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2008年7月

2008/07/31

情報です――都教委に対して公開討論をもとめる記者会見

 たまには情報です。ボクは、親父の一周忌なので参加できないのですが…。かわりに誰か行ってきてください。

都教委に対して公開討論をもとめる記者会見

 すでに新聞各紙で報じられましたが、東京都教育委員会が2006年4月に出した「職員会議での挙手・採決を禁止する」通知に対し、都立三鷹高校の土肥校長が通知の撤回をもとめ、都教委に対して公開討論の申し入れを再々してきました。
 しかし、都教委は撤回するどころか、通知どおりにしているかどうか現場を査察したり、採決した校長に厳重注意などをおこないました。
 土肥校長は、意見の相違を社会に問うてどちらが正しいか判断してもらいたいと思い、都教委に対して、あらためて公開開討論の申し入れをするために記者会見を行なうことにしました。
 土肥校長の発言に多くの教育学者や教育の専門家が賛同し、記者会見にも同席の予定です。
 ぜひ、みなさん!応援に駆けつけてください。

 記者会見の詳細は次の通りです。
■日時:8月4日(月) 午後2時~
■場所:都庁記者クラブ
■発言予定者: 土肥 信雄さん (東京都立三鷹高校 校長)
           藤田 英典さん (国際基督教大学教授)
           尾木 直樹さん (教育評論家)
           勝野 正章さん (東京大学准教授)
※都庁記者クラブは、都庁 第1庁舎 6階です。直接おでかけください。
■主催:土肥校長とともに、学校の言論の自由をもとめる勝手連 準備会

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証言記録・兵士たちの戦争 ニューギニア・ビアク島・幻の絶対国防圏/沖縄戦・住民を巻き込んだ悲劇の戦場

 眠い目をこすりながら、でも見出すと、最後まで見てしまう貴重な証言記録です。アジア・太平洋戦争の最前線で戦った元兵士らの証言を基に、過酷な戦場の実情を3回にわたって浮き彫りにする2回目。

ニューギニア・ビアク島・幻の絶対国防圏・岩手県・歩兵第222連隊/沖縄戦・住民を巻き込んだ悲劇の戦場・山形県・歩兵第32連隊

 岩手県出身者を中心に編成され、ニューギニア・ビアク島で戦った歩兵第222連隊と、山形県、北海道、沖縄県の出身者で編成され壮絶な沖縄戦を戦った沖縄守備軍に焦点を当てる。ガダルカナル島の敗戦から劣勢に回った日本軍は、これ以上の敵の進撃を許さない「絶対国防圏」を定め、ニューギニア島北西部のビアク島を重視。1943年末、岩手県出身者を中心とする歩兵第222連隊などからなるビアク支隊を派遣した。だがその後、戦況悪化を理由に大本営はビアク島を絶対国防圏から外し、後続の部隊を送らないよう指示。ビアク島の部隊は、圧倒的な兵力の米軍と悲惨な戦いを繰り広げた。一方、太平洋戦争末期の沖縄戦では、来るべき本土決戦を前に極力敵の消耗を図ろうとする大本営の方針の下、沖縄守備軍は武器さえない状況で過酷な持久戦を強いられた。だがそれが、やがて住民までも巻き込む悲劇へとつながっていく。

 ビアクのドキュメントでは、”遺骨”が取り上げられる。そう、あの戦争での戦死者の半数の遺骨はいまだ野ざらしで放置されたままである。餓死した兵士たちということが言われるけれど、もっと餓死というものをリアルな想像力で受けとめる必要があると思った。
 そして、沖縄――このシリーズを見ていて、本土のための捨て石の戦場となった沖縄は、その実相としてのそれは、”植民地”であったとも言える。少なくとも、軍や為政者は、沖縄についてはそのような認識しかなかったということのだろう。それは、その歴史からも見えてくることなのだろうけれど。

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2008/07/30

「構造改革」からの脱却と固執と

 昨日、こんなものが発表されましたよね。

社会保障「5つの安心プラン」 年金や医療、雇用の不安一掃(共同通信)

 政府は29日、社会保障に関する緊急対策「5つの安心プラン」を決定した。医師不足対策として、救急や産科医療、へき地派遣の勤務医に対する財政支援を打ち出したほか、住居のないネットカフェ難民に対する就労資金貸与などの自立支援策など、計約160項目を盛り込んだ。
 年金や医療、雇用をめぐる国民の不安感を一掃し、厚生労働行政の立て直しを図るのが狙い。2009年度予算に反映するとともに、次の臨時国会や来年の通常国会で必要な法整備を進める。
 5つの安心プランは福田康夫首相の指示に基づき(1)高齢者政策(2)医療(3)子育て支援(4)雇用政策(5)厚労行政の信頼回復-の5分野について、今後1年間で取り組む課題を中心にまとめた。…

 おどろくほど評判が悪いですよね。だいたいの論評は、「先送り」「新しさや目玉なし」「具体性なし」などなど…。実物は、ここにあります

 ただ、柱立てを見てみると、どう考えても、「構造改革」との決別宣言とも読める内容であるとも思います。ただ、総括なり、深い議論がないから、出されている政策は、きわめて中途半端というか、それでも自己責任を求めるという範囲を出てはいません。そういう意味で、「構造改革」に固執とも言えるのでしょうけれど、その論理が、どうも財政再建の枠にとにかく縛られているという感じがします。だから、論理そのものにも激しい矛盾が存在するという感想をもつのですが、どうでしょうか?

 この秋は、少し、不得手な経済政策や社会保障などについて、系統的な勉強をしてみようかなあと思っているところです。

 さて、今日は、朝から、多摩の中央大に行かなければなりませんでした。ところが、昨夜から、腰が爆発。湿布をいっぱい貼って、冷や汗を出しながら何とか到着。足を引きづりながらのつらい一日となりましたあ。

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証言記録・兵士たちの戦争 フィリピン・絶望の市街戦・マニラ海軍防衛隊/ガダルカナル・繰り返された白兵突撃

 昨年、注目を集めたこの証言番組。このブログでも紹介したけれど、兵士たちの証言をとおして、日本軍の行為が、まともな戦略も冷静な判断もない、兵士の命を尊重しないものであったことが、明らかにされていた。

 さて、昨日(今日の未明)から、今年BShiで放映された第2シリーズが地上波で放映されている。まず「フィリピン・絶望の市街戦・マニラ海軍防衛隊」と「ガダルカナル・繰り返された白兵突撃」だ。

 アジア・太平洋戦争で生死を懸けて戦った旧日本軍の兵士たちの証言から、戦争の過酷さとむなしさを3回にわたって浮き彫りにする。1回目はマニラ市街戦を戦ったマニラ海軍防衛隊に焦点を当てる。1945年2月から1カ月間にわたったマニラ市街戦は、日米両軍の兵士とフィリピン人合わせて12万人が犠牲になった。最近アメリカで公開された米軍戦闘報告書やマニラ海軍防衛隊隊員の日記などを交え、悲劇を招いた要因を探る。また米軍との初めての本格的な戦闘となったガダルカナル島戦を戦った北海道・旭川歩兵第28連隊を紹介。大本営から撤退の命令がない中、圧倒的な兵力を持つ米軍に日露戦争以来の戦法である"白兵突撃"で立ち向かった兵士たちの苦しみを伝える。

 こんな、たたかいは、”家族のための英雄的なもの”というものとは、まったく無縁のものである。一部の、指導者の主観的な考えのための犠牲にしか過ぎない。しかも、それは、上官の命令=天皇の命令という日本軍の独自の考えが支えていた。

 同時に、今度のシリーズでは、こういう軍隊の残虐性も示されている。マニラ市民は、アメリカ軍に対する楯にすぎず、しかもスパイ狩り名の下での虐殺がくり返された。ガダルカナルでも、情報の漏洩の危険を口実に、現時住民の虐殺が証言されている…。

 今夜の番組も必見だろう。

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2008/07/29

「百人斬り競争」と南京事件

03010013 南京事件における日本軍の残虐行為として知られる「百人斬り競争」は、その特異な残虐性から、南京事件否定派から、事実そのものを否定する議論がくり返されてきた。一方、史実研究においても、南京事件が日本軍による組織的な事件であることの検証が重視され、「百人斬り競争」については注目を集めることはなかった。
 本書は、この問題での実証研究の成果をまとめたもの。「百人斬り」以外にも多くの「○○人斬り」があったという当時に報道や、陣中日記などの資料も使いながら、日本軍にとって「日本刀」がどのような意味をもったのか、どう使われたのかを明らかにする。また南京侵攻の経緯を追い事件の実際の再現を試みる。
 なぜ、どのように日本軍が中国で残虐をおこなったのかを知るうえでも貴重なものとなっている。

 今夜からNHKで注目の、「証言記録 兵士たちの戦争」の第2シリーズの地上波放送です。これは必見です。

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母べえ

20071031027fl00027viewrsz150x 映画館で見られなかったこの映画を、やっとのことDVDで見た。
 とくに、映画の内容は紹介する必要はないだろう。
 凛として生きる、”母べえ”の姿を、それを支える優しく、頼りなげな山ちゃんを浅野忠信が好演。
 社会的なテーマを、大船流の日常生活の営みから、山田洋次が照らし出す。

 山田洋次には、もっといろいろなテーマの、いろいろな映画に挑んでほしいという思いはあるのだけれども、ラストの台詞に込められた思いは胸を打つ。

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総検証 ニッポンの老後

H20080802 これは紹介です。東洋経済の
こうした特集も、おなじみになってきました。担当したメンバーもおなじみの人たちです。今回も読み応えのあるものになっています。

医療、介護、住まい、年金…不安大国の真実
総検証 ニッポンの老後

75歳以上の後期高齢者は2025年に2000万人を突破。
老後の生活は安心なのか徹底検証する。

医療
医療費抑制が本格始動
「後期高齢者」の受難
 診療報酬
  サボタージュ続出、神通力失った診療報酬誘導
 長期入院
  脳卒中、認知症疾患の受難
 後期高齢者保険は短命か
I NTERVIEW  大阪大学大学院教授 堤 修三
 ルポ 青森県佐井村 唯一の医師が消えた村
 INTERVIEW  東京医科歯科大学大学院教授 川渕孝一
 交通事故で損保会社“払い渋り”の言い分
 医療座談会 医療費抑制政策の撤回は大規模な財源確保から
  尾辻秀久(参議院議員、元厚生労働大臣)
  二木 立(日本福祉大学教授)
  権丈善一(慶應義塾大学教授)
 年金 記録漏れの見逃しが続出、ねんきん特別便の限界

介護
財政至上主義直撃の厳しい現実
 介護保険制度
  「施設から在宅へ」、年寄りの「終(つい)の棲家(すみか)」に迫る危機
 図解|介護保険制度のおカネ、利用者はこうなっている
 ルポ 東京都北区は大幅な介護度ダウンが続出
I NTERVIEW  目白大学教授 宮武 剛
 介護人材難でもハードル高い外国人受け入れ
 ルポ 和歌山県古座川町 施設でも老老介護の影
 認知症
  ケア専門医不足に悩む介護現場、介護保険で“認知症外し”も/重要性増す成年後見制度

住まい
高齢者の住まい選び 安心なのはどこか
 有料老人ホーム
  「総量規制」への対応で、戦略の違いが浮き彫りに
  一覧│有料老人ホーム・高齢者専用賃貸住宅 主要各社のブランド別データ
 高専賃住宅の市場は急拡大、介護など質のバラツキは大
  住まい選び ココがポイント!

