普天間代替 アセス調査に着手
沖縄ネタが続きますが、今日は辺野古ねた。最近、あまり書いていなかったけれど、実は、沖縄の普天間基地移設にかかわってはいろいろなことがおこっている。普天間自身の問題についても、近日中に紹介しようとは思うのだけれど、いま重大な局面を迎えているのが、辺野古の問題だ。
普天間代替 アセス調査に着手 反対派市民団体が警戒(沖縄タイムス)沖縄防衛局は十五日、米軍普天間飛行場移設に向けた環境