派遣を切り、利益を守る。まさに儲けのためにし放題ということなのでしょうか。大企業に社会的責任をきちんと果たせることが求められていると思います。
もう1つ、気になうるのは失業した人の生活の保障です。最近注目されていることに雇用保険の積立金が6兆円あることがあります。これもいわば埋蔵金ですが、これをもって、企業の雇用保険の負担を減らせなどの意見もでています。しかし、失業した人にしっかり保障すること、そしてこれを非正規雇用労働者にも適用できるようなどがもとめられれているのではないか。派遣会社の寮を追い出されて住居がなくなるような人への緊急の住宅資金や生活保障をおこなうべきなのです。
今日の読売新聞に、雨宮処凛さんが、「[私のあんしん提言]若年貧困層に住む家を」という提言を語っておられました。「非正規労働者は40歳を過ぎると、年齢制限などで働く場が少なくなり、最後は自殺か餓死かホームレスか刑務所か、という最悪の4択が待っている」と現状を告発するとともに、「まず、住む家を確保することだ。…今日明日を生き延びるのが精いっぱいという人がいることを理解してほしい」と言っている。なるほどと思う。
では、最後のセーフティネットである、生活保護はいまどうなっているのだろうか。Googleで「生活保護」をニュース検索してみた。すると、ほとんどが不正受給に関するもの。非常に、否定的なニュースが多く、実は、いま生活保護をめぐっておこっていることの丁寧な取材が少ないのに驚いた。
一方で、「中京区役所が2004年度から、1人で訪れた更生保護施設入所者の生活保護相談を拒否するとした内容の張り紙を掲示していたことがわかった。京都市は「不適切な対応だった」としており、張り紙は11月下旬に撤去したという。」といった、行政のあり方が問われるようなニュースもあった。
地方ニュースには、「土浦市の9月末現在の生活保護受給者が前年同期比で14%多い695世帯857人に上っている。同市が1日発表した一般会計補正予算案で総額約6億631万円のうち、生活保護などの公的扶助費が約4億9500万円を占めている。不況が社会的弱者と自治体財政を直撃した形だ」といった実態が紹介されている。深刻な実態を反映しているが、一方で、これをもって生活保護に制限をかけるという本末転倒な議論がすすまないかと心配もする。
ちょっと話が違うが、こんなニュースにもぶつかった。
給食費に連帯保証人、滞納対策で熊本・益城町義務化へ(読売新聞)熊本県益城町教育委員会は2009年度から、町立小中学校の保護者に、給食費納付の「連帯保証人」を義務付けることを決めた。
学校現場で問題になっている給食費滞納に強い姿勢を示し、徴収増につなげる狙い。だが、既に導入している自治体で思うような効果が上がらなかったり、保護者らの反発を招くケースも出ており、議論を呼びそうだ。…
「貧困」というものがニュースをにぎわすようになったのだけれど、政策的な対応やそれにむけた国民的な議論というのは、まだ緒に就いたばかりというか、求められるものにはなっていないのだと痛感させられる。もっともっと、実態を、直視し、議論をすすめる必要があるのだと。
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