福田ビジョンっていったい…
今日の新聞の一面は、福田康夫首相が九日夜、都内で記者会見して発表した、地球温暖化対策に関する日本の基本方針(福田ビジョン)だ。この間も、日本政府の地球温暖化対策の内容は、国際的にも、国内の専門家からもいろいろな批判をうけている。今回も、なによりも温室効果ガス排出量削減の中期目標が、産業別・部門別に削減可能な数値を出す「セクター別アプローチ」によるものにとどまったもの。この試算では、実際には、1990年比で4%減だ(経産省)という。つまり京都議定書で義務付けられた12年までの90年比6%削減目標さえ達成できないことになる。首相は、中期目標を「しかるべき時期に発表したい」と発言していたが、ぎりぎりまで目標決定を先送りするということか。いずれにしろ、抜本的な政策転換が不可欠なこの課題、その抜本までは踏み込まず、たしかに排出量取引や環境税に言及したものの、確実な目標達成の裏づけは示めさない消極的なものにとどまったということなんだろうなあ。
ちなみに、昨日の福田発言の全文はここ
さて、今日は経済財政諮問会議などもおこなわれていて、「高齢者・若者・女性の220万人の雇用充実を目指す新雇用戦略、空の自由化・留学生30万人計画などの開かれた国への取り組み、強みを発揮するための環境エネルギー技術革新計画やスーパー特区の創設が盛り込まれた『経済成長戦略』が取りまとめられた」ということだ。いよいよ、骨太の議論が山場を向かえる。ここに示される自民党政治のゆきづまりということについて、しっかりみていかなければならないと思うのだが。
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