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2008/10/20

1995年 未了の問題圏

03038466 毎月の仕事が地続きのようになっていて、いつのまにか20日だ。いまつくっている号がいよいよ佳境だというのに、月末までその先の3本の原稿をしあげてなくてはいけないことに意識が行っている(うち一本は、自分の原稿)。

 最近、あまり本の紹介ができていないことを反省。いま読み終えようとしているのが、敬愛する中西新太郎さんが雨宮処凛、中島岳志、湯浅誠、栗田隆子、杉田俊介という若手の論客と1995年を転機として現代社会について対談した本。これがまた面白い。

 中西さんは相変わらず、よくわからない難しいことを言っている。雨宮さんとの対談は、予想通りのおもしろさ。中島さんとのものは、中島さんのうさんくささ?――すみません――というか、不思議な立ち位置というものが理解できておもしろかった。湯浅さんとのものは、予想と違って、まったくの社会論を論じあう、これはボク的には秀逸。ぜったいにおすすめの対談。湯浅さんの頭のなかものぞける。栗田さんとのものは、これまた、おもしろかった。この年代の女性の生きづらさを新しい視点から論じている。たんじゅんな?ジェンダー論ではないところが理解が深まる。杉田さんとのサブカル論は、もうついていけません(苦笑)。いろいろと読んでいないものを無性に読みたくなる。

 自分の問題意識と共通する面や、あたらしく考えさせられた点や、いろいろつまっている。ものの見方や考え方として、社会学の影響をうけた論者たちだと思うのだけれど、そうした議論を中西さんが受け取りながら、より深みのある議論をかぶせようとしているところがいい。何か、今後の議論の発展性などもヒントとしてある。

 まあ、むずかしくって、ボヤーっとした問題意識だけが、結果としてふくらんでいるんだけれどね。でも、読後感には満足感もある。

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コメント

youさんの本の紹介,楽しみにしています。わたしもこの本はお薦めだと思いました。同じく湯浅さんとの対談がよかったですね。マンガや若者が読んでいる本,読みたくなります。確かに!

 大学で社会科学が弱くなっているというのは、なかなか鋭い指摘ですよね。
 こちらも、なかなかコメントを書くことができていませんが、KATEKさんから、いろいろ考えたり、感じたりするヒントをいただいています。

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