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2008年6月

2008/06/30

小学校指導要領の解説書公表 沖縄戦などを盛り込む

 今日、文部科学省が新しい指導要領の解説書の小学校分を公表しました。

小学校指導要領の解説書公表 沖縄戦などを盛り込む(朝日新聞)

 文部科学省は30日、小学校の改訂学習指導要領を教育委員会の担当者などに説明する会合を開き、各教科の解説書を公表した。社会科の解説書では、「各地への空襲」「沖縄戦」「広島・長崎への原子爆弾の投下」といった太平洋戦争中の国内の大きな被害が明記された。
 …このほか、国語の解説書では、改訂指導要領に新しく盛り込まれた「神話・伝承」の教材として、「古事記、日本書紀、風土記などに描かれたものや、地域に伝わる伝説」を例示した。

 学習指導要領だけでは特徴がよくわからなかった内容が、解説書では、はっきり出ると言われていますし、これまではそうでした。教科書の編集などにも大きな影響を与える内容です。まだ、中身は見ていませんが、知里さんの話によると明日には、文科省のHPにアップされるようです。
 いま抱えている仕事が終われば、ちょっと読んでみなければなりません。新聞報道の力点はさまざまですけれど、これだけでも、問題点の一端は見えているようには思います。

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自己責任という壁

 今日は、朝から実務的な仕事をして、お昼休みには学習会、それから少し打ち合わせをして、それから午後は、ひたすら原稿書きに没入する。

 昨日の、研究会に引き続いて、今日の原稿書きの際にも、自己責任論という問題が、大きく頭のなかをしめている。これをどう考えるか。
 たとえば、貧困という問題を考えるにしても、自己責任論を考える際に、では、貧困とは何なのかということが問題になる。相対的貧困というとらえ方をして、貧困の再発見をということが言われる。では、相対的貧困とは何なのか?
 何で、こんなことを言うかといえば、実際には、昨日の子どもの貧困の際にも語られることだけど、実際の現場の福祉の方や、研究者の認識と、社会一般の認識とにはかなりの差がある。いま、仕事でとりくんでいる若者の問題にしても、これだけ非正規の問題がクローズアップされても、あいかわらず「甘えている」「努力がなりない」という若者バッシングはとまらない。どうすれば、そういう議論を乗り越えて、合意を広げることができるのか?

 でも、なぜ、こんなに不寛容といえるような社会認識の状況が広がったのだろうか。なぜ、あたりまえのように「バッシング」ということが行われるようになったのか。80から90年代に何がおこったのか、小泉「改革」はそれにどのような作用をおよぼしたのか。メディアが何かしらの役割をはたしたのならば、そのメディアには何があったのか。

 たとえば若者の問題1つをとっても、現実におこっていることは、胸の押しつぶされそうなことにほかならないのだけれど、なぜ、そのことが社会の共通した痛みにならないのか。そんなことを考え始めると、ちょっと「暗い」気分になる。
 変化の兆しは確かにある。ボクはそんなに楽観的な考え方がどうしてもできないでいるのだけれども、それでも変化の兆しには、励まされはする。しばらく、悶々と考え続ける。

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2008/06/29

子どもの貧困のとらえ方

 今朝は、少し遅くまで寝て、それから、つれ合いといっしょに、ある研究会に参加してきました。子どもの貧困ということがテーマでした。研究者の方、子どもの福祉にかかわる現場の方、いろいろな方の話を聞くことができて大いに刺激になりました。発言で提示される、貧困のとらえ方、そして実践のなかでつかまれた論点は、それぞれ、たいへん勉強になりました。

 もともと「貧困」という問題は、定義をふくめ、それをどうつかむかということは難しい問題です。しかも、子どもの貧困は、家族制度の問題などに一貫して隠されてきた問題でもあるわけです。この間、本や雑誌で紹介されるようになったいろいろな子どもの貧困にかかわる事例は、一つひとつ大事なことを示していると思いますが、そうした事例のなかにある本質的な問題とは何なのか、ここをつかむのも難しい点です。まだまだ、頭の中がスッキリしているわけではありません。そんなことを前提にしながら、今日、考えたこと。

 1つは、研究会でも議論の中心であった子どもの貧困をどうつかんでいくかという問題。その対策の緊急性や、国民的な合意をつくるために、社会的な認識をどう変えるかなども含め。
 2つは、貧困にかかわって出てくる、自己責任論は、子どもの問題では、家庭の責任という形で提示される。この自己責任論をどう考え、どう打ち破っていくのかは、独自に考えるべき問題もありそうだ。

 3つ目は、貧困をやっている人は、まず貧困の大切が大事だという。それは確かにそうで、そこのことは、緊急にすすめなければならないのだけれど、そうはいっても、同時に、社会全体のあり方そのものは論じなければならないとは思う。そうでないと、国民的合意ということに視野を広げたりできないし、自己責任論との関係でも重要だ。貧困と教育の問題でも、問題を全体の視点からつかまないと見えない問題もある。同時に、たとえば教育全体の問題としてとらえたとき、これだけ子どもをめぐる状況が大きく変化している時代にあって、逆に、当の貧困にある子ども自身に降りかかる問題で、見えていなかった問題が見えてくるという気がしている。ただ、このあたりは、あまり論じられていないように思う。

 会場で、何人かの研究者の方や現場の方と話をした。
 いくつか読んでみたい本や論文の見つけた。いろんなことを勉強したいと思った一日だった。

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2008/06/28

教育予算:文科省、数値目標を断念 増額、困難な情勢

 今日も早起き、一仕事して、午前中は会議。午後からは、ひたすら原稿の仕上げにかかる。とにかく仕上げて、関係者何人かに見てもらうために、送信。自分の雑誌の出張校正を終えたばかりなのに、よく頑張ります。約13000字、疲れました。その後は、ひたすらたまった実務の処理にかかる。明日の取材の準備もしなくてはなりません…。

 ちゃんとニュースについていろいろ考えたりする作業もちゃんとできていない間に、いろいろ重要なニュースが続いています。「骨太2008」も決まりました。社会保障国民会議の中間報告もありましたね。外交では、北朝鮮問題などもあります。

 さて、「骨太」とあわせて、決定が目指された、「教育振興基本計画」の行方もなかなか悲惨なものになりました。

教育予算:文科省、数値目標を断念 増額、困難な情勢(毎日新聞)

 政府は27日、改正教育基本法に基づき初めて策定する教育振興基本計画に、教育予算増や教職員定数増の数値目標を盛り込まないことを決めた。焦点だった教育予算については「経済協力開発機構(OECD)諸国などの状況を参考にする」との記載にとどめる。基本計画は30日の与党内の調整を経て、来月1日にも閣議決定の見通し。OECD諸国の平均水準に届かない日本の教育予算の増額は困難な情勢となった。
 …文科省は計画に、▽今後10年で教育予算のGDP比を現行の3・5%からOECD平均の5%を上回る水準にする▽5年間で教職員定数を2万5000人程度改善する--との数値目標を明記することを目指していた。
 しかし、「5%」の記載は見送った。教職員については「改善」の文言も削り、「定数のあり方について検討する」という表現にとどめる。…

 もともと、計画の案には、新自由主義的な教育「改革」が綴られています。と、同時に、教育予算の増額もめざされたけれど、結局、それもダメになって、何のための「計画」なのか。国民にとっては百害あって一利もないものになりそうです。
 4月の中教審答申の段階で、一度、文科省は、予算の増額をあきらめました。ところが、その後、自民党の文教族の巻き返しがあり、もう一度挑んだということでしょうが、結局は、元に戻ったわけです。まあ、あまりにも主体性のない文科省の姿が浮き彫りになっただけです。文科省は何のためにあるのか、教育政策というものは、どこの利害をどのように反映してつくられているのか――そういう興味深い材料だけを提供した結果になったということなのでしょうかねえ。

 格差をただ拡大するという結果にしか導かない内容になった――このことが日本の未来に大きな禍根を残すということだけは否定ができない事実なのだと思います。

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2008/06/27

秋葉原事件に関連して考えるべきこと

 今日は、朝から会議。午後からは、ひたすらパソコンとにらめっこしての原稿執筆だ。編集者である人間が、別の雑誌の原稿を、〆切に追われながら格闘するのも何かへんな感じではあるのだけれども。まあ、もともと、自分の雑誌も原稿に手を入れるより、原稿をつくるほうが好きだし、その生産量も結構多い方だから、苦痛というわけではないけれども。夜は行ってみたいイベントもあったのだけれども、そこは自粛して、ひたすら原稿を書き続けた次第である。

 昼、食事は午前中の会議のメンバーと、おしゃべりをしながらとった。そのとき、たまたま、私が尊敬する、とある教育問題などにも造詣の深い政治家の方にあったので少しおしゃべりをした。そのとき、秋葉原の事件が話題になって、その方のいうことにものすごく考えさせられた。

