兵士たちが記録した 南京大虐殺
今日(もう昨日ですね)は、朝から取材、会議、取材と忙しい一日。ただ眠い一日だった。その理由は、深夜にNNNのドキュメント’08の「兵士たちが記録した 南京大虐殺」を見たからだ。
日中戦争真っ只中の70年前、南京陥落時に起きた南京大虐殺。様々な論議を生み、虐殺の人数さえ両国の間で大きな開きがある。その事件について、20年間身を削るような調査を続けてきた人がいる。彼が探り当てたのは、兵士が最前線で綴った「陣中日記」。そこには日本軍が中国人捕虜一万数千人から二万人を一挙に虐殺したことが記されていた。また日記からは、勤勉に田畑を耕し家族を愛し、生きるのに懸命だった農民が、突然戦場という異常な世界に放り込まれ、殺戮者に変貌していく姿が浮かび上がる。陣中日記をもとに虐殺の軌跡を追う。
番組で紹介された小野さんの発掘した資料は、ボクもかなりお世話になっている。その資料が、どのようにして見つけだされたのか。彼の仕事には正直頭が下がる。そして、そのことを通して、南京の起こった事件が、正面から番組のなかで再現されていた。勇気ある番組である。
こうした調査の積み重ねが、「南京虚構説」というほんの一部のとんでもない議論をのぞいては、虐殺を否定できない共通の土台をつくったことは明らかだ。
まだ、ボクらも知らない、そして、まだ、伝えるべき事件の真相は少なくないように思える。とかく冷静な議論がなされない、この南京の事件。だからと言って、事実の発掘には目をそむけるべきではない。困難な、ねばり強いこうしたとりくみが、歴史認識を太くし、アジアの明日をつくるのだろう。こうした努力の成果を、真摯に学びたいと思った。
そんなわけでチベットは明日かな。
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