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2008/11/12

「生きづらさ」の臨界  "溜め"のある社会へ

32158598  湯浅誠と河添誠のW誠が本田由紀、中西新太郎、後藤道夫と鼎談してつくられたのが本書。面白かったです。本当はね、気に入った論点など、土佐のなんとかさん見たいに備忘録をつくって、アップしておくといいだろうけれど、それよりも読むべきものがたくさんある。

 本田先生とのそれは、やや分野も接近の角度もちがう人だけに、緊張感も意外性もあって読み応えがある。読んでうなったのは、2番目の鼎談の中西さんの発言と、3番目の鼎談の湯浅さんの問題提起。中西さんは、自己責任論の構造と果たす役割みたいなものが、解き明かされる。ヨーロッパの個人主義はフィクションで、社会の紐帯は存在する。日本は新自由主義のもとで徹底的に個別化され、孤立している。その指摘に、ならば日本では主体的な連帯の形成しかない。そういう新しい時代に生きているということ、そのことにかかわっていると思うだけで、ワクワクするなあ。湯浅さんの、個別のケアと社会構造の変革へのアクセスとの関係というのは、とても重い実践課題で、今日の福祉ネットワークを見て感じたことにもつながる。後藤さんの受け答えも、なるほどと思った次第。

 まず若者と向き合うときにまず最初にあるべき視点とはどういうものか。若者を主体としてどう連帯していくのか。いろいろ考えさせてくれる一冊である。

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