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2008/05/08

就職氷河期世代のきわどさ

 数日前のことになるけれど、財界との関係も深いシンクタンクの総合研究開発機構(NIRA)が、「就職氷河期世代のきわどさ―高まる雇用リスクにどう対応すべきか」という報告書を出してメディアでもちょっとした話題になった。そのときは、「『就職氷河期』に急増した非正規雇用の労働者が現在の低水準の賃金で十分な年金が確保されないまま置かれ、老後(六十五歳以上)を迎えた場合、七十七万四千人が生活保護受給者となり、そのための追加的な財政支出が二十兆円にのぼる」ということが注目をされた。それはそれで、大きな問題なのだけれど、この報告書そのものが言っているのはそれだけではない。

■ 概 要  本研究では、就職氷河期を若年非正規雇用増加の一事例としてとらえ、若年非正規雇用の抱える問題点を考察した。今日の非正規雇用者の中には、家計の主たる所得稼得者も少なくない。また、一度、非正規雇用となった若者が正規雇用に移行することがきわめてむずかしくなっている。非正規雇用は能力開発が難しく、雇用不安の問題とともに、生涯、低所得のままとなる危険性も少なくない。本報告書では若年非正規雇用は、今後の日本社会に大きな影響を与える問題であることを示すとともに、若年非正規雇用問題への有効な対応策として、非正規雇用を組み込んだ新しい制度設計と大規模な就労支援を早期に行っていくことを提言する。

 つまり、冒頭で紹介した問題だけではなく、また、いわゆるロストゼネレーションと呼ばれる世代だけを問題にしたのでもなく、現在の若年労働者の問題全体を視野にいれた議論になっている。
 もちろん、この報告書の作成にはトヨタの人事部長や財界を代弁しての雇用の流動化を主張してきた研究者も参加していることから見ても分かるように、現在の非正規雇用の拡大にストップをかけようということを言っているわけではない。しかし、この非正規の拡大はもたらしている問題そのものはもはや無視できない問題を生みだしているということそのものに踏み込んでいることは、財界のなかでも、こうした矛盾をどう感じているのかについて認識がわかるものとして、十分注目していいようだ。

 報告書の全文はここ。

 まだ、読みこなしたわけではないけれど、注目したい動向(議論)である。

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