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2008/07/31

証言記録・兵士たちの戦争 ニューギニア・ビアク島・幻の絶対国防圏/沖縄戦・住民を巻き込んだ悲劇の戦場

 眠い目をこすりながら、でも見出すと、最後まで見てしまう貴重な証言記録です。アジア・太平洋戦争の最前線で戦った元兵士らの証言を基に、過酷な戦場の実情を3回にわたって浮き彫りにする2回目。

ニューギニア・ビアク島・幻の絶対国防圏・岩手県・歩兵第222連隊/沖縄戦・住民を巻き込んだ悲劇の戦場・山形県・歩兵第32連隊

 岩手県出身者を中心に編成され、ニューギニア・ビアク島で戦った歩兵第222連隊と、山形県、北海道、沖縄県の出身者で編成され壮絶な沖縄戦を戦った沖縄守備軍に焦点を当てる。ガダルカナル島の敗戦から劣勢に回った日本軍は、これ以上の敵の進撃を許さない「絶対国防圏」を定め、ニューギニア島北西部のビアク島を重視。1943年末、岩手県出身者を中心とする歩兵第222連隊などからなるビアク支隊を派遣した。だがその後、戦況悪化を理由に大本営はビアク島を絶対国防圏から外し、後続の部隊を送らないよう指示。ビアク島の部隊は、圧倒的な兵力の米軍と悲惨な戦いを繰り広げた。一方、太平洋戦争末期の沖縄戦では、来るべき本土決戦を前に極力敵の消耗を図ろうとする大本営の方針の下、沖縄守備軍は武器さえない状況で過酷な持久戦を強いられた。だがそれが、やがて住民までも巻き込む悲劇へとつながっていく。

 ビアクのドキュメントでは、”遺骨”が取り上げられる。そう、あの戦争での戦死者の半数の遺骨はいまだ野ざらしで放置されたままである。餓死した兵士たちということが言われるけれど、もっと餓死というものをリアルな想像力で受けとめる必要があると思った。
 そして、沖縄――このシリーズを見ていて、本土のための捨て石の戦場となった沖縄は、その実相としてのそれは、”植民地”であったとも言える。少なくとも、軍や為政者は、沖縄についてはそのような認識しかなかったということのだろう。それは、その歴史からも見えてくることなのだろうけれど。

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コメント

コメント失礼致します。
都内で教員をしている早野未明という者です。
『証言記録 兵士たちの戦争』を録画されたでしょうか?
7月末にNHK総合で放送された際、私も録画したのですか、どうもうまく録れていませんでした。
「沖縄戦 住民を巻き込んだ悲劇の戦場」だけでも構わないのですが、授業で生徒に見せたく、探している状況です。

 録画はしています。ブログ上のメール送信でメールしてください。

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