「戦艦ポチョムキン」メイド・イン・ジャパン
「戦艦ポチョムキン」は、セルゲイ・エイゼンシュテイン監督による古典的名画。モンタージュ技法、大胆な構図、歴史的な名画とも言われ、「オデッサの階段」といわれる場面は「映画史上最も有名な6分間」とも言われる。
その映画のちょっとユニークな上映会があったのでいってきた。
最初にシンポジウムがあった。そこで、あらためて、「戦艦ポチョムキン」という映画がたどった数奇な運命というものについても考えた。1925年につくられた映画だが、政治的理由でオリジナル・ネガがカットされ、オリジナルを買ったドイツでもボロボロに切り刻まれた。その結果、オリジナルはもはや存在しない。しかし、ソ連(ロシア)の国立のフィルムアーカイブの努力により、オリジナルに近い形で、復元はされている。映画を文化として、国の責任で、保護、蓄積している外国と日本との違いを感じた。
小林多喜二の「蟹工船」がブームとなった。映画「蟹工船」もさまざまなところで、上映されている。この映画は、日本でも、外国でも、「ポチョムキン」の影響といわれることがあるそうだ。ところが、「ポチョムキン」は1959年まで日本で上映されることはなかったので、多喜二はもちろん、映画をつくった山村聰も見ていない。このあたりが面白いところ。
そこで、もし多喜二が当時、この映画をみたらどんなものだっただろうかという視点で、活弁をつけ、ピアノによる伴奏で、日本語字幕なしで映画が上映された。澤登翠さんの活弁と柳下美恵さんのピアノ伴奏。
この映画は一度見たことがあった。でも、実は、とても難解な感じがしていた。それがどうだろう、まったく違った映画のように、躍動して見えた。とくにピアノの演奏は、フィルムのなかなら聞こえてくるようだった。見事な演出が、活弁の力によって、よりわかりやすく、見るものを引き込んだ。活弁というものにはまりそう。あっという間の69分間だった。
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