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2008/10/27

フィンランドの高校生たちが人生について考えていること(再考)

 たまたま、この田中孝彦先生たちが、つくった『フィンランドの高校生たちが人生について考えていること』という本について話し合う場に参加する機会があった。いろいろな人のこの本についての感想を聞いて、とても刺激になる時間をすごすことができた。

 この本を子どもといっしょに読むという読み方をしているのは、自分ではそんな発想は何もなかったのでへえっと思った。少なくとも、丁寧に、ゆっくり読むという姿勢は、自分にはなかったので、この本の真髄をつかむという点でもとても反省させられた。

 若者たちの語りの裏側にある、いろいろな葛藤や悩みにも思いをはせるということも、ちょっと気づかされた。フィンランドに留学経験のある若い人が、フィンランドの若者のつらさみたいなものも語ってくれて、そういうしんどさのなかから発せられる、この本に書かれた言葉というものの意味も考えさせられた。

 日本の教育がおかれている現状とフィンランドとの比較になる。そのとき、日本の若者たちがこの本を読んだとき、この本を受けとめられる層と、遠い世界の話だと感じる層に分かれるという話になった。その話をききながら、たぶん、1人の若者のなかに両方の面があるのだろうと思った。日本の教育の現状は、とてもたいへんな状態にあるが、そのなかでも豊かな教育的な営みがある。たとえば田中先生が紹介されている北海道・檜山の地域に根ざした実践などは、まさにそういうもので、両方の面をもつ子どもたちの声を聞きながら、教育を営むことの重要性があるのだなあとも思ったりした。困難な状況にある日本の教育というものにも、心をよせたいと思った。

 若者の語りを中心においた、新しいというか、ほかにあまりないタイプの本なのだけれども、この本を語りあうことを通じて、子どもの声、若者声をていねいに聞き取り、そのことについて、大人が大人同士や子どもたちと話し合うことを通じて、子ども理解、若者理解が深まるのかななどとも思った。そんな体験だった。

 もう1度ゆっくり読まなくてはと、つくずく思った。こんどは、英文での若者たちの言葉もちゃんとていねいに読まないといけないと思いながら。

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コメント

わたしも読みました。おおらかで,でもしっかりしている生徒の感じがいいですね。この本で集まって話し合う場があったなんて・・・そういう場に行ってみたかったです。

 楽しく、いろいろ視野が広まる時間でしたね。話すということ、聞くということが大事だということを感じた時間でしたね。
 それとね、結構、本の翻訳が大事たということ。話のニュアンスというものをどう読みとるかということも考えさせられました。

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