闇の子供たち
阪本順治というのはすごい監督だ。たぶんいまの日本の映画監督の3本の指にはいると言っていいと思っている。その阪本がやっかいな映画をつくった。見ていて、これほど苦しかった映画はない。
人の命はお金では買えない。しかし人間の傲慢さと欲望の代償として幼児売買、臓器密売など、罪のない幼い子供たちが安易に金銭取引されている。それを救おうとするタイ在中の新聞記者は、NGO職員とフリーカメラマンに協力を得て、取材を開始する。横行するタイの「闇」。事実を暴き、虐げられる「闇の子供たち」を救おうともがくほどに、残酷な現実が立ちはだかるのだった…。
「闇」というのは、たぶん世界の闇というより、人間の「闇」なのだと思う。描かれているのは、幼児売買という人間自身の闇。そして、貧困という闇、それは人が見えない=見ない闇だろうか…。
映画は問う。この現実に、どうあなたは向き合うのかと。あくまでも、押さえた描写で、映画はそう問いかける…。
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