福祉 大阪のセーフティネット 「福祉版レスキュー隊」奮戦記
This week's data
 日本は「小さすぎる福祉国家」を目指す?―社会保障の規模と高齢化率―

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2008/07/28

教育再生懇:「国理英でページ数を倍に」の改革案

 残念ながら、まだHPには、何もアップされていません。たぶん数日中にアップされるでしょうか。

教育再生懇:「国理英でページ数を倍に」の改革案(毎日新聞)

 政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾長)は28日の会合で、小中高校の教科書の質・量の充実に関する改革案をまとめた。(1)自習に適した丁寧な記述(2)「発展学習」「補充学習」の充実(3)子供たちをひきつける工夫--などを実現するため、特に国語、理科、英語でページ数を倍増するよう提案した。福田康夫首相に今秋提出する第2次報告に盛り込む。…

 今度の学習指導要領の改訂は、膨大な内容をかなりこと細かく書き込んでいます。しかも、無茶苦茶膨大な解説書なるものを文部科学省がつくって、それが文部科学省の解釈だと、法的な権威をもたせようとしています。それに対応して、教科書を分厚くしろと…。はたして、国が(教育再生懇は私的な機関なのですが)、教育内容にここまであれこれものいいすることが、許されるのかということがまず大きな疑問です。

 しかも教育再生懇は、教育の専門的な研究者は、小川さんぐらいでしょう。もちろん、国民的な議論が必要で、多くの人の意見を聞く機会は大事でしょうけど。同時に、政府は、教育政策については、もっと専門家の議論を尊重する姿勢も必要でしょう。

 いずれにしろ、教育へ国家の介入を強める姿勢は異様です。フィンランドがこの間の教育改革の過程で、教科書については、すべて教育現場にゆだねる判断をしたのとは大きな違いでしょう。どんどん、教育が息が詰まるものになる――そのことはどうしても避けなければならないと思いますね。

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労働者派遣:「日雇い禁止」など答申 厚労省研究会

 先日の与党による「労働者派遣制度の見直しに関する提言」に続き、厚生労働省も、日雇い派遣、禁止に向けて大きく踏み出すことになりました。

労働者派遣:「日雇い禁止」など答申 厚労省研究会(毎日新聞)

 労働者派遣法の見直しを議論している厚生労働省の諮問機関「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」(座長、鎌田耕一・東洋大教授)は28日、日雇い派遣を原則禁止し、違法派遣があった場合は派遣先に直接雇用を勧告することなどを盛り込んだ報告書をまとめ、厚労省に答申した。厚労省は報告書をたたき台に改正案をまとめる。86年の法施行以来、規制緩和の改正を続けてきた同法は初めて規制強化にかじを切ることになる。…

 これに対し、相変わらず、すでに誤りが明らかになった「ニーズがある」という議論をたてに巻き返そうという動きもあるようです。でも問われているのは、このようは働かせ方があっていいのかということでしょう。また、現在の抱える、異常で、無法な働かせ方の放置という点から見れば、これによる改善はまだごくわずかにすぎません。他の非正規労働にすげかえるということがすすめられるでしょうか。

 そうであっても、これを許していたいいのかという大きな世論を背景に、日本における雇用のあり方を改善していく、大きな一歩になればと願ってやみません。

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大学院生は「苦学」?

 局地的な雨というものが、被害を広げていますね。
 私も、昨日の帰り、バスにのったとたん、突然の豪雨(嵐という表現がもっとも近いのでしょうか)が降り出しました。ほんの20分ほどだったと思いましが、ただただびっくりしました。

 今日の朝日新聞に、「大学院生は『苦学』? 授業料全額免除3割足らず」という記事がのっていました。貸与の奨学金を希望通り採用されたのは7割だそうです。仕送りとアルバイトで苦労しながら勉学に励んでいるすがたが明らかにされたそうです。
 おどろくのが、1ヶ月あたりの収入総額。これが6万未満が32%でもっとも多いということです。これに対し、授業料負担は1ヶ月、国公立大学でも4万5000円。どうして生活が成り立つのでしょうね。東京で、親と同居というのもそんなに多くはないでしょうから。そうとう深刻な事態が見えてきます。

 院生協議会のHPはここ
 現在、『2008年度大学院生の経済実態に関するアンケート調査』がとりくまれていましが、「朝日」の記事は、昨年の、アンケート結果にもとづいて書かれたもののようです。

 院生は、日本の科学研究の未来の担い手といっても、現実には、将来的にも不安定。
 こんなことで、日本の未来はどうなるのでしょうねえ。

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2008/07/27

阿波踊り と 横浜中華街 の話

20080725190053 ここ数日の話。金曜日は、印刷工場での作業を終えて、神楽坂を歩いていると、なぜか阿波踊りをやっていた。神楽坂には、この時期、ほおづき市がたつのですが、それに引き続いて。阿波踊りがおこなわれている。結構、阿波踊りっていろんなところでやっていますよね。わが市でもありますし、隣町でも大きな阿波踊りの催しがあります。いろいろな団体が参加できて、簡単にもりあがれるからでしょうか。けっこう、美しいですしね。でも、全国、各地で、阿波踊りというのはどうもという気もないわけではないですけど。でも、街が元気になるというのがいちばんですか?

 20080727152729 今日は、朝から、横浜でしゃべらなくっていけなくって、朝早くから出かけました。うまくはなせたかどうかは、まったく自身はありませんが、午後から、つれ合いと待ち合わせて、そのまま横浜中華街に行きました。実は、ボクは、横浜中華街ははじめてで、昼のセットを食べて、生を2杯。そのあと、ぶらぶら。おもしろいところですよね。関帝廟って、三国志の関羽が祀られているのでしょうか? お茶と甘栗と月餅をおみやげに、帰路につきました。今日も、半分仕事ですが、午後からは貴重な気分転換、まあ夜は地域の会議でしたけど(笑い)。

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2008/07/26

シリーズ 20世紀 “核”の内幕

080723_a_01080724_a_01 ここ数日、紹介してきたBS世界のドキュメンタリーは、<シリーズ 20世紀 “核”の内幕>は、地震で一日、放映がずれましたが、金・土の午前0時すぎから、みることができました。

第3回 モスクワからの使者 ~キューバ危機の真実~

 シリーズ第3回の舞台は、冷戦下のモスクワ。ソ連軍大佐ペンコフスキーが、イギリス人ビジネスマンに接触した。彼がもたらしたのはソ連の最高軍事機密。そしてその情報は、アメリカの若き大統領、ケネディに人類の命運をかけた決断を迫ることになる・・・。
世界中が固唾をのんで見守ったキューバ危機。その背後にあった、息詰まる情報戦を描く。

第4回 イスラエルからの告発 ~地下核施設を暴露した男~

 1986年、英国の新聞のスクープ記事に世界が驚愕した。イスラエルが、米・ソ・中・英・仏の超大国に次ぐ、世界第6位の核兵力を装備していると伝えられたからである。この情報をリークしたのは、地下の秘密核開発施設で働いていたモルデハイ・バヌヌという一介の技師。「ホロコーストを経験した国民が、世界に同じ災いをもたらしてはならない」という信念から、国家の最高機密を盗み出し、諜報機関に追われる身となった中年男の運命とその結末を描く。

 このシリーズがイギリスでつくられたものですから、その政治風土を反映しています。とくに、スパイが主人公になったドキュメントとなっています。まざまざと見せつけられたものは、覇権主義の野望のおぞましさ、その権力というもののすごさ、凄まじさです。そして、核兵器という想像を絶する威力をもつ、反人道的な兵器のもつ、世界政治への大きな影響力というものです。

 KGBによるスパイ監視の映像や、周辺の関係者の証言によるイスラエルのモサドによる策動の再現など、現代史の裏側の再現は、その冷戦下の権力政治の実像をリアルに見せてくれたと思います。

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親の8割、公立小中学校に「満足」 本社・ベネッセ調査

Tky200807250449 今日の朝日新聞に興味深い世論調査がのっていました。
 調査のデータは、ベネッセのHPにありました


親の8割、公立小中学校に「満足」 本社・ベネッセ調査(朝日新聞)

 公立の小中学校に満足している保護者は8割近くに達し、先生への評価も上昇――。朝日新聞社とベネッセ教育研究開発センターが共同実施した5千人を超える保護者への意識調査が25日まとまり、そんな結果が出た。4年前の前回、満足度の低かった都市部や高学歴の親で伸びが目立ち、公立学校への信頼回復の兆しがうかがえる。…

 これをどう読めばいいのか、まだよくわかりません。格差というものが、再生産されていること。そして、世論は、いろいろな面があるにしても、必ずしも「教育改革」については、世論の支持があるわけではないことだけはあきらかなのでしょう。

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2008/07/25

青少年育成大綱改定で骨子-政府

 暑い日が続きますね。みなさんは体調は大丈夫ですか? ほんと暑いのは嫌いです。
 たいへんな地震も続きます。

 さて、最近の若者問題の関係で、こんな記事に注目してみました。

青少年育成大綱改定で骨子-政府(時事通信)

 政府は25日午前、青少年育成推進本部(本部長・福田康夫首相)の会合を開き、年内に改定する青少年育成施策大綱の骨子を決めた。不登校や引きこもりなど問題を抱える青少年に対し、関係機関が連携して切れ目のない支援を行う「育て直し」に取り組むことなどを盛り込んだ。
  骨子では、行政機関による子育て家庭への積極的な働き掛けやインターネット上の有害情報対策などもうたった。
 同大綱は2003年12月に策定され、5年後の今年は改定時期に当たる。会合で福田首相は「青少年の犯罪は大人社会の反映であり、青少年の育成にさまざまな影響を及ぼしている社会のあり方を考えることが大切だ」と述べた。

 骨子=新しい「青少年育成施策大綱」の枠組みというペーパーはここにあります
 ざっと、読んでも、多くの人は違和感を持つのではないでしょうか?

 実は、この骨子をつくるために12回の青少年育成に関する内閣府特命担当大臣と有識者との懇談というのがおこなわれています。系統的な研究会というのではない、毎回違った人に、政府の側が話を聞くというものなのです。ちなみの、その話を聞いたメンバーを見てみると――

天野秀昭 特定非営利活動法人プレーパークせたがや理事 特定非営利活動法人日本冒険遊び場づくり協会理事
仙田満 放送大学教授
山縣文治 大阪市立大学大学院生活科学研究科教授
宮本みち子 放送大学教養学部教授
工藤啓 特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長
谷口仁史 特定非営利活動法人「NPOスチューデント・サポート・フェイス」代表理事
小宮信夫 立正大学文学部社会学科教授
小田啓二 特定非営利活動法人「日本ガーディアン・エンジェルス」理事長
竹花豊 松下電器産業株式会社参与
勝又正孝 勝又小児科アレルギー科医院院長
海和宏子 社会福祉法人キンダー保育園園長
小林剛 武庫川女子大学大学院教授
二神能基 特定非営利活動法人ニュースタート事務局代表
牟田武生 特定非営利活動法人「教育研究所」理事長
井内清満 特定非営利活動法人ユース・サポート・センター友懇塾理事長
能重真作 特定非営利活動法人非行克服支援センター理事長
福田常隆 更生保護法人東京保護観察協会敬和園施設長
岩田久 東京都立萩山実務学校長
三好洋子 「フリースペースえん」スタッフ 自立援助ホーム「憩いの家」元寮母
草間吉夫 茨城県高萩市長
才村 純 日本子ども家庭総合研究所ソーシャルワーク研究担当部長
植山起佐子 東京都スクールカウンセラー
赤枝恒雄 赤枝六本木診療所院長
齊藤万比古 国立国際医療センター国府台病院第二病棟部長
山岡修 日本発達障害ネットワーク代表
池田敬史 東京都立あきる野学園校長
緒方貞子 独立行政法人国際協力機構理事長
北城恪太郎 日本アイ・ビー・エム株式会社最高顧問
藤原和博 前東京都杉並区立和田中学校校長
門川大作 京都市長

 たしかに、真面目の若者の問題にとりくんでいる方たちも少なくはありません。だから、最終的な報告書も、個々には大事な議論もあるのだと思います。ただ、特徴として感じるのは、若者の問題行動を設定して、それへの対応とういう点に問題意識は偏っているという感じがします。その問題行動の背景を、幼児期、少年期の家庭のあり方との関係で議論しようという意図を感じるのは私だけでしょうか?
 若者の最大の困難である、雇用と就労の問題などは議論にあがらないし、ましてや貧困や課題となっている若者の社会保障なども議論されたという感じではない。詳しく比べたわけではないけれども、この間の青少年対策の議論などと比しても、かなり偏ったものになっているという印象をうけるのだけれど…。どういうことなのだろうか?

