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2008/11/11

チャベス政権 光と影~21世紀社会主義の行方~

081111_a_01 こちらの昨日に続いて、BS世界のドキュメンタリー。ベネズエラもなかなか日本で報道されることはないし、報道されても、反米の闘士というような話ばかりなので、よくわからないものが多いだけに、期待したけれど、やや表面的な印象をもった。

 番組は、「就任以来、石油を国有化し、社会主義政策を掲げて富の公平な分配を唱えるチャベス大統領。低所得者層も医療や教育を受けられるようになり、協同組合型の工場が各地にできた。しかし、その一方で貧困はなくならず、治安も悪化。社会主義政策で物価は下がったが、品不足で肉類や牛乳、砂糖は庶民の口には入らない」とする。それでも貧困層の間では、圧倒的にチャベス支持が多い。番組が強調する治安の悪化は、はたしてチェベス政権の責任に属するのかどうかもよくわからない。ここで掘り下げが足りないなあと思ったのは、国民がチェベスの改革になぜ支持をよせたのかの問題。アメリカやIMF・世界銀行が押しつけた、新自由主義改革が南米に何をもたらしたのかということについて言及がないことだ。
 さらに番組は、チャベスの影の面として、「そんな中、3選を果たした直後の2007年、チャベスは大統領の権限強化や任期延長などを盛り込んだ憲法改正のための国民投票を実施すると発表。独裁色を強めるチャベス政権への不満や犯罪率の上昇から、国内に住むヨーロッパ系住民の富裕層は、海外に移り住むことを選択し、大使館前にはビザを求め、連日、長蛇の列ができる。さらに、チャベス政権に批判的なテレビ局の放送免許更新を認めず、空いたチャンネルを国営放送に割り当てたことをきっかけに、学生たちが立ち上がり、大規模なデモに発展。チャベスの政策は大多数の国民の貧困の問題を解決できていないと主張する」
 たしかに、国民投票は僅差で否決された。が、その結果は、むしろ反対が増えたのではなく、これまで、チャベスを支持してきた層が危険に回った結果というものだったと記憶している(間違ってないですよね)。支持者が、反対にはまわらなかったが、支持もできなかったということなのだと思う。ここに何があるのか。いまなお実際には高い支持をえているチャベスの政策=21世紀の社会主義には、どんな特徴があり、共感もあるのか、一方で、その路線に、どのような問題や欠陥があり、どんな不安があるのか。直感的には、社会主義建設をすすめていくうえでの、強力な国民のとりくみの母体、主体をもたないことなどがあげられ、それがやや観念的とも言える急進主義的な面をつくっているのだろうけれども。こうしたチャベス政権の影の部分のとらえ方も、表面的で、ちょっとがっかりであった。

 まあ、つくり手の側にも、明確な基軸みたおなものがないのだろうなあ。社会の変化を捉えるというのは、たしかに難しい。

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コメント

チャベスのことはなかなか伝わってきません。本を読んでみても理解しにくいところがありました。富裕層が逃げ出すのはよくあることのように思いますが

投稿: すずめちゃん | 2008/11/12 14:57

 チャベスの実相って、ほんとに伝わって来ませんよね。本を読んでみても理解しにくいのは、たぶんチャベスの言うことは、かなりユートピア的なものが多いからでしょうか。非常にベネズエラを前進させた面と、現在の到達点がもつ限界というか問題点のどちらも冷静に見るべきなのにと、つくずく思います。

投稿: YOU→すずめちゃん | 2008/11/12 23:48

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