 もちろん秋葉原の事件は許すことができないし、事件そのものと背景として論じられることについては、慎重な区別が必要だ。そのことを前提にしての話だけれど、事件の背景として、派遣の絶望的な雇用のあり方が論じられている。それはそれで、否定はできないほどの深刻な問題だし、そのことを論じるのは意味がある。だけれども、事件の背景として、教育の問題、学校の問題が論じられないのはなぜかということだ。テレビの取材が、容疑者の高校に入ったとき、取材の記者の、彼の高校時代の成績はという質問に、校長?はすぐに、300番ぐらいと答えたそうだ。この答え方の背景には、日頃から、細かく成績で順位付けをしていることの反映があると見ることはほぼまちがいのないことだと思う。
 90年代後半からの新自由主義「教育改革」は、ボクらが感じている異常に、子どもたちの世界で競争を激化させている。尾木直樹や本田由紀は「新たな学歴社会」という形容をしているけれど、雇用の不安定化を反映して、言ってみれば、生き残りをかけた競争がくり広げられている。そこでは子どもたちは、人間として、決して大切にされず、その尊厳を、自己肯定さえも否定され、傷ついている。『週刊現代』で、容疑者の弟の手記が掲載されているそうだけれど、そこからも、家庭の厳しさとともに、学校の過酷さが伺えるという。
 こうした問題が起きたとき、家庭のあり方にすぐに目が行きがちだが、こうした競争はまず学校が発信し、そのもとで家庭が追い込まれる。
 いまのこうした学校と教育における子どもたちをとりまく競争というもの、そこでの子どもの傷つきに、実はボクらは、あまりにも鈍感になっていないだろうか。たしかに、この問題はもっともっと議論がなされる必要があるのではないのか。そして、こんな問題は、すでに国連の子どもの権利委員会からすでに二度にわたって、指摘されていたことではないのか。

 大事な指摘に学びながら、いろいろなことを考えさせられた次第だ。

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2008/06/26

ユゴ 大統領有故

20071031018fl00018viewrsz150x とっても不思議な映画である。コミカルなんだけど、あまり笑えない。実に不気味な映画だ。1979年に、当時、軍事独裁政権下にあった韓国で実際に起きた“10.26大統領殺害事件”、そのパク・チョンヒ大統領暗殺の一日を、通説というか、一般に言われている内容に即しながらドキュメンタリー風の心理劇(登場人物の心理はまったくの創造であろう)で描く。その心理は、暗殺する側も、される側も、俗っぽく、空疎なものでもある。そんなくだらない事件が、韓国の人々の苦難の上にのしかかっていたというおかしみを強調する。ハン・ソッキュ(私は大好きだが)のシリアスな演技が、よけいにそのことを強調する。
 光州事件が起きるのは、この事件のわずか半年後のことである…。

 映画の冒頭、大統領の女性関係が描かれるが、その部分は、韓国の上映の際は黒塗りだったそうだ。「大統領の理髪師」や「光州5・18」など、軍事政権下の政治を批判的に描くところまで、現在の韓国の映画はせまっている。

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2008/06/25

なぜ企業の犯罪が…

 今日は、朝、少し寝た。まだだるいですよね。夏バテになりつつあります。
 遅めの出勤をして、今日は、ひたすら自分の書き物と会議です。夕食は、教育実習で帰ってきている長男がつくってくだたので、思ったより仕事ができました。でもねえ、長男が帰ってきたために、コメの消費量は、いつもの倍ですね。これはこれでつらいものがあいrます。でも、つれ合いは、何か嬉しそうです。

 さて今日のニュースをインターネットで確認していてあらためて驚いたことがこれです。

パロマ、湯沸かし器ずさん回収 電話確認だけで処理(朝日新聞)
マルハ子会社社員に1千万円 ウナギ産地偽装(共同通信)
PCI元社長を追起訴 ODA工作めぐる脱税(共同通信)
NOVA元社長「解約の返金やめろ」 当時の経理担当に(朝日新聞)
飛騨牛偽装、隠蔽の作戦会議「マスコミにどう言う」(朝日新聞)
日雇い派遣「グッドウィル」、来月末の廃業を正式発表(読売新聞)
大林組談合で株主代表訴訟、元経営陣らに12億円請求(日経新聞)

 何かしら、恐ろしいほど企業の犯罪がならんでいます。企業だけではありません。官僚の「居酒屋タクシー」問題や、イージス艦あたごの「27日審判開始申し立て 海自の組織責任追及へ」などの記事もあわせて読むと、社会全体がいったいどうなっているのかは心配になります。
 もちろん一つひとつの事件には、一つほとつの原因があります。ただ、規制緩和というものが、儲け第一の資本の本性に火をつけ、多少の法律違反など意識しなくなるというモラルハザードを生み出したのは、おそらく間違いないことだと思います。もともと、法的な規制力が弱いに日本で、歯止めがかからなくなったといえるのかもしれません。
 まあ、政治のほうも、同じような、いやそれ以上のモラルハザードですからねえ。
 弱いものに、矛盾のすべてをおしつける社会です。もっともっとおこらなければなりませんよね。

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2008/06/24

集団自衛権行使容認を提言 安保懇、首相は否定

 安倍時代につくられて活動し、福田内閣時代にはって、一回も開かれることのなかった安保懇が、突然、再開し、すでにほぼつくられていたであろう報告書を発表した。

集団自衛権行使容認を提言 安保懇、首相は否定  集団的自衛権行使に関する憲法解釈見直しを検討してきた政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二元駐米大使)は24日午後、福田康夫首相に最終報告書を提出した。検討対象としてきた「公海上での自衛隊による米艦船防護」など4類型ともに実施可能と結論付け、集団的自衛権行使容認に向けて従来の憲法解釈の変更を求めた。

 実物は、今日はまだアップされていない。要旨は、これ

 明文改憲の策動一方で、アメリカとの関係で早急な解決が求められていた【公海上での自衛隊の米艦船防護】【米国を狙った弾道ミサイルの迎撃】【PKOでの武器使用基準】【多国籍軍への後方支援】の4点で解釈改憲をすすめよというもの。アメリカとの軍事一体化の現実を示しているような内容だ。
 いま、恒久法の制定、ISAFへの参加など、いろいろなパターンで、解釈改憲をすすめる動きが、与党と民主党のあいだで、駆け引きをともないながら、すすめられている。秋の国会では、新テロ特措法の延長が早くも、焦点となるが、再びの三分の二の行使もふくめ、上記の解釈改憲のさまざまなパターンを視野に入れて議論がおこなわれることになる。その議論に竿をさすということか。

 詳しくは、現物を読んでまた機会があれば議論したいものであるが。

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学力と人間らしさをはぐくむ

9784406051316l いつもお世話になっている梅原利夫さんの『学力と人間らしさをはぐくむ 新指導要領をのりこえる』を読んだ。学力格差は広がるのか? どう学力を育てればいいのか? 三月の学習指導要領改訂を契機に学力だとか、教育のあり方に関心が高まっている。本書は、この改訂の内容をていねいに分析し、批判する。
 これまでも、梅原先生は、学習指導要領のたびに、こうした本で、詳細な分析をしてきた。それだけに、梅原さんの批判は、全体の特徴をよくとらえているし、的確で説得力がある。
 改訂は、学力を「習得、活用、意欲」の三要素でとらえ、とくに活用を重視するあまり、それを習得と切り離して学習内容をこまかく指示するものとなっていて、子どもの学力形成にとって大きな問題があると指摘する。評価のあり方を変えることが、授業内容をしばり、学校間競争を激化させるとも指摘している。さらに改訂が強化する道徳教育は、子どもに自主的な判断や選択は育たない批判する。
 ただ、批判にとどまらないで、同時に、学力と人間らしさを育てるために学校教育には何が求められるのかを提案。これからの教育のあり方を考える一冊となっている。

 今日は、めずらしく仕事が早く終わって、夕方に家に帰ってきた。ご飯を食べたら、寝てしまった…。

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2008/06/23

マネーの暴走が止まらない

080623_b_2 今日も朝からバタバタの仕事の一日。やっと、一段落かなあ。
 仕事から帰って、途中から、NHKスペシャルを観た。「マネーの暴走が止まらない~サブプライムから原油へ~」と題して、金融化社会の実態を告発する。

 サブプライム問題はなぜ起きたのか。危機はいつまで続くのか。次にどんな時代が訪れるのか。サブプライムローンの取引や開発に携わった当事者たちが、ついにカメラの前で赤裸々に語った。最先端の金融工学を駆使した証券化という手法を過信し、全体像を見失った現場の実態。金融商品とともにリスクも転売し、誰も責任をとらない無神経が常態化していった恐ろしさ。日本のバブル崩壊をはるかにしのぐ、世界を巻き込んだ欲望の膨張と頓挫。しかし彼らも、彼らにとって変わろうとする中東などの新興勢力も、マネーを操る技術をさらに競うことで次の時代の覇者たらんとしている。