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2008/07/24

イスラエル、独、オランダ軍 北部訓練場で演習検討

 少し、前のニュースですが、いろいろな情報をチェックしていると突き当たりました。ちょっと驚きました。

イスラエル、独、オランダ軍 北部訓練場で演習検討(琉球新報)

 沖縄本島北部の米軍北部訓練場で、日本の自衛隊を含む米国以外の国の軍隊がジャングル戦闘訓練の計画を検討していることが30日までに分かった。ドイツ軍、イスラエル軍、オランダ軍と自衛隊の4カ国の連絡官が5月21日、米本国の海兵隊の案内で同訓練場を視察した。併せて、同訓練場では、在沖米海兵隊だけでなく米本国の予備兵も共同使用していることも明らかになり、訓練使用が拡大されている。沖縄に駐留している以外の米軍の部隊や他国軍による使用は、本来の施設提供目的を超えたもので、際限ない基地機能拡大につながると懸念が広がりそうだ。…

 情報源は米海兵隊のホームページのようです。北部訓練場は、サバイバル訓練のための施設で、米海兵隊も大変重視をしているところです。世界最強の殺人部隊といわれる米海兵隊。その基地が、際限のない役割の拡大に直面しているということなのでしょうか。

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こんどは奨学金バッシングか

 保育料、給食費とつづくバッシング、今度は、奨学金を叩くというのでしょうか。しかも、学生支援機構と、社会保険庁になぞらえて問題にする。財務省がそんな議論をはじめているようです。

奨学金:学生支援機構への返済延滞2252億円にも(毎日新聞)

 日本学生支援機構の返済延滞額 財務省は24日、独立行政法人「日本学生支援機構」(旧日本育英会)が大学生らに貸与している奨学金の回収の取り組みが不十分だとして、同機構と所管の文部科学省に対して改善を求めた。財務省の調査によると、延滞額は07年度末で20万件、2252億円に上り、うち同機構のずさんな管理が原因で資金回収が困難になっているケースが少なくとも797件、10億2100万円に上ることが判明した。…

 だいたい、滞納三ヶ月と言っても、その人が、返済の努力をしているのかどうかはまったくわからない統計です。短期の滞納なのか、長期の滞納なのかということも明らかにされていないです。ずさんな管理と言いますが、これもその内実は、こういう資料がないといったもので、そもそも、管理できなくなった人がどういう状況にあるのかなど、まったく関心の外にあるというのが特徴でもあります。現在の非正規労働の広がり、若者の不安定化のもとで、卒業後の学生の実態を掌握することそもののが困難になっている実情があります。

 実は、財務省だけではなく、機構そのものが、6月10日、「日本学生支援機構の奨学金返還促進策について」と題した報告書を「奨学金の返還促進に関する有識者会議」(以下「有識者会議」)の名で発表しています。ここでも、回収の効率化のもとで、奨学金の本来の理念とかけ離れた議論がなされているのです。
(奨学金の会がこの報告書に対する見解を発表しています)

 このブログで、何度も主張していますが、世界に、学費がこれほど高額で、しかも、学生の学費や生活費の支援を直接財政的におこなう制度がない国は、世界には、すくなくともOECD加盟国では日本ぐらいしかありません。奨学金は、かつては、この学費や生活費の直接的支援のためにおこなわれていたはずなのですが、いつのまにか、文字通りのローンと化しつつあるのです。

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2008/07/23

高校中退

K10030731611_01 埼玉の先生からの知らせで、午後9時からのニュースで報道された高校中退の特集を見た。10分ほどの特集だった。

貧困影響か 高校中退深刻化(NHKニュース)

 家計が厳しいことなどを理由に公立高校の授業料を減免された生徒は、おととし全国で22万人と10年間で2倍に増えていて、こうした生徒が多い学校ほど高校中退が深刻になっていることがNHKの取材で明らかになりました。…

 番組で紹介していた高校では37人のクラスが3年間のうち約半数が中退するという。先日、お話を聞いた高校では、160人の生徒が3年の段階では100人になっているという。多くは、経済的理由でやめていく。経済的に困難な家庭では、大学進学や専門学校への進学は困難だ。しかし、高校中退でも普通科の困難校の場合は、ほとんど正規の就職はない。派遣やアルバイトに追われている先輩や兄弟を見て、より卒業への動機は薄らいでいく…。
 番組は、高校を中退し、アルバイトを転々とするカップルの姿を追っていた。現実には、社会から排除され、孤立化するこうした若者たちを、その元高校の教師は必死で支えようとするが…。

 番組でも、宮本みち子先生が、「経済的に貧しい家庭の子どもたちは、塾に行けずに勉強についていけなかったり、制服を買えずにお古を着ていじめにあったりと、授業料を援助されるだけでは解決されないさまざまな問題を抱えており、早急な対策が必要だ」と指摘していた。

 さて朝日新聞に、「全国各市と東京23区の生活保護窓口へ相談に訪れた人のうち、生活保護の申請をした割合(申請率)は06年度、45%程度にとどまっていた。朝日新聞社が情報公開法に基づき厚生労働省から資料を入手した。バブル崩壊以降、生活保護を受ける人は増え続ける一方、国は社会保障費の抑制策を進めており、窓口で申請をさせない違法な『水際作戦』の広がりをうかがわせる」という、記事ものっていた。貧困が社会を覆うことに、まだ政治は十分な関心を払っていないという異常がある。

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最終兵器~水爆開発の秘密~

080722_a_02 昨夜も、深夜に、このBS世界のドキュメンタリーを見た。

 ロバート・オッペンハイマーは、ロス・アラモス研究所の所長として原爆を生み出し、高い名声を得ていた。しかし彼自身は原爆のもたらした被害や、さらに強力な兵器「水爆」の誕生につながる可能性があることに罪の意識を抱き、苦しんでいた。  オッペンハイマーは、科学者として研究開発を続けたいという欲望と、世界を破滅させかねない兵器の誕生を許すべきではないという思いのはざまで悩んだ末、開発反対の意思を表明。しかしアメリカが彼に与えたのは、「裏切り者」のらく印だった。  水爆開発を引き継いだエドワード・テラーは、自分の研究を邪魔する存在としてオッペンハイマーを憎んだ。テラーは、共産主義勢力からアメリカの自由や平和を守るために、抑止力として最強の兵器を開発・保持することが最上だと主張、アメリカ政府は軍拡に突き進む。…

 原爆の父と言われるオッペンハイマーの悲劇、そして現在の核時代の立て役者となったテラーの狂気。そして、ソビエトでは、水爆開発の中心人物の一人に、物理学者サハロフがいた。彼は1960年代後半から民主化を求めて社会的発言を公表するようになり、反体制のシンボルとなる。
 冷戦下ですすんだ核開発。アメリカの”赤狩り”も、核をめぐる情報戦があったという。
 3人の科学者の人生と苦悩は、結局は、何を生きるうえで大切にすべきかという根源的なことを問いかけているのだと思う。

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2008/07/22

労働白書 経済財政白書 そして諮問会議

 政府は現在でもいろいろな文書を出します。まあ、本当にいろいろな文章が出されますから、すべてが為政者の意図を直接のべているというわけではないようです。しかし、政府の文書です。同時に、政府には、有能なテクノクラートや学者がいっぱいいますから、そのデータ、分析、論理にはなかなか目がみはるものがあります。素人でもうならさっれうことがたびたびあります。とくに、厚生労働省や、総務省、文部科学省などの文章は、それなりに個人的には勉強させてもらっています。

 今日は、まず(時間的な意味ではありません)、労働白書が決定されました。

労働白書:「仕事に満足」大幅低下 非正規増や成果主義、改善を(毎日新聞)

 厚生労働省は22日、08年版の「労働経済の分析」(労働白書)を公表した。労働者の仕事に対する満足感を初めて取り上げ、雇用の安定や仕事のやりがいなどの面で満足度が低下していると指摘。背景として非正規労働の急増や成果主義賃金の導入などを挙げ、「日本的雇用制度への再評価が広がっている」と分析している。…

 もちろん、日本経済のリスクという点からなのでしょうが、この記事を読んでいるだけで、現物を読みたくなりますね。現物はここ。

 続いて、経済財政白書です。

成長維持、カギは「リスク投資」=消費税の重要性強調-経済財政白書(時事通信)

 大田弘子経済財政担当相は22日の閣議に2008年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を提出した。今回の副題は「リスクに立ち向かう日本経済」。高齢化と人口減少が急速に進む中で成長力を維持するため、企業や家計が高い収益率を求めて積極的にリスクを取るよう求めた。また、将来の支出増が避けられない社会保障費の財源として期待される消費税を初めて本格的に取り上げて、その重要性を強調した。…

 タイトルが「リスクに立ち向かう日本経済」というところが面白いですね。日本経済の脆弱さ、ゆきづまりを彼らなりに意識しているのでしょうね。でも、その打開が消費税ですか…。だれのため、どこに立脚点としているのかがよくわかるというものでしょう。説明資料がここにアップされています。

 さて、経済財政白書のほうは、そのポイントが経済財政諮問会議にだされ議論されたようです。

経済財政諮問会議:基礎的財政収支の赤字幅が大幅拡大(毎日新聞)  内閣府は22日の経済財政諮問会議(議長・福田康夫首相)に経済財政の中期見通しについての最新の試算を提出した。景気低迷による税収の下振れを主因に11年度の国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の赤字幅が、今年1月の試算の名目国内総生産(GDP)比0.1%(7000億円程度)から同0.7%(3兆9000億円程度)に大幅に拡大するとの見通しを示した。景気の急回復がなければ、政府目標の「11年度のPB黒字化」を増税無しで実現するのは難しく、今後、消費税引き上げをめぐる政府・与党内の論議にも影響しそうだ。…

 マスコミ的に言えば、増税派が台頭しているということでしょうか(笑い)。

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養護学校転入認める アトピーの女子生徒に 大阪地裁決定

 このブログでは何度か紹介しているのですが、この見出しでは何のことかわからないかもしれません。この裁判は次のようなものです。

養護学校転入認める アトピーの女子生徒に 大阪地裁決定(産経新聞)

 アトピー性皮膚炎や喘息(ぜんそく)などが原因で不登校となっている堺市立中2年の女子生徒(14)の母親が、大阪市立貝塚養護学校(大阪府貝塚市)への就学指定を大阪市に求めた訴訟で、大阪地裁の西川知一郎裁判長は、養護学校への転入を認め、市に仮に義務付ける決定をした。決定は18日付。同校への転入を求める訴訟で判決前の「仮の義務付け」は2例目。
 …貝塚養護学校は府内で唯一、寄宿制で病弱児を受け入れているが、大阪市が閉校を予定し、昨年4月から募集を停止。原告代理人の弁護士は「養護学校にしか通えない子供がいる中で、学校の存在価値を認めた決定」と評価している。…

 いま、残念ながら、各地で、財政難を最大の背景として、これまで障害のある子どもたちの成長・発達の重要なよりどころとなっていた障害児学校の寄宿舎が閉舎されています。大阪で、閉校(閉舎)が決まっている学校での、生徒募集の停止に対して、その停止の決定を覆す重要な判決です。
 障害のある子どもたちの発達にとって、生活の場が、発達への大きなステップとなる寄宿舎の教育実践は、もっと光があてられていいと思います。先日、国会で、とりあげられましたが。

