経済財政戦記
いま、電車のなかで読んでいるのが、この本。同じ清水さんの『官邸主導』もうそうだったけれども、けっこう読むのに時間がかかる。
今度の本は、「2006年骨太」を前後する、上げ潮派と財政再建・増税派との主導権あらそい。経済政策の裏側をさぐるものだけれど、まず、前半だけを読んでみて、おもしろかったのは、経済政策の裏側にある理論というのはまあなんと恣意的で薄っぺらいのかということ。郵政民営化のときの跡部レポートなんかもそうだったけれど。薄っぺらい理論をもとに、争われるのは、結局、徹底して社会保障や教育・暮らしにかかわる予算をけずりながら「構造改革」をすすめるという上げ潮派と、ある程度の社会保障の切り捨てのうえに、国民負担をもとめる増税派のあらそいということ。国の経済政策の基本が、いずれにしろ大企業優先にあることには何の変わりもない。だから、この2手に、経済財政諮問会議のメンバーが分かれていくことが書かれているけれど、不思議と奥田経団連会長(当時)が、表には出てこない。そのことが、この問題の本質をよく示しているような感じがしますが。
続きはまた、今度。
« 軋む社会 | トップページ | 63回目の6月23日 »
「読書」カテゴリの記事
- 社会の底が抜けたような状況に、論壇誌は(2025.06.10)
- 劣化する米国、吉見俊哉さんの見方 非対称な関係、見直す時 トランプ氏再選、背景に帝国主義(2025.06.02)
- 6月号ができています(2025.05.11)
- 沖縄県民の戦場動員は行政にも責任 関東学院大名誉教授の林博史さん 4月17日発刊の新著で網羅的に解説(2025.04.17)
- 『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(2025.03.11)
「政治」カテゴリの記事
- 全米各地でトランプ氏に抗議デモ 「王はいらない」大合唱(2025.06.15)
- 【ジェンダーギャップ指数】日本、2025年は世界118位で前年と同じ 政治分野は後退(2025.06.13)
- 那覇市議、疎開記述に誤りがあると持論 対馬丸記念館の展示に 館長「間違っていない」(2025.06.12)
- 教員の働き方改革 「現場を無視した議論」 教育委員会が憤る理由(2025.06.11)
- 社会の底が抜けたような状況に、論壇誌は(2025.06.10)
「経済」カテゴリの記事
- 全米各地でトランプ氏に抗議デモ 「王はいらない」大合唱(2025.06.15)
- 【ジェンダーギャップ指数】日本、2025年は世界118位で前年と同じ 政治分野は後退(2025.06.13)
- 教員の働き方改革 「現場を無視した議論」 教育委員会が憤る理由(2025.06.11)
- 社会の底が抜けたような状況に、論壇誌は(2025.06.10)
- 「取り残された遺骨 〜長生炭鉱 返還を目指す市民の活動〜」(2025.06.08)
« 軋む社会 | トップページ | 63回目の6月23日 »
コメント