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2008年4月

2008/04/30

「米軍違憲」破棄へ米圧力 59年の砂川裁判 一審判決直後 解禁文書で判明

 これは歴史的なスクープですよね。

「米軍違憲」破棄へ米圧力 59年の砂川裁判 一審判決直後 解禁文書で判明 駐日大使 最高裁長官と密談(しんぶん赤旗)

 安保条約にもとづく在日米軍の駐留を憲法違反とした一九五九年の砂川事件・伊達判決に対し、米駐日大使が当時の最高裁長官と「内密の話し合い」をもつなど、判決破棄へ圧力をかけていたことが米政府解禁文書で明らかになりました。国際問題研究者の新原昭治氏が今月、米国立公文書館で入手したもの。米軍駐留違憲判決に対する米側の衝撃ぶりと、干渉を無批判に受け入れる日本側の異常な対米従属ぶりが分かります。…

 伊達判決というのは、いうまでもなく一九五九年三月三十日の砂川事件の一審判決(東京地裁)で、安保条約のもとで米軍が「極東」に出動することは、日本を直接関係のない戦争に巻き込むおそれがあり、また保持を禁じた「戦力」にあたるとして、米軍駐留は憲法前文、九条二項違反とした判決。この判決に危機感をもった支配層の裏側の記録というわけだ。
 弁護士の阪口徳雄さんが、田中耕一郎最高裁長官の人となりを紹介しながら、「最高裁の歴史上、大きな汚点である。田中耕太郎長官の行為は、最高裁にとって恥ずかしい、司法の死滅行為」と批判している。こちらも参考になるので、ぜひ。

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衆院で暫定税率を再可決 の日

20080430215531 職場を夜10時少し前に出て、駅に向かう途中、ガソリンスタンドの前で、車の順番待ちが続いていた。

衆院で暫定税率を再可決 みなし否決56年ぶり適用(東京新聞)

 ガソリンにかかる揮発油税の暫定税率を復活させる税制改正法は30日午後、衆院本会議で自民、公明両党など出席議員の3分の2以上の賛成多数で再可決、成立した。ガソリン1リットル当たり約25円の暫定税率は5月1日、1カ月ぶりに復活。原油価格の高騰もあり、レギュラーガソリンの全国平均小売価格は5月中に1リットル当たり160円を突破する見通し。福田康夫首相は「歳入不足が継続する無責任な状態を解消する必要がある」と述べたが、民主党などは猛反発、国会攻防の激化は必至だ。…

 ほんとうに福田政権というのは、末期症状だと思う。自分が掲げた一般財源化ということと、今日の行為が矛盾するということがどうして理解できないのだろうか。十分な説明のない「増税」は、結局は、自らに帰ってくるしかないのだ。そして、後期高齢者医療制度による反乱。

 さて、自民党はこのゆきづまりをどうするのだろうか。いよいよ麻生さんでも出すつもりかと思っていたら、麻生さんをめぐって、次のような話が出てきている。「週刊現代」(2008年5月10日・17日合併号)が「麻生太郎『政治資金で飲み食いまくり』の実態」を報じているのだ。まあ、もともと、自民党の政治資金の「出」なんて言うのは、法律の網の目をくぐって、ほとんど「闇」の中であることは、このブログでも紹介してきたけれど。
 その問題点を、上脇先生のブログが解説して役に立つ。

 やはり、自民党政治は変えなければならない。つくづくそう思う。

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涙と怒りの声 新老人医療制度

 昨日、深夜に寝ようと思って、何の気なしにテレビをつけてみたら、TBSでドキュメント・ナウという番組をやっていて、思わず見入ってしまった。「涙と怒りの声 新老人医療制度」という番組。後期高齢者医療制度の対象になる人々の実際の生活や、担当する医療機関(中野共立の診療所だった)をおう。わずかな年金暮らしや、年金がなく貯金をきりくずして暮らすお年寄りたちに襲う、うば捨て医療制度…。何をどう言い訳しようが、それは医療費を抑制するためのものでしかない。激しく怒りが沸いていた。

 番組では医療機関のすすめる署名、医師会の反対の声なども紹介していた。隠しようのない大きな怒りだが、いまの自民党政治にはそれを回避するものはない。怒りを背景にしたたたかいは、ほんとうに大きく広がるにちがいない。いや広げなければならない。

 この番組は、ネットではまったくその内容を紹介されていなかった。だれが恐れているのだろうか。

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2008/04/29

硫化水素 自殺

 香川、宮崎、山梨、福島、大阪、栃木…。今日の硫化水素自殺のニュースである。3月以降50人を超え、日々増えているようだ。少し前には、練炭自殺というものがはやったけれど、より手軽にしかも一人でできるということなのだろうか。

 毎年、自殺は増加している。日本は間違いなく、自殺大国でもある。
 これだけ、硫化水素自殺が続くと、その裏側にあるものを知りたくなる。

 臨床心理士の碓井真史さんという方が、次のようなHPをつくっていた。http://www.n-seiryo.ac.jp/~usui/news/jisatu/2008/hydrogen_sulfide.html

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岡部伊都子さん死去

岡部伊都子さん死去=随筆家、日本の伝統美とらえる(時事通信)

 日常生活の機微や日本の伝統美をきめ細かくとらえたエッセーで知られた随筆家の岡部伊都子(おかべ・いつこ)さんが、29日午前3時59分、肝臓がんによる呼吸器不全のため、京都市の病院で死去した。85歳だった。葬儀は近親者のみで行い、しのぶ会を5月31日午後2時から京都市上京区寺町通荒神口下ル松蔭町141の2の洛陽教会で開く。
 大阪市出身。結婚・離婚を経て、1954年から執筆活動を開始。ラジオ番組のために書いたエッセーをまとめた「おむすびの味」で認められ、随筆家としての地位を確立した。その後「女人歳時記」「おりおりの心」「二十七度線 沖縄に照らされて」「暮しの絵暦」「生きるこだま」などの作品を発表。06年には語り下ろしの自伝「遺言のつもりで」を発表し、話題となった。 
 幼いころから病弱で、作品には常に弱者への優しいまなざしが注がれた。次兄と婚約者を戦争で失った経験を持つことから、徹底的な反戦論者としても知られ、戦争や差別、環境などの社会問題に関する発言も積極的に行った。

 結局、縁がなくて、いっしょに仕事をさせていただくことがなかったけれど、岡部さんの書く随筆は心が打たれた。電話では、何度かお話させていただいたことがある。か細い声だけれど、平和への思いの強さは、短い時間のなかでも強烈に伝わってきた。お住まいが、ボクが京都に住んでいた場所の近所だった。ご冥福をお祈りします。合掌。

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時間がないぞ 困ったなあ

 今日も、仕事でーす。何とも、さえない感じで、悶々としながらいろいろ学ぶ一日です。時間がないぞ。でも、正直言って疲れています。困ったなあ。

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それでもすっきりしない日々

 ちょっと、こだわっている光市母子殺害事件。弁護団の冊子は、読了した。個々の弁護士の発言は、政治的なニュアンス――裁判所批判――とがあって、本人たちは中立のつもりであっても、なかなか説得力をもちえなかったのだろうか。ただ提示されている論点は、それはそれで重要だと思うことはすくなくない。何が真実なのかボクには判断できず立ち往生。

 すっきりしない点を、よく整理してくれているのが、BPO(放送倫理・番組向上機構)の放送倫理検証委員会が出した報告。光市母子殺害事件の差戻控訴審に関する放送についての意見
メディアの報道が、いかに、偏ったものであったかを中立の立場で検証してくている。メディアは、ただ、被害者・検察と弁護団とを対立的に描き、弁護団の主張を荒唐無稽にように報道したが、そこには、検察がどのように今回の事件を立件し、最高裁が、なぜ差し戻しで死刑について審理をするように命じたか、それにたいし、弁護側はどのように主張したのかということについて検証するような報道はなかったと。この報告は「大いなる凡庸」といい、凡庸報道ほど、刑事事件の報道で危険なことはないと指摘している。結局、ボクらには、何も正確なことが届けられていないのだろう。

 メディアの報道のありように批判があつように、裁判自身のありようや、そして弁護団の弁護方針にも批判はありうるとは思う。現実に、多少冷静に議論する人のあいだでも、弁護団についての批判はあるようだ。

 ボクが弁護団の冊子を読んでいていちばん気になったのは、精神鑑定をめぐる問題。鑑別所や家裁段階での証言や判断との関係でも、この野田さんによる鑑定は非常に重要なポイントをなしているような気がするのだけれど、そのことがなぜ、裁判官にも、メディアにも受け入れられなかったのかということ。
 神戸連続児童殺傷事件で少年審判を担当した元裁判官の井垣康弘弁護士が時事通信の取材で、次のように言っている。「法が犯行時18歳以上の少年に死刑を認めているのは、成人と同程度に成熟していることをイメージしている。しかし、元少年は父から虐待を受け続け、中学1年時には実母が自殺し、 人格の正常な発育が止まった。体は大人でも「こころ」は中学生程度であるとすると、 死刑判決は全くの間違いだ。法律家は心理の専門家(少年鑑別所技官・家裁調査官・大学の心理学ないし精神医学の教授)の説明を理解する基礎的能力がない。全くの素人という前提でよほどかみ砕いて説明し直さないと、最高裁も危ない。心理学者はこの際、家裁の記録も含め社会に開示して理解されるかを試し、『素人にも分かってもらえる説明の仕方』を勉強してほしい」。

 もちろん前提に、18歳以上の死刑という基準をどう理解するかということがあるけれど、「こころ」は中学生程度という立証がないと、その議論もなりたたかい。井垣さんは、この点で、弁護団の方針は成功していないと言いたいのだろうか。鑑定書と、それに判決がどうこたえなのか――ちょっと読んでみたいと思った。

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2008/04/28

HERO

20070807001fl00001viewrsz150x 夜、仕事を終えて帰ると、つれあいが、「HERO」を見ようという。そんでもって、この映画を見ること。もちろん、つれあいはいつものように途中で眠ってしまうのだけれど。
 こんな映画のように、正義というものを、司法がまぶしく語ることができれば、どんなにいいでしょうね。ただただ、そう思ってみている次第。

 映画として、この映画がすてきなのは、一にも二にも、松たか子でしょうね。やっぱり。

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2008/04/27

シッコ

 20070608011fl00011viewrsz150x 見なきゃいけない映画で、見逃しているものが多くって、ちょっと恥ずかしい。でもねえ、なかなか映画館に行く時間も余裕もないんです。ケアされていないです(笑い)。今度の講師で、ちょっと使えるかなあと思ってあわてて見た次第。ストーリーは言わずとしれた内容。

 ドキュメンタリー監督マイケル・ムーアが、4700万人の無保険者だけではなく、保険料を支払っている数百人にもマイナスの影響を及ぼすアメリカの医療システムの実態を明らかにする。カナダ、イギリス、フランスを訪れ、国民全員が無料医療の恩恵を受ける国の事情を見つめながら、アメリカの混乱した医療制度を浮き彫りにしていく。

 見ていて、恐ろしかった。そして、あらためて驚いた。最後は、ほんとうに泣けてきた。アメリカの実相もそうだけれど、日本がいまどこにいるのか。かつて日本の医療制度は、皆保険のお手本様なものだったはずだ。でもいまわどうだろう。そして、現在の「医療改革」なるものが、何をつくり、どこをめざしているのか?

 この映画が、作品の内容ほど注目されなかったのは、なぜだろうか? DVDも、大きなレンタル屋なのに、たった1本しかなかった。ここにも、日本のいまがあると思うと、ほんとうに恐ろしい。ボクらは、日常でいろいろ考える基準が、もうすでに「人間らしさ」というところから、かなりずれてしまっているのかもしれない…。

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日本人はどこまでバカになるのか

02989522 刺激的なタイトルの本である。それだけに、内容的には正直、かなり荒っぽい。PISA型学力というものについて、十分な検討抜きに議論しているところなどはその典型だ。
 けれど、内容的には、十分説得力があるし、おもしろい。第一、全体として、教育問題の議論のさいに、論者がさける傾向にある、「学力はどうあるべきか」ということについて、踏み込んで議論している。だからこそ見えることがたくさんある。尾木さんは、あえて、そういう役回りを引き受けようとしているのだと思う。やっぱり、えらい人だ。

 学力テストの問題なども、シンプルで的を射ているし、尾木流のフィンランドの教育の解説も、ほかのフィンランド論にない視点もあって、わかりやすかった。

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2008/04/26

聖火リレーとチベットと

 今日は、一日中、どこに言っても、長野での聖火リレーの様子がテレビで報じられ、話題を独占していましたね。見ていて、違和感だらけけだし、走っている人たちも、とくに選手たちは可哀想でした。

 違和感の正体ってなんでしょうね。第一、選手たちの思いはまったく横に置かれてしまっているということ。ボクは政治とスポーツが無関係だなんて思わないし、アスリートが、スポーツという文化にかかわる人間として、政治的な主張をおこなうことなどは、大いに歓迎するべきことでしょう。そんなことがまったく無視されている。と、同時に、テレビに出てくる人たちも、どれだけ当事者に近い目線で主張しているのかもよくわからない。

 チベットにかつて、大きな人権抑圧があったということは否定のできない事実だと思う。同時に、現在、大きな騒乱があって、中国政府が抑圧的な対応をしているということも事実だろうとは思う。でも、その騒乱のプロセス・内容――暴力がどのように介在するようになっているのかなどは、もう一つ定かではないし、メディアも、そういう事実認定には、まったく積極的ではない。一口に、人権抑圧だとか、政治的抑圧というけれど、国内法・国際法にもとづいて、何が問題になっているのか、つめた議論はさっぱりわからない。