 最後まであきらめないで、運動の輪を広げている大阪のたたかいには頭が下がります。ただでさえ、障害者自立支援法などで、障害ある子どもたちの現状はかなり厳しさが広がっています。たしかに、障害児学校の寄宿舎は、いろいろな困難があっても、現実の障害ある子どもにとってはかなりめぐまれた条件にあると言えるのかもしれません。しかもかならずしも必要とされている子どもたちみんなが享受できるわけではありません。しかし、高い実践を可能とする場があってこそ、発達を支える分厚い取り組みも可能となるのです。

 寄宿舎を守る運動、より発展させる運動の前進を願いたいものです。

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スーパースパイ~盗まれた“マンハッタン計画”~

080721_a_02 世界のドキュメンタリーの放映されたもの。何年か前、「原爆を盗んだ男」という本があったけど、その内容についてはほとんど知らなかった。

 第二次世界大戦中のアメリカ・ニューメキシコ州ロス・アラモス。ここに設けられた核実験場で、核爆弾の開発が最終段階に入っていた。  研究開発チームの1人、クラウス・フックスは、実は熱狂的な共産主義者で、最新の機密情報をソ連に送っていたスパイだった。フックスは核兵器をアメリカ一国が独占すべきではないと信じ、アメリカがソ連に核兵器が使用する可能性を防ぐために情報を流し続けたのだ。  1945年、マンハッタン計画の下で広島に、そして長崎に原爆が落とされ数十万の人命が瞬時に奪われた。核兵器のすさまじい威力と人々が受けた悲惨な被害を目の当たりにし、フックスは苦しむ。しかし、共産主義の理想世界を築くためのスパイ活動に迷いは無かった。  アメリカは、この恐るべき兵器が敵の手に無いことを喜んでいた。しかし、ソ連は第二次世界大戦後、世界中の予想よりもはるかに早く核実験に成功。西側諸国には衝撃が走った。  フックスによってソ連の指導者の手に渡った核の秘密は、米ソ両大国の核開発競争の扉を開いた。人類が初めて経験する核の時代が、始まった。

 なぜ、核拡散が、今日のようにすすんだのか。その歴史の裏側で、このような歴史があったとは。しかも、その人物こそが、核兵器そのものの開発に重要な役割をはたした人物そのものだった。歴史の愚かさは、人間の愚かさでもある。そんなことを感じる。でも、同時に、その人間の愚かな行為をおこなわさせる、その背景を読み解くことが、いま重要なんだろうとも思う。

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2008/07/21

オロオロ

 今日は、午前中、ほんとうに久しぶりにたっぷりねて、もぞもぞとだるい身体で起きて、そのまま職場に向かう。とにかく、来週の講師の準備のメドをたてなければいけないけれど、新しいテーマなのでかなり一から考えなければいけない。とりあえず、太い線だけはつくりあげる。

 ちょっとした、失敗の後始末をしなければいけないということもあったのだけれど、それは、いろいろあって、無事解決。体験として思ったこと、某巨大鉄道の対応の冷たいこと。仕組みが、効率化、合理化が進んで、対応はマニュアル的。それにくらべて、小さな公共鉄道は、対応がていねいだった。

 オロオロを脱したけれど、日付はもう21日。やるべきことがたくさんできていないことに、ちょっとあせりを感じ始めている。
 ただ、暑い日が続いていて、あまり身体を十分休ませることもできていないので、ここはちょっとふんばりどころ。夏バテには負けないで。

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2008/07/20

置き去り社会の孤独

32097421 もう1冊は、比較的若い読売新聞の記者が書いた『置き去り社会の孤独』。最初に、かなり悲惨な若者の非正規の実態が並ぶ。こういった告発は、それはそれで大事だけれど、少し、しんどさを感じる冒頭。

 切れがあるわけではない。でも、データーをこれだけきっちり押さえている本は、かなりすくない。だからかなり実態を、部分ではなく、全体としてよくつかんでいるし、外国の情報なども的を射ているという感じ。彼、個人の提言も、予想に反してブレがない。雇用、教育、社会保障、社会参加など包括的で、かつ、ポイントをおさえている。
 こうした議論をしっかりすすめないと、遅れをとるなあ、とつくづく痛感。日本社会の構造にもっとせまってほしいとか、あるけれども。あと注文は、実際の当事者の目線か。

 問題は「ニート」「フリーター」という就労形態だけで事態が「見える」話ではない、ということだ。フリーターやニートに分類されているだけでは、家族の有無、収入、過去の就労経験精神疾患、学歴、虐待経験といった「深い闇」までは「見えない」。そして、何より深刻なのは、こうした闇をかかえる人々が<置き去り>にされているという事実も「見えない」。政府には、事態の「広がり」や「深さ」が見えていないのではないか。

 読売の記者で、よくこうしたものが書けるなあなどとつくずく思ったけれど、最後まで読み進めて、一度、話を聞いてことがあったことに、突き当たった。

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ルポ“正社員”の若者たち―就職氷河期世代を追う

Bpbookcoverimage 今日は、朝から、職場の人たちとの昼食会のため、少し遠出。昼すぎには、帰ってきて職場で、仕事…。

 さて、この間、若者に関する本を立て続けに2冊読みました。それぞれなかなか面白かったです。その1冊が、/小林美希さんの『ルポ“正社員”の若者たち―就職氷河期世代を追う』です。エコノミストで、「娘・息子の悲惨な職場」にとりくんでいた彼女が、フリーになってとりくんだ労作。

 彼女自身、「アンフェアな立場に置かれても、現状に甘んじないで自分の人生を掴み取ろうと必死になっている同世代の姿を書かずにはいられなくなる」と書いているけれど、それが彼女の良いところでもあれば、弱点もである。どうしても社会の構造への迫りが弱い感じは否めないけれど。経済の論理、競争の論理に妥協的と言えば妥協的でもあるんだろうけれど。

 でも、この間の、若者の問題にとりくんだものの多くは、派遣や非正規の問題が多い。中野麻美さんや熊沢誠さんなどが、非正規の問題と一体に正規の無法な働かされ方があることを指摘してきたけれど、その実態にせまったルポはせいぜい名ばかり管理職や過労死というテーマに限られている。
 今回のルポは、その実態に真正面からとりくんでいる。「労働無法地帯」――そのことばが、もっともぴったりくるような現状が広がっている。数年前、首都圏青年ユニオンの専従をしている人から、いまの日本の若者の働かされ方は、19世紀の資本主義という言葉を聞いたことがあるが、どこまでも地獄のよう無法が広がる。ほんとうに、これで、日本社会が、経済が豊かだと言えるのか、持続することができるのか――
 あとがきの言葉は、いまの日本の姿を言い表している。「今こそ、労働と経済の原点に立ち戻り、労働者の尊厳を取り戻さなければ企業の持続的な発展はあり得ない。安定した雇用が守られるために一番必要なのは安定した経済成長だ。その成長を助け、企業の利益を生み出すのは、あくまでひとりひとりの労働なのだ」。

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2008/07/18

米軍普天間基地の辺野古移設反対を決議 沖縄県議会

 暑かったり、ムシムシしたり。今日は、朝から実務と打ち合わせに追われる一日です。夜は、こんど、また講師をしなければならないので、そのための資料集めというところでしょうか。

 さて、先の沖縄県議選をうけ、いよいよ沖縄の政治も動き出します。

米軍普天間基地の辺野古移設反対を決議 沖縄県議会(朝日新聞)

 沖縄県議会(定数48)は18日、宜野湾市にある米軍普天間飛行場の名護市辺野古崎への移設に反対する決議と意見書を社民、共産、民主など野党の賛成多数で可決した。決議に法的な拘束力はなく、仲井真弘多知事はこれまで通り辺野古崎への移設を進める方針だが、6月の県議選で多数を占めた野党は今後、対決姿勢をさらに強めることになりそうだ。
 決議と意見書はいずれも、全国の米軍専用施設の75%が沖縄県に集中し、米軍基地が県土の10.2%を占める「異常な状況下」にあると指摘。「新たな基地の固定化と、新基地建設工事に伴う環境汚染や大規模な埋め立てによる環境破壊につながる新基地建設には断固反対し、世界に誇れる自然環境を後世に残し引き継ぐことこそが県民の責務である」などとして、移設を断念するよう求めている。 …

 実は、今日、政府は、首相官邸で沖縄県などと普天間飛行場移設に関する協議会を開いています。そこでは、移設先の環境影響評価(アセスメント)を含む代替施設建設計画と移設完了までの普天間飛行場の危険性除去策に関する作業チームを立ち上げることで合意したというのです。ただ、この作業も、仲井真知事は、現在の移転案の修正をもとめざるを得なくなると予想されています。
 ことの本質は、沖縄にある基地の苦しみに対して、日本の政治、アメリカの政治があまりにも無関心にあることはいうまでもありません。それが、沖縄の負担軽減を口実にしながらも、基地を新たに強化するという流れのなかで、にっちもさっちもいかなくなっているのです。まず、いま日本の政治のあり方が、深刻に問われることになっているのです。

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2008/07/17

なぜ事前に合否を知る・知らせる必要があるのか

 大分の教員採用にかかわる不正は全国にいろいろな波及をしています。ボクのまわりにも教育関係者は多数いますが、何となくいろいろ言われていたことは、多数ありますし、逆の就職差別という問題もあったわけですから。

22道県市で合否を個別連絡/12教委は「事前」認める(四国新聞)

 全国の少なくとも18道県と4政令市の教育委員会が、特定の教員採用受験者の合否を県議や国会議員秘書らに個別に知らせていたことが17日、共同通信の調査で分かった。このうち北海道、島根、熊本など10道県と大阪、名古屋両市の教委は、正式発表や受験者に合否通知が届く前の「事前連絡」だったことを認めた。
 一部の教委は「通知発送後の連絡なので問題ない」としているが、特定の議員関係者らへの便宜供与が公平な教員採用試験の信頼を揺るがしかねないことから、多くの教委が「今後は個別問い合わせには応じない」と方針を改めた。
 文部科学省は、事前連絡自体は必ずしも不正行為には当たらないとしつつも「疑念を招く行為は慎んでほしい」(幹部)としている。…

 今日、報道されていたのは、合否の事前連絡という問題ですよね。
 でも、考えてみれば、なぜ事前連絡ということが、こうも行われているのでしょうか。たった1日の問題ですよ。なぜかということに勘ぐりをしたくなるのは当然でしょう。
 ここは、こうした行政の不正に関心をもって、追求してきた上脇先生の意見を聞いてみましょう

 上脇さんが言うように、「事前照会を受けた教育委員会は、不正な働きかけがなかったというのであれば、その議員の氏名は公表すべきである」し、「マスコミは『何故事前に合否を知りたかったのか』と当該議員を追及すべきである」というのは当然だと思います。

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市議を不起訴に 集合ポストへの議会報告投函で地検支部

 心配された国分寺の事件ですが、さすがに不起訴処分になったようです(一部の報道では起訴猶予)。

市議を不起訴に 集合ポストへの議会報告投函で地検支部(朝日新聞)

 東京都国分寺市内のマンションに許可なく立ち入り、集合ポストに市議会報告を投函(とうかん)したとして、住居侵入容疑で書類送検されていた同市の共産党市議について、東京地検八王子支部は17日、不起訴処分とした。送検後、マンションの管理組合が被害届を取り下げたことなどが考慮されたとみられる。 …

 よく考えてみると、これが犯罪になってしまえば、市の広報さえ配れないことになってしまいます。わが街も、ポスト配布ですから。
 ただ、この間の一連の事件は、明らかに意図があっての事件としか考えられないわけです。裁判も、実態的には、その犯罪性がないことをほぼ認めながらも、最後の一線で、当局の意図を認めています。論理という点でも、世論という点でも、決して気を緩めずに、反撃を続けなければいけません。

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ねんきん特別便

20080717223822 ボクのところにも、昨日、ねんきん特別便がやってきました。ボクは、浪人も留年もしていて、少し、年金のスタートは遅いのですけれど、無事、スタートからいままでつながっていました。まあ、ボクの場合は、最初の勤務先と現在も、関連会社(?)と言えばそうですから。

