子どもの最貧国・日本
ものすごくいい本です。最近、光文社新書はいい本をつくていると思いますよ。
ユニセフやOECDのデータを使いながら、日本の子どもの貧困の実際を明らかにする。その貧困とは、どんな問題なのか、児童相談所の児童福祉司である著者の体験と、アメリカ留学の際の、アメリカの子どもの貧困の実相も紹介しながら、あきらかにする。とくにアメリカは、子どもの貧困大国であるが、同時に、子どもの貧困に向き合う、民間のとりくみと研究のある意味で先進国である。そのことにほとんど関心を示してこなかった日本の「貧しさ」が浮き彫りになる。
アメリカの研究はおどろくほど豊富だ。子どもの、その家庭の貧困が子どもの発達にどのように影響するのか、そのメカニズムが説き明かされる。その経路は、住宅、ストレス、病気、など多様でもある。
子どもの貧困が重要なのはわかるが、社会全体にある貧困を解決することが大事なのだと主張する人がいる。もちろん、そのことを何の否定をするつもりはないけれども、子どもの貧困を解決しなければならないのは、特別の理由がある。子どもの発達にかかわる問題なのだから、そのことが社会全体にもつ意味なども、この本は明らかにしてくれている。
自分の理解の浅さなども教えられた。
さて、昨日は、つれ合いが、研究会で留守。んなわけで、朝から家事。午後には、職場に出て、インタビュー原稿に向き合う。
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