 つまり、サブプライムの問題をサブプライムという仕組みの側から見るのではなく、金融機関の投機的活動への傾斜の側から見る。金融化社会の実態をさぐるのだ。ニューヨーク・ウォール街の金融機関はあのとき、どのように動き、そして今、どのように動いているのか。そして、いまマネーは石油に向かう。
 番組を見ながら感じたのは、昨日も書いたけれど、その基礎にある、理論なるものの薄っぺらさというか、解釈的な技術なるものの薄っぺらさには、気持ち悪ささえ感じる。マネーが石油に向かった結果、いったい世界で、日本で何が起きているのか。基軸通貨として、ドルを垂れ流すことのできるアメリカと違い、日本でこのまま金融化がすすめば、より鋭角的に矛盾は深まる。日本は、このまますすんではいけないとつくずく思った。
 ただ、番組そのものは、そんなに面白くはなかったけれど…。

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63回目の6月23日

 今日は、63回目の沖縄の慰霊の日です。昨年から今年にかけては、教科書における沖縄戦の記述をめぐる問題があったので、今年は特別な思いでこの日を迎えます。残念ながら、この1年は、沖縄に取材にいったりすることはできませんでしたが、それでも、沖縄関係の方に、お話を聞く機会が何回かあったり、新しく知り合った方もいます。いろいろなことを新たに学んだ一年でもありました。

 学んだことをどれだけ、伝えることができたのだろうか。そんな不安もあります。身近なところから、そして仕事をとおして、しっかりそのことを問われていると自覚しなければと思っています。

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2008/06/22

経済財政戦記

31900296 いま、電車のなかで読んでいるのが、この本。同じ清水さんの『官邸主導』もうそうだったけれども、けっこう読むのに時間がかかる。
 今度の本は、「2006年骨太」を前後する、上げ潮派と財政再建・増税派との主導権あらそい。経済政策の裏側をさぐるものだけれど、まず、前半だけを読んでみて、おもしろかったのは、経済政策の裏側にある理論というのはまあなんと恣意的で薄っぺらいのかということ。郵政民営化のときの跡部レポートなんかもそうだったけれど。薄っぺらい理論をもとに、争われるのは、結局、徹底して社会保障や教育・暮らしにかかわる予算をけずりながら「構造改革」をすすめるという上げ潮派と、ある程度の社会保障の切り捨てのうえに、国民負担をもとめる増税派のあらそいということ。国の経済政策の基本が、いずれにしろ大企業優先にあることには何の変わりもない。だから、この2手に、経済財政諮問会議のメンバーが分かれていくことが書かれているけれど、不思議と奥田経団連会長(当時)が、表には出てこない。そのことが、この問題の本質をよく示しているような感じがしますが。
 続きはまた、今度。

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2008/06/21

軋む社会

9784902465136 ぼちぼちの復活です。ブログを休んでいる間も、ちゃんと、いろいろ考えています?(苦笑) もう少し、ヴァージョンアップした、ブログに生まれ変われる一歩にしたいものです。
 さて、この間、読んだ本の紹介で、いちばんおもしろかったのが、やっぱりこの『軋む社会』かな。ごぞんじ、気鋭の教育社会学者、本田由紀さんの新著。と言っても、この間、雑誌に書き散らしたものをまとめたもの。一般の読者に発信したものだからわかりやすい。
 テーマの中心は、若者問題であり、学校から社会への渡りの問題である。もちろん、ボクと彼女とは、かなり根本のところでは、違いがある。ボクは、もっと社会をある意味で、意識的に「構造」としてとらえる。だから、グローバル社会と言ったときの社会の理解は、彼女とはやっぱり違う。でも、なによりも共感するのは、彼女のセンス。若者問題のとらえ方の鋭角さ。それは、この本では、最後の若者へのメッセージに示されている。やっぱりすごい「不良少女」だと思う(笑い)。若者福祉の問題だと、たくさんの刺激と問題意識をうけとった次第。

気鋭の教育社会学者・本田由紀には、 いま、どうしてもいっておくべきことがある。 あきらめと失意、そして絶望が渦巻くこの社会を、変えていくために。 未来を支える若者が、生きやすい社会をつくるために。

 ボヤボヤしててはいけないのです。ボクは働かなければなりません(笑い)。

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2008/06/20

申し訳ありません 腰痛が…

 ここ数日、すっかり、エントリーが滞ってしまいました。あまり、おもしろいこともないですし。ちょっとした夜遊びを契機に、腰痛を悪化させてしまいました。そうこうしているうちに、興味あることに熱中したり、仕事がピークになったりで、さぼている次第です。一部の方に、ご心配をおかけしているかもしれませんが、現在は、いたって元気です。一両日中には、ヴァージョンアップして復活しますので、楽しみにしていてください(笑い)。

2008/06/13

パラシュート

14tirashi このお芝居に出る俳優さんから、お誘いを受けていて、何とか仕事の合間を見つけて、今日、この芝居を見てきた。

 脚本・演出は平石耕一さん。 この人の重い直球は、大好きだ。「センポ・スギハラ」「熱り」に続いて、見るのは
三作目。実は、詳しい資料などももらってはいたのだけれど、忙しくて、あまり目を通せずに見に行った。ただ、テーマは、良心的兵役拒否の人の話ということだけは聞いていた。
 だから、想像していたようなストーリーではまったくなかった。兵役を拒否したのは、小心で、けっしてかっこよくはない人物。そして、その家族の物語。それが、パラシュートで降りてくる米兵に対して、あなたは竹槍をつきつけるのか――殺す側に立つのかと問い掛ける。

 9条をどう考え、語るのかということでは、仕事がらあれこれ考える。9条にはどんな意義があるのか、現実政治の中で、9条の役割をどう考えるのか、どんな社会的合意が可能なのか――つまり、どんな言葉が国民に響くのか。

 でも、殺す側に立つのか? という問いかけは、もっと本質的な問いかけでもある。ある意味でより思想的な問いの営みなとも言えそうだ。かっこよくない兵役拒否者のふるまいは、家族のなかで葛藤と矛盾をひろげる。その矛盾は、日本社会の縮図でもあり、またその家族は葛藤を引き受け、葛藤をしながら問題に向き合おうともする。

 9条を支えるのは、政治的な議論や運動であるには違いない。でも、そういった9条をめぐるたたかいは、こうした本質的な問いの営み抜きには、なりたたないものであることも事実だと思う。そんな問いかけや葛藤を大事にしたいし、その営みの延長線上にボクらの悩みもとりくみもあるのだと思いたい。そんなことをあれこれ感じながら見て芝居だった。

 芝居は、一見、難解でもある、が、実は、きっとストレートな問いかけでもある。方言も用いながら、演じて手にとっても、とても難しい芝居なんだと思う。誘ってくれた若い俳優さんも、よく演じていたと思う。芝居を続けているととで、ほんとうに励まされる。

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2008/06/12

NHKに賠償責任なし=番組改変で「期待権」否定-政治家影響触れず・最高裁

 ひどいものである。今日の最高裁のNHK番組改変事件訴訟の判決である。

NHKに賠償責任なし=番組改変で「期待権」否定-政治家影響触れず・最高裁(時事通信)

 従軍慰安婦問題を取り上げた特集番組が政治的圧力で改変されたとして、取材協力した民間団体がNHKと制作会社2社に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(横尾和子裁判長)は12日、NHKと2社に総額200万円の支払いを命じた二審東京高裁判決を破棄、訴えを退けた。団体側の逆転敗訴が確定した。…

 15時に判決があり、夜、集会があったので参加してきた。大きな事件なので、いろいろな人が集まっていた。
弁護団の解説をうけながら、判決文に目をとおしてみた。素人がざっと目を通しただけでは、十分理解できるようなものではないが、事実認定そのものがあらそわれたわけではない。しかし、事実認定そのものについて、2審の判断を、実はものすごく簡略化し、矮小化したものと判断がされている。安倍さんなど国会議員への面談などさらりとふれるだけ。2審で注目された「国会議員らの発言を忖度(そんたく)して番組を改変した」という点については、是認できないとして、その影響への判断は回避してしまう。そして、取材を受けた側の番組内容への期待が、法的に保護すべき権利に当たるかのみを主な争点として、きわめて抽象的な議論として、「原則として法的保護の対象にはならない」と判断した。原告側が、報道の自由にも配慮しながら主張した、特別の場合は保護の対象にあるといる立論はほとんど無視をするという内容である。

 弁護団がいうように、まさに政治的な判決である。NHKを救済することで、政治家の介入を容認したような判決である。表現の自由一般を掲げながら、表現の自由への政治の介入を容認・放置をする、法の番人の役割を放棄するものにほかならない。