 もともと、あまりにも、政治的主張を先行する団体の思惑が錯綜している。すでに、一部のメディアでは報道されているが、チベット青年会議は「ダライ・ラマの亡命政府とは関係のない組織で約3万人が参加し、世界40カ国以上に出先があり、チベットの完全独立を要求して近年は活動を活発化」「『高度な自治』要求や非暴力主義を掲げるダライ・ラマとは意見が異なる」という。しかも、チベット青年会議だけでは、どうも世界的に繰り広げられている抗議行動は無理なようで、当然、アメリカの本部をおくような組織も介在していると言われている。しかし、「チベットの独立」だとか、民族自決権をどう考えるかは、まえにも書いたように単純ではない問題がたくさんあると思うけれど、中国政府とダライ・ラマが、公式の発言としては、おこなっている、「高度な自治」ということをベースに対話がはじまるというのは、何よりも現実的ではないのだろうか。

 もちろん、ボクは、この問題の根底には、人権という普遍的な価値を置くべきだと思う。しかし、そのときに、人権を口実にした、大国の思惑やその政治的主張によって、政治的介入がおこなわれることはさけなければならないと思う。人権という問題にかかわる世界のルールがいまだに、発展過程にある以上、政治的思惑によって生じる外からのダブル・スタンダードということは、どうしても避けなければならない問題だと思うのだ。
 だからこそ、当事者の責任は重い。歴史的経過から見ても、さまざまな問題=歴史的な課題と言っていいような問題があるのは事実なのだから、中国は、まず事実認定にかかわる説明をすべきだし、解決の努力の内容をもっと説明するべきだ。中国がチベット問題――それは人権の1つの根底にある経済格差の問題もふくめ、その解決のためにどんな政策をおしすすめているのかということについても、もっと説明するべきだと思う。その意味で、主観的な中国脅威論に立った、議論や報道も謹んでほしいとも思う。

 ことの進行は、中国は、ダライ・ラマとの対話を模索し、「国境なき記者団」のメナール事務局長も長野でのリレーが「他の民主主義国家よりもはるかに成功を収めた」と述べ、「ここでは良好な雰囲気の中、チベットの旗を振るチベット人と赤い旗を持った中国人が隣り合っているのを見ることができた」と強調したという。全体として、こうした動きが、冷静な対話となっていくことを望むし、歓迎するものだけれど、はたしてまわりの政治的思惑はどう影響するのか。
 ボクは、中国政府の責任を免罪するつもりはまったくないけれども、少なくとも、ボクらは、まず当事者が何を発言し、何を行っているのかということに、もっと冷静な注目をしたいとつくずく思うのだけれど、どうだろうか。

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松下子会社「偽装請負」認定=内部告発で解雇、男性の地位認める-大阪高裁

 実は、GWに、経験したことのないような大きな学習会の講師をする羽目になり、ちょっとあせって準備をしなくては、いけなくなりました。かなりオリジナリティも求められるテーマでもあるので、悪戦苦闘しています。そんなわけで、今年はまったく世間のGWとは無関係に、仕事づくめの毎日にということに。トホホです、ほんとに。準備の成果を、いつか、このブログでも紹介できればいいんですけどねえ。

 さて、一日遅れのニュースになりましたけれど、今日の朝刊にはうれしいニュースが踊っていました。

松下子会社「偽装請負」認定=内部告発で解雇、男性の地位認める-大阪高裁(時事通信)

 松下電器産業の子会社「松下プラズマディスプレイ」(大阪府茨木市)に派遣され働いていた男性が、内部告発を理由に不当解雇されたとして地位確認や慰謝料などを求めた訴訟の控訴審判決が25日、大阪高裁であった。若林諒裁判長は、雇用形態が業務請負の形を取りながら実際は受け入れ先企業の指示で働かせる「偽装請負」だったと認定した。
 その上で、隔離職場で働かされたことへの慰謝料45万円の支払いのみを命じた一審判決を変更。松下プラズマと男性の直接の雇用関係が成立するとして地位を認め、未払い賃金など計約692万円の支払いを命じた。

 何よりも、偽装請負という問題を社会に知らしめた、このたたかい。吉岡さんは、告発のあと、期間工として直接雇用されたが、単独の職場での作業を命じられ、06年1月には契約期間満了を理由に雇用を打ち切られたわけです。その後、一審では不当な判決がありましたけれど、ねばり強いたたかいのすえの、大きな勝利です。キヤノンや日亜化学などのたたかいにも大きな影響をあたえそうです。キヤノンだって、偽装請負の告発のあと、直接雇用をすると言っていますが、結局は、期間工と派遣を交互にくりかえす、脱法行為をおこなおうとしているわけです。非正規という、異常な働かせ方にあくまで固執し、儲けを追求しようと言うのが、大企業のあらわな姿であり、常用代替を禁止するという、ほんらいあるべき労働法の基準にたった対処を回避しようと言う政治の在り方が問われているのです。吉岡さんたちのたたいかいと司法の判断をうけ、派遣労働者の権利を守るため、法の抜本改正に向けて、今度は政治が責任をはたすことがもとめられています。

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2008/04/25

こどもまつり実行委員会

 ボクの住んでいる地域の、自主的なとりくみにこどもまつりというのがあって、毎年1500人~3000人ほどの人が集まる。もともとは、民営の学童保育の行事が発展したものだけど、いまは子どもにかかわる市内の団体が集って、開催している。ことしは5月の11日。
 今日は、その実行委員会。ボク自身は、当時は、学童のなかの任務分担で、どちらかといえば、準備にはそれまで中心的にかかわってきたわけではないけれど、これまで中心になっていた人が急に仕事の事情でできなくなって、急遽、ことしは久しぶりにいろいろかかわる羽目になった。ただ、かかわる身分はあまりはっきりしない(笑い)。

 まあ、その苦労話や面白い話は、後日するとして、中心人物が、急にいなくなったため、ボクやボクのまわりいる、ボクと同時期に学童にかかわっていた友人たちを再結集して、とにかく事務方の格好をつくって(笑い)。まあ、なんとか、乗り切れそうかなあ。おまけにお金のない団体ばなりなので、事務局の経費をつくるため事業活動などもはじめようとしたして。パワーのある連中を、とにかく集めようと言う話。

 みなさんにも苦労はかけますけろ、成功すればいいのですがね。

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2008/04/24

思いやり予算否決へ 参院外交委、25日には承認

 3月の時点で、何度か書いた話題だけれど、思いやり予算が、いよいよ参院で否決される。

思いやり予算否決へ 参院外交委、25日には承認(中日新聞)

 在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)に関する新たな特別協定案は24日昼、参院外交防衛委員会で採決し、民主、共産、社民各党などの反対多数で否決された。25日の参院本会議でも否決されるのは確実。ただ、条約の一種である特別協定は憲法規定で衆院議決が優先されるため、同日中に衆参両院協議会を経て承認される見通しだ。…

 ボクは、知らなかったのだけれども、条約の類が、国会で否決されるのは、戦後はじめてだそうだ。戦後の条約の枠組みは、日米同盟にあるのだから、これまで、日米関係全体とされていたものが、今回、はじめて否決されることになる。日米同盟、日米関係絶対視というものは、もはや常識ではなくなった――この一点をもっても、大きな歴史的な事件だと思う。

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光母子殺害事件で感じること

 高裁の判決は、ボクのなかで、やはりすっきりしないでいる。そこで、弁護団はいったいどういう主張をしているのかと思って、彼らの主張の書いた本を手にいれて読み始めた。考えてみれば、報道では、判決が「荒唐無稽」という、ドラエモンうんぬんということばかりが強調されていて、弁護団の中心的な論点は、必ずしも、よく紹介されているわけではない。そういう意味では、この事件が公正に報道されてきたわけではなかったことは、否定できないと思う。

 そして、この事件の最初の段階では、大きく事実が争われたわけではなかったので、事実認定ということについてどんな争点があったのかということも、あまり報道されることもなかった。そして、途中から、被害者の救済という論点ばかり光があたって(もちろん、この点そのものは十分な議論が必要な点であるのだとは思うけれど)、この「事実」にかかわっては、メディアにおいて十分検証されたとは思えない。
 少なくとも、弁護団が主張する「事実」は、読んでいて、ボクには、そんなに「荒唐無稽」とは思えなかった。少なくとも、冷静に確認すべき論点は多くにあるようにも思えるが…。

 ボクには何が「事実」かは、よくわからない。正直言って、弁護団の主張も、どこまで「事実」に接近しているかということもよくわからない。その主張に、ある意味の意図なるものがあるのだろうか? でも、少なくとも、裁判において、この「事実」が軽視されてしまえば、それは重大な問題だというほかない。まだ、その判断をボクはできないけれども、本当に、弁護団が提示した問題について、判決がこたえているのかについてもボクのなかでは疑問が残っている。

 ことは、日本の刑法や少年法の骨格にかかわる問題にまでなってしまっている。ひたすら、割り切れない思い、疑問だけが大きくなっていく。うーん…。

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授業増、最大で年45時間=小中の理数強化、来年度から-文科省

 学習指導要領の改訂をめぐっては、いろいろなことがいま起こっている。とにかく、文部科学省の進め方は、異様に、前のめりなのだ。なぜなのだろうか?
 とにかく、案の段階から、実際に決定の過程で大幅に改定したので、わざわざきまった後に、中教審の教育課程部会をわざわざ開いて、説明をするなど、ちょっとなかったこと。例の謎のジャーナリストの知里保氏が、その会議の様子を、解説してくれている。http://www.hi-ho.ne.jp/chiri/2008/20080418bukai.html

 さて、そのうえに、今日は、移行措置の発表である。

授業増、最大で年45時間=小中の理数強化、来年度から-文科省(時事通信)

 文部科学省は24日、小中学校の新学習指導要領について、全面実施前に一部を先行して学校の授業に取り入れる移行措置案を発表した。来年度は、数学(算数)、理科合わせて年間で最大45時間拡大し、小学校では総授業時間も週1時間ずつ増える。指導内容が教科書の範囲を超えるため、同省は今年度中に両教科の補充教材を用意する。
 新要領の全面実施は小学校で2011年度、中学校で12年度。前倒しすることで、学力向上を急ぐとともに、新要領にスムーズに移行する狙いがある。
 移行措置案によると、来年度の授業時間が増加する教科は、小学校では1、2年の算数と体育、3-6年の算数と理科。中学校では1年の数学、3年の理科。小3では算数と理科が合わせて年45時間拡大する。

 報道資料は、ここにある。この時事の記事を読んだだけでも、わあ詰め込みだと感じるだろう。問題は、たんなる詰め込みにとどまらないこと、あいかわらず虫食いだらけの、系統性も精選も弱い内容であるわけだし、しかも、活用力という名で、PISA型学力だとか、キーコンピテンシーというOECDにおける議論を、かってに読み替えて、都合良く取り込んでしまっている…。
 ことの発端は、「低学力」という議論だけれど、ではその「学力」ということについて、はたしてどれだけ、国民的な合意をなされているというのだろうか。
 迷惑するのは、子どもたちである。

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若者100万人を正社員化というが 諮問会議で雇用戦略議論

 こだわる文章のブログなんかを見ていると、ほんとに、浅いものしかボクは書かないなど反省させられる。ただ、いいわけを言わせていただければ、これは雑誌の作り手の宿命かもしれなあなあと。まあ、少ない月でも、9本ほどの企画をもつ。多い月は、こまかいものをふくめれば16~7人ほどの執筆者を相手に仕事することになる。ある意味総合誌だから、雑誌をつくるには、いろいろな問題にアンテナをはる必要があるのだからと。だから、深く考えるより、数をこなす(笑い)。

 さて、ニュースで次のようなものを目にすると、気になり、しかも腹が立つ。

若者100万人を正社員化 諮問会議で雇用戦略議論(共同通信)

 政府の経済財政諮問会議が23日開かれ、今後3年間にフリーターら若者100万人の正社員就職を目指すとした新雇用戦略案を舛添要一厚生労働相が提出した。
 福田内閣の成長戦略の柱となる新雇用戦略は、若者や女性、高齢者の働く機会の拡大を提唱。企業が実施する職業訓練の評価や履歴などを記入し、就職に役立てるジョブカードの普及などでフリーターを2010年までに11万人削減し、170万人にする数値目標を明記した。
 バブル経済崩壊後の就職氷河期に正社員になれなかった人ら、雇用が不安定な若者100万人を3年間で正社員にする目標を最終案で付け加えた。職業訓練を提供する企業への助成を拡大。また若者を試行雇用する企業への支援制度では、対象者の年齢の上限を上げる。…

 ジョブカードなど、すべての内容を否定するつもりもないし、小泉さんのころからみれば、経済財政諮問会議の役割もかなり変わったなあとも思う。この諮問会議の変化はちゃんと分析する必要はあるのだろうなあなどとも思うが、問題は、この新雇用戦略なるものの中身。実物は、これ

 雇用が不安定な若者100万人を3年間で正社員にする目標などというが、派遣労働法の改正には、消極的なのにどうして、こんな目標をかかげることができるのでしょうか。こんなの、目標は目標にすぎないと言っているのとどれほどの違いがあるのか。それでいて、あいもかわら「多様な働き方」などと言って、いっそうの労働の流動化、規制緩和をすすめようというのだから、新雇用戦略のほんとうの目的がどこにあるのか、あまりにも底が浅いというか。
 どんなスローガンも、実効性こそ求められる。そのためには、やはり、大きな政治の変化が必要だと言うことなのだろう。

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2008/04/23

ILO ユネスコ調査団が来日しています

20080423191059 以前にもお知らせしていましたが、ILO・ユネスコの調査団が4月21日から来日しています。その内容は。ILO東京事務所が公表しています。http://www.zenkyo.biz/html/menu15/2008/20080422101720_10.pdf
 ただ、非公開の調査としてすすめるということなので、実際に、どのような調査がおこなわれているのかの詳細はわかりません。調査を受けた、知り合いの話では「なかなか面白かった」とか。

