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2008/03/08

日本の、これから 学力

 今日、NHKで、「日本の、これから」で「学力」を特集していた。仕事の合間と、帰りの電車のなかで、音声で聞いていた。家で、番組をみていたつれ合いは、「面白くなかった」と言っていたけれど。多くの教育関係者は、割合と複雑な心境で、この番組を見たのではないのかと思う。なかなか深まらないなあという思いと、いやいや、結構、重要な論点が提示されていたなあという思いと。

 たとえば、この「学力」というテーマを議論するには固有のむずかしさが、いくつかある。その前提として、「学力」とは何かということには、必ずしも十分な共通の理解があるわけではない。そこから、本来、かなり論争的になるのだけれど、番組の都合上は、なんとなく共通の理解があるつもりになって議論する。
 でも、「学力」ということを議論する以上、本来は、人間の発達における「能力」などの理解について、深まりがあるべきではあるのだけれど、実は、ここをあえて議論をさけるのが最近の特徴でもあると思う。これは、子どもの実態をどうとらえるのかだとか、教育とはいったい何なのかということに結びつくような問題でもあるのだけれど、最近の議論は、やはりあえてこの点を避けようとする。もちろん、たぶん、そこには何かしらの理由はあるのだろうけれど。
 その結果と言えば、そう言えるのだけれど、本来、教育政策にとって、いちばん生々しい問題であるべき、たとえばPISAの結果をどう考えるのかだとか、現在の教育政策の根幹ともいえる、学力テストだとか、指導要領だとかの問題は、なぜか議論されない。たとえば、今日の議論では、夜スペはとりあげられての犬山は一切出てこない。それだけでも不思議である。藤原さんを出すのなら、なぜに中島さんを出さないのだろうか?

 でも、ボクは番組を聞いていて、案外面白かった。もちろん、この学力を論じる上での、むずかしさを凄く感じたけれど、その点で学ばされたことも多かったけれど、出てきた論点でも、かなり注目すべき点は少なくなかったような気がする。

 たとえば、なかなかもどかしい問題に、教育における専門的知見と俗論の関係がある。ボクは、教育学という専門的知見の側にどちらかと言えば与する立場にあるのだろうから、なかなか、討論のなかで、俗論が主流になると、イライラした気分になるのだけれど。それは、子どもと大人という形では、大人と傲慢さという形でどうしても提示されることになる。たとえば、正直言って、教師の言い分は、ほとんど子どもの感情からは浮いている。その子どもの言い分は、否定できないものではないのだけれど、だからといって、子どもの言っていることがすべてストレートに受け入れるべきものなのかと言えば、ここでもいろいろなことを考えさせられる。佐藤さんが教育とはある意味、大人の強制の側面があると言っていたけれど、まあある意味では、こうした議論には、距離をおいた「科学」の意義や位置づけをちゃんとつかむことが大事になるとでも言えばいいのだろうか。その意味では、番組は、教育研究者と呼べるような人は、佐藤さんだけだったので、もう少し落ち着いた議論ができる人を登場させてほしかったというのが正直言った感想。学力の構造の問題だとか、学び合いということのもつ意味などはほとんど深まらなかったから。

 教育の質が変わらなければならないというのは、ほとんど一致した点でもあったことは発見でもある。そして、そのためには、教育に国がもっとお金をかけるべきだという問題もほとんど一致する。格差の問題も放置できない地点にあることが確認されたのも重要である。案外、面白かったのが、教育の自由をめぐる議論。ここも一般論として、自由の重要性は一致する。ただ、それが規制緩和と競争によるのか、そうでないのか。規制緩和論における教員評価に対する、夜スペの藤原さんの反論がおもしろった。これは自由化の現場からの批判で、かなり重要な指摘。教育を、単純な2分法で議論してはいけない証左でもあると思う。

 学力とは何かだとか、競争というものに対する評価という、いちばんの核心を避けてしまったきらいは強いけれども、実際の教育の現場で、子ども・親の参加が封じ込まれ、かなり歪んだ認識状況にあるいま、学力を議論する上で、さまざまな問題を結構、リアルに示していて、ボクなりには刺激をうけた討論でもあった気がするのだけれども。

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