『ロスジェネ』創刊 その他『フリーターズフリー』のことなど
『ロスジェネ』が創刊され、各方面で話題になっています。注目して手にとった。ただ、注文したがなかなか現物がとどかなかったので、やっと一昨日手に入れたばかりなので、まだ、頭の3本しか読めていない。まずは、第一弾としての感想です。
なによりも、若い世代が、自らの思いや考えを自らの手で、社会的な発言していく場ができたということの意味はうけとめたい思う。少し話は違うけれど、先日の9条世界会議のときも感じたけれど、いままで、発言や表現の場がなかった世代が、主役となって、発言していたということをものすごく感じたし、その意義はとてつもなく大きいと思った。(問題は、なぜそういう発言の場がないのかということにあるのだけれど、それはそれで、また日を改めて、論じたいとは思っているのだけれど)
内容についても、いろいろな評価がある。それは当然だけれど、ボクは個人的には読み始めてみて、意外と(といえは失礼?)おもしろいしとは感じるところは少なくはなかったし、耳を傾けたい。たとえば2番目の杉田さんの論文は、結論はもちろん同意はしないけれど、結構、刺激され、おもしろかった。この人の書くものは、以前にも読んだことはあったけれど、十分引きこまれた。すでに今度の、『無能力批評』も手に入れているけれど、よし読んでみようと十分思わせてくれた。雨宮さんのものは、彼女の本を読んでいたら、まあすでに読んだことがある話がほとんどだけれど、短い文章のなかで、彼女の主張のポイントがちりばめられていて、なるほどと思いながら読んだしだい。
ぜひ若い人の感想を聞きたいなあと思ったのが、冒頭の赤木さんと浅尾さんの対談。ボクのようなおじさんの世代から見れば、もう少し、赤木さんの議論に迫ってほしいと思ってしまう(その背景などをえくってほしいと)のだけれど。だからもっと赤木さんに主張が強くでてほしいという感じが正直いってあって、物足りなさを感じたのが実感。浅尾さんとの議論は、あまりかみ合ってないと言うか、少し、大澤さんの入った議論のところでおもしろいところはあったかなあと。それに、現代の蟹工船と銘打っているのなら、浅尾さんには、そういう力の出し方ができないのかという不満もある。このあたりは、おじさん的発想だなあとは自覚はしているのだけれど。そんな感想をもたせてくれたのが、赤木さんを登場させた意味か。
でもまあ、まだ全部読んでいないので、確定的なものではないけれど、同業者の目から論評すれば、まだまだ、雑誌のコンセプトがはっきりしないというのが正直な感想でもある(ごめんなさい)。『フリーターズフリー』を最初に手にとったときのほうがインパクトは大きかったというのが実際にのところだけれど。大きな注目の中での船出が、この雑誌にとって幸いなのか不幸なのか、そのことも正直よくわからない。「右と左は手を結べるか」というコピーをつけているが、最初の三本を読むかぎろは、もしろ、単純に連帯を模索するまじめな議論でもある。刺激的なコピーを打つことが、こうした雑誌や雑誌にかかわっている人たちにとって、効果的なのか、いいことなのかどうなのかというのもボクには正直判断はつかない。もっともっと、彼ら自身もぜひ悩みながらすすめるのだろう。
『ロスジェネ』という名前だけれど、その世代のリアルな実態そのものに迫るというよりは、むしろ当事者たちの内的な言葉の発露というものが重視されている(つまりこの世代を代表する議論とは思わない)。また、その言葉がどこに向かっていくのか? また、それがボクは知っている、この世代全体の思いと、うまく重なっていくのかどうなのか? 正直、まだまだよくわからない。でも、この雑誌にしろ、『フリーターズフリー』にしろ、発信し始めた彼らの声には耳を傾けていきたいと思うのだ。
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