 さて、実に43年ぶりとなり、日本におけるILOの調査(ドライヤー委員会以来です)、それを記念した学習・集会がおこなわれたので、参加してきました。
 全教による経過報告、ILO理事の中島さんのあいさう、そして、弁護士の牛久保さん、杉井さん、そして堀尾先生、全労連の小田川さん、労働弁護団の宮里さんによるミニシンポがおこなわれました。堀尾さんの、人権条約の発展、とりわけ子どもと教育をめぐる宣言や条約などの発展のなかで、ユネスコ「教師の地位に関する勧告」をどう解釈するのかという問題提起は、やはり大事だなあと思いました。それと、宮里さんの、「勧告」は「勧告」、たとえ「勧告」がでたとしても、問題は、それを役立てる国内のたたかいという言葉は胸にしみました。
 ユネスコの調査は、日本の教師が、授業研究など世界的にすぐれたものをもっていたにもななわらず、今日の事態になっているのか――日本の教師の現場で何がおこっているのかとうことに強い関心をもっているなどの話もあり、そこはなるほどとも思いました。いろいろ勉強になった、2時間でした。

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友だち地獄 「空気を読む」世代のサバイバル

9784480064165 この人の書く本は、いつも面白い。これで読むのは三冊目、『<非行少年>の消滅』(信山社)、『「個性」を煽られる子どもたち』(岩波ブックレット)に続いて。ただ、この本は、たぶん紀要などに掲載した論文を集めて、書き直しているためか、かなり重なり感や、くどさを感じるところはあるのだけれど。
 若者たちの「生きづらさ」の実相を追う。もちろん、現在のそれは、貧困と格差の広がりのなかで語られることが多いのだけれど、あえて筆者は、その面を捨象して、若者の「優しい関係」という面に焦点をあてて論じていく。こうした論じかたは、それはそれで納得はできる。
 著者は、いじめを生み出す背景に「優しい関係」に注目する。ここは面白い。そして、そこで注目しているのが、「自己肯定感の低さ」と「孤独感」。こうして、高野悦子と南条あやの青春日記やケータイ小説、ケータイそのものの役割、ネット自殺などが示すものを明らかにいく。まあ、ここまで解き明かしてもらっれもなあと、ちょっとくどさもあるけれど。

 「誰からも傷つけられたくないし、傷つけたくもない。そういう繊細な『優しさ』が、いまの若い世代の生きづらさを生んでいる。周囲から浮いてしまわないよう神経を張りつめ、その場の空気を読む。誰にも振り向いてもらえないかもしれないとおびえながら、ケータイ・メールでお互いのつながりを確かめ合う。いじめやひきこもり、リストカットといった現象を取り上げ」ていく――これらはなるほどの納得だが、では、なぜ、こうした関係がつくり出されたのだろうか。今日の教育政策や現在の新自由主義についての言及はあるけれど、もう少しその点を聞きたいところ。社会科学とのコラボなどもしてもらいたいものだけれど。 

 あとがきがなかなかいい(笑い)。世代的にも心情的にも、ちょっと似たところがあるのだろうか。

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2008/04/22

光母子殺害、元少年に死刑

 重い気分になる判決です。もしボクの、つれ合いや子どもが、誰かに殺されたりしたら、ボクは、どのように思うだろうか。自分もきっと押し殺すことのできない憎しみの感情に支配するだろう。そう考えると、被害者の心情はあまりあるし、本村さんの今日の発言も非常に理性的だったとも思う。ただ、本村氏はあえて挑発的な言動をしようとしているから、ボクは彼に対する論評は、ここではこれ以上しないでおく。
 そのことをうえに、判決は割り切れない思いでうけとめる。

光母子殺害、元少年に死刑(中国新聞)

 光市母子殺害事件で殺人などの罪に問われた男性被告(27)=犯行時18歳と30日=の差し戻し審判決が22日、広島高裁であった。楢崎康英裁判長は「死刑を回避する事情は見いだせない」とし、1審山口地裁の無期懲役判決を破棄し、死刑を言い渡した。殺害被害者が2人の少年事件に死刑が言い渡されるのは極めて異例。性的暴行目的など悪質さが際立つ事件では今後、殺害被害者数などよりも被害者遺族の処罰感情などを重視する司法判断が定着し、少年犯罪の厳罰化も進みそうだ。

 もちろん死刑と制度そのものが問われているし、一般論としてボクは死刑には反対である。そのことを横においても、現行の法でいう少年の犯罪にたいして、死刑という刑を判断することの是非がある。
 いずれにしろ、はたして裁判の審理をとおして、真実がどれだけ明らかになったのだろうか。とりわけ、近年の若年の犯罪は、その真相が十分に理解しえない様相を見せている。死刑は犯罪の抑止になると法相は言っている。今日の判決についての評価は、厳罰化の判断が社会的な要請という考え方に立脚しているとも言われている。誤解をおそれずに、あえて言えば、はたして、犯罪の様相や背景に、そういった対応が適切なものなのかという言い方もできる。

 少なくとも、若年者の犯罪について、社会全体が、犯罪の原因と、加害者の更正というものにまともに向き合うことができるようにならないと、こんな問題の議論は深まらない。正直、この点でも実際は、あまりにも貧しすぎるのではなのだろうか。

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おせん

Photo_osen 3日もブログをお休みしたのは久しぶりですね。いろいろ、予想にない仕事が入ったりして、それはそれで大変です。

 でも、まあ、目の前の、雑誌の方は、今月の山場は今日、乗り越えたというところ。
 家に帰って、今日は、TVでドラマ「おせん」を見ました。これは、結構、はまるかもしれませんね。ほかに、そんなにおもしろそうなドラマはないし。蒼井優って、好きですよ。独特のかわいさですね。ははは。

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2年目の学力テスト

 このタイトルは正しくないかもしれませんね。もう、都道府県や市区町村の段階では、それ以前からおこなわれていましたから。

学力テストが終了=9月に結果公表-文科省(時事通信)

 全国の小学6年と中学3年の児童生徒約232万人を対象にした「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)は22日午後、終了した。文部科学省は9月中に公立校の都道府県別の成績などを公表する予定。
 同省によると、大きなトラブルはなかったが、インフルエンザに伴う学校閉鎖などで、小中計5校が学年全体か一部学級で同日の実施を見送った。
 テストは国語と算数(数学)の2教科。「知識(A)」「活用(B)」問題を合わせると、出題数は各教科で30~51問。昨年に続いて、回答の理由や考え方を文章で答えさせる記述式の出題が目立ち、各教科4~6問あった。
 問題を作成した国立教育政策研究所の大槻達也教育課程研究センター長は、出題の意図について、「身に付けるべき力を具体的なメッセージとして示した」と説明した。

 テストの内容やとりくみ方は、洗練されていくのでしょうか? それとも、矛盾をどんどん拡大していくのか? でも、いずれにしろ、この競争と評価のシステムは、本質的に教育を大きな懇談をもたらさざるをえない。
 だから、もっとこの問題に対して、本質をついた批判、その議論が必要なんだろうな。そう自分に言い聞かす。

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2008/04/18

素直に喜びましょう

 自衛隊イラク派兵差止訴訟の名古屋高裁判決は、今日、いろいろな話題をよんでいます。判決を正面から受けとめようとしない政府の態度は、あきれますが。

 さて、昨日の訂正。裁判長は、依願退職でした。

 今日、自衛隊イラク派兵差し止め訴訟の会のHPに、判決の本体と会の声明文が掲載されています。判決は、ぜひ目をとおしたいものです。イラク派兵をめぐるだけでなく、平和的生存権を確認したことは、今後の基地をめぐるたたかいでも大きな意味をもつことにもなりますから。

 HPにある「ぱっと見には敗訴なのですが、現時点で考えられる、最高レベルの判決だということができます。 手近なところでは 1次~5次までの 第一審の判決はもちろんのこと、 田近判決と比べても前進です。まずは素直に喜んで構いません」というのは、率直な感想だと思います。同感ですね。

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右翼系団体の活動家ら「靖国」試写会

 今日は、朝5時起き。今日は子どもの学校の関係でですが、今週は4回、5時起きとなります。したがって、睡眠時間は平均4時間前後となりますねえ。この年ではつらいですね。
 夕食までつくって、出勤ですが、風で電車が途中で止まって、結局、職場につくまで3時間もの時間がかかってしまいました。ほんとうにトホホです。仕事があまりすすまないので、イライラしてしまいます。

 さて、何かと話題の映画「靖国」。今日はこんなことがあったようです。

「駄作」「労作」…右翼系団体の活動家ら「靖国」試写会(朝日新聞)

 上映中止で話題の映画「靖国」をめぐり、主に右翼系団体の会員向けの試写会が18日、東京都新宿区のライブハウス「ロフトプラスワン」で開かれた。試写後、参加者らは「駄作」「労作」「靖国を理解していない」「反日とは思えない」など賛否の意見を交わした。
 主催側のロフトによると、全国から活動家ら約150人が集まった。試写する機会を設けたいという右翼・民族派団体幹部らの要望や相談を受ける形で企画したという。呼びかけ人の一人、木村三浩・一水会代表は「右翼が上映を中止させたかのような間違った言われ方をされていたから」と説明した。
 …試写後は、会場で活発な意見が交わされた。文化庁の公的助成に納得できず「返還を求める訴訟を起こす」という声が出ると、「我々も助成を受けて親靖国映画を作って反論すればいい」。「別になんということもない作品なのに、メディアが注目をあおった」との意見もあった。 …

 わりあいとまともな議論ですね。
 政治家が、いろいろな議論をしながらも、政治的な目的のために、この「映画」を攻撃していることは、やはり、眉をひそめざるをえないのです。

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教育振興基本計画 教育投資の総額明示せず=中教審答申

 中教審が、教育振興基本計画についての答申をおこなった。教育基本法の「改正」にともなってつくられる「計画」となる。4月中にも閣議決定されるというが、さらに財務省から横やりが入って、5月になるともいう。

教育投資の総額明示せず=中教審答申(時事通信)

 中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)は18日、今後5年間の教育の政策目標を定める「教育振興基本計画」に関する答申をまとめ、渡海紀三朗文科相に提出した。答申は「欧米主要国と遜色(そんしょく)ない教育水準」を確保するとして教育投資の充実を訴えながらも、具体的な総額は明示しなかった。国の歳出・歳入一体改革の方針に配慮した格好で、教育関係者からは実効性を疑問視する声も上がりそうだ。
 答申は、今月2日に中教審特別部会が了承した原案とほぼ同じ内容。文科省は答申を基に関係省庁と調整した上で、基本計画の閣議決定を目指す。
  答申は、計画に盛り込む成果目標として、「世界トップクラスの学力水準を確保する」などを掲げ、国に対し「教育立国」の宣言を求めた。
 教育への投資規模は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均並みを目指せば、国と地方合わせて新たに年間7兆~8兆円が必要となる計算。
 しかし、答申は公財政教育支出が国内総生産(GDP)比3.5%と、OECD加盟国平均の5.0%を下回っていると指摘したものの、具体的な投資総額は示さなかった。…

 ちなみに、現物はすでに文部科学省のHPにアップされている。

 そもそも、教育改革国民会議の時期に、この「基本計画」は、考え出された。その動機は、文部当局が、予算を獲得する根拠にするというところにあったという。しかし、いつのまにか、予算獲得というもには後退し、結局、予算にかかわるような目標は何も提示しなくなった。
 かわって、強調されるようになったの、国の教育政策に、都道府県や現場を従わせるという発想だ。国家統制的要素がきわめて強くなっていると感じる。この間、中教審や教育再生会議などで議論されてきた、さまざまな教育政策がとにかく羅列されているというのが印象。こう並べると、ほんとうにひどいものだなあと、つくずく感心させられる。
 同時に、ヨーロッパなどを見ると、財界の要求をとりいれた教育政策だとしても、たとえば「知識基盤社会」などのヨーロッパにおける議論のように、少なくとも資本家なりの社会を維持し、発展させようという知恵がある。しかし、こうも子どもや人間を大切にせず、ゆきづまりを強める政策がだせるなあとも感心させられる。競争を強めることに端的にあらわれているが、効率的に財界の儲けの衝動にあわせるという圧力が、この教育政策にも強いのだなあと思う。そのうえで、お金は出さないと言うのだから、もうあきれるばかりである。

 しかしながら、この計画が、決定されれば拘束力を有することになる。あきれたり、感心したりするだけでなく、よく検討する必要があるのではあるが。

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学ぶ はたらく つながる

Htbookcoverimage サブタイトルに「格差社会に立ち向かう若者たちへ」とある。とくに近年、研究と運動の分野で深められた問題が、多角的に論じられている。第一章で、就職の困難と雇用の不安定化がとりあげられているが、戸室さんの派遣の現場での参与観察をはじめ、現在の若者の働かされた方が、いかにモノのように使い切りの働かされ方をされ、その結果暴力的な抑圧が支配するかが明らかにされる。それは正社員の現場でも同じである。
 2章では、そうした若者を人間扱いしない労働の現場に対応するように、若者の自立や成長に高校教育が対応するようになっているのかを、その課題を浮き彫りにする実践の紹介とあわせて、問いかける。3章では、自立を支援する地域のとりくみを外国の事例もあわせて紹介する。
 ひきこもりの青年の就労支援にとりくむ中小企業の経営者の次の言葉が印象に残った。
 
 「中小企業も単純労働の集合で成り立っている会社はない。かなり、社員1人ひとりの自立と独自判断を求められる場面が仕事にあり、つきっきりで指導できる環境は、ほとんどない。逆に言うと、そんな日本社会だから、仕事で精神的にまいったり、傷ついてしまうのだと思う。ゆっくり時間をかけて仕上げる仕事は、なかなか見つからない。常に短時間で、品質の良いものを求められ、成績を追求される。大企業の下請けの場合は、この傾向が一掃強くなる。業務指示さえ十分ではないのに、自分で判断することを求められる。判断が遅い、反応がないと見られると、仕事から排除されるのである」

 若者の人間的な成長に共感したり、支えたりしない政治や経済システムをどう変えるのか。それは、日本で暮らす人が幸せにある道でもある。

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2008/04/17

空自イラク活動「違憲」 名古屋高裁判決

 画期的なニュースが飛び込んできた。そう自衛隊イラク派兵差止訴訟の名古屋高裁判決だ。

空自イラク活動「違憲」 名古屋高裁判決(中日新聞)

