入学式:入学金未納、式に出さず 新入生2人、別室待機--千葉の県立高
ちょっと、驚くニュースだった。こんなことが…
入学式:入学金未納、式に出さず 新入生2人、別室待機--千葉の県立高(毎日新聞)千葉県八千代市の県立八千代西高校(大迫太校長、339人)が、入学金未納の新入生2人を入学式に出席させなかったことが12日分かった。大迫校長は「授業料滞納が目立ち、未納は負担の先送りと思った」と話すが、県の公立高校教職員組合は「非教育的対応」と批判している。
県教委と同高によると、新入生159人に、入学金、教材費など9万円を8日の入学式に持参するよう求めていた。男女各1人が「お金が用意できない」などと持参せず、式直前、校長がそれぞれの担任に別室での待機を指示した。2人は約40分の式の間、教室と会議室で待機した。…
ちょうど、高校生の教育費について、いくつか調べものをしていた。いま、高校生をめぐっても、「貧困」の影が大きく覆っていはじめている。
ご承知のように、国連人権A規約には13条の2には、次のようなものがある。
第十三条
2 この規約の締約国は、1の権利の完全な実現を達成するため、次のことを認める。
(b) 種々の形態の中等教育(技術的及び職業的中等教育を含む。)は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとすること。
(c) 高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること
高等教育費の問題については注目されているが、高校を含む中等教育については当然のごとく無償化を求めている。この社会権規約を日本は批准しているが、この13条2b、cについては留保している。それは批准国のなかで、日本とルワンダ、マダカズカルだけである。
そして、高校の教育についても、「教育権」の保障という視点と、社会保障的な対応が欠かせないわけだと思うけれど、日本の社会保障の制度は、とくにこの高校の教育費については、十分なサポートがあるわけではない。
そうしたもとで、公立高校が、子どもの教育権を保障するという視点で、この「貧困」の問題に誠実に向き合うという役割をはたさなければならないときに、これはどういう事件だろうか。
学校が、子どもの成長を願うという、当り前の思いとは違う価値を優先させたとき、学校に何が起きるのだろうか。「貧困」の問題と「学校」の問題。この事件が問いかけていることは、大きい。
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