中塚講演「日本近現代史のなかの韓国・朝鮮――改めて歴史の見方を問う」
いよいよ台風がやってきますね。明日は、早起きして地域で一仕事があるというのに…。
さて、今日は、職場での仕事は夕方で切り上げて、吉祥寺まで中塚明先生の講演を聞きに行ってきました。身体を悪くされていると聞いていたのですが、いたってお元気で、面白い話が聞けました。
テーマは、「日本近現代史のなかの韓国・朝鮮――改めて歴史の見方を問う」というもの。中塚先生の持論である、15年戦争、アジア太平洋戦争というとらえ方は、ともすれば朝鮮支配のための戦争が欠落する。日本軍の蛮行はもっと以前からあったわけで、江華島事件や日清戦争の時期から広く歴史をとらえることが大事だという視点で話をされました。
たしかに、歴史を広くとらえると、いろいろなものが見えてきます。先生は、現在の日本の状況を、渡辺利夫の『新脱亜論』や、『南北首脳会談への道』のうけとめられ方などにふれながら、話され、相変わらずの知的関心の旺盛さに舌をまきましたが、その根底にある韓国・朝鮮への日本の無関心が戦前の、朝鮮半島支配という事実への無関心?とむすびついているという指摘はなるほどと思います。出発の時期の、東学事件への日本での関心のなさ、決して、日本は欧米と同じことをやったとは言えない事実を隠蔽しています。日本の歴史をひもといたとき、朝鮮半島と緊張関係が生じたとき、かならず神功皇后の三韓征伐の伝説がくり返し語られるなども、日本の朝鮮半島をあらわしているような気もしました。
そのほか、明治の時代の軍隊から兵站軽視があったことは西南戦争から見られるというのは、はじめて知った話でした。
いずれにしろ、来年からNHKで『坂の上の雲』がはじまります。再来年は、併合100年に当たります。朝鮮半島と日本との近現代史は、大きなテーマになっていきます。いろいろ勉強しなければなりませんね。
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