 裁判そのものは、この政治介入の事実を明らかにすることを目的として行われた。最高裁はその判断を回避したが、社会的には、安倍さんがNHKの幹部を前に事前に「従軍慰安婦」の問題について自説をのべたということなど、事実として共有されるなど、大きな意味のあった裁判だと思う。権力はメディアによって監視されなければならないが、権力に追随するメディアは、市民によって監視されなければならない。そのことをよく教えてくれた裁判だったし、今後もそうした市民のたたかいは続くのだと思う。

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原爆症訴訟、問責決議、自民財政研、いろいろな事件が

 昨日もいろいろな事件がある。備忘録的に書いておく。おととい、原爆症裁判の仙台と大阪両高裁判決での敗訴を政府は上告しない方針を決定したが、原告の側も上告をせず、判決が確定した。もちろん、原告団は、「上告断念は大変うれしく思うが、原告全員の救済を検討せず争い続けるのは、非人道的で冷酷すぎる」と言っているように、原告三百五人の全員認定と、四月に導入された新基準見直しを要望したことについて、国は、全員認定や新基準見直しはしないと表明している。原告が上告しないのは早期解決のメッセージだということであろう。国は、科学的な立場に立った誠実な対応こそ求められているはずだと思う。

 国会では、参院で福田首相の問責決議が可決された。まあ政権を担当するに値しない首相であることは、国民の意思でもある。しかし、小沢さんも党首討論をあえて、避けるというのはどういうことか。ここのところ、もっとも肝心なところで小沢民主は審議を避けるというは残念でならない。

 気になるのは。「自民党の財政改革研究会(与謝野馨会長)は11日、政府が今月下旬に決める経済財政運営の基本方針『骨太方針2008』に先立ち、消費税率引き上げを柱とした提言を公表した」(日経)というニュース。もちろん、ここには消費税増税の議論をすすめようというねらいがあるのは明白だけれど、この数年間の財政・税制の議論をふり返ってみると、いかにこの点の政策での自民党のゆきづまりが分かるような気がする。もはや、自民党政権は、はっきりいって、財政、税制の面では、基軸というものを持てなくなっているのかもしれない。これは結構、関心のあるテーマなので、近々、ちゃんとエントリーしたいテーマかな。

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2008/06/11

重い気持ちの正体

 今日は、朝から何となく気持ちが重たい。やはり、秋葉原の事件が大きく心にのしかかる。加害者の言いようのない絶望感と孤独感。報道されているような加害者の思いを、その同世代がどのように受けとめているのかは、まだ、よくわからない。ただ、少なくとも、同様な絶望感や孤独感は、この世代に共有されている部分は少なくない。もちろん、だからといって、誰もがこのような凶悪な犯罪を犯すわけではない。犯罪の直接的な要因は、そこにあるのでは決してない。たまたま知人から、被害者の一人がお世話になった方だったというメールをもらったけれど、決して許すことのできない犯罪だし、もし、自分の親しい人が被害者になれば、激しい憎悪を駆り立てられたのだろうと思う。

 しかし、この絶望感や孤独感をどう受けとめたらいいのか。そんな思いも、常にボクの心の中には存在する。90年代に新自由主義的な政策がくり広げられた以降に、青春期を送る世代には、少なくともボクらの想像を超える、困難や、絶望、閉塞感、孤独感というものがあると思う。それをボクらは十分に受けとめられているのか。少し、世代的には、違う若ものの発言だが、物議を呼び起こした例の赤木問題というのがあるが、彼の発言を聞いたときに、むしろこれは、論理の問題ではなく、感情的、道義的な面で、大人は彼らの困難に向き合っているのかという問題提起をされた気がしたわけだけれど、こうした問題には、常に、ボクらの道義的な立場が問われているような思いになる。

 だから、本当はボクらは、冷静な目で、この世代にかかえる困難の実態をよく見つめなければならないのだと思う。そう考えると、この数日の加害者の育ちや生活を追ったメディアの報道は、あまりにも興味本位で、いやな気分になる。この世代の困難が、直接、犯罪にむすびついているわけではない(もちろん、根底に要因の1つにたとえそれがあったとしても)。無責任に、興味本位に、派遣や競争というものと安易にむすびつけて事件が報道されることで、若ものたちは、少なくとも、加害者と同じような絶望感や孤独感をもったことのある若ものたちは、どのようにつらい思いをするのだろうか。加害者の家族にまで、ずけずけと何の配慮もなく追い回す報道の有り様も、ひどいものだと思うけれど、この点でもメディアというものはあまりにも無神経だと思う。

 もう1つ重い気分の正体にぶち当たる。さっき「冷静な目で」ということを書いたけれども、これが結構、むずかしいのだ。若ものの困難という問題に向き合うとき、当然、大人の側のボクらも、同じように「生きづらさ」や孤独感というものを背負って生きている。だかtら、本当に求められるのは、冷静な目での、「共感」というものなのだろうけれど、つい自分の「しんどさ」を、安易に若ものに投影してしまうということもあるのではないのか。いってみれば、共依存だ。若ものの問題を解決するためにも、まず若ものが発言することが大事だ。ボクらは、共感者であるべきだ。そのためには、自分は、もっと冷静であるべきだ。「つらさ」や「しんどさ」をとおして、そんなことも考えたりする。ちょっと変だろうか?

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2008/06/10

福田ビジョンっていったい…

 今日の新聞の一面は、福田康夫首相が九日夜、都内で記者会見して発表した、地球温暖化対策に関する日本の基本方針(福田ビジョン)だ。この間も、日本政府の地球温暖化対策の内容は、国際的にも、国内の専門家からもいろいろな批判をうけている。今回も、なによりも温室効果ガス排出量削減の中期目標が、産業別・部門別に削減可能な数値を出す「セクター別アプローチ」によるものにとどまったもの。この試算では、実際には、1990年比で4%減だ(経産省)という。つまり京都議定書で義務付けられた12年までの90年比6%削減目標さえ達成できないことになる。首相は、中期目標を「しかるべき時期に発表したい」と発言していたが、ぎりぎりまで目標決定を先送りするということか。いずれにしろ、抜本的な政策転換が不可欠なこの課題、その抜本までは踏み込まず、たしかに排出量取引や環境税に言及したものの、確実な目標達成の裏づけは示めさない消極的なものにとどまったということなんだろうなあ。

 ちなみに、昨日の福田発言の全文はここ


 さて、今日は経済財政諮問会議などもおこなわれていて、「高齢者・若者・女性の220万人の雇用充実を目指す新雇用戦略、空の自由化・留学生30万人計画などの開かれた国への取り組み、強みを発揮するための環境エネルギー技術革新計画やスーパー特区の創設が盛り込まれた『経済成長戦略』が取りまとめられた」ということだ。いよいよ、骨太の議論が山場を向かえる。ここに示される自民党政治のゆきづまりということについて、しっかりみていかなければならないと思うのだが。

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「NHKに倫理違反」BRC見解 番組改変問題の判決報道

 注目の最高裁判決が12日にある。http://www1.jca.apc.org/vaww-net-japan/nhk/080612houkokusyuukai.html
 そうNHKが「女性国際戦犯法廷」番組を改ざんして放送し、日本軍性奴隷制(「慰安婦」 制度)という戦争犯罪を隠す結果になった、ETV特集をめぐる裁判である。その最高裁の直前に、高裁判決のNHK報道について、放送と人権等権利に関する委員会が、NHKの報道について公正さを欠いたの判断を下した。

「NHKに倫理違反」BRC見解 番組改変問題の判決報道(朝日新聞)

 NHKの番組改変問題をめぐる東京高裁判決を報じたNHKニュースについて、「放送と人権等権利に関する委員会」(BRC、委員長・竹田稔弁護士)は10日午前、「公平・公正を欠き、放送倫理違反があった」との見解を発表した。訂正放送や謝罪の必要はないとした。
 市民団体「『戦争と女性への暴力』日本ネットワーク」(バウネットジャパン)が「公平性を欠く放送をした」と申し立てていた。バウネットは01年にNHKが放映した番組「問われる戦時性暴力」に協力したが、放送直前に番組が改変されたとしてNHKなどを相手に訴訟を起こし、上告審判決が12日にある。
 問題となったのは、東京高裁の判決があった07年1月29日夜の「ニュースウオッチ9」。BRCは、放送の公平・公正を定めた放送法やNHKの自主基準などと照らし、裁判の一方の当事者であるNHKが、相手側の見解に触れることなく、自らの解釈を伝え、(番組編集への)介入が疑われた2人の政治家のコメントだけを放送した点を、違反と認定した。…