 ややこしいのが、つれ合いですね。現在の職場まで5回ぐらい変わっていますし、保険の種類もたぶん3種類ほどあるからです。年金番号が2つあることは去年の段階でわかっていたのですが、最終的につながるまで、結構、労力が必要なようですね。

 この年金という、お上の都合が優先された仕組みが、ほんとうに国民のための仕組みに改善されるまでは、まだまだ課題が多いということでしょうか。

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2008/07/16

制服・背広組、人事交流提言 防衛省改革会議が報告書

 もう昨日のことですけれど、首相のもとになる防衛省改革会議が報告書を発表しましたよね。日本の政治のいまのありようを考える上でも、防衛省・自衛隊の変化というものは注意深く見ていくことが必要だと思います。

制服・背広組、人事交流提言 防衛省改革会議が報告書(朝日新聞)

 政府の防衛省改革会議(座長・南直哉東京電力顧問)は15日、福田首相に報告書を提出した。信頼回復には時代に合った文民統制が不可欠として、防衛省・自衛隊の現行組織の大枠は維持しつつ、大臣中心の態勢を整えるため、背広組と制服組の人事交流による一体化促進を提言。内閣官房や防衛省で今後、関係法令改正を視野に具体的検討に入る。…

 報告書そのものは、資料もあわせ膨大なものです。実物はここにあります。
一連の不祥事に応えるような体裁になっていますが、報告書にもありように、その最大の特徴は、防衛庁の省移行により海外派兵が自衛隊の本来任務(主要任務)になったことに対応することにあるようです。その結果、めだっているのが、、「官邸の司令塔機能の強化」、制服組(自衛官)と背広組(文官)の一体化を促進する組織改革ですね。

 自衛隊については、いまの憲法を守ろうという人でも、その存在を肯定する人は少なくありません。しかし、その場合も、日本を守るということに自衛隊の存在意義を考えている人が多いと思います。だから、その意見は、海外派兵型への変貌という、現在の自衛隊と変化を是認することではないでしょう。

 実は、戦後、現在の憲法のもとで、自衛隊ができ、再軍備がおこなわれたさい、戦前の軍部の暴走を許さないために、文民統制のためのさまざまな仕組みがつくられたと言えます。文民統制というのは、軍人以外の政治家が、軍部のコントロールするという意味にとれますが、性格には、民主主義のルールのもとで、国民の意思の下に軍隊をおくという意味であるはずです。だから、「官邸の司令塔機能の強化」は政治のもとにおくのだからいいのではないかという意見は単純に認めることができません。一部の政治家が軍事組織の主張を受け入れることで、軍事組織の判断が優先されることになりかねないからです。もしくは、軍事組織と一体の考え方をもった政治家が、官邸を占めることになれば暴走がとめられないからです。だからこそ、さまざまな、人間を、このコントロールに介在させることが戦後直後考え出されたのです。廃止しようという参事官制度などもその1つだと言えるでしょう。そういう歴史の経緯を一切無視して、政治と軍事の効率性からの議論だけがすすめられているのは大いに疑問です。

 先のイラク訴訟、名古屋高裁判決は、自衛隊の活動の実態そのものをさばきました。あらためて、自衛隊のいまを考える時期にきていると思います。

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2008/07/15

新学習指導要領:解説に「竹島」記載

 竹島問題をめぐって、日韓の間がにわかに、厳しくなっている。 

新学習指導要領:解説に「竹島」記載 「固有領土」は避ける--中学校の解説書公表(毎日新聞)

 文部科学省は14日、中学校の新学習指導要領(12年度完全実施)の解説書を公表した。社会編で竹島の領土問題に初めて触れ「我が国と韓国の間に竹島をめぐって主張に相違がある」などと記載した。文科省は当初「我が国の固有の領土」と明記する方針だったが、韓国の反発を受け政府内で調整、直接的に領有を示す表現を避けた。一方、日本の主張に基づいて指導することも求め、日韓両国の世論に配慮した玉虫色の記載となった。…

 竹島については、日本の歴史研究のうえでは、日本固有の領土と見るのが、支配的と言ってもいいのかもしれない。少なくとも、その議論には、一定の根拠はある。ならば、日本の領土のことは、ちゃんと教育でおこなうべきだとという議論がある。

 ただ、竹島が日本の領土とされる時期は、朝鮮半島の植民地支配が完成される時期にあたる。だからこそ、日韓関係のうえでは、冷静な対処が求められる。まずは、共同の研究と話し合いこそを出発点にしなければ、問題はどんどん複雑になる。
 しかも、学校教育のうえでは、はたしてどれだけ、日韓関係を豊かにするに必要な教育がなされているのか、かなり疑わしいところがある。日本軍「慰安婦」が教科書から消えていくような状況があるもとで、こう、意見の対立のある領土の問題だけが突出して取り上げられるということにも疑問を感じざるをえないのではないか。

 今度の、解説書というのは、文部科学省は、学習指導要領の解釈のための文書として権威化しようとしている。一種の法的根拠をもたせようとしているのだ。そういう解説にあえて、こういう措置をなぜとるのか? 今度の教科書づくりは、いままで以上に、注視が必要になりそうである。

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モンスターペアレント

Pic03_04 大阪大学の小野田正利先生が『悲鳴をあげる学校―親の“イチャモン”から“結びあい”へ 』を書いたとき、その本の内容は共感できるとは思ったけれど、著者の思惑とはちがって、この問題はメディアにセンセイショナルに取り上げられるようになるだろうなと心配していた。予想どおり、いろいろなメディアで取り上げられるようになった。そして、そのドラマ、モンスターペアレントがはじまった。今回が三回目。
 はらはらしながらも、まあ、落ち着いて見ることができた。

 ただ、親の葛藤や苦しみなどは、あまりリアルには描かれてはいない。教師の努力やその限界、課題なども、十分に掘り下げられていない。だから、たぶん、番組には、どちらの側からも批判や、イチャモンもだされるだろうなあとも、思う。でも、問題を冷静に探ろうという制作側の、意図はなかなか評価できる感じはする。こんな番組を契機に、親と教師が、真剣に議論するきっかけになればとも思う。そんな期待をさせてくれる。今日の、給食費の問題も、単純にモラルの問題だけに流されることはなかった(まあ、問題の掘り下げは浅いけれど)。今後には期待したい。

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ドキュメント・ナウ ケチケチ生活・苦学生の夢-節約と貯金で生き抜け

 昨日、深夜にTBSでやっていた番組。今日、ビデオにとっていたものを借りて見た。あるチェーン外食企業の奨学生、資格をめざすシングルファザーの専門学校生、大学院進学のために休学して学費をためる学生。アルバイトに追われながら、学費を払い、ぎりぎりの生活をおこなう学生、専門学校生の姿を追う。たくましく、切ない姿が映し出される。でも、ここまで頑張れる若者はそう多くはないだろう。ここまで、自己責任で若者たちを追い込むのだろうか? 番組では、高学費にも奨学金制度の現状には言及はなかった。でも、あくまでも受益者に負担を追い求める政治、学ぶ成長しようという若者たちを支援する制度の存在しない政治っていったいなんなんだろうと思う。少なくとも、その実態が、メディアで取り上げられるようになったのは、大事なことだとは思う。

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2008/07/14

仕事「給与」に不満、約半数

 暑い日が続きますね。かなりバテています。でも、ほんとうは運動不足で体力が完全に弱っているのでしょうね。ストレスでブクブクと太り続けているのを何とかしなければならないのです。
 たまたま、帰りに駅で大津留公彦さんに会ったので、家まで歩いて帰ることにした。彼は、しゃきっとしているのに、ボクははあはあ息を切らして情けない限りです。ボクのほうがだいぶ若いはずなのに…。明日から、タオルをもって、もう少し歩く時間を増やそうと強く?決意? いや、暑いから…。

 さて、ネットでニュースをさぐっていると、こんな資料に注目が集まっていた。若ものの働かされ方にここんところ関心を強くもっているだけに、いろいろなことを想像した次第。

仕事「給与」に不満、約半数~約7割が「マンネリ感を感じる」

 ブロガー向け情報サイト「ブロッチ」などネットマーケティングを展開する株式会社アイシェアは同社が提供するサービス会員をパネラーとするリサーチ結果を発表した。
 働く人にとって「仕事」は重要な生活の一部。ネットユーザーはどのような意識を持っているのか?20代から40代を中心とする男女364名の回答を集計した。尚、現在の勤務先における勤務期間別の内訳は、「10年以上」131名(36.0%)、「5年~10年未満」75名(20.6%)「2年~5年未満」71名(19.5%)、「1年~2年未満」28名(7.7%)、「半年~1年未満」23名(6.3%)、「3ヶ月~半年未満」15名(4.1%)、「3ヶ月未満」21名(5.8%)となっている。…

 仕事が楽しいという分布が極端に正規分布からはずれていることに注目してしまいます。たぶん、ここに過剰な長時間労働が仕組まれているのだろうかと想像してしまいます。働きすぎてやめざるを得なくなるのかなあと。
 一方で、不満が給与というのも、注目します。正社員も、いま、賃金が一部の層以外はかなり低くなっている現状が反映しているのでしょうか。小林美希さんの『ルポ“正社員”の若者たち』を今、読んでいます。その内容を思い浮かべながら、いろいろなことを考えた次第。

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いま話題のニュース 埼玉・松伏町で自民党支部が解散、全員離党

 GAKUさんや、walumonoさんがブログに書いて、ちょっとした話題になっているニュースがこれです。
 実は、この松伏町というのは、私が住む街のすぐ近くにあります。衆院の小選挙区は同じ選挙区になる行政区です。したがって松伏には、知り合いもたくさんいます。

 さて、そのニュースとは、

自民松伏支部解散 59人全員離党へ(埼玉新聞)

 北葛飾郡松伏町の自民党員で結成している自民党松伏支部(59人)が総会で、支部解散と全員の離党を決めたことが9日までに分かった。
 総会は5日に同町内で開かれ17人が出席。委任状が31人分提出され、構成員の2分の1以上の出席という総会成立の規約は満たした。同支部の松井正雄幹事長が解散議案を提案、出席者全員が挙手で賛成したという。
 同支部長の高橋昭男町議(65)は9日「三ツ林隆志代議士陣営との不和もあるが、後期高齢者問題や格差、物価高騰などを通して自民党政権に対する市民の不信感が強まっていることが解散を決意した原因」と語った。…

 松伏に住む友人にいろいろ聞いてみたいとこころですが、「今は党員として胸を張って歩けない」とは、なるほどと思うところですね。

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2008/07/13

新聞と戦争

9483 とにかく分厚い本なので、読み切るまでに、ずいぶん時間がかかってしまった次第。やっとここさ、読み終えることができた。

 ことしのJCJ賞受賞作で、すこぶる評価が高い。井上ひさしさんなどは大絶賛だ。たしかに、当時の関係者を丁寧に、ひろく取材し、これまで知られていなかった問題などもふくめ、当時の記者や関係者が、何をどう考えていたのかをうまく再現している。ものすごい労作だと思う。骨の事実以外はボクも圧倒的に知らないことばかりだった。中国戦線に送られた記者、航空機と新聞社、ソウル支局、朝日につくられた軍需工場、そして何よりも社論の転機になった、「満州事件」にかかわる朝日の実態。よくここまで調べたとは思う。

 でも、ボクは、この本を読んでいて、ものすごく気持ち悪かった。なぜか。あまりにも客観的に書いているというか、傍観者というか。もちろん、問題の所在は記者のありようだとか、個人の問題に解消することができない。でも、問題は、朝日として、何をどう教訓としてつかんでいるのか。

 本として、そんな苦悩だとか、葛藤とか、血肉化しようとか、そんなことがもう一つ伝わってこない気がするのだ。そんな感想をもつのはボクぐらいなのだろうか。
 たぶん、新聞で連載していたときに読んでいた人は少なくないとは思うのだけれど、どんな感想をもったのだろうか。