 自衛隊のイラク派遣は武力行使の放棄などを定めた憲法に違反するとして、元外交官や市民ら約1100人が国に派遣差し止めや慰謝料などを求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は17日、米軍兵士など多国籍軍の武装兵士を輸送する航空自衛隊の活動について、違憲との判断を示した。司法の違憲判断は初めて。慰謝料など請求そのものは棄却された。
 青山邦夫裁判長に変わって代読した高田健一裁判長は判決理由で「多国籍軍の武装兵員を戦地であるバグダッドに空輸した行動について、憲法9条に違反した活動といえる」として、自衛隊のイラク活動について違憲の判断を示した。さらに、空自の輸送は「イラク特措法にも違反している」と述べた。

 しかも、判決は、平和的生存権についても具体的な権利として認定している。
 ボクの知るかぎりでも、戦後の憲法9条裁判のなかでのぬきんでて画期的な判決ではないか。
 判決要旨は、これ 「hanketsu.pdf」をダウンロード

 青山裁判長はこの3月に定年退職だったそうだ。裁判長の最後の常識の目なのだと思う。
 この判決は確定する。

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沖縄戦とメディアの報道

 先の沖縄戦訴訟の判決をうけ、沖縄の代表団が文部科学省を訪れ、要請行動をおこなったことがニュースとなっているけれど、今日の夜の報道番組では、あらためて沖縄戦の実相について、座間味などを訪れての報道が目立った。それぞれ、それなりに丁寧につくられている。ほぼ、沖縄戦をめぐっては、メディアのうえでも、事実認定をめぐっても決着がついたと言っていいのではないだろうか(学問的には、すでに明らかなことではあるのであれど)。

 ちなみに、新聞はどう報じてきたのか?
 新聞協会の「紙面展望」が、それをふり返っている。この「紙面展望」も役に立つので、アドレスを紹介しておく。
http://www.pressnet.or.jp/

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2008/04/16

学習塾費用:低所得世帯に無利子貸し付け 全国初…東京都

 今日の朝刊には、学校裏サイトについての文部科学省の調査についての記事が並びました。私は、まだ、この現物を見ていません。そこからは、どんなことが浮かび上がってくるのでしょうか。
 そして夕刊には、次の記事です。

学習塾費用:低所得世帯に無利子貸し付け 全国初…東京都(毎日新聞)

 東京都は中高生が受験のために通う学習塾費用を、低所得者世帯に無利子で貸し付ける制度を始める。保護者の経済力によって生じる恐れのある教育格差の防止を目指す全国初の取り組み。8月にも受け付けを開始する。
 都によると、通塾費は中学3年に年間上限15万円、高校3年に同20万円を無利子で貸し付ける計画。大学や専門学校受験料も対象とし、区市町村の相談窓口で申請を受け付ける。高校や大学の合格を条件に返済を免除することも検討している。…

 高校進学を見たとき、塾に行っていたかどうかで、進学の結果は明らかにちがうという統計が存在します。そのために、すでに東京では、区の段階で、塾に行く費用を、低所得世帯に助成する制度をつくっているところも存在します。進学という問題が格差と貧困の固定化と再生産に直結する以上、その福祉的な対策として、今回、都が打ち出した制度は十分、ありうるし、意味があると思います。それだけ、進学・就学と貧困の問題は深刻だということなのです。

 ただ、それは現状への現実的な対策としての重要性であって、本来の教育のあり方からすれば、正当なものとはいえないのではないでしょうか。なぜ、低学力への対策が学校でできないのかというのは、根源的な問いかけです。同時に、高校入試というものが、なぜ、これだけ、競争的でなければならないのでしょうか。しかも、高校の学費、教育費など就学にかかわる費用が、どうしてこう高額で、十分な助成制度がないのでしょうか。
 本来、あるべき姿も、もっと議論がつくされなければならないと思います。

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年金改革で読売新聞社提言

 今日の読売新聞にはちょっと驚いた(苦笑)。

「最低保障年金」を創設、年金改革で読売新聞社提言(読売新聞)

 読売新聞社は、年金制度改革に関する提言をまとめた。
 現行の社会保険方式を基本に、基礎年金の受給に必要な加入期間を25年から10年に短縮し、最低保障年金を創設して月5万円を保障するのが柱だ。基礎年金の満額は月7万円に引き上げる。年金改革の財源を確保し、医療・介護の需要にも対応するため、現行の消費税を目的税化し、税率10%の「社会保障税」を新設する。すべての国民による応分の負担で支え合いの仕組みを強化し、年金制度の持続可能性を高めることで、超高齢時代の老後保障を確実にすることを目指す。…

 注目されるのは、保険加入期間を、10年に短縮することにしたこと。そして、最低保障年金を提示したことなどがある。この点は、小泉時代におしすすめられた社会保障「改革」への、ある意味での決別宣言とも言えるのだろうか。少なくとも、一定の軌道修正をはかろうとしているのだろうか。

 ただ、この提言の中心的な点は、この「改革」の財源にある。「読売案の実現に必要な費用は、この引き上げ分(年2・3兆円、消費税1%分)も含めて年約5・5兆円(消費税2%分)になる。2011年度までのスタートを目指す。それまでに、現行5%の消費税を目的税化して『社会保障税』に改め、税率を10%とする」としているのだ。「改革」の財源は、消費税増税しかないというのが、提言の最大の特徴でもあるのだ。
 この10年間、おしすすらた大企業や大金持ちへの減税の大判ぶるまいには、まったく言及はない。そういう意味で、少なくともこの提言には、客観性はない。
 新聞社が、社論をもつということはあり得る。しかし、新聞がジャーナリズムであるためには、為政者の主張について、まず批判的な検証のうえに、その主張がなされなければならない。にもかかわらず、為政者がすすめようとしている消費税増税を無批判に前提として、「提言」をおこなうのは、ジャーナリズムとしては失格というしかない。新聞は、秋に向けて、こぞって消費税増税を掲げるかもしれない。その先導を「読売」ははたすというのか。

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2008/04/15

映画 「靖国 YASUKUNI」をめぐって

1006617_01_2 この映画をめぐっては、そろそろ作品の評価も出るようになってきた。作品のできにもいろいろ評価がある。
 ものがたりそのものは、靖国刀という戦前には靖国神社でつくられていた刀を軸に、靖国の風景をおりまざて、ナレーションなしでつずられる。説明のない映像は、事実、そのものの提示でもある。
 靖国刀は、戦前には8100ほどつくられ、将校に配られたそうだけれど、その刀が、どのように使われていったのかということに、監督はこだわる。南京虐殺、100人きり…。靖国神社のご神体は、剣と鏡だと言われている。監督は、このご神体に、刀を重ねる。それが正しいのかどうかが、ボクにはわからないが、靖国そのものの土台には、こうした刀がくり広げた歴史的事実があり、その根底には、天皇のためにたたかったものを祀る神社であるということがあるのは否定はできない。そのことをこの映画は浮き彫りにしている。

 たんたんとしたドキュメントと言われていたが、どちらかといえば、こうした”刀”というものにこだわって、「靖国」というものが描かれている。使われた映像にも貴重なフィルムも多い。少なくもと、こうした映画は、たくさんの人が見てこそ、議論は深まるのだと思う。

 終末には、右派による試写会もあるという。来週には、日弁連が試写会を主催する。毎日新聞がペンクラブと共催して、シンポジウムも予定されていると聞く。

日弁連が「靖国」試写会=23日、一般向けに-東京(時事通信)

 日弁連と東京の3弁護士会は14日、上映中止が相次ぐドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の一般向け試写会を23日に開催すると発表した。
 試写会は23日正午から東京都千代田区の弁護士会館で行われ、定員200人(入場無料)。上映後に配給会社担当者や大学教授によるシンポジウムも開く。…

 これは17日(木)申込はがき必着。問合せ TEL 03-3581-2205 東京弁護士会人権課。
【日 時】 2008年4月23日(水)12時00分~16時00分
【場 所】 弁護士会館 2階 クレオ
【対 象】 弁護士・修習生・一般も参加可
【予 約】 要予約
 シンポジウムは、
コーディネーター
  田場暁生氏(弁護士)
パネリスト
  吉川正文氏(映画「靖国 YASUKUNI」配給宣伝担当者)
  高橋哲哉氏(東京大学大学院教授)
  内田雅敏氏(弁護士。「立川テント村」事件弁護人)

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子どもの貧困 お約束の感想

32051680 分厚い本なので、ちょっと読むのに時間がかかりましたが、この本を読んだ感想です。編集者の意図がはっきり示された、みごとな本だと思います。昨年、教育関係で、見るべき本がないと言いましたが、この方がつくった本が2冊ほど、面白かったのです。お詫びします。
 さて、感想です。ここでとりあげられている「子どもの貧困」は、その事態の全体を網羅したものでは決してない。むしろ、どちらかといえば、その底辺に位置するような子どもたちをめぐって、書かれている。しかも、それは、福祉施設など施策によってケアされるような事例を中心に書かれていて、実は、その裏には、まだ見えないような困難があることも予想される。

 しかし、あえて、客観的な数字などデーターによる分析を中心にするのではなく、実践者や運動家による、実態の告発を中心に編んでいることが、この本の成功のポイントでもあると思う。編者の松本さんは、「貧困は見ようとしなければ見えない」ということをあとがきで書いているが、子どもの貧困は、見えなくされていて、意識的に見ようとしなければ、見えないことが何よりもその特徴にある。その姿をあえて、実態の事例で告発する。
 あえて、事例で告発するが、同時に、この貧困という問題は、1つの告発がなされれば、それと同時に、他の事例は個別化され、縁辺化され、見えなくされる。だからこそ、徹底した告発が必要になる。その努力をあえて、この本では多角的におこなう。

 その内容も、子どもの成長、子どもの安心にとって、いかに「貧困」はそれを侵し、また、その「貧困」を再生産させ、固定化するのかという視点で、突き刺す。あえて、それが子どもの共同的な学びにとって、どのような問題なのかということを排して、まず、その子どもにとっての問題に焦点化していることもその特徴であるとも感じた。

 ボクらは、こうした問題提起をどう引き受ければいいのか? そのことを考えながら読んだ。
 いまだ、十分に議論がなされたとは言い難い、子どもの貧困。給食費だとか、保育料だとか、実際には、バッシングのほうが多く、安易に、入学金の払えない子どもを、入学式から排除するようなことがおこなわれる現状がある。その対策も、緊急の措置と、社会の本質的なあり方から議論すべき問題もある。
 知恵が必要であり、もっと多角的な専門的議論が必要である。何よりも、子どもの貧困が個別化、縁辺化されているもとで、そもそもどう連帯や共同をつくることができるのかという本質的な問題もある。襟を正して、引き受けることが必要な課題でもある。

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2008/04/14

国会で「南京の真実」が上映されたって!

 なんでも、今日、国会の講堂で、映画「南京の真実」第1部「七人の『死刑囚』」の試写会があったそうだ。そう、南京大虐殺なんて嘘だっていう映画だ。
 映画の趣旨は、上記のとおりだが、日本政府の公式見解でさえ、虐殺の事実は認めている。旧軍の流れを汲む(といっていいのか)軍事史学会が、最近出版した『日中戦争再論』でも、南京虐殺は、数万という少数説を採用している。真面目な議論、学問的な領域では、南京虐殺否定など成立しようがない。

 映画『靖国』では、事前検閲といえる試写を強要し、その一方で、一部のプロパガンダとも言える映画の試写を、国会の講堂という場を使っておこなう。この傲慢な神経には参ってしまう。
 ただ、参加者は17人だったそうだ。

 たとえ、彼らの主張が大きな影響力をもつことがなくても、全体としてこの問題が相対化されてしまったり、とりわけ、言論や表現の自由が逼迫するような事態にならないかが心配である。今日も、映画「靖国」については、集会がおこなわれていたけれど、口を酸っぱくするほど、この問題では発言が必要だと思う。

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大学生調査:生活費はピーク時より21万円減 06年度

 昨日は、高校の教育費について書いたけれど、学生の学費や生活費の問題も依然深刻である。

大学生調査:生活費はピーク時より21万円減 06年度(毎日新聞)

 独立行政法人・日本学生支援機構が行った「06年度学生生活調査」によると、大学生が飲食や娯楽などに使った1年間(05年12月~06年11月)の生活費は平均72万3800円で、ピーク時の00年度より21万3000円も減り、88年度と同水準になったことが分かった。一方で支出全体に占める学費の割合は61.8%と過去最高を記録。親の収入が伸びない中、懸命にやりくりする現代の学生の姿が浮かびあがった。
 …大学生の生活費は6年連続で減少し、前回(04年度)比で約5万円の減だった。これに対し、学費と生活費を合わせた全支出は189万5100円で前回比2.4%の減だった。
 生活費の内訳をみると、娯楽・し好費が13万3800円、食費は19万800円と、どちらもここ28年間で最も少なかった。一方、年間の学費は平均117万1300円(国立大65万4100円、私大132万3200円)で過去最高を更新した。

 学費が、学生の生活費を蝕んでいる。ヨーロッパでは、基本的に学費の無償というのが基本だし、生活費の補助までが視野にはいった施策が基本だ。日本は高学費という問題とともに、学生生活にほとんど支援のない数少ない国である。
 この調査の全容は、ここにある。

 この問題は、当事者がたいへんだという面とともに、こうした大学の現状で日本の未来があるのかという問題がある。中教審も、大学教育の受益者は、企業もふくめ社会全体だと言っている。社会全体がこのままでは疲弊する。

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働く女性の正社員率 過去最低

 はたして、雇用状況は好転したのか。現在の雇用状況と、その日本的な特徴を象徴しているのが次のニュースのように思う。

働く女性の正社員率 過去最低(NHK)