 BRCの見解はここ

 「放送倫理・番組向上機構(略称=BPO、放送倫理機構)」のことは、そのなかの放送倫理検証委員会の先日の、光母子殺害事件裁判報道について決定を紹介したけれど、BPOの一部であるBRCはNHKと民放により設立された「第三者機関」として報道機関による人権侵害などの権利侵害事案をあつかう。いろいろ大事な仕事をしているようだ。

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2008/06/09

レーザー・レーサー…

 ほんとうにこれほどまで凄いとは。もう驚きですね。
 北島の平井コーチは、200Mで1分記録が伸びるといっていましたが、北島は、本当に200で、世界記録を1分近く越えましたからねえ。最終的にオリンピックではどうなるのでしょうか。北島はミズノ専属でしたっけ。(そうそう、ボクも小学校のときは平泳ぎの選手でした=笑い)

 でも、これまでも器具の科学的な到達点の差が、記録に影響するということは多少はあったのでしょうが、ここまでとなると、いよいよあり方を考えなければいけません。
 浮力のあるものをつけてはいけないというルールに違反するのではという議論もこれまであったという話ですけれど、結局、そういう結論にはならなかったようです。いずれにしろ、スポーツが本来、人間の能力の限界への挑戦を競い合うことにあるとすれば、フェアで、平等でなければなりません。今後、日本の協会もそうです(使用を容認するそうですよね、あとは個人契約の問題でしょうか)が、世界でもどんな議論がなされるのか。競技の主人公は、選手です。プレイヤーズ・ファーストの精神で、スポーツ界らしい答えを、示してほしいですよね。

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有頂天ホテル

20051121007fl00007viewrsz150x 土曜日にテレビでやっていたのを見ました。ボクは、三谷幸喜の本って嫌いではありません(ものすごく好きというわけではありませんが、書く文書も案外好きです)。だから、この映画も、わりあいと面白かったです。彼の作品って評価がわかれますよね。でも、それはそれで、三谷的な見方をすればいい。第一、キャスティングは魅力だし。

 ストーリーもね。結局、みんな人間として大切にされたいんだというのがよく分かる。だから、最後は結構、ジンとくる。

 さて、今日は一日、秋葉原の事件でもちきり。もちろん絶対に許されない事件。メディアの報道からは、加害者の絶望的な声が聞こえてくる。決して許されない事件の重さを考えるうえでも、いったい何が事件を生みだしたのかを知りたいという思いがする。

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沖縄県議選結果の衝撃

 昨日、投票だった沖縄県議選の結果が、国政でも、沖縄県政でも大きな衝撃を広げている。与党はとくに自民党が惨敗し、過半数を割った。一方、共産党が躍進し、民主党が全勝した。今日は、沖縄タイムスも、琉球新報も発行されていて、社説を掲げている。沖罠タイムスは、「[与党惨敗(上)]県政への影響は甚大だ」と書いている。琉球新報は、「県議会逆転 重い負担に有権者『ノー』/国・県は民意を受け止めよ」と書く。とくに琉球新報の社説は明快。「選挙結果は、過重負担が続く米軍基地問題や「低所得層ほど負担増」になることが判明した後期高齢者医療制度など、県民生活に深くかかわる国の施策や県の対応に有権者が明確に『ノー』を突き付けた格好だ」と書く。

 当然、中央政界でも大きな波紋を広げている。もしかしたら、官邸は、これほどまでの惨敗は予想していなかったのだろうか。選挙中、後期高齢者医療制度を争点化しないためにわざわざ自民党は党幹部がほとんど応援に入らなかったという。町村官房長官は、「国政に影響を与えるかということにつきまして、直ちにコメントするのは難しい。背景として長寿医療制度の問題は否定し得ない事実」と語ったそうだ。

 沖縄からの熱い政治の思いを、今度は、本土が受け取る順番であろう。

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2008/06/08

ある死刑囚に関する随想

 今日、秋葉原で、大変な事件がおこった。通り魔的犯行で7人が死亡したそうだ。犯人は、世の中がいやになって、人を殺そうと思ったという。
 こうした凶悪犯罪とどう向き合っていくのかというのは、この社会にとっても大きな問題だと思う。
 刑事司法はどのようなあり方が求められているのか。裁判員制度に関連して、死刑や、終身刑制度創設のことが問題になっている。いろいろ考えることが多いけれど、そんなとき弁護士の阪口さんのブログをとおして、日本裁判官ネットワークのニュースにのった「ある死刑囚に関する随想」という文章に出会った。
 ぜひ、このHPにアクセスして、読んでもらいたい文章である。凶悪犯罪を犯し、死刑判決をうけ、執行された人と、それを直接担当した検事との、死刑までの間の交流の話である。読んでいて、ボロボロと涙が出てきた。書いた人は、死刑廃止反対の立場の人だけれど、実は、ものすごく大きなことを提起している気がする。簡単に答えが出る問題では決してないのだろうけれど。

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「教科書ネット」10周年記念学習会

20080607103747 昨日(7日)の午前中は、「教科書ネット」10周年記念の学習会に行って来た。

 まず、小森陽一さんが、現在の憲法をめぐる情勢について報告。あいかわらず見事な話っぷり。朝日や読売の世論調査に注目し、とくに読売の憲法世論調査で15年ぶりに護憲が、改憲をうまわまったことにかけて、この15年間とは、どんな時代だったのかということをふり返りながら、現在の対決点を明らかにした話は、さすが。

 次に、藤田英典さんが、新学習指導要領のねらいについて、講演。教育基本法の改悪(①教育目標としての徳育の列挙と「国民命令規範」の危険性、②政治・行政による「不当な支配」の危険性、③市場原理主義的改革と厳罰主義的改革の危険性)、学校教育法の改悪(教育目標の拡張と文科大臣の教育統制権の拡大が孕む危険性)で、何がもちこまれたのか説明。そのうえにたって、今回の学習指導要領の改訂の特徴について、藤田さん流の分析で明らかにする。①国家主義的イデオロギー性、②教育実践の管理的統制の危険性、③公表・パブリックコメント後の実質的修正の手続き的問題性、④公表後の実質的修正部分のイデオロギー性と修正要求源の問題性。
 話は、学習指導・学力形成面の特徴と問題性にもおよぶ。①学習時間の増加、②理数・外国語の大幅増、③総合的学習の大幅減、④体育の増加、⑤国際比較学力テスト対応。
 そして、現在、学校でおこっているさまざまな問題にまで話は切り込んだ。とくに教師のしんどさについての話はおもしろかった。

 昨日は、この会場でも、夕方の視点でも多くの人と話した一日で、だいぶ疲れました。
 一転、今日は、職場で、自分自身の書き物と、100人を超える若者たちの書いたものを読む時間が多く。だれとも話さないのかなあと思っていたら、職場からの帰り、道ばたの灰皿の前でたばこを吸っていたら、S先生とばったり。先生は、豊島のほうで講演のあと、自宅(東京南部)まで、自転車で帰る途中だった。すごいですねえ。じゃっかんおしゃべりをして、ボクの関心事についての聞いてもらった。

 なかなか、頭がすっきりと働いてくれなくて、イライラする毎日。暑いですしね。若者の書いたものを読んでいて、改めて元気と勇気はもらったけれど。

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権利としてのキャリア教育

31883621 昨年に出た本だけれど、まだ、読んでいなかった。特に理由はないけれど、論文はいくつか読んでいて、何となく、書いてある中身は想像してしまって…。手堅いだよね彼の書くのはねえ。
 でも、今度、読んでみて、よくまとまった一冊になって面白かった。「第1章 子どもと若者の進路をめぐる状況」では、「学校から仕事への移行」プロセスの変容、新規学卒就職の縮小と解体、「おとなへの移行」の困難などを明らかにし、さらにそれが若者・子どもたちの世界でどんな変化をつくりだしているかを明らかにする。「第2章 なぜキャリア教育が求められるのか」では、そもそもキャリア教育というものは何であって、どのように生み出されたのか、なぜ日本の学校にはキャリア教育が必要なのかを明らかにする。「第3章 日本におけるキャリア教育政策の展開」では、日本のおけるキャリア教育がどのように展開されているのか、とりわけ、昨今の若年雇用対策としてのキャリア教育の展開を紹介、「第4章 『政策としてのキャリア教育』の批判的検討」で、この間の「若者自立・挑戦プラン」の問題点を明らかにし、教育政策として展開されているキャリア教育の問題点を検証する。そして。「第5章 『権利としてのキャリア教育』への創造へ」で、保障されるべきキャリア教育の内実を考える。

 批判や提案は、基本的にうなづけるものばかり。個人的は、もっと、強い調子の議論や、大胆な提起もあっていいのではとは思うけれど。若者論とし、読んでも面白かったし、同時に、教育課程を考えるうえでも大事だと思った。学習指導要領の問題を、学校という視点から考えたとき、もっと、学校が、どのような力を子どもたちにつけていくのか、どのような育ちを保障するのかということをもっと議論されるべきだと思う。しかし、実際には、子どもたちが社会に出てどんな力がというキャリア教育の視点や、具体的に特別な教育的ニーズにどう応えていくのかというような視点での議論はあまりなされていないとつくづく感じた次第。