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こんなのおかしい!青年の働かされ方を考える交流集会

20080713142820 暑い一日でしたねえ。午前中はよく寝て、午後からは、横須賀にはいかずに、就職連絡会が開催した「こんなのおかしい!青年の働かされ方を考える交流集会」に行ってきました。60人近い参加で、半分は教員、半分はそれ以外の人でした。前半は、SHOP99の原告・清水さん、東京介護労の野村さんなどによるシンポジウム。あらためてモノのようにあつかわれる若者の働かされ方についていろいろ考えさせられました。話のなかでも出てきたことでもあるのですが、埼玉のある高校(普通科の困難校)でのアルバイトのアンケートには、いろいろ考えさせられたところです。日高教新聞には掲載されているそうです。高校生のほとんどは家庭学習をしない。7割以上が週にかなりの日のアルバイトをしている。夕方から夜にかけてするわけですから、当然、部活も家庭だんらんもありません。寝るのもおそくなります。では何のためにアルバイトをしているのか。家計補助というのもありましし、多いのは小遣いであり、将来のためというのです。本来、それは親の賃金に組み入れられるべき項目です。高校生たちは忙しい日々を送り、本来の高校生活で経験しなければならないことができずにいるのも事実でしょう。

 後半は分散討論。ちょっとおもしろかったのは、高校生たちに労働権をおしけなければならないけれど、それだけでいいのかとためらうという議論。つまり、いまの労働の実態のもとで、権利を知るだけでは、逆につらさを感じさせるのではないのかという点です。もちろん労働権を教えることは不可欠な課題ですけれど、いま若者たちとの関係で考えなければならない、なかなか重要な問題を示しているとも感じました。

 討論を聞きながら、貧困と連帯ということを考えた。労働の実態ではここではこんな話があるとか、いろいろ出される。ともすれば、そうはいってもここのほうがひどいという感覚におそわれる。「貧困」とは何か、政治が責任をもって解決すべき問題は何か、などかならずしも社会的な合意がなされているわけではない。というか、案外、この合意がむずかしい。しかし、ここの問題を曖昧にすれば、結局は、分断されるだけに終わる。たぶん、2重のつみかさねが必要なのだろうなと思う。つまり、ボクたちが、共感したり、尊重したり、連帯したりする問題のとらえ方、つまり、社会的な合意にむけて大いに討論するという積み重ねと、そうはいっても、まずこの点は緊急に、政治の責任で可決すべきだという合意、確認の積み重ね。そういうなかで、連帯というものが強く、広がっていくのかなあなどと。「自己責任」論にとらわれないために、そして、問題を解決していくために、そんなことをボヤーっと考えたりした。

 いつものWさんやT大学のU先生、介護労の人や、埼高教や日高教の先生たちといろいろ議論をすることもでき、ちょっと、問題意識をふくらませた一日でした。

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2008/07/12

映画の自由と公正な映画助成を考える

20080712142442 今週は、会議も多く、そして取材も続いた週でした。今日は、午後からは、映画復興会議が主催した「映画の自由と公正な映画助成を考える」というシンポジウムにいってきました。

 映画「靖国」をめぐっておこった事件は、単純に表現の自由への権力的な抑圧ということにとどまらない性格をもちます。つまり、私人、表現なり、言論なりを、権力が抑圧するというものではなく、権力がお金を出す(助成金という形で)ことがらにたいして、権力が口を出すという性格もものだからです。ある意味、カネを出せば口を出すのは当然だとか、カネの給付は、権利の行使にたいしておこなわれているのではないのだから、カネを出す側で何かしらの方針があって当然だということは、理屈のうえではありうる問題でもあるからです。そのあたりをどう考えるか。憲法学者の阪口正二郎さんの話を聞きにいったわけです。ちょっと、個人的には憲法感覚というか憲法観みたいなところで、ボクとは違うかもしれませんが、話はとっても面白かったです。ここはちょっとある人と議論したいところですが。

 阪口さんの議論のつっこんだ感想は後日。

 シンポジウムでは、「靖国」を配給した、アルゴの社長の岡田さんの話がなかなかでした。映画というのは、こういう人たちの良識や良心に支えられて文化として成り立っているのだなあと、つくずく思いました。

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2008/07/11

イラク派兵違憲高裁判決から派兵恒久法の危険性を見る

20080711193425 小沢さんの話を聞くために、国立まで行って来ました。表題のテーマの講演。まず最初に、名古屋高裁判決の意義を、①戦争の実態にせまる、②政府の憲法解釈の歪みをうきぼりに、③平和を希求する世論にこたえるの3つで話され、これは、なるほどと思わせます。後半は、9条の原点的理解というものの確認からはじまって、その憲法解釈がどのように歪んできたかを歴史的に考えます。自衛権、戦力、交戦権などの解釈がどのように変わってきたのか。こう見てくると、高裁判決の意義もより見えてきますし、さらに、恒久法の制定策動などが、高裁判決の断罪にもかかわらず、これまでのぎりぎりの憲法解釈をかなぐり捨てるような、さらなる論理なき憲法からの逸脱をめざしているのがよく分かります。

 ただ、時系列で話をすると、どうしても単調な感じがします。わくわくするような話の筋にするのはどうしればいいのか。このテーマで企画をつくるにはちょっと工夫が必要だなあと、いろいろ考えたり、話したり。

 集会そのものは、三多摩の活動交流もおこなわれ、この地域の9条の会の活動も聞くことができ、興味深い内容でした。いろいろな意味で、いろいろなことを考えさせられるようなこともありました。その内容は、なかなかすぐには整理できませんね。

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長男の教育実習

 今日までの3週間、長男が教育実習で家に帰っていました。今日、無事、研究授業の終わり、生徒たちからお別れの手紙ももらっれ、うれしそうにまた下宿先に帰って行きました。途中、採用試験などもあり。

 まあ、彼の学力では、正直言って、採用試験はかなり難しいでしょうね。でも、この3週間、ずいぶん楽しそうでした。普通なら、いろいろ緊張したり、子どもとの距離に悩んだりするのでしょうけれど、そんなものまったく関係なし。
 もともと、中学の職業体験のときも幼稚園にいく前日、遅くまで教材をつくったり、高校のときも学童保育でアルバイトもしていましたから、親のひいき目かもしれませんが、案外、子どもに関係する仕事は向いているのかもしれません。何か、そういう子どもに関する仕事につければいいなあとは思うのですけれど、残念ながら、その種の仕事は、学校関係以外は、あまりにも条件が悪いというのが実際です。

 では、長男に対して、仕事という点で、どんな応援をすればいいのかなあ、など、親としても悩みが大きかったりまします。まずは、元気で卒業をめざしてほしいところですが。

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2008/07/10

TOKKO―特攻―

Intgzomeisxx_200700002599_001 なかなかつれ合いが帰ってこないので、続いて見たのが、このドキュメンタリー。日系アメリカ人の立場からかなり冷静に特攻というのものの実像にせまっている。必見の映像などもある。

 体験者自身の証言は、ここにきてなされているものが少なくないとは思うけれど、実は、特攻の実像については、映画に出ていた森本忠夫の本にしても、軍隊の宣伝部隊にいた、高木俊朗jの取材などにしても、かなり正確に戦後直後から仕えられている。だから、映像という点でも、実は特攻についてかなり正確に描いている映画も少なくはない。

 では、いつから極端な、特攻への美化がはじまったのだろうか。そして、国民の意識のうえで、特攻への美化意識はどのようにつくられたのだろうか。ふと、そんなことがあたまをよぎった。戦後につくられた戦争観というものも、戦前の戦争動員とは違った意味で、よく見つめる必要があるのだろうか。と。

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夕凪の街 桜の国

975b93e282cc8ax81408df782cc8d91s 今日は一カ月ぶりのお休み。午前中は、かなり強制的に眠る。でもまああまり眠れないから、結局、起きて、家事をはじめる(笑い)。

 午後、夜勤明けの連れ合いが帰ってくるかと思っていたら、職場の人と職場から飲みに行ったようで帰ってこない(笑い)。しかたがなくDVDを見ることに。それで見たのがまず、この映画。漫画は読んでいたけれど、結局、映画は見れないでいた。漫画でデフォルメされていたようなものをどう映像でリアルに見せるかというのはむずかしい問題。原爆の被害の深刻さは、原爆の絵などを使って、うまく描いていたとは思うが、インパクトには欠けるのは事実。
 でもドラマとしては、ていねいによくできている。役者も、熱演である。被爆から13年たってなくなった皆実の物語を核に、現代に生きる若者自身のとらえ方と、重ねて描く。その父や母の切ない思いと伝わってきた。佐々部さんらしい秀作だと思う。昨年公開の映画だけれど、今年もたくさんの人に見て欲しいと思う。

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2008/07/09

ビラ配布の自由を守る7・9集会

20080709185003 サミットが終わりましたねえ。なにか政治家の世界観というか、考え方そのものが問われている感じがします。さみしいかぎりの政治の世界だと思いますね。

 さて、今日は朝から、割合と着々と仕事をこなせました。少し、落ち着いて仕事をすすめる条件がやっとできてきたという感じでしょうか。夜は「ビラ配布の自由を守る7・9集会」に行ってきました。1000人近くが集まった盛況な集会でした。

 内容は、共産党の市田書記局長のあいさつや、渡辺治さんの講演、そして、映画「靖国」の関係者の報告や、日教組教研の会場問題の報告、そして、3事件経過をスライドにしての報告や当事者の挨拶などなどでした。
 いうまでもなく、これらの事件は、表現の自由にとどまらない政治的自由の封殺事件です。しかも、住居侵入や国公法違反という、かなり強引なやり方での弾圧です。その問題性については、ここでくり返す必要はないと思います。

 いろいろな発言を聞きながら、こんな世界に通用しないような、無茶苦茶なことをなぜ今おこなうのだろうかということを考えていました。最初は、こうした事件は、行き過ぎた一例というふうに感じていましたが、事件のつづくと政治的な意図があることははっきりしてきました。それが、2004年だけにとどまらず、最近の国分寺市の事件があるように、つねに、警備公安当局は考えていると見るのが自然です。渡辺さんの言うように、権力の側は、恐れているというのは事実だと思います。2003年のイラク戦争を契機に、これへのたたかいとむすびついて、構造改革への批判も徐々にだけれど広がり始めたということもあるのでしょう。何よりも、反動的な、反国民的な施策をすすめようというとき、国民の管理や監視をセットに考えるというのは政治のつねでしょうね。同時期には自衛隊による国民の監視という問題もありましたから。

 ただ、権力の側は、弾圧体制を強めることよりも、象徴的な事件をつくることによって、運動の萎縮や自己規制をまずねらうのだろうと思います。
 また、運動の側が攻め込んでいるから、こうした弾圧がおこなわれているのかというのは慎重なつかみかたが必要だと思います。いずれにしろ、憲法原理や民主主義の原理と乖離せざるをえないほど、いまの政治の行き詰まり、政治のあり様と国民との乖離があるのは事実だと思います。同時に、国民の側の弱さや弱点をよくついて、攻撃をくわえているのも事実だと思います。渡辺さんの行ったような、国家公務員の権利を根付かせなかった問題や、政治活動の制限を打破できていない問題はそのとおりです。同時に、国民の分断と言うことが、住居侵入が通じるような国民の「無関心」という形で現れていることもよく見なければならないという感じがします。つまり、ボクらは、この問題に向き合うことを通じて、もっと議論を広げる努力もしなければならないし、ヴァージョンアップが必要ではないのか。
 もちろん、この30年来のたたかいの成果のうえにです。少なくとも、こんな無法はこれまでは許してこなかった、そういう運動の経験はあるのですから。

 そのためにも、もっと広い運動をどうつくるかが大事なのでしょうね。では、どうすれば、より広い人の関心をひろげることができるのか。今週には、映画「靖国」についてのシンポジウムもあるので、いろいろ考え続けたいと思います。

