教育社会学
教師教育学会が、テキストをシリーズで作成している。大学時代、ちゃんとした勉強をしなかった人間がその反省を込めて、できるだけ系統的に勉強したいなあと、つくずく思っている。そんな思いも、かなり込めて、この本を読んでみた(このシリーズを何冊か読みたいと思っている)。
さて、尊敬する久冨先生が編者となったこの本は、なかなか刺激にみちた本だった。もともと、教育社会学というものは、かわった?学問である。社会のありようと教育とをむすびつけて議論するものだけれど、以前は社会学というものは、社会を平板に見過ぎるという偏見みたいなものがボクのなかにもあったことは事実。社会学的な手法で、教育の問題をとらえようという、この学問分野はいまでは、正直いって、現在の教育問題を論じるうえで、最先端の役割をはたしていると言ってもいい。むしろ、これまで政策研究をやっていた人たちも、その学問的有効性というものを認めて、この分野の研究に挑んでいる。
もちろん、何か決まった学問的方法というものがあるというものでもないだろう。むしろ教育の分野のおこっている問題にリアルに接近して、社会のなかに位置づけて分析する。この論者の方法や、考え方も一様ではないし、より歴史的に、社会構造的に見ようという人もいれば、必ずしもそうでない人もいる。
教育、学校、学力、教師…いろいろな刺激的な切り口のなかで、やはり、興味深いテーマは、若者の問題であり、移行期の問題。これが、実は、学校制度や教育のあり方と不可分な問題である。先行的な研究のすそ野の広さも刺激になったし、やっぱり勉強しないとなあとつくずく思わされた。
もう1つ、面白いテーマは、教師論。いまの教師の苦しみの内容などを理解するうえで、参考になる議論もたくさんあった。
関心をもったページを追ったりしたけれど、折り込みだらけに。やっぱりこういう本は、ちゃんとノートをとらないといないかなあ。
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