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2008/06/07

視点 2008

Shiten2008_koboten_omote 毎年行く、写真展「視点」と、レセプションに今年も行ってきました。はい。もう何年も行っているので、その年の特徴などを感じる。あいかわらず、現代というものに向き合った、すてきな作品が多かったですけれど、デジタル時代の写真の難しさをなんとなく感じた。カラーは、全体として、技巧的というか、綺麗…。
 モノクロは、どれだけ現実に接近するか、か、現実の中身を理解するか。いいドキュメンタリーをもっと見たいですね。

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祝 男子バレー北京五輪出場

 興奮しました! 涙が出るぐらいうれしかったですよ。ボクも、中学・高校のころはバレーボールの選手だったので。ちょうど、ミュンヘンの時代ですけどね(苦笑)。

 もちろん、いろいろな批判はあります。お金にまかせて、公平じゃない特権を得ているなどなど。たしかに、そういう特権を乗りこえないと世界とたたかうことはできないでしょう。それに、ボクも、あのショーは嫌いです。でも、盛り上げて、世論から支持を得なければ強くならないというのはたしかな事実です。手段は別として、努力はよくわかります。

 今度のチームは、やっとメンバーがそろったという感じですね。けが人が比較的すくなかった。チームのコンセプトもはっきりしていた。ディフェンスとスピードというのが、日本がたたかっていくうえでの欠くことができないポイントだけれど、そこをぶれずに、ある程度の攻撃力と高さも維持できたという感じでしょうか。最後の2試合の荻野さんはすごかった。情報戦という点でもすぐれているのでしょうか。

 いずれにしてもうれしい限りです。やったー!植田JAPAN!

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2008/06/06

アイヌ決議 原爆症認定集団訴訟など

 今日は、朝から会議があり、それから…。なかなか思うようには仕事はすすみませんが、いろいろ議論をしたり、新しいことを勉強したりの一日です。
 備忘録的なものになるのですが、今日のニュースから。

アイヌ民族決議を採択=文化・誇り継承「不可欠」-国会  衆参両院は6日の本会議で、「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を全会一致で採択した。決議は政府に対し、(1)アイヌの人々を独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族として認める(2)有識者の意見を聴きながら、総合的な施策の確立に取り組む-ことを求めている。  昨年の国連総会で採択された「先住民族の権利に関する国連宣言」を踏まえ、決議は「多数のアイヌの人々が差別され、貧窮を余儀なくされたという歴史的事実」を指摘。「すべての先住民族が、名誉と尊厳を保持し、文化と誇りを次世代に継承していくことは、わが国が国際社会をリードしていくためにも不可欠」とした。

 アイヌなどの問題は、絵本だとか、芝居だとか以外では接したことはなく、あまり勉強したことがありません。日本の人権の在り方という点からも大事な問題だと痛感した次第ですね。政府も、アイヌの権利の擁護のために重い腰をあげそうです。

 今日の朝刊には、次のような記事が並んだ。この間の裁判の結果は、非科学的な被爆認定に固執する政府を断罪したものだけに、上告断念は全員認定への重要な一歩になる。ただ、今日のニュースでは、最終決断は来週だとか。

原爆症仙台・大阪訴訟、国が上告断念へ(読売新聞)

 原爆症認定集団訴訟で、国に原告を原爆症と認めるよう命じた仙台、大阪高裁判決について、厚生労働省は5日、いずれも上告を断念する方針を固めた。
 ただ、原告側が求める他の地裁・高裁で係争中の人も含めた原告全員の認定につながるものではなく、今回の上告断念が集団訴訟の全面解決には直結しない見通し。原告側がこれに反発し、両判決で退けられた損害賠償請求を巡り上告する可能性があるため、両判決が確定するかどうかは不透明だ。…

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2008/06/05

現下の政党政治に関する緊急提言

 ネットで、いろいろ調べていたら21世紀臨調が、「現下の政党政治に関する緊急提言」というものを発表していた。

マニフェスト 急げ 衆院選へ21世紀臨調提言(東京新聞)

 学識者らでつくる新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)は三日、次期衆院選に向けて各党がマニフェスト(政権公約)づくりを急ぐよう促す緊急提言を発表した。
 提言では次の衆院選を「失敗の許されない重大な選挙」と位置付け、各党に準備を要求。各党のマニフェスト策定の進ちょく状況をチェックするため、21世紀臨調主催で「政権公約策定推進大会」を今秋に開く考えを表明した。…

 読んでいて、かなり焦りにも似たものを感じる提言である。21世紀臨調は、マニフェストと2大政党制による、擬似的な政治選択を国民におしつけてきたわけだけれど、最近の政治の「停滞」を前に、「せんたく」の後ろ盾になったり、政界再編成へのアプローチを仕掛ける。まあ、現実の政治の力学から考えて、一つの打ち上げ花火以上の役割は果たさないようにも思えるけれど。なかなか、政治の現実に、突き刺さないということも、焦りの正体なのだろうなあ。

 でも、あらためて「改革」の原点をマニフェストで掲げることを通じて、「停滞」の打開への期待を込めるということなのだろう。
 だから、彼らが、細川政権以来の「改革」がめさしたものを、もう一度確認していくような検証もおこなうそうだ。そんな、提言を読みながら、焦り、苛立ちの背景にあるもの。「改革」の何がいきづまり、何をいま「先送り」していて、「打開」したいと考えているのか。そこにある「矛盾」の本質を、しっかり整理するということも、たしかに大事な感じがした。「後期高齢者」にしろ、「派遣」や「格差」の問題にしろ、その背景にある自民党政治のゆきづまりを、この間の政治の流れの中で大きくつかむ。最近、『経済財政後記』を今読んでいるということを書いたけれど、読んでいて、たしかに、生きた政治同時代史というものは、わくわくするほど面白いのである。

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橋下知事、人件費など665億円削減 財政再建案を発表

 ボクは、生まれも育ちも大阪だったので、大阪の政治がどうなるかは、やはり大きな関心がある。なかなかいい知事がこの30年ほど登場しないことには心が痛むが、今回の知事のやり方もなかなかひどい。

府民反発で削減額圧縮=財政再建策の最終案-橋下大阪知事(時事通信)

 大阪府の橋下徹知事は5日、2008年度に1100億円の収支改善を目指す財政再建策の最終案を公表した。知事直轄の改革プロジェクトチーム(PT)は先にまとめた試案で、医療や福祉、教育などの事業費の大胆な削減を示していたが、府民や議会から強い反発を受けたため、削減額を試案の計330億円から同245億円に圧縮。その穴埋めのため府債発行(借金)で歳入を確保するという、知事の当初方針に比べて後退色が濃い再建案となった。…

 実物は、ここ

 時事通信の報道は好意的にも読めるけれど、これは納得できない。もちろん、財政再建というのは、誰もが反対できない大きな課題である。とくに大阪は、90年前後、りんくうタウンなど、恐ろしいほどの放漫財政をおこなったわけだから、その意味は他府県にもまして大きい。が、問題はその中身。

 まず、勝手に、一方的に、財政再建の対象の土俵を決めて、「再建」一般が大事だからと言って、反対意見を封じ込める手法は、小泉時代のそれと、同じ手法であるという印象を強くもつ。だいたい、赤字をつくった原因究明はほとんどなされていないし、その際の、金融機関など財界の責任などは、まったくふれないまま。それは全部、府民が払えと言うことなのだろうか。

 しかも、再建の中身は、膨大な量で全部読んだわけではないが、それぞれの課題ごとに一律に削減枠をはめることで、中身の即した検討は封じ込められてしまう。だから、大阪がこれまで続けてきた、放漫プロジェクト、たとえば、高速道路や、ダムや、その他大型開発も、どうも「中止」という決断は、見えてきそうにない。関空や本四架橋に大阪の負担がこれ以上必要なのか。
 大阪が特有にもつ、同和行政の放漫財政も引き続き、メスが入らない…?