 明日は、1カ月ぶりに仕事を休むつもりです。子どものご飯をつくるために5時にはおきなければなりませんが。

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2008/07/08

朝鮮戦争の謎「ソ連の安保理欠席」スターリンの証言判明

 GAKUさんがブログで紹介していますけれど、ボクも人から教えてもらって、なるほどと超注目したニュースです。

朝鮮戦争の謎「ソ連の安保理欠席」スターリンの証言判明(産経新聞)

 朝鮮戦争(1950ー53年)についてはこれまで、北朝鮮を非難する国連安保理に同盟国のソ連が欠席したことがナゾになっていたが、その理由は米国の参戦を誘導し、米国をアジアに介入させることでヨーロッパでの米国の力をそぐためだった、ということが明らかになった。
 これは韓国人の学者(金東吉・北京大教授)がロシアの研究者から提供された旧ソ連のスターリン関連極秘文書で確認したもので、韓国の中央日報25日付がワシントン発で伝えた。…

 もともとの記事は、韓国の中央日報にあります。

 「冷戦」というものが、世界の政治や、日本の政治(にも影響を与えたことは容易に推測できます)にどのような影をつくりだしたのか。戦後史を正確に理解し、いまを理解するうえでも、貴重な証言なのだと思います。

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洞爺湖サミット ですね

 洞爺湖サミットがはじまりましよね。

洞爺湖サミット:温室効果ガス「50年半減」、世界で共有(毎日新聞)

 北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)は2日目の8日、主要8カ国(G8)首脳による会議で地球温暖化問題に関する首脳宣言をまとめた。最大の焦点となっていた2050年までに世界全体の温室効果ガス排出量を少なくとも半減させる長期目標について「気候変動枠組み条約(UNFCCC)の全締約国と共有し、採択を求める」ことで合意した。これに対し、9日にG8と主要経済国会合(MEM)でこの問題を協議する中国、インドなど新興国5カ国は、先進国に「50年までの80~95%削減」を求める宣言を発表。MEMでは、G8と新興国の首脳が長期目標を巡り真っ向から対立することになりそうだ。…

 課題は、環境問題であったり、石油価格の高騰の問題であったり、食糧危機の問題であったり。大きな課題がボクたちの世界を覆っている。テレビを見ていても、自然に「資本主義の限界」などの言葉が出てくる。でも、この「資本主義の限界」とはどういうことだろうか。利潤第一主義ということがいわれるけれど、たしかに、環境問題にしても、経済危機の背景にある、金融化、投機経済の広がりは、資本主義では、どうも制御できそうにないことを感じさせてくれる。
 でも環境問題や貧困と格差の問題を見ても、社会主義をめざす国がそんなに優位を発揮しているわけではないのも事実だ。はたして、中国など社会主義をめざす国はどのようにすすんでいくのだろうか。
 かたや、環境問題でも金融の問題でも、資本主義の一部の国では、「規制」という枠をかえて、大きな舵を切っている。では、こうした国の資本主義をどうとらえればいいのだろうか。

 別に、環境や貧困の問題だけではなさそうだ。貧困とは大きなかかわりのある若者対策の問題だとか、教育の問題でも、資本主義のなかで、社会の持続的発展の可能性を探求するような新しい動きもある。ここから、ボクらは何を学ぶべきなのか。資本主義から、ポスト資本主義の時代を展望しながら、この夏は、いろいろ勉強してみたいと思っていますが。

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2008/07/07

暑いっす…

 ちょっと休みなしで仕事をしているので、思いのほか、身体にはダメージが。でも、お医者さんは、ただ一言。「太りすぎです」――うるさい、そんなこと言われなくてもわかっていると言いたいところ。

 暑いから、汗を書き、水を飲み。体力が消耗する。でも、よく眠れない。ああ、もう夏バテの魔の循環に入ってしまっています。くそ。

76歳孤独死、8カ月後の今も家賃 UR、主なき口座から

 今日(昨日)の「毎日」でのおそろしい記事。

<ニッポン密着>76歳孤独死、8カ月後の今も家賃(その1) UR、主なき口座から(毎日新聞)

 都市再生機構(UR、旧日本住宅公団)の賃貸住宅団地で、居住者が孤独死した後も、URが家賃を金融機関口座から引き落とし続けていることが分かった。部屋も死亡時の状態のままにされている。URは「退去手続きや残された財産管理の引き受け手がないためのやむを得ない措置」としているが、違法性を指摘する専門家もいる。居住者の高齢化などで孤独死が急増している状況の中、法的な整備を求める声が出ている。…

 これが、いまの日本社会の世相なのだろうか。あまりにも悲しい。
 「今回の問題について、経済アナリストの森永卓郎さんは『民営化してURになる前の日本住宅公団は居住者に親身で、考えられない対応だ。利益確保のため意図的に放置したと見られても仕方がない』と批判する」。ふつうの民間ならもっとはやく立て替えがおこなわれるから、おこらない事件。公的な住宅がその公共性をなげうった結果うまれた事件なんだろう。

 続きの記事はこれ

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2008/07/06

松元ヒロ ソロ・ライブ

 3年ぶりに、松元ヒロ ソロ・ライブを見てきました。地域のおやこ劇場主催の舞台です。久しぶりに1時間半、腹をかかえて笑いました。楽しい時間でした。
 あいかわらずの、シニカルな政治風刺。最初のイージス艦話からはじまって、驚くぐらい的を射た風刺です。
 途中、知られていない、灰谷健次郎さんとの交流の話ではほろりとさせます。憲法くんも登場し、最後は現代社会の風刺コント。

 地域の中学校区で9条の会をつくろうという話にもなっていて、そのいろいろな相談を、縁の下で協力する形ですすめています。今日の舞台もそうですけれど、地域には、いろいろな9条を愛するエネルギーがあります。そんなものを大事にして、いろいろ豊かなとりくみができればいいなあと思いながら、楽しみました。

 会場で、長男が保育園時代の同級のお母さんに会いました。その長男との同級生、結婚したんだって。そんな驚きもありました。

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新学習指導要領と文科省「解説」を問う

 今日は、午前中から民主教育研究所の「シンポジウム 第3弾 新学習指導要領と文科省「解説」を問う-どうする私たちの授業づくり-」に行ってきました。午前中からというのは、ちょっとつらかったですね。昨日jは、夜、地域のちょっとした会議のあと、一時間ほど飲んで帰ったのでよけいにです。

 シンポジウムは、新学習指導要領の「解説」をテーマにしたものでした。解説書は、小学校分だけでも、総則、各教科とも100ページにおよび、全部で1000ページをこえる内容です。なかなか読みこなせるものではありません。これを機会にある程度の概括的なものをと思って、聞きに行きました。

 シンポジウムは、梅原利夫さんが、「新学習指導要領『解説』の全般的検討と私たちの課題」と題して報告。それから、東京の今井成司先生、和光の鎌倉博先生が 「国語科『解説』と私たちの授業づくり」について報告。元自由の森の増島高敬先生、和光の加川先生が「算数・数学『解説』と私たちの授業づくり」について報告。そして討論がおこなわれました。
 今回の解説書は、わざわざ文部科学省の手によってオーソライズされています。いわば拘束力があるというような言い方で、こまかく内容を指示する形のものとなっています。その特長の大筋をつかむうえでは、いろいろ役に立つ話を聞くことができました。

 ただ報告を聞いても、討論を聞いても、この種の議論についてはいつも不満と疑問を感じています。何をどう押さえていくのかということがどうも整理されていないという感想をもってしまいます。その前提には、父母や一般の市民と、こういう場で議論されることとの間には極端な乖離があるということです。内容が専門的という意味ではなく前提になるような問題のとらえ方が少し違いのではないのかという感じがするのです。実際に素の教育現場で議論されることとも少しちがうのではないのかなあ。

 展望をどこに見いだすか。文書のなかにある矛盾にこそという議論がなされるのですが、でも問題は、その矛盾をどのようにとらえるのかということをもっとみるべきではないかという感じがします。「解説」は異様なまでに教育課程をつくるうえでの法的根拠というものを並べ立てます。問題はこうして、学習指導要領を権威化することと、現在の教育実践が抱えることの埋めようのない矛盾です。つめこみからゆとりへ、そして学力向上と道徳重視へという学力政策の変遷の一つの本質は、格差を前提としたエリート教育にあると言えばいいのでしょうか。そのことのもつ、覆いがたい矛盾という角度からまず学習指導要領とこの「解説」はつかむべきなのだと思います。
 ここからは、もっと多様な議論の展開は可能だと思います。学力政策の根底にある学力観や、その前提となる子ども観の問題。学びのあり方をめぐっての学習観も、ここからいろいろ議論できるような気がします。

 ところが教科の議論にはいると、とたんに教育内容のほうにひっぱらてての議論にある。そして、どのような授業をするのかという話になります。となると、どうしても、提示されている養育内容が、科学的なものなのか、十分に精査されたものなのかという議論に終始してしまい、指導要領や「解説」のもつ本質的な矛盾の表面だけを追いかけることになるような感じがするのです。

 言い方を変えれば、学習指導要領そのもののもつ矛盾をとらえるということと、各教科の教育内容上のもつ問題ということは、同じレベルの問題ではないような気がするのです。ここをごっちゃにして議論すると、矛盾が隠されるというか。うまく言えませんが。ともすれば、学習指導要領の問題は教科に現れた矛盾に目がいきます。それはそれで、しかるべき分析が必要です。しかし、それは、たとえば「総則」にもっとも端的に示されるような、学習指導要領のもつ本質的な矛盾のとらえ方と有機的にむすびついて議論されないと、どうも本質の押さえがふかまらないというか。口では、「総論」の議論が大事だというのですが、ここがなかなか議論としてうまくとらえられていないような感じがするのです。
 たとえば。「解説」の「総則」の記述でも、「教育課程の意義」というところの記述はかなり、その矛盾を端的にしめしているように思います。グローバル時代の資本主義の時代にもとめられる学力、これは一面として、人間の人間としての発達を必要とするにもかからず、その発達を保障する教育活動の豊かな展開を阻むような、上からの教育活動の押しつけしか用意できないでいる…。

 学校現場でのたぶん、教師としてのあり方だとか、学校づくりだとかが大きな実践的な課題になるのだろうけれど、そうであるならば、やはりここの議論をまずもって、豊かにしたいものです。もちろん、学校づくりなどの議論の手がかりのないところでは、まず教科が焦点になるでしょう。だからこそ、教科を、教科だけで議論していいのか。例の「活用」の議論や。「××活動」なるものの議論を、本質に向かうような子どもに即した議論にむすびつけていけるのか。そこらが問われているのではないか。「決意を問う」だとか、「矛盾をきわめる」だとか、いろんな議論がありましたけれど、そんなことを突きつけたい衝動を抑えながら議論を聞いていました。
 子どもの世界は、いま格差に傷つき、競争に傷つき、深刻な様相を見せています。教師たちもだからこそ、その現実に矛盾するような統制のもとで疲弊し、傷ついているのだと思います。だからこその議論をしたいなあと思うのですがいかがでしょうか。

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2008/07/05

学費・教育費シンポジウム

 ボクはほんとうに泣き虫でだらしのない人間ですね。正直、情けなくなった一日です。
 今日は、午後から全学連が主催した「学費・教育費シンポジウム」に参加してきた。

 冷静に考えれば、不可思議で、あり得ない事態が日本を覆っている。なんという高学費が日本という社会を歪めているのだろうか。報告で触れられた実態、日高教の鈴木先生の文書や、配布された全学連作成の「黒書」を読んでいると、思わず泣けてきた。切なくて、胸が張り裂けそうで…。もしまわりに人がいなければ、声を出して号泣していたかもしれない。そんな思いにずっとかられていた。それを政治は、日本社会は、「自己責任」ということで個人に、家族におしつけるのですか?
 だめですね。ぼくらは、胸を張って、闘わなくてはいけないのに。情けないっす。でも、こんな政治、こんな社会って、全体にあり得ないし、許しては行けないと思う。そのためにも、この「自己責任」論を溶かさなければならない。そう溶かすのです。それが、たぶんボクの仕事なんだと。

