マンガから考える法と社会
三年前に出版され好評を博した『マンガからはいる法学入門』の続編です。前回同様、青年向けの雑誌に掲載されたマンガを素材に法律を論じていますが、今回はより現代的な課題をとりあげています。たとえば「カバチタレ!」で解雇権の濫用を、「勝利の朝」と「ホカベン」で少年犯罪を、「刑事が一匹」で警察の裏側を、「島根の弁護士」で環境問題をという具合です。
後半は、法律の歴史にも話題を広げます。「エロイカ」でナポレオン法典をとりあげていますが、その女性の地位について、植木枝盛が批判していたことなどは興味深い指摘です。戦争と平和の問題、正義とは、危機管理と有事法制など、まさに現代政治の課題を知的刺激にも満ちながら、わかりやすく学べるものとなっています。
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江川達也の『日露戦争物語』を妙に評価していたような記憶があるのですが、この本だったのでしょうか。
投稿: ねこぱんだ | 2008/08/26 00:29
評価というか、司馬の『坂の上の雲』と比較して、ふれられていなかった点がふれられているという範囲でですよね。全体として必ずしも評価しているとは思えませんが。まあ、私個人としても、『日露戦争物語』はとても、好きになれませんがね。
投稿: YOU→ねこぱんだ | 2008/08/26 00:43