 結果、私学助成に象徴されるように教育や福祉という、地方自治体が本来もっとも役割を発揮すべきものにもっとも大きなしわ寄せがおこりそうな気配だ。

 第一、現局面の、府の財政困難の直近の要因は、国の三位一体改革にあるわけだけれど、国に「国のあり方」の改善を求めていくという表現はあっても、どうも腰が引けていて、国に責任をはたせという主張はない点も大きな疑問。

 まずは、府民の意見を聞き、府民参加で議論することを重視すべきではないのか。これで、府民にお願いするというのはあまりにもかってな話のように思えてならないのだけれど。

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朝鮮有事の密約文発見 在日米軍基地使用に事前協議不要

 もう昨日になる朝日の朝刊の注目記事はこれですよね。すみませんが、まったく備忘録的なエントリーです。

朝鮮有事の密約文発見 在日米軍基地使用に事前協議不要(朝日新聞)

 朝鮮半島有事の際、米国が在日米軍基地を日本側と事前協議せずに使用できることを記した日米間の密約「朝鮮有事議事録」の公文書が米ミシガン大学フォード大統領図書館で見つかった。関連する米公文書から同密約の存在は確実視されていたが、全文が明らかになったのは初めて。日本政府は密約の存在を一貫して否定している。…
 議事録は、当日に開かれた日米安保協議委員会準備会合で両氏が述べた声明を2ページにわたって記録。藤山氏は「在韓国連軍部隊に対する攻撃によって生じる緊急事態における例外的措置」について「岸首相(当時)から権限を与えられた」としたうえで「直ちに着手することが必要とされるような軍事作戦のため、日本における施設及び地域を使用してもよい」との「日本政府の見解」を述べ、両氏が署名した形になっている。 …

 現実の歴史の展開を見れば、この密約以上のことがすすんでいる…。90年以降の一連の軍事(有事)法制などはそうですが。
 この密約がしめしているのは、日米同盟というのは、ごく最初の時期から、占領法制の延長の従属的、植民地的なものだったということが大きな特徴だということが証明されたということと言っていいんでしょうね。
 『文芸春秋』に掲載されるそうなので、手に入れて、発見があればまた書いてみたいと思います。

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2008/06/04

アフリカ会議から食糧サミットへ

 そうそう今日も朝から、5時台に起きて、3食(朝、昼、晩)をつくって、洗濯をして、しっかり主夫して出勤の一日。疲れます。でも、そろそろエンジンかけなきゃねえ。

 さて、知らないことが多いって書きましたけれど、今日の大きなニュースは、婚外子国籍訴訟で最高裁大法廷。原告少女の人権の立場から、現在の法制度を裁いたわけだけど、ボクは、この事件については、これまであまり知らなかったので、すごく反省させられた。

 大きな政治の話では、先日まで、アフリカ会議がおこなわれていて、いま食糧サミットがおこなわれている。7月のサミットでも「援助」の問題は大きな国際政治のテーマとなる。実は、この問題は、ちゃんと勉強しなきゃって思っていたけれど、ほかの課題があって、手がつかないでいた。
 ボクは、結構、外交問題をあつかうことも多いけれど、どちらかといえば、軍事的なものが多くって…。10年ほどまえにODAについて、勉強したことはあるけれど、ここ数年あまりまじめに勉強していない。当時の枠組みだけでは、解けないような視点とたくさんあって、今日から少し、にわか勉強などもはじめる。恥ずかしいことですけどね。

 帰りに本屋にぶらりとよって、読みたいなあと思った本が数冊。たとえば『米国はどこで道を誤ったか』だとか、『
世界を不幸にするアメリカの戦争経済』なんて面白そう。すぐに読めそうにないので、買わなかったけれど、面白そう。アメリカでは、民主党はオバマで決まったし、とにかく、つめて考えたいことって多いですよねえ。ふう。

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後期高齢者医療制度は低所得者の負担増

 昨日、今日と、いろいろ心乱れる心配事などもあって、しんどい一日ですが、考えなければならないことはたくさんあります。気を取り直して、朝から実務をしたり、キャリア教育や職業教育に関する文献などをちょっと読んだりして、あれやこれや考える一日。
 ニュースもいろいろなものがあり、自分は、よく知らないことが多いなあということも感じることが多い一日。

都市部では8割が負担増=低所得層の保険料-後期医療調査(時事通信)

 後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の保険料に関する厚生労働省の実態調査で、国民健康保険(国保)と比べて負担が上昇する世帯の割合が、低所得層ほど高いことが判明した。特に、東京23区や名古屋市など、都市部の低所得層では78%で負担が増えたと推計しており、これが全体を押し上げた形だ。

 調査はまだHPにはアップされていないようですね。でもこの報道。最初は、全体の負担が減ったんだということが強調されていました。ところが時間がたつにつれ、低所得者の負担増がクローズアップされるというものになっていきました。しかも都市部では8割の低所得者が負担増にと。

 バカにするなって言いたいですよね。社会保障って言うのは何のための制度なんでしょうか。
 すごく、シンプルに、ボクらは怒らなければなりません!

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2008/06/03

習熟度低ければ20人学級も 大阪府教委が小中学校の授業改革案

 3月に橋下知事が提案したことは、このブログで紹介したけれど、それをうけ大阪府教委が、構想案を作成したようだ(不思議なことに、大阪府教委のHPには掲載されていないのだけれど)。

習熟度低ければ20人学級も 大阪府教委が小中学校の授業改革案(産経新聞)

 大阪府教委は3日、橋下徹知事が掲げる習熟度別授業推進構想と、現行の35人学級制を組み合わせた小中学校の「小人数・習熟度別指導推進事業案」の概要を明らかにした。1学級の上限人数を、習熟度の高いグループは40人、低いグループは20人とするなど独自の指導方法だ。
 府立高校に関しても、土曜日の補習授業の指導にあたった教員に「教員特殊業務手当」を支給するほか、「進学指導特色校」を新設するなどの改革案を示した。この日行われた今年度補正予算案の知事査定で公表し、橋下知事に理解を求めた。…

 橋下知事のほうは、35人学級を廃止して、小学校一年から習熟度を導入するというかなり極端な提案をしているそうで、府教委の案がその抵抗案という面もあるのだろうけれど、そうであったとしても、記事を読んでいる限りは、かなり深刻な内容でありそう。何の専門的な分析もなく、俗論と思いつきで教育改革がすすめられると、これほど不幸なことはない。
 具体的な進め方、その規模などもよくわからないけれど、できればちゃんと習熟度別についての、問題をこのさいえぐってみたい気がするけれど。まずは、大阪の人たちの議論は注目したい。

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財政審、歳出削減路線の堅持を 09年度予算で建議

 財政審の建議が、発表された。今後、経済財政諮問会議の場に議論は移っていくわけである。

財政審、歳出削減路線の堅持を 09年度予算で建議(共同通信)

 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は3日、2009年度予算編成の基本的な考え方を示す建議(意見書)を額賀福志郎財務相に提出した。社会保障や教育など各分野で予算増の圧力が高まる中で、小泉政権以来の歳出削減路線の堅持を要請。高齢化で膨らむ医療や年金負担の財源として、消費税率引き上げを含む税制抜本改革の早期実現を訴えた。
 建議は、国と地方を合わせた長期債務残高が08年度末には778兆円に達する見通しについて「金利上昇で利払い費が増加し、財政赤字が拡大する懸念がある」と危機感を表明。11年度までに基礎的財政収支を黒字化するだけでなく、債務残高を「経済の身の丈にあった範囲」に抑制すべきだとの考えを示した。…

 現物は、ここ

 財政再建の任を負うのがこの財政審。
 経済政策をめぐる官邸を中心とした政治劇をどう読み解くのかは興味深い課題。日経の清水さんが何年か前に『官邸主導』という本で、経済財政諮問会議を描いたけれど、それが小泉政権から安倍政権へと移る時期に、どのように変わっていったのかを描いた『経済財政戦記』という本を今日、買ってきて読み始めている。
 福田政権の経済政策の変化や揺らぎをどう見るのか、につながる事態をちゃんとふり返っておきたいなどと思いながら。

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2008/06/02

わーい20万カウント!