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2008/07/04

それでも道路を造り続けるのだろうか

 先の国会では、道路特定財源が大きな焦点となった。福田首相は、特定財源の一般財源化を表明した。途中、たとえば6つの海峡横断道路がいまだ計画が生きていることが問題になり、国土形成計画の閣議決定は先送りされることになった。その国土形成計画が今日、閣議決定されたそうだ。

国土形成計画を閣議決定(日経新聞)

 政府は4日、今後おおむね10年間の中期的な国土づくりの指針となる国土形成計画を閣議決定した。国会などでの議論を踏まえ、道路の整備計画では「コスト縮減」を明記するなど原案を一部修正した。
 先ごろ閉会した通常国会では道路特定財源の無駄遣いが与野党の批判を集めた。道路関連では建設棚上げを決めた大規模な橋やトンネル工事を伴う道路計画「海峡横断プロジェクト」は「長期的視点から取り組む」と表現を後退させた。
 一方、秋以降にまとめる新しい道路の中期計画を基に大都市の環状道路など「真に必要な道路整備は計画的に進める」として、道路整備自体は続ける考えを盛り込んでいる。

 はたしてこの「計画」をどう読むのか――専門家の意見を聞きたいものだけれども、少なくとの、海峡湾岸道路が削除されなかったこと9はおどろき。そのうえで「必要な道路整備は計画的に進める」というのだから、まだ道路を造り続けるということなのだろうか。秋には、中期計画がつくられる。ムダな道路を造り続ける仕組みは何ら解決はしていないようだ。

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うつ、家庭不和などが連鎖 民間チームが自殺白書

 「自殺は、人の命に関わる
極めて『個人的な問題』である

 しかし同時に

 自殺は『社会的な問題』であり
『社会構造的な問題』である」

 そんな書き出しで始まる白書が発表された。

うつ、家庭不和などが連鎖 民間チームが自殺白書(共同通信)

 自殺防止に取り組む特定非営利活動法人(NPO法人)や専門家らによる「自殺実態解析プロジェクトチーム」は4日、自殺した人の遺族への聞き取り調査の結果、自殺に至るまでに、うつ病、家庭不和、負債など平均して4つの要因が連鎖しているなどとする「自殺実態白書2008」を公表した。
 年間自殺者が3万人を超えた1998年からの10年間に自殺で失われた生涯賃金の累計が約22兆1200億円に上ると推計。警察庁から提供された全国の警察署別のデータを初めて分析し、これまで明らかにならなかった地域ごとの特性も浮き彫りにされた。

 実物はこれ

 自殺の大きな要因として、過労や失業、事業不振、負債、生活苦が大きく影響しているということが伺える。

 2004年ー2006年 日本では「97032人」が自殺でなくなっている
 
 これはものすごく重い事実でもある。

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2008/07/03

集合ポストへ議会報告投函 共産市議に住居侵入容疑

 憲法にかかわる問題は、いま9条とともに、生存権と表現の自由が、大きな焦点になっていると言える。この間、ビラ弾圧があったり、映画「靖国」の問題があったりした。今度に事件はより異常な事態になっている。

集合ポストへ議会報告投函 共産市議に住居侵入容疑(朝日新聞)

 東京都国分寺市の共産党市議が、同党市議団発行の「市議会報告」を市内にあるマンションの集合ポストに投函(とうかん)したとして、東京地検八王子支部に住居侵入容疑で書類送検されていることが2日、分かった。この市議と共産党国分寺市議団は「オートロックのドアの外側にある集合ポスト周辺は事実上、だれでも出入りできる。ここへの投函が罪にあたるはずがない。市議会報告の配布は市議活動として必要な行為だ」と批判、不起訴処分を求めている。



 この間の事件は、単に表現の自由の問題だけでなく、批判的世論の封殺という面をもっているだけに大きな問題だと言われてきた。それでも、住民の感情との関係では議論の余地は残していた。今度の事件は、商業的なチラシが日常的に配布される集合ポストであり、さらには市議の議会報告であり、市議の活動事態への弾圧まできている。こんなことが、司法の手で追認されてしまったら、日本の民主主義はかなり厳しいことになってしまう。こんな弾圧は、絶対に、許されない蛮行である。

 ちょうど7月9日(水)に「あぶない!言論の自由が! ビラ配布の自由を守る7・9集会」が開催されます。 (構成団体)全労連・国公労連・自治労連・全教・自由法曹団、国民救援会、ビラ配布の自由を守る会、国公法弾圧を許さず言論の自由を守る会、世田谷国公法弾圧を許さない会 連絡先 東京都文京区湯島2-4-4 全労連電話 03(5842)5611 FAX 03(5842)5620 会場・日本教育会館ホール(地下鉄神保町下車3分) 内容・記念講演「ビラ配布の自由と日本国憲法」 渡辺治(一橋大学教授) 言論弾圧3事件の報告その他      参加費・500円

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2008/07/02

経団連と自民・民主

 今日は、午前中から会議だったのだけれど、持病の「過敏性腸炎」のため、遅刻をしてしまった。なかなか、やっかいないくつかの病気が、ボクにつきまとっている(笑い)。その後は、ふたたび、原稿書き(笑い)。夕方から、実務的な作業に移るが、あまりにもねむくって、ソファーで寝てしまった。今日は早く帰るつもりだったのに…。

 さて、今日、ネットで経団連のHPを見ていたら、少し前、おこなわれていた「自由民主党と政策を語る会」「民主党と政策を語る会」の報告が掲載されていた。
 経団連が、まず政策優先事項を示して、自民、民主から聞き取りをして、そして通信簿をつけて、政治献金の額を決める――政策買収とよばれるシステムは、民主党が自民党に対決姿勢を示す昨今もきちんとおこなわれていたわけだ。

 もっとも、HPを見ればわかるけれど、提出されている資料の分量からして歴然とした違いがある。経団連の側の出席者の顔ぶれも全然ちがう。自民党には御手洗会長直々の登場である。それでも今回は、民主党の方には張副会長が出てきているから、やはり政権交代も視野に入れて、重視をしているのだろうか。
 ボクは、経済政策は、ほんとうに苦手な分野でもあるのだけれども、案外、民主党の素の姿は出ているような気がする。財界も一枚岩ではないのだし、そこそこ、ある財界の主張と共鳴しあっているのであろうか?経済政策をめぐって、06年あたりからの変化について、ちゃんと勉強してみたい感じがした。

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教育振興基本計画が決まったけれど

 もう昨日のことだけど、はじめての教育振興基本計画が閣議決定された。当初の予定が昨年度中だったのだから、大幅におくれての決定となる。

教育振興に数の約束なく、給与は優遇削減 基本計画2008年7月1日12時42分

 政府は1日の閣議で、初の教育振興基本計画を決定した。文部科学省の原案にあった数値目標は、「財源が手当てできない」という財務省の主張が通り軒並み削除。さらに、教員給与の「優遇措置を縮減する」と書き加えられるなど文科省にとって厳しい内容となった。…

 新聞では、財務省対文科省という図式で報じられる。たしかに、今度の基本計画で、教育予算を拡充するということが、いっさい入らなかったことは、その大きな特徴であることは、そうなのだけれど、あまり、この図式にとらわれると、計画の本質からはずれてしまう。詳しく中教審答申と計画を比較する作業は、まだおこなっていないけれども、そもそも、中教審の段階で、いったんは文科省は財務省と大筋の合意をしている。もっとひどくなっているという感じかなあ。
 計画は、一昨年に制定された改悪教育基本法の具体化としておこなわれたものだ。「今後十年間を通じて目指すべき教育の姿」を示したうえで、二〇〇八年度から二〇一二年度までに政府がとりくむ教育施策を定めたもので、対応して、地方でも計画がつくられていくことにもなる。政府による教育内容への無制限な介入・支配に道をひらくものになっていくのだ。実際に、「計画」は、改悪教育基本法にそった人づくりのために新学習指導要領など国の施策の忠実な実施を求め、そのために、全国学力テストなど国の物差しで実施状況をチェックし、改善を命じるという手法を、教育に全面的に取り入れようとしている。この基本点のうえに、教育予算の拡充に背をむけているということがあるのだ。
 人間の全面的な発達という課題に、背をむけた「基本計画」にほかならない。

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2008/07/01

大二郎新党は何をねらうのか

 今日は、全然ニュースを見る時間もなかったけれど、それでもネットでいちばん気になったニュースがこれかな?

衆院選前の新党結成目指す 橋本氏、基本政策も発表(共同通信)

 次期衆院選に高知1区からの出馬を表明している橋本大二郎前高知県知事(61)が1日午後、都内のホテルで記者会見し「既成政党から独立した新しい政治集団、ひいては新しい政党の結成を目指したい。次の衆院選に間に合わせたい」と述べ、次期衆院選前の新党立ち上げを目指す考えを表明した。…

 比較的良識のある改革知事として知られていた大二郎さん。はたして、新党は何をねらうのか? 彼の経緯からして、「構造改革」推進一本槍という感じではないだろうが。また、「靖国」派の先兵という感じでもなかろうが?
 このようにぶちあげるのだから、すでに、自民党のなかにも、民主党のなかにも同調者はいるのだろうか。秋には、民主党の代表選があるのだから、その前後して、民主党には何かの動きが生まれるのだろうか。8月と言われる次の国会は冒頭から審議拒否をめぐって、いろいろ荒れるだろうことが予想されるのだから。一方、自民党のほうでも、福田さんでいつまでもというふうには思えない。かといって、麻生さんや小池さんというのも、全体が本当にまとまるのだろうかという感じがする。ならば、政界再編に向けて、秋には何かが起きるのか? そうなると、来年の夏まではなさそうだと言われていた、総選挙は案外、早くめぐってくるのだろうか?などなど、目を離せないニュースではありそうな気がする。では、その政策はどうなのか? ニュースでは、「会見では同時に(1)財源と権限を地方に移した地域自立型国家の実現(2)憲法の平和主義に基づいた国際貢献(3)税制を含めた構造改革による経済成長(4)格差問題や少子高齢化などに対する「暮らしの安心保障」-を柱とする基本政策「大二郎の旗」を発表した」とあるが、彼のHPを見ても、もう一つ、まだよくわからない。正直言って、自民党政治の枠組みを問うものになるのか、疑問だらけだけれど、それこそ、「批判的な」目で、この動きも見ていきたいと思う。

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批判的であること

 今日は、朝からまず原稿書き。だいぶ煮詰まってきた(どういう意味だあ?)。
 お昼に、多摩地域にある大学に、少し先の企画の打ち合わせに行く。うまく相手と会えずに、場所を変えて、やっとあえて、夕方まで、あれやこれやの話をする。そして、夕方から10時ごろまで、ひたすら原稿書きモードに戻る。

 その少し先の企画の準備のために、メディア、とくに新聞の歴史について、何冊かの本を読んでいる。たとえば朝日の『新聞と戦争』などがその1冊で、200Pぐらいまでは読み進めている。まあ、これらの感想は、それぞれ読み終えてから書くとして、いろいろ考えることがある。

 少し抽象的に、考えていることをメモしておけば、ジャーナリズムの役割として、常に批判的であることということがある。ボクは言い換えれば、物事を歴史的に発展的に見ることが必要だということだと思う。いろいろな政治的な動きや政策だってそうだ。国民の世論だって、歴史的な経緯のもとで生まれているのだから、歴史的に、その原因までさかのぼって考えないと、その質や構造というもの、本質が見えてこない。だから、つねに、物事を所与のものとして扱うのではなく――現実をありのままに考えることは大事だけれど、それをすべて肯定するというのではなく、批判的に見る。ボクの、とりあえずは、言論に携わる人間だから、そうありたいと、つくづく思う次第。

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