スーパースパイ~盗まれた“マンハッタン計画”~
世界のドキュメンタリーの放映されたもの。何年か前、「原爆を盗んだ男」という本があったけど、その内容についてはほとんど知らなかった。
第二次世界大戦中のアメリカ・ニューメキシコ州ロス・アラモス。ここに設けられた核実験場で、核爆弾の開発が最終段階に入っていた。 研究開発チームの1人、クラウス・フックスは、実は熱狂的な共産主義者で、最新の機密情報をソ連に送っていたスパイだった。フックスは核兵器をアメリカ一国が独占すべきではないと信じ、アメリカがソ連に核兵器が使用する可能性を防ぐために情報を流し続けたのだ。 1945年、マンハッタン計画の下で広島に、そして長崎に原爆が落とされ数十万の人命が瞬時に奪われた。核兵器のすさまじい威力と人々が受けた悲惨な被害を目の当たりにし、フックスは苦しむ。しかし、共産主義の理想世界を築くためのスパイ活動に迷いは無かった。 アメリカは、この恐るべき兵器が敵の手に無いことを喜んでいた。しかし、ソ連は第二次世界大戦後、世界中の予想よりもはるかに早く核実験に成功。西側諸国には衝撃が走った。 フックスによってソ連の指導者の手に渡った核の秘密は、米ソ両大国の核開発競争の扉を開いた。人類が初めて経験する核の時代が、始まった。
なぜ、核拡散が、今日のようにすすんだのか。その歴史の裏側で、このような歴史があったとは。しかも、その人物こそが、核兵器そのものの開発に重要な役割をはたした人物そのものだった。歴史の愚かさは、人間の愚かさでもある。そんなことを感じる。でも、同時に、その人間の愚かな行為をおこなわさせる、その背景を読み解くことが、いま重要なんだろうとも思う。
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