 これってすごくない、という感じ。20万カウントだもんね。

 人付き合いが不得手の人間としては、今日、飲みに行っても、何か自分だけが好き勝手にしゃべって、よくなかったかなあと、結局、落ち込んでしまうのだけれど、まあ、いいかって取りなして、みなさんのご協力での20万カウントを、素直にお祝いするぞって感じ。

 でもねえ。あまりにもコメントのつかない寂しいブログですよね。
 みなさん、お祝いコメントちょうだいね今日ぐらい。できれば、ブログへの注文も書いてね(笑い)。

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在日米軍司令部

Htbookcoverimage うーん、久しぶりに刺激的な本を読んだ感じ。ぜひ、憲法や安保の問題に関心のある人は必読書かな。もちろん著者は、日米同盟支持の立場から書いているのだけれど。
 いま日米同盟に何が起きているのか。軍事戦略上の日米同盟の重要性の増大の一方で、政治的な文脈での日米関係の矛盾や低下。そういうものに切り込みながら、在日米軍司令官のライト(当時)が、どのように格闘したか? そのものでの日本の政治の矛盾や限界。なによりもそうした政治力学が、日本の自衛隊の制服組にどのような影響を与えたのか。興味ある政治劇の舞台が、独自の取材で解き明かされる。日米軍事一体化とは一体どういうことなのか。
 もちろん、軍事同盟肯定論の立場だから、その背景にある、イラク派兵などの矛盾、これから予想されるような恒久法の議論などはほとんどふれられることはないが、容易に想像されるような動きが、結構手にとるようにわたる。たとえば、防衛省昇格とはなんだったのか。
 アメリカ政治のダイナミックな動向と、そのもとでの日本政治の文脈――これはなかなか読み応えがあります。問題は、どんな枠組みの中で、日本の軍事当局の力学が働いているのかという問題。うーん。これは大事な問題。
 その1つが、日米軍事一体化とは何か。それが大事な問題。そこからくる重要問題が、安保と自衛隊。これはとても深い深い問題です。

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ワタミがアルバイトに賃金未払い 内部告発の店員を解雇

 ワタミがアルバイトの賃金を正当に支払っていなかったことに対して、是正がおこなわれたことが大きな話題になっている。が、その問題には後日談があって、労働争議にすすみそうな状況だ。内部告発をした店員を解雇したというのだ。いやはや、ありそうな話。

ワタミがアルバイトに賃金未払い 内部告発の店員を解雇(朝日新聞)

 「ワタミ」(東京)のグループ会社で、居酒屋「和民」などを全国展開する外食大手「ワタミフードサービス」(同)がアルバイト店員の勤務時間を一部切り捨て、正当な賃金を支払っていなかったとして北大阪労働基準監督署の是正勧告を受け、217人に計約1200万円の未払い賃金を支払った。一方、元店員の20代の男性が「内部告発に対する報復で解雇された」と主張。同社に慰謝料などを求める訴訟を2日にも起こす考えだ。…

 ネットでいろいろ調べると、ワタミという、教育再生会議の委員を務めた人をトップにもつ、「気高き」企業は、毎年大量に社員を採用しているという。つまり、離職率がものすごく高いのだ。たぶん、そうとうな働かせ方をしているのだろう。
 昨日のシンポジウムでSHOP99の正社員の離職率は95%だという話があった。これって、ちょっと想像を絶する数字である。契機は回復しても、そう、就職戦線の状況がいいわけではない。売り手市場というのは限られた市場にすぎないことは注意しておく必要がある。それをいいことに、どえらい働かせ方を強いている。SHOP99の清水さんは4日間で80時間働いたという。命があったのがみっけもの。

 ワタミの例でもそうだけれど、ボクらの周りには、ワタミもSHOP99も、最近話題になった、マックもコナカもセブンイレブンも全部、あたりまえのように存在する。そんなところで、異様な働かせ方がおこなわれている。そのことをよく見なければいけないのだと思う。

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2008/06/01

『ロスジェネ』創刊 その他『フリーターズフリー』のことなど

Losgene1_200 『ロスジェネ』が創刊され、各方面で話題になっています。注目して手にとった。ただ、注文したがなかなか現物がとどかなかったので、やっと一昨日手に入れたばかりなので、まだ、頭の3本しか読めていない。まずは、第一弾としての感想です。

 なによりも、若い世代が、自らの思いや考えを自らの手で、社会的な発言していく場ができたということの意味はうけとめたい思う。少し話は違うけれど、先日の9条世界会議のときも感じたけれど、いままで、発言や表現の場がなかった世代が、主役となって、発言していたということをものすごく感じたし、その意義はとてつもなく大きいと思った。(問題は、なぜそういう発言の場がないのかということにあるのだけれど、それはそれで、また日を改めて、論じたいとは思っているのだけれど)

 内容についても、いろいろな評価がある。それは当然だけれど、ボクは個人的には読み始めてみて、意外と(といえは失礼?)おもしろいしとは感じるところは少なくはなかったし、耳を傾けたい。たとえば2番目の杉田さんの論文は、結論はもちろん同意はしないけれど、結構、刺激され、おもしろかった。この人の書くものは、以前にも読んだことはあったけれど、十分引きこまれた。すでに今度の、『無能力批評』も手に入れているけれど、よし読んでみようと十分思わせてくれた。雨宮さんのものは、彼女の本を読んでいたら、まあすでに読んだことがある話がほとんどだけれど、短い文章のなかで、彼女の主張のポイントがちりばめられていて、なるほどと思いながら読んだしだい。
 ぜひ若い人の感想を聞きたいなあと思ったのが、冒頭の赤木さんと浅尾さんの対談。ボクのようなおじさんの世代から見れば、もう少し、赤木さんの議論に迫ってほしいと思ってしまう(その背景などをえくってほしいと)のだけれど。だからもっと赤木さんに主張が強くでてほしいという感じが正直いってあって、物足りなさを感じたのが実感。浅尾さんとの議論は、あまりかみ合ってないと言うか、少し、大澤さんの入った議論のところでおもしろいところはあったかなあと。それに、現代の蟹工船と銘打っているのなら、浅尾さんには、そういう力の出し方ができないのかという不満もある。このあたりは、おじさん的発想だなあとは自覚はしているのだけれど。そんな感想をもたせてくれたのが、赤木さんを登場させた意味か。

Ffhyosi でもまあ、まだ全部読んでいないので、確定的なものではないけれど、同業者の目から論評すれば、まだまだ、雑誌のコンセプトがはっきりしないというのが正直な感想でもある(ごめんなさい)。『フリーターズフリー』を最初に手にとったときのほうがインパクトは大きかったというのが実際にのところだけれど。大きな注目の中での船出が、この雑誌にとって幸いなのか不幸なのか、そのことも正直よくわからない。「右と左は手を結べるか」というコピーをつけているが、最初の三本を読むかぎろは、もしろ、単純に連帯を模索するまじめな議論でもある。刺激的なコピーを打つことが、こうした雑誌や雑誌にかかわっている人たちにとって、効果的なのか、いいことなのかどうなのかというのもボクには正直判断はつかない。もっともっと、彼ら自身もぜひ悩みながらすすめるのだろう。

 『ロスジェネ』という名前だけれど、その世代のリアルな実態そのものに迫るというよりは、むしろ当事者たちの内的な言葉の発露というものが重視されている(つまりこの世代を代表する議論とは思わない)。また、その言葉がどこに向かっていくのか? また、それがボクは知っている、この世代全体の思いと、うまく重なっていくのかどうなのか? 正直、まだまだよくわからない。でも、この雑誌にしろ、『フリーターズフリー』にしろ、発信し始めた彼らの声には耳を傾けていきたいと思うのだ。

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シンポジウム「労働無法地帯」

20080601142335 首都圏青年ユニオンを支える会の主催した「労働無法地帯」というシンポジウムに参加してきた。シンポジウムの出演者は、全労働省労働組合 森崎巌書記長、首都圏青年ユニオン顧問弁護団 笹山尚人弁護士、首都圏青年ユニオン 河添誠書記長の三人。なかなかおもしろかった。
 森崎さんは、文字どおり、労働行政、労働基準監督官の側から見た、労働の無法の実態を報告。昔は、経営者の側で、だいじな息子さんをお預かりするというような意識があったが、いまは商品(モノ)としてあつかわれているとの指摘があった。笹山さんは、この間の、労働審判や争議の実例から見えるモノを報告。弁護士にもちこまれる案件は、解雇・雇い止め、セクハラ・パワハラ・いじめ、残業代の3つだそうだ。なぜ、労働条件の悪化がもちこまれないのかと問題を提起。河添さんは、アッシュ、SHOP99、すきやなどのたたかいを報告した。
 今日、いってよかったなあと思ったのは、アッシュの柳さん、SHOP99の清水さんという実際に名前を出してたたかっている若ものの話を直接、聞けたこと。活字では何度も読んでいたけれど、実際に話を聞くと、そのとき、どんあ状態だったのか、どのようにたたかう決意をかためていったのかなどよく分かる。ボクは、首都圏青年ユニオンの大事なところは、たたかっている課題もそうだけれど、そのたたかいの経過というのが学ぶべき大きな点だと思っているので・
 討論のなかで、笹山さんが言っていたけれど、弁護士のなかでも、依頼をまつのではなく、まず自ら現場に足を運び、現場とのかかわりを重視する動きが広がっているという話があった。非正規のたたかいもそうだし、生活保護の問題などもそうなのだと思う。

 そうはいっても、青年ユニオンのような小さな組合の運動は、それはそれで、大変で、困難だ。支える会というものをつくって財政的な支援がおこなわれているけれど、支える方も忙しい方が多いし、大変だ。まだまだ模索は続くのだろう。ただ、岐阜の青年ユニオンや山梨の青年ユニオンでも、サポーターというのを50人組織しているという報告があった。そんなところも注目をしたいという気がした。

 まだまだくみつくせいていない、学ぶべきところがたくさんあって、たくさんの刺激をもらったシンポジウムだった。

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