 企業などに雇われて働く女性の数は2300万人とこれまでで最も多くなった一方で、正社員の割合は46.5%で過去最低となり、パートや派遣などの非正規雇用で働く女性が増えている実態が厚生労働省の調査でわかりました。
 厚生労働省は、毎月の「労働力調査」などを基に、働く女性の実態を調査しています。それによりますと、年齢が15歳以上で企業などに雇われて働いている女性は、去年は2297万人と前の年より20万人増えて、これまでで最も多くなりました。このうち正社員として働く女性は1039万人で前の年より3万人増えましたが、働く女性全体に占める割合は46.5%で、前の年より0.7ポイント下がって過去最低となりました。正社員の割合は、10年前の平成9年は58.2%、昭和60年は67.9%に上っていました。一方、パートで働く女性は739万人と、前の年より26万人増えてこれまでで最も多くなり、正社員が減る一方で、パートや派遣などの非正規雇用で働く女性が増えている実態が浮き彫りになりました。また、働く女性の平均賃金は、男性を100とした場合に66.9ポイントにとどまっていて、依然として男性との賃金の格差が大きい状態が続いています。…

 働く女性の実態は、同時に、働く若者の実態に大きな影響をおよぼしている。大企業は、正規労働を非正規に置き換えることを通じて、その利潤の拡大をはかることは何もかわっていないようだ。そして、男女の賃金格差…。

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2008/04/13

注目のブログの紹介です

 私が、お世話になっている憲法学者の上脇博之さんのブログができました。
 題して、上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場

 気鋭の憲法学者であり、政治資金の問題なども、学問的接近だけでなく、オンブズマンとして実践的な切り口でせまります。
 ボクのブログのように、備忘録的な思いつきのブログではなく、さすがに、よく整理されたもの。大いに活用したいブログですね。今後が楽しみです。

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小学校の英語 必修化をめぐって

 昨日、帰りの電車のなかで、ばったり英語教育を専門にしているある大学の先生に会って、少し話をした。話題になったのが、いよいよ必修化される小学校の英語。来年から裁量実施となり、2011年から全面実施となる。それがはたして、うまくいくのか。

 その先生は、文部科学省のつくった教材をつかった授業を、一定期間おこなったそうだ。ただでさえ、子どもたちに授業を集中させるのは、たいへんである。英語を専門に学んでこなかったいまの教師たちが、はたしてその教材で授業を行えるのかというのが、彼の率直な感想であった。まず、英語にふれさせればいいという意見もあるだろうが、5・6年生という段階で、一年間ゲームと歌で過ごすというのには無理がある。

 先生は、英語必修化が破たんしたあと始末をどうするかが課題だと言っていた。結局、たいへんな思いをするのは、教師よりも(教師もそうなのだが)、子どもたちだ。
 新学習指導要領のもつ問題は、本当に大きい。どんどん「前倒し」で実施がはかられる。だからこそ、いま、ちゃんとした国民的な議論が必要だ。

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入学式:入学金未納、式に出さず 新入生2人、別室待機--千葉の県立高

 ちょっと、驚くニュースだった。こんなことが…

入学式:入学金未納、式に出さず 新入生2人、別室待機--千葉の県立高(毎日新聞)

 千葉県八千代市の県立八千代西高校(大迫太校長、339人)が、入学金未納の新入生2人を入学式に出席させなかったことが12日分かった。大迫校長は「授業料滞納が目立ち、未納は負担の先送りと思った」と話すが、県の公立高校教職員組合は「非教育的対応」と批判している。
 県教委と同高によると、新入生159人に、入学金、教材費など9万円を8日の入学式に持参するよう求めていた。男女各1人が「お金が用意できない」などと持参せず、式直前、校長がそれぞれの担任に別室での待機を指示した。2人は約40分の式の間、教室と会議室で待機した。…

 ちょうど、高校生の教育費について、いくつか調べものをしていた。いま、高校生をめぐっても、「貧困」の影が大きく覆っていはじめている。
 ご承知のように、国連人権A規約には13条の2には、次のようなものがある。

第十三条
 2 この規約の締約国は、1の権利の完全な実現を達成するため、次のことを認める。
 (b) 種々の形態の中等教育(技術的及び職業的中等教育を含む。)は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとすること。
 (c) 高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること

 高等教育費の問題については注目されているが、高校を含む中等教育については当然のごとく無償化を求めている。この社会権規約を日本は批准しているが、この13条2b、cについては留保している。それは批准国のなかで、日本とルワンダ、マダカズカルだけである。

 そして、高校の教育についても、「教育権」の保障という視点と、社会保障的な対応が欠かせないわけだと思うけれど、日本の社会保障の制度は、とくにこの高校の教育費については、十分なサポートがあるわけではない。

 そうしたもとで、公立高校が、子どもの教育権を保障するという視点で、この「貧困」の問題に誠実に向き合うという役割をはたさなければならないときに、これはどういう事件だろうか。
 学校が、子どもの成長を願うという、当り前の思いとは違う価値を優先させたとき、学校に何が起きるのだろうか。「貧困」の問題と「学校」の問題。この事件が問いかけていることは、大きい。

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勉強の一日です

 勉強の一日です。企画の準備や、そのほかの仕事の関係があって、いくつかのテーマで勉強中心の日々が、ここ数日続いています。だめですね、机に向かって本を読むのは。眠くなる(笑い)。大部屋の職場じゃなかなか落ち着かないしね。
 勉強の成果はそのうち紹介できればいいのですが、いろんなことを知れば知るほど、憤りというものがすごく強くなりますね。それが、案外、自分を追いつめるのです(笑い)。だから、さぼれませんね。

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2008/04/12

シリーズ 毛沢東

5b8cd8523014a2d2f7dd0ce60a16cc8d 歴史的な押さえは、ちょっとおおざっぱ。でも歴史的と言える映像がふんだんに使われていて面白かった。4回のシリーズで、番組は、主には毛沢東の功罪という角度からつくられていたが、やはりボクらからみれば、どこに毛沢東の誤りがあったのかについて、考えさせられた。
 とくに、考えさせられたのが、ナショナリズムと大衆動員という問題。一般的にナショナリズムというのは、国民国家の形成にとって、重要な意味をもつ。とくに民族解放の局面では、進歩的な役割を果たす。そういうナショナリズムを、国家の建設の過程で、毛沢東はふたたび大衆動員という形で表出させたということができる。その”危うさ”というものが、番組の全面にあふれていた。そこには、国家建設のビジョンや、そこへの社会的な認識の深まりというものを横においた、ヒステリックとも言えるナショナリズムの昂進があった。

 もう一つは、大衆動員というもののある意味で裏側にある、一人ひとりの人権への意識の薄さ。まさに、発想は、白兵戦だ。

 そんな姿は、歴史ではたびたびくり返されてきた。いまの日本にもたびたに現れる。

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2008/04/11

米軍機、鳥島訓練水域外に演習弾

 こんな事件をボクらはちゃんと、監視を続けなければならない。

米軍機、鳥島訓練水域外に演習弾(沖縄タイムス)

 米海兵隊のAV8ハリアー垂直離着陸攻撃機が十日午後二時四十五分ごろ、鳥島射爆撃場をターゲットにした訓練の際、提供水域から約二・七キロ離れた水域に演習弾二発を投下していたことが十一日、分かった。
 在沖米海兵隊外交政策部(G5)が、十日午後四時四十分ごろ沖縄防衛局に連絡していた。同局は詳細を米軍に照会中。詳しい投下地点や所属部隊などは明らかになっていない。
 嘉手納基地で米軍機の活動を監視している住民によると、同基地には約一カ月前から六機程度のAV8ハリアー機が飛来。実弾や訓練弾を装着して飛行訓練を繰り返していたという。十日午後二時ごろにも、同機が同基地を離陸するのが確認されている。…

 演習弾といっても実弾である。攻撃機ハリアーが訓練海域から2.7キロ外れた場所である。これが、船のいる海域だったどうなっていたのか。ほとんどのニュースにならない、このような重大なニュースが積み重なって、そのうえに先の、少女暴行事件や横須賀のタクシー事件がある。

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反戦ビラ配布、罰金確定へ 市民団体3人の上告棄却

 最高裁は、実質的な審理はなされず、予想されたとおりの判決がおこなわれた。

反戦ビラ配布、罰金確定へ 市民団体3人の上告棄却(中日新聞)

 自衛隊イラク派遣に反対するビラを配るため自衛隊宿舎に立ち入ったとして、住居侵入罪に問われた市民団体メンバー3被告の上告審判決で最高裁第2小法廷は11日、被告の上告を棄却した。罰金20万-10万円とした2審東京高裁の逆転有罪判決が確定する。…

 大事な判決なので、その要旨を以下に紹介しておく。はたして、集合住宅へのビラ配布が、「その手段が他人の権利を不当に害するようなもの」なのか。ならば、一般の商業的なビラは取り締まらないのか。

判決要旨

 被告らは防衛庁立川宿舎の敷地内に入り込み、各号棟の1階出入り口から各室玄関まで立ち入った。各号棟の構造や敷地、周辺の土地や道路の状況、管理の状況などから、被告らが立ち入ったのは刑法130条の「人の看守する邸宅」に当たり、被告らの立ち入りが管理権者の意思に反することは事実関係から明らかだ。管理者から立ち入りの都度、被害届が出ていることなどから法益侵害の程度が極めて軽微だったとはいえない。
 表現の自由は、民主主義社会で特に重要な権利として尊重されなければならず、被告らによる政治的意見を記載したビラの配布は、表現の自由の行使といえる。しかし、憲法21条1項も、表現の自由を絶対無制限に保障したものでなく、公共の福祉のため必要で合理的な制限を是認するもので、たとえ思想を外部に発表するための手段であっても、その手段が他人の権利を不当に害するようなものは許されない。
 本件では、表現そのものを処罰することの憲法適合性が問われているのではなく、表現の手段、すなわちビラの配布のために「人の看守する邸宅」に管理権者の承諾なく立ち入ったことを処罰することの憲法適合性が問われている。
 被告らが立ち入った場所は、防衛庁の職員やその家族が私的生活を営む場所である集合住宅の共用部分やその敷地で、自衛隊・防衛庁当局が管理し、一般に人が自由に出入りすることのできる場所ではない。たとえ表現の自由の行使のためとはいっても、このような場所に管理権者の意思に反して立ち入ることは、管理権者の管理権を侵害するだけでなく、そこで私的生活を営む者の私生活の平穏を侵害するものといわざるを得ない。
 したがって被告らの行為を刑法130条前段の罪に問うことは、憲法21条1項に違反するものではない。このように解することができることは、当裁判所の判例の趣旨から明らかだ。

 自衛隊の準機関誌「朝雲新聞」に護憲派の本の広告が載っている。アフガン・イラク以後の自衛隊の海外派兵は、自衛隊員のなかにもさまざまな議論がなされているのだろう。上記の事件は、反対意見、批判的な意見を自衛隊内部に持ち込みたくないとしか理解できない。まさに「表現の自由」への抑圧であろう。

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不登校と貧困

 先日のNスペ「愛美さんが教室に戻れる日」は、不登校という問題と貧困の問題の関連について、あらためて光を当ててくれたけれど、こうした問題関心を、『子どもの貧困』のなかの板橋の福祉事務所指導員の池谷さんの論文は掘り下げてくれていた。そのなかで紹介されていた資料

 東京のある自治体の調査資料。
         不登校発生率
非保護世帯     11.58%
準要保護世帯    3.19%
その他の世帯    2.41%

 こうした問題意識からの研究は、籠山京以来の蓄積が日本にもあるという。ちゃんと勉強しないとね。もっと、共有されなければならない事実がある。解決はそこからはじまる。

 さて今日まで「毛沢東」のシリーズをテレビでやっていた。感想は明日かな?

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2008/04/10

映画「靖国」をめぐる政治介入にかかわって

 映画「靖国」をめぐって、新しい事態が生まれている。一気に、上映の流れが生まれるのかと思ったが、反対する勢力にも執念がある。

「思った趣旨と違う」 映画「靖国」に出演の刀匠(朝日新聞)

 ドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」をめぐり、映画の中心的な登場人物で、高知県内に住む刀匠(90)とその妻(83)が10日、朝日新聞の取材に、「思っていたのと違う趣旨で映画が作られていて、『靖国問題』に巻き込まれてしまった」と話し、出演場面の削除などを希望した。…

 ただ、真相はそんなに単純な問題ではない。そもそも、刀匠さんの問題を明らかにしてのが、自民党の参議院議員だということだ。

自民議員が出演者聴取 “靖国”監督が反発(西日本新聞)

 映画「靖国 YASUKUNI」の中心的出演者で刀匠の刈谷直治さん(90)夫妻=高知県在住=から有村治子参院議員(自民、比例)が事情を聴き「刈谷さんらは出演シーンの削除を希望している」と主張していることが分かった。李纓監督(44)は9日、共同通信のインタビューで「出演を納得してくれていた夫妻を変心させた。許せない介入だ」と訴えた。…

 映画の中心的な人物だけに、監督が十分な確認をとらずに作品を仕上げたとは考えにくい。有村議員は、監督の主張は事実無根だというが、こうした話がまず、自民党の議員のほうから出てくるのは、少し筋が違うようにも思える。
 「靖国」の上映に反対している議員たちは、文化庁の助成を審議している委員の、政治的立場まで問題にしはじめている。
 出演者をめぐる問題は、このままでは藪の中に入ってしまう。それで、大きな権力をもつ政治家のこのような介入を許していいのか? ボクは映画を見てはいないが、この映画を見た知人は、事実をたんたんとならべたものと言っていた。なぜ、こうまで、この映画を、「敵視」するのか? ここにこそ、この問題の本質があるように思うのだけれど。

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引きこもり:平均年齢30歳超す

 最近、よく電車がとまったり、遅れたり。長時間通勤の人間としては、辛いところです。座って、眠れればいいのですがねえ。
 さて、

引きこもり:平均年齢30歳超す 最年長52歳、目立つ「長期化」--331人調査(毎日新聞)

◇「親の会」調査
 全国引きこもりKHJ親の会(奥山雅久代表)の会員を対象に毎年行われている調査で、引きこもり状態にある人の平均年齢が初めて30歳を超えたことが分かった。新たに引きこもりとなる若年層がいる一方で、長期間にわたり引きこもりから抜け出せない30~40代の層が確実に増えている実態が浮き彫りになった。
 境泉洋・徳島大学准教授らが会員を対象に07年11月~08年1月、記入方式でアンケートし、331人の回答を分析した。
 それによると、引きこもり本人の平均年齢は30・12歳で、男女別では男性30・35歳、女性は28・87歳。最年少は13歳、最年長は52歳で、引きこもり期間は平均8・95年、最長は25年だった。
 同会の会員を対象とする調査は02年から毎年行われており、平均年齢は02年が26・6歳、前回調査の06年は29・6歳で、上昇を続けている。親の高齢化も進んでいる。平均年齢は父親が63・23歳、母親が58・28歳だった。…

 この調査では、「家族から見て引きこもり本人が要望している支援は何か」という問いでは、「経済的支援」が最も多く50%以上で、「カウンセリング」や「医師の診断」を上回った。引きこもりと言えば、豊かさの裏返しという印象をもつ方が多いかもしれないが、当事者の年齢が上がるにつれ、すでに父母も高齢化し、経済的貧窮が問題になっている。先日、愛知県がおこなった調査でも、同居している親の6割近くが60歳代以上で、約3割が年金生活者などの無職、親の年収は300万以下が25・3%、300万-500万円が24%を占め、高齢な親が厳しい経済環境の中で、成人した子どもを養っている実態がうきぼりになっていた。

 こうした家庭は往々にして、社会的に孤立する。9日には、同じ愛知県で、次のような事件があった。

 東海市で9日未明に起きた殺人事件で、母親(56)を殺害した長男(26)は定職に就かず、家に引きこもりがちだったという。潜在化して把握しにくい引きこもり。市内では2004年度から支援事業が始まっていたが、今回の家族は相談に訪れていなかった。
 東海署の調べでは、長男は寝室で1人で寝ていた母親を起こし、手で顔を殴った上、電気コードで首を絞めて殺した疑い。「普段から働かないことをしかられ、母親がいなくなればいいと思った」と供述している。(中日新聞より)

 20代以上の引きこもりは、潜在化する。家族の中に沈殿して社会から見えなくなるのだ。やっと2004年ごろかあら支援事業は各地でおこなわれるようになったが、それはか細くかつ不安定だ。

 上記の調査はここにある。

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2008/04/09

子どもの貧困

32051680 いま、読んでいるのがこの本。

 子ども時代に貧困であるということは、その子の人生にとってどんな意味をもたらすのでしょうか。貧困・格差問題のなかでも、貧困という視点からの研究がもっとも遅れているのが「子どもの貧困」です。本書は、福祉現場から「子どもの貧困」の実相をとらえ、家族との関係を解き明かします。世界的な研究を紹介するとともに、政策的提言をめざします。

◆内容構成
はじめに(浅井春夫)
序章 子どもの貧困研究の視角
  貧困の再発見と子ども(松本伊智朗)

第1章 貧困に向き合う・子どもに寄り添う――福祉の現場から
 保育の場からみる子どもの貧困
  ――子どもと家族をまるごと支える(実方伸子)
 児童相談所からみる子どもの虐待と貧困
  ――虐待のハイリスク要因としての貧困(川松亮)
 婦人保護施設からみる母親と子ども
  ――自分を生きるための出会いをつくる(横田千代子)
 児童養護施設における子どもの育ちと貧困
  ――社会的不利におかれた子どもの「あてのなさ」(山田勝美)
 少年非行からみた子どもの貧困と学校
  ――見守り役としての学校(岩田美香)
 生活保護現場からみる子どもの貧困
  ――自立と自己実現に向けた福祉事務所の支援(池谷秀登)
第2章 子どもの貧困と家族
 家族の教育費負担と子どもの貧困
  ――機会の不平等をもたらす教育費システム(鳥山まどか)
 現代家族と子どもの貧困
  ――「孤立のなかにある家族」から「つながり合う家族」へ(湯澤直美)
第3章 外国の貧困研究に学ぶ
 先進国における子どもの貧困研究
  ――国際比較研究と貧困の世代的再生産をとらえる試み(小西祐馬)
 インドの児童労働問題と子どもの貧困
  ――「危険な労働からの保護」「義務教育の普及」という論理を超えて(佐々木宏)
第4章 子どもの貧困克服のための政策試論
 人生はじめの社会保障としての子どもの貧困克服
  ――「積極的格差」の原則により「しあわせ平等」を支える(浅井春夫)
あとがき(松本伊智朗/湯澤直美)

 半分ぐらい読みましたが、打ちのめされるような内容です。かくも子どもの貧困は個別化され、見えなくされてきたのか。全体の感想は読み終えて書きたいと思います。

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日銀人事で異例の応酬 今国会初の党首討論

 せっかく党首討論という制度があるのに、なかなか行われないこの制度。しかも、おもしろくない(笑い)。少数政党の党首にも、時間をあたえたらいいのにと、やはり思うのだけれど。

日銀人事で異例の応酬 今国会初の党首討論(東京新聞)

 福田康夫首相と民主党の小沢一郎代表による今国会初めての党首討論が9日行われた。首相は「ねじれ国会」での綱渡りの国会運営にいら立ちをあらわにし、日銀正副総裁人事案をめぐる民主党の対応に不満を爆発、異例の激しい応酬となった。低姿勢路線を続けてきた首相が攻めに転じた格好で、小沢氏とのパイプが途絶えた現状への焦りが見えた。…

 福田さんは、参院選挙で自民党政治は審判を受けたということに、驚くほど無自覚ですね。なぜ、民主党が近づいてくれないのかという苛立ちだけが全面に出て、見苦しいですね。ここまで、政治的感覚がないのかとは驚きでした。
 一方の小沢さん、いろいろ言うけれど、その主張が薄っぺらい。日銀総裁の問題でも、大蔵省の既得権というばかりで、そうした人が日銀総裁・副総裁につくということが、国民にとってどう不利益なのかという深い主張がないのですね。官僚の特権をくり返すばかりです。
 ボクは、民主党は、たとえば参院で衆院に倍する審議時間を自民党に保障させて、もっと国民の向かって、審議で訴えればと思うのですが、どうもこの党は、そうしたことは苦手なようですね。

 実は、国のあり方という深い筋で、議論がなされることはないのですね。ここに今の政治のゆきづまりがあるのだと思います。福田さんにも小沢さんにも、大きな、国のあり方を問うものがないから、そこに集まってくる人たちにも大義があるわけではなく、目先の利益で右往左往という感じ。だから、求心力も直ぐになくなり、政治は溶解状態という感じです。こうした政治状況は何とかしなければなりません。

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日本人の目から見たチベット通史

31629425 お約束のチベット問題だけれど、結局、今日もこの時間になってしまって、十分な書き込みはできない。ただ、ある人から紹介されて読んだ、この本の感想を少し書いておく。チベットの歴史なんて本当に知らなかったので、なかなか面白かった。
 ただ、本の受け止めは、紹介してもらった人とは、ちょっとだけ違うかもしれない。

 チベットの「独立」という問題は実はなかなか議論のやっかいな問題だ。民族自決権と一口に言っても、その理解や議論は、いろいろなレベルがある。外的に支配された植民地の独立は、国連における議論でもほぼ無条件に承認をされてるわけだけれど、国家の内部の民族の問題は、これはなかなかややこしい。領土保全の原則というものもあるからだ。現在の国際法の理解では、内的な自決権、高度な自治を認めるというのが共通の理解だと言っていいのだと思う。
 ならば、チベットの問題は、どう理解すればいいのか。歴史的な経緯、そして国民国家の形成期の事態、そこへの国際的な認識、こう考えると、簡単に「独立」ということが国際的な合意になるとは、あまり思えない――そんな感想を正直、この本を読んで思った。――こう書くとかなり誤解を生じるかもしれないけれど、中国のような他民族による雑多な国家形成の歴史をもつ国の問題はなかなかややこしい。清朝や中華民国時代の経緯を見てもそれは言える。
 ダライ・ラマ14世も、かならずしも独立を主張しているわけではない。高度な自治を主張しているのだから、現実政治のレベルでも、まず、そこが対話の出発点になるのだとは思う。そのことへの、中国政府もふくめた当事者のしっかりした認識は求められるのだと思う。

 もちろん、だからといって、現在のチベットをめぐる問題のなかで、人権抑圧・弾圧という問題はあいまいにできない大きな課題なのだと思う。ましてや、(実は、今日のこの書き込みもこんな時間になったのは、BS世界のドキュメンタリーの「シリーズ毛沢東」の再放送を見ていたからで、そこでも今日出ていた)毛時代の人権抑圧は否定のできない歴史的な事実で、そのことの十分な総括のないなかでの、現在のチベット問題があるのだと思う。ダライ・ラマが高度な自治を求めながらもインドに亡命したのも、その毛時代である。
 まちがいなく、今後の中国という国の発展にとって、この人権の問題は、大きな歴史的課題であるのだと思う。

 ただ、メディアの報道を見ていて、ややこしいなあと思うのが、「独立派」対強硬姿勢をとる中国政府という図式で報道されていることだ。たぶん、チベットの民族派のなかでも、さまざまな意見の対立があって、必ずしもダライ・ラマのもとで一枚岩ということではないのだと想像できる。たぶん「独立」を主張する人々がすべてではないのだと思う。それだけに、中国政府の側が、強硬姿勢一辺倒の姿勢であるならば、解決を困難にするのだと思う。しかも、オリンピックの聖火リレーをめぐっての事態は、展開によっては、中国の都市部の住民とチベットあいだに、深刻な対立を生み出しかねない事態にもなっている。政府の側のイニシアチブで、対話に足を踏み出せるのか? それは、中国の今後の発展にとっても、かなり大きな問題になりそうな気がする。

 何度も確認するけれど、中国の未来にとって、人権と民主主義の問題は大きな課題である。それは、単純な国内問題ではなく、国際社会が注目している問題でもある。Nスペの「激流中国」なども見て、いつも中国には、単純に判断できないいろいろな感想をもつのだけれど、それだけに、オリンピックに向かう中国政府の営みを注目したいと思う。

 本の内容から離れてしまったけれど、そんな複雑な思いを持ちながら、この本を読んだ次第。

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2008/04/08

東京と大阪の違い――卒業式の風景

 昨日のNスペと、おとといのETV特集の2つの子どもの心の傷を追った番組を見た、実はわが家では、共通してラストシーンで扱われていた大阪(Nスペ)と東京(ETV)の卒業式の違いが話題になっていた。東京の実践も大事なものだったけれど、卒業式はやはり異様なものだった。日の丸に向かう卒業式。これに対し、大阪のそれは、対面式で、感動的な卒業式だったことを類推させるものだった。そんなことが話題になったんだけれど、職場で、その話をしたら、たまたま両方の番組を見ていた人がいて、同じ感想をもっていた。2つの番組をみたら、おそらくたくさんの人がそう感じたんだろうなって思った。それほど、東京の卒業式の風景は異様である。子どもが不在、そんなことを感じさせるのだと思う。

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読売調査の衝撃――憲法改正「反対」43%、「賛成」を上回る…読売世論調査

 今年の読売の憲法世論調査は、政治の世界に大きな衝撃を与えるものになった。

憲法改正「反対」43%、「賛成」を上回る…読売世論調査

 読売新聞社が実施した憲法に関する全国世論調査(面接方式)によると、今の憲法を改正する方がよいと思う人は42・5%、改正しない方がよいと思う人は43・1%で、わずかながら非改正派が改正派を上回った。
 …1981年から実施している「憲法」世論調査では93年以降、一貫して改正派が非改正派を上回っていた。しかし、今回は改正派が昨年より3・7ポイント減る一方、非改正派が4・0ポイント増え、これが逆転した。憲法改正に強い意欲を示した安倍前首相の突然の退陣や、ねじれ国会での政治の停滞へのいらだちなどが影響したと見られる。
 改正派にその理由を複数回答で聞いたところ、「国際貢献など今の憲法では対応できない新たな問題が生じているから」の45%が最も多かった。非改正派では「世界に誇る平和憲法だから」が53%で最多だった。…

 この調査については、ブログでも毎年紹介し続けている。
http://ono-blog.cocolog-nifty.com/sikou/2007/04/post_da8c.html
http://ono-blog.cocolog-nifty.com/sikou/2006/04/post_c4ad.html
http://ono-blog.cocolog-nifty.com/sikou/2005/04/post_c652.html

 これまでとくに注目していたのは、

 憲法9条についての質問では、「解釈や運用で対応するのは限界なので、改正する」「これまで通り、解釈や運用で対応する」がともに36%、「9条を厳密に守り、解釈や運用では対応しない」は20%で、9条を「改正」しないという意見が、56%になる。昨年が53・5%、一昨年の45・7%なのでより増加していることになる。

 という点。
 今年の調査では、上記のように憲法改正そのものについて、反対の声が大きくなった・
 ちなみにこの点で、手元のある資料によると
      憲法改正 賛成   反対
2001年        54.1%  28.4%
2002年        56.9    29.3
2003年        54.3    29.9
2004年        69.4    22.8
2005年        60.6    26.6
2006年        55.5    32.3
2007年        46     39
2008年        42.5    43.1

 読売をはじめ改憲派のメディアは、いっせいにいらだちを示している。
 明文改憲、解釈改憲を含め、改憲のねらいや動きを許さない――その世論を裏切るような政治の動きを封じ込めるような攻勢的な運動がいま必要なのだと思う。

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兵士たちが記録した 南京大虐殺

 今日(もう昨日ですね)は、朝から取材、会議、取材と忙しい一日。ただ眠い一日だった。その理由は、深夜にNNNのドキュメント’08の「兵士たちが記録した 南京大虐殺」を見たからだ。

 日中戦争真っ只中の70年前、南京陥落時に起きた南京大虐殺。様々な論議を生み、虐殺の人数さえ両国の間で大きな開きがある。その事件について、20年間身を削るような調査を続けてきた人がいる。彼が探り当てたのは、兵士が最前線で綴った「陣中日記」。そこには日本軍が中国人捕虜一万数千人から二万人を一挙に虐殺したことが記されていた。また日記からは、勤勉に田畑を耕し家族を愛し、生きるのに懸命だった農民が、突然戦場という異常な世界に放り込まれ、殺戮者に変貌していく姿が浮かび上がる。陣中日記をもとに虐殺の軌跡を追う。

 番組で紹介された小野さんの発掘した資料は、ボクもかなりお世話になっている。その資料が、どのようにして見つけだされたのか。彼の仕事には正直頭が下がる。そして、そのことを通して、南京の起こった事件が、正面から番組のなかで再現されていた。勇気ある番組である。
 こうした調査の積み重ねが、「南京虚構説」というほんの一部のとんでもない議論をのぞいては、虐殺を否定できない共通の土台をつくったことは明らかだ。
 まだ、ボクらも知らない、そして、まだ、伝えるべき事件の真相は少なくないように思える。とかく冷静な議論がなされない、この南京の事件。だからと言って、事実の発掘には目をそむけるべきではない。困難な、ねばり強いこうしたとりくみが、歴史認識を太くし、アジアの明日をつくるのだろう。こうした努力の成果を、真摯に学びたいと思った。
 そんなわけでチベットは明日かな。

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2008/04/07

守れ言論 活かそう憲法 4・7市民集会

20080407184719 Nスペの冒頭を見逃したのは、この集会に参加していたから。
  「表現の自由」をめぐって、たとえば、映画「靖国」の上映中止問題が大きく社会問題となっている。かなり、この点では重要な局面にある。そして、その問題の本質には、政治的に、批判的な意見を排除するということにある。その点で、この「言論の自由」をめぐる一連の事件は、ほんとうは日本社会、日本の人権状況のなかで中核的な問題だと言える。一連の事件とは、いうまでもなく、堀越国公法事件、世田谷国公法事件、葛飾ビラ配布事件、大石事件、立川自衛隊ビラまき事件、板橋高校事件だ。政治的に異なる見解を持つ人たちの活動を、別の名目で弾圧した事件である。
 集会の冒頭で、堀越事件の直前の公安当局の堀越さんへの監視活動の再現CGが上映された。まさに「監視」である。こうした人権状況は、実は、メディアでは、サンプロが取り上げた以外は十分には報じられているわけではない。政治的な問題だからだ。

 ほんらい、民主主義とは、異なる見解をもつ人たちの活動を十分に保障してこそ成り立つ。そうした国民的な合意が十分に熟成していないのが日本社会だということなのだろうか。こうした事件の一連の流れを見ていると、はたして日本の政治と社会、日本のメディアは、こういう言い方はよくないのかもしれないが、中国のチベット問題を云々言える資格があるのかと言いたくなってしまう。ほんとうはそれほど、重要な問題でもある。

 最高裁は、大石事件に続いて、立川の事件も却下する見通しである(4月11日)。もちろん、そのことは、日本社会の深部に大きな矛盾をもたらす(国際的にも、国内的にも)ことは、間違いない。ただ、そうしや矛盾を顕在化させるには、もっと、民主主義と自由について、語り、議論される必要もあると思う。日本の政治への疑問は、とてつもなく大きくなっている。それだけに、社会のあり方の根幹にある、権利やそれを支える制度について、関心を広げるような発信が重要になっているのだろうと思う。

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愛美さんが教室に戻れる日――教師と学校はは子どもたちの傷や困難をどこまで共有できるのか

080407_b 番組の冒頭の部分だけは、見逃したけれど、今日のNスペの「愛美さんが教室に戻れる日」を見た。テレビの番宣では、いじめのことが取り上げられ、そして、専任教員という問題がクローズアップされていたから、限界があるのだろうなあと思いながら見始めたけれど、内容は予想とは全然ちがっていたし、少なからずショックも受けた。
 もちろん、いじめもそうだけれど、格差社会の影響、学校の問題、家庭の問題…、不登校の子どもたちに横たわる問題を番組は追う。そして、それに向き合う教師たちの葛藤と試行錯誤。
 ボクの長男も中学時代は、三年間で60日近くの欠席があった。それでも学校からの働きかけがほとんどなかったことを考えると、必ずしも「登校」「教室」ということにはこだわらないで、子どもに向き合う実践というのは、評価ができる。そのとき、問われるのは、教師と学校は子どもたちの心の傷や困難をどこまで共有できるのかということだろう。番組で紹介された子どもたちの抱える傷や困難も十分すぎるほど重いものだったし、ここには、言葉にしてしまえば薄っぺらいものになるけれど、新自由主義の社会で傷つく子ども、親たちの苦悩がある。そこでの、教師の役割は、新しいものだと言えるし、その役割の重さもとてつもなく重い。
 番組でもっと見たかったのが、そうした傷や困難に向き合う教師自身の苦悩やその克服。ここはちょっと、あっさりしていた。
 そして、そうした教師集団、学校としてのとりくみの姿だ。たとえば、不登校の1つの大きな要因でもある「いじめ」が、子どもたちの人間関係にあるのならば、そうした取り組みはまだ見えてこない。
 もう1つ、番組の最後に、その実践の背後には、さらにたくさんの学校にこれないで卒業する子どもたちの話が出てくる。ほんとうの傷や困難はもっと深いのだ。もっともっと向き合わなければならない問題は、たくさん残されている。それは、未だ社会の片隅で沈殿して埋もれているということなのだろうか。
 ただ、番組をとおして、教えられることは少なくはない。根底に広がる「貧困」、そして、まず、子どもに向き合う実践の大切さ。番組としては、いいものだった。

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苺とチョコレート

Ichigoto こんな映画を見せつけられると、ボクはほんとうに世界のことは何もしらないのだなあと痛感させられる。
 このキューバ映画がつくられたのが1993年。舞台はしかたって、ソ連崩壊前だろうか? 少なくともキューバは、ソ連崩壊後、経済危機に直面し、それを乗り越え、外交的な孤立をうちやぶってきた。だから、この作品のなかにある世界は、かならずしも現在のキューバの現状とは同じではないだろう。
 しかし、社会主義と自由・民主主義という、当時も、そしてある意味で現在も、とてもナイーブで、大きなテーマを基底に、物語は、ホモセクシュアルな自由主義者と青年同盟員との関係を、ときにはコミカルに、ときには切なく描ききっている。こんな映画が、93年のキューバでつくられているというのは驚き以外何ものでもない。
 南米の、明るさ、たくましさが充満していて、とても好感のもてる作品。人間の尊厳というものへの賛歌であり、問いかけでもある。たぶん、キューバの人たちは、こうした歴史そのものをすべて背負い、向き合いながら、国の進路をさぐっているのだろうな、と、つくずく思った。もっと、いろんな世界のことを知らないと(関連でチベットについては、また、明日かな)。

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2008/04/06

障害者条約が来月発効 20カ国批准、差別を禁止

 ちょっとした情報ですけれど。国連障害者権利条約がいよいよ来月発効するという話です。

障害者条約が来月発効 20カ国批准、差別を禁止(東京新聞)

 世界に6億5000万人いるとされる障害者への差別を禁止し、健常者と同様の権利を保障する「障害者権利条約」は3日、エクアドルが同日批准したことで、発効条件である計20カ国の批准を満たした。規定に従って、30日後の5月3日に発効する。
 国連の潘基文事務総長は「障害者が直面している社会的な差別や政治参加の機会の欠如などをなくすための有力な手段だ」と条約の意義を強調する声明を発表、国連の全加盟国に早期の批准を求めた。
 2006年12月の国連総会で採択された条約は全50条で、目的として「障害者がすべての人権、基本的自由を享受できるよう促進、保護すること」をうたった。締約国に対して、障害者の権利実現のために必要な立法・行政措置を取るよう定めた上、建物や交通機関へのアクセス、教育、就職など、さまざまな面で差別が生じないよう義務付けている。

 日本政府の、実効性のある法律の制定とともに、批准にむけた取り組みを一刻も早く開始してほしいものですね。

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そこに友だちがいた~傷ついた子どもたちの再出発~

Img0406_02s ETV特集で放映された「そこに友だちがいた~傷ついた子どもたちの再出発~」を見た。東京の区立の病弱養護学校である保田養護学校の実践の記録だ。

 教育現場でさまざまな課題が噴出するなか、子どもたちの表情がいきいきと輝いている教室がある。全寮制の東京都葛飾区立保田(ほた)養護学校。ぜんそくや肥満の子どもをはじめ、いじめや両親の離婚などで心に傷を負い、友だちや大人に対して強い不信を抱いた子どもたちが学んでいる。みんなは親元を離れ環境のいい千葉県鋸南町にあるこの学校で、元気を取りもどしている。  …番組では卒業式までの4か月、6年の教室にカメラが密着。平山先生や友だちとのふれあいを通じて、子どもたちが少しずつ自信を取り戻していく姿を追った。

 つれ合いは、この番組を見て、「子ども力」が大事なんだという感想をいった。
 ボクは、学校というものを考えた。もちろん、こうした実践だって、いろんな議論や評価は成り立つ。そうであったとしても、日本の学校には、正面から子どもに向き合いながら展開している、実践や授業というものの分厚い蓄積がある。もう1度、そういったものの成果というものに向き合ってみることって大事なんではないのか。

 そんなことを思いながら、大阪市立貝塚養護学校のことが頭にうかんだ。数年後の廃校を前提に、受け入れ停止となった貝塚養護学校について転入を希望する裁判がおこなわれている。
 守る会のHPはここ

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記憶の遺産~アウシュビッツ・ヒロシマからのメッセージ~(感想)

 今日の午前中、この番組を見ることができた。

 現在、登録されている世界遺産は851件。その中に、「記憶の遺産」と呼ばれる特別な遺産がある。  アウシュビッツ(ポーランド・ナチス強制収容所)とヒロシマ(日本・広島原爆ドーム)。この2件はいずれも第二次世界大戦で人類未曾有の大量殺戮が行なわれた悲劇の舞台で、他に例を見ない。  人類の輝かしい文明が生み出した遺産が評価の対象とされてきた中で、なぜ、これらは登録されるに至ったのか。そこには、人間のどんな歴史や思いが込められているのか。  フランス・パリのユネスコ本部に残る世界遺産委員会文書からは、このふたつが人類全体に普遍的警告を発するための「記憶の場所」として、各国代表がどのような議論を交わしたかが浮かび上がる。  番組は、アウシュビッツ解放63年めの記念日に立ち会う。奇跡的な生還をとげた元囚人らの証言を交え、博物館として記憶を後世に伝えようとする意志と取り組みを描く。  ヒロシマでは、世界遺産登録時に問題となった「原爆投下」をめぐる国際的な議論をひもとき、原爆ドームが象徴する核廃絶に向けた祈りが世界に向けて開かれてゆくための道を探る。また、「韓国のヒロシマ」とよばれる街・ハプチョンにも取材。戦後、長く「忘れられた被爆者」であった人々を訪ね、記憶を閉ざされて来た彼らが今、どのようなメッセージを投げかけているのか、描いてゆく。

 アウシュビッツの映像は何度か見たことがある(ぜひ、いって見たいですね)。生き残った囚人の話には釘付けになった。このアウシュビッツの「記憶」とりくみがヒロシマの遺産登録につながる。そのとき、中国とアメリカの反対に直面する。アジアに多大な被害を及ぼした日本の歴史認識が大きな壁となる。その問題を「韓国のヒロシマ」をとおして、番組は考える。
 “韓国のヒロシマ”ハプチョンの話は、ボクは、この地を何度も取材しているジャーナリストの方から、話を何度か聞かせていただいたことがある。しかし、それ以上に、この地に生きる被爆者の証言は心に響いた。
 「記憶」ということのとりくみ、その意味について、それを人類の遺産としてとたえる「世界遺産」のとりくみ。いろいろ考えさせられた番組だった。

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2008/04/04

名ばかり管理職

 先日、NHKスペシャルでやっていた「名ばかり管理職」を少し、遅れて見た。

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 十分な権限や裁量もないのに管理職として扱われ、残業手当も支給されないまま過酷な長時間労働を強いられる“名ばかり管理職”。
 入社9か月で管理職にされ24時間営業のコンビニ店を任された20代の男性は、人手不足のなか4日で80時間の長時間労働を迫られた。背景には、出店や価格をめぐる激しい競争の中、正社員の数は最小限にとどめその人件費も抑えたいという企業の思惑があるとされる。
 法律が定める管理職の条件は「経営者と一体的な立場」「労働時間を管理されない」「ふさわしい待遇」の3つ。マクドナルドの店長は管理職かどうかが争われた裁判で、東京地裁は「店長は3条件を満たす管理職にはあたらない」と判断。同じように店長を管理職としてきたチェーンストア業界に衝撃が走った。労基署による摘発も相次いでいる。…

 血を滴らせながら、人間を食らう資本の姿をまざまざと告発はしている。
 同時に、番組では後半で、「3条件や判決に違和感を持つ企業は少なくない。現実の社会では管理職の概念はより広く解釈され、社員の『誇り』や『やりがい』にもつながってきたからだ」と指摘する。日本の労務管理を歴史的に振り返ったとき、強いられた「自発性」というべき「やりがいの強制」というものがある。職能給制度などともむすびついているとも言えるかもしれないし、日本型の企業社会のなかで展開してきたQCサークルだとか、その後の成果主義などとも固くむすびついているともたぶん言える。企業社会が「収縮」したもとでも、この「やりがい」による「搾取」が、新しい展開を見せているとも言えるだろう。この前、NHKでやっていたEBOなどのもとでも、企業の活動なども少し、そのことを感じる。
 日本では、働くものの人権というものが、十分に自覚されてこなかったし、そのことを自覚したたたかいが十分なされてこなかった。それだけに、これはこれで、しっかりした分析が必要なテーマでもあるような気がする。

 非正規の問題、派遣労働の問題とメダルの裏と表の関係とも言える「名ばかり管理職」の問題は、より深い分析と議論が必要だと痛感した。(番組は、このつっこみが弱かった)。

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21-28日に調査団派遣へ 教員評価めぐりILOなど

 一般的には、ちょっと聞き慣れない言葉なのかもしれないけれど、以前、紹介したこともあるCEARTの調査団がいよいよ日本にやってくることになった。

21-28日に調査団派遣へ 教員評価めぐりILOなど(東京新聞)

 指導力不足教員の認定制度などをめぐり、国際労働機関(ILO)と国連教育科学文化機関(ユネスコ)の合同専門家委員会(CEART)が今月21日-28日の日程で、日本への調査団派遣を検討していることが4日、分かった。
 通知を受けた全日本教職員組合(全教)が明らかにした。
 調査団は全教のほか、日教組や各教育委員会などから聞き取り調査をするとみられる。
 全教は2002年、各教委が導入した指導力不足教員の認定制度が、ユネスコの特別政府間会議で採択された「教員の地位に関する勧告」に違反しているとCEARTに申し立てていた。ILOが先進国に調査団を派遣するのは異例で、日本への派遣は1965年以来、2度目。

 1966年に国際的に定められた「教員の地位に関する勧告」というものがある。日本における教員に対する行政の評価制度などが、この勧告に違反すると、全教が02年に訴えたわけだけれど、これをうけ、ILOとユネスコの合同調査委員会が、03年に事実上、文部科学省に是正を勧告する内容の報告書をだしている。それに対する意見を聴取し、調査をへて06年に中間報告を出し、いよいよ今回の来日調査にいたっている。

 11項目の調査項目にもとづいて調査がおこなわれ、全教や日教組、文部科学省、その他専門家が意見も出し、11月には最終の報告書が出されるという。こうした動きについても、可能な限り取材し、紹介したいとは思う。

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2008/04/03

日米軍事一体化と地位協定17条問題

 横須賀のタクシー運転手殺害事件で、海軍に所属する米兵が逮捕された。

タクシー運転手刺殺、22歳米兵を逮捕 日米合同委で引き渡し同意(中日新聞)

 神奈川県横須賀市でタクシー運転手高橋正昭さん(61)が刺殺された事件で、県警横須賀署捜査本部は3日午後、強盗殺人容疑で、米海軍の1等兵でナイジェリア国籍のオラトゥンボスン・ウグボグ容疑者(22)を逮捕した。
 ウグボグ容疑者は米海軍に脱走罪で身柄拘束されていたが、同日の日米合同委員会で日本側が日米地位協定の運用改善合意に基づき、起訴前の身柄引き渡しを要求。米側が同意し、米海軍が身柄を横須賀署に移した。…

 今回の事件では比較的スムーズに身柄引き渡しが行われたという評価もあるだろうが、やはり、事件の発覚から捜査まで、日本の警察権限が及ばないという問題は、あらためて地位協定の問題性を浮き彫りにしている。同時に、今回の事件もそうだが、地位協定の規定上、日本にどんな米兵がいて、基地外でどのようなことをしているのか、日本の側ではすぐにわからない仕組みになっているし、日本の側から積極的な把握もなされていないという問題がふたたび浮き彫りになった(これは、基地外居住の米兵の問題に端的であるのだが、一方で、脱走兵などの問題も今回明らかになったわけだ)。

 もちろん根本的には、日本に米軍が存在するという問題の意味が問われているわけだが、同時に、これだけ地位協定の問題が浮きぼりになってのまだ、政府は、改定をすすめるのではなく、運用の改善ということに固執している。

 実は、その問題の関係で注目される記事が3月1日の「しんぶん赤旗」に掲載されていた。
 これは日本平和委員会が外務省に要請した際の話。応対した同省北米局日米地位協定室の伊澤修室長は、「地位協定見直しは考えていない」とのべ、「これを崩すことで生じる問題もある」と擁護したという。
 ここで、伊澤室長は「(アメリカ軍兵士・軍人への刑事裁判権を定めた)日米地位協定一七条は協定の根本だ。イラクに行っている自衛隊が現地で結んでいる地位協定で、日本側が自衛隊にかかわる裁判権すべてを持っているように、一七条を崩すことで生じる問題がある」と回答した。というのだ、つまり、アメリカと一体となって自衛隊の海外派兵をすすめるために、日本国民に被害を与えている日米地位協定を変えないというわけである。ここまで、日米の軍事一体化がすすみ、そのもとで、今回の沖縄と横須賀の事件もある。ここには、二重三重にアメリカに付き従う日本政治と軍事の異常がある。おどろくべき問題でもある。

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民主、思いやり予算に反対=3日に衆院通過

 今日(もう昨日)は、朝の当番の出勤。朝からかなり真面目に仕事(笑い)。昼から、机のまわりの整理にとりかかる。とにかく、資料と書類が多すぎる。十分、活用できていない資料を段ボール2箱分ぐらいは処理。でも、まだまだ山積みだあ。読まなければいけない本も、山積みで、かなり落ち込んでしまう。この間、割合と丁寧に本を読んでいたのが、思い切って速読に転換! でも、夜は家事が山積みでもある。

 さて、先日、少し書いたことだけれど、思いやり予算について、民主党は、最終的に反対の態度を示した。これで衆院では可決されても、参院では否決されることになる。民主党は、実質的に問題が生じる前に、参院での採決に応じて、最終的に成立ということにはなりそうだ。

民主、思いやり予算に反対=3日に衆院通過(時事通信)

 民主党は2日の衆院外務委員会で、在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)に関する新特別協定に反対した。米軍基地内の娯楽施設で働く従業員の給与も日本側が負担していることなどを問題視した。同党が思いやり予算に反対したのは初めて。
 共産、社民両党も反対したが、新協定は与党の賛成多数で可決された。3日の衆院本会議で可決、参院に送付される。野党が多数を占める参院では否決される見通しだが、その場合でも両院協議会を経て、憲法の衆院優越規定により承認される。

 この民主党の態度については、いろいろな評価が可能だし、ボクなりにも、現在の民主党についていろいろ論じたいことはあるのだけれど、それはさておき(すみません!)、この思いやり予算が、片方の院で否決されるという事実は、小さくない。何が何でも、日米同盟が大事なんだという論理はもう通用しなくなっているということの証左だし、そのことを世論が支えている。民主党のこの態度がもたらすことが政治のなかでもつ意味は大きいと思う。

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2008/04/02

記憶の遺産~アウシュビッツ・ヒロシマからのメッセージ~

080329_pic 実は、この番組は見逃したのです。なかなか見応えのある番組だったようなのです。しかし、一時期、「偏向しているというメールが多数寄せられ、今のところ再放映出来ない状況にある」という情報も流れたのですが、何とか、4月6日(日)午前10:02ごろから「あなたのアンコール・サンデー」の枠で再放送されるとのこと。再放送の要望も強かったようですね。今度は、絶対に見たいと思います。みなさん、見逃さないようにね。

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教育振興計画:教職員定数増の予算数値目標なし…答申案

 遅れていた教育振興基本計画の原案が、やっと中教審でまとまったという話。新学習指導要領、そしていよいよ審議が国会ではじまる社会教育法「改正」案とあわせて、06教育基本法の枠組みが、だいたいそろったことになる。

教育振興計画:教職員定数増の予算数値目標なし…答申案(毎日新聞)

 06年12月に成立した改正教育基本法で策定が義務づけられた「教育振興基本計画」の答申案を、中央教育審議会の特別部会が2日、まとめた。今月中旬に開く同審議会総会を経て、渡海紀三朗文科相に答申し、今月中にも閣議決定される見通し。焦点だった教職員定数増へ向けた予算確保の具体的な数値目標は盛り込まれず、委員からは不満の声も出た。
 …文科省には当初、基本計画で予算確保の数値目標を定める狙いがあったが、財務省との交渉は難航。答申案は「意気込み」を示すだけにとどまり、一部の委員からは「これで『何かが変わる』との印象を受けない」などの声も出た。

 答申案の実物は、ここにある

 内容の基本的な性格は、これまでさまざまなところで議論されていた、新教育基本法体制と言えるような「教育改革」の全体を網羅したものと言っていいとは思う。数値目標がもりこまれなかったのは、求められる予算が確保できなかったという面が強いが、全体として、抽象的なものになったとは言える。新自由主義的な「改革」も、具体性にはとぼしい。それだけに、これまでのように、あいかわらず理念的な「教育改革」がリードするということは間違いなさそう。先の学習指導要領の「愛国心」の問題を見ても、この分野では、まだまだ「靖国」派の策動も強い。「教育改革」の行き先は、まだまだ注視が必要ではある。

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親たちの暴走

9213 小野田先生の『悲鳴をあげる学校』のヒット以来、いちゃもんからはじまって、クレーマー、そしてモンスターペアレントなどの呼び方が急速に広がるようになってしまった。この間、出版された本だけでも、『モンスターペアレントの正体―クレーマー化する親たち』『バカ親、バカ教師にもほどがある―子ども化する大人たち』『モンスターペアレント!?―親バカとバカ親は紙一重』『モンスター・ペアレント―ムチャをねじ込む親たち』などなど。この本も、その流行のなかにあると言えばそうだけれど。
 これらの本を全部読んだわけではないけれど、この『親たちの暴走』を読んでみても、内容は、結構、客観的で、冷静で、傾聴に値するような話がたくさんある。出版社の方の、タイトルやコピーは過激でも、中味はかなりちがう。
 この本でも、現実の教師の追い込まれた方深刻さや、一方で、親の方の事情やその背景などていねいに、追いかけているし、その解決、改善法もいたって冷静。自治体ごとの対策にも注目しながら、それが対処療法にとどまっていて、同時に根本解決を提起するなど、なかなか議論も正当。
 アメリカや、とくにイギリスの事情などの紹介も面白い。結局、学校と保護者の共同の関係をどうつくるかしかないわけで、そのためには、必要な社会的支援と当事者たちの共同こそが大事。あたりまえの結論でもあるのだけれど、取材がていねいなせいなのだろう、それなりに、その重さを感じさせてくれる。結構、役に立った1冊でもあったのだ。

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2008/04/01

Koskenkorva SALMIAKKI

20080401230615 「コスケンコルヴァ サルミアッキ」。先日、スウェーデン、フィンランドの旅から帰ってきたつれ合いのボクへのお土産である。なんでも、日本では売っていないお酒で、しかもフィンランドでは、たいへん人気があるという。「32%だから、ロックで飲んでみたら」と言われるがままに、コップにそそぐと、真っ黒。しかも、臭いが微妙。飲んでみると、酒の味はほとんどせず、甘ーい。これは、いったい???
 調べてみると、サルミアッキというのは、むこうの有名な飴で、日本では「世界一まずい飴」と紹介されている。そういえば、そんな飴、かつてどこかで食べたことがあるぞ。だれかがお土産として買ってきていた。うーん、思い出せない。グミみたいで変な臭いのするやつ! その酒版なわけだが、臭いは、そんなには変ではない。ただ甘くって、酒の感じはしない。ただ、あとで、酔いがくる。これは身体に悪そう。たしかに、日本ではほとんど手に入らないそうで、おそらく、飲んだことのある人も少なそう。ちょっと貴重。京都のフィンランド・バーでは飲めるとか。
 そんな貴重な酒だけど、今日のところは、ぐぐっとは飲めなかった。ただ、案外、お湯割りにすればいけるかも、などと考えながら、飲み方の工夫は、今後また、ご報告ということで(笑い)。

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異例!ドキュメンタリー「靖国」が、公開直前に上映中止決定!

 今日、新聞を読んで、いったい何がおこっているのか、すぐには正直理解することができなかった。そんな信じがたいニュースでもある。

異例!ドキュメンタリー「靖国」が、公開直前に上映中止決定!(eiga.com 映画ニュース)

 靖国神社を題材としたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」を4月12日から上映する予定だった銀座シネパトス(東京都中央区)、シネマート六本木(同港区)、Q-AXシネマ(同渋谷区)、シネマート心斎橋(大阪市中央区)の4つの映画館が相次いで上映自粛を決定。3月31日、同作を配給するナインエンタテインメント、アルゴ・ピクチャーズが発表した。
 同作については、すでに新宿バルト9(東京都新宿区)が上映の取り止めを決定していたが、さらに上記4館が上映自粛を決定したことによって、予定されていた公開劇場がなくなるという異例の事態となった。…

N0013374 映画「靖国 YASUKUNI」そのものは、日本・中国・韓国の3カ国による合作映画で、日本在住19年の中国人リ・イン監督が、8月15日の終戦の日の様子や、ご神体「靖国刀」の鋳造を再現する刀匠の姿など、靖国神社にまつわる様々な事象を10年間に渡り取材し、完成させたもの。各地で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞するなど、真面目につくられた映画だと聞いている。
 ことのおこりは、「靖国」派の稲田議員らが、同作が文化庁の所管法人から助成金を得ている事に対して、「政治的に中立な映画なのか」と疑問を呈し、国会議員向けに試写会が開かれたこと。彼らは、内容を検討して問題にするという主旨の発言をおこなっていたけれど、政治家が芸術・文化の内容について個々に発言することはあり得ても、少なくとも権力をかさにきた介入にならないように、慎重であるべきで、今回の事態の一義的な責任は、こうした政治家の発言と実質的な「介入」にあることは言うまでもないことだと思う。
 同時に、映画館などが、、「近隣に迷惑がかかる可能性があるため」などの理由から、括弧付きの「自主規制」を行ったことも大きな問題。まさに、「日本社会における言論の自由、表現の自由の危機」というべき事態となってしまった。
 沖縄戦などで一定の役割をはたした(とまでは言えないか)メディアも、この問題では、この間の経過では十分な役割をはたせているとは言えない。ほんとうに「表現の自由」を守るような国民的議論がおこらなければならないし、そのことを期待する。メディアの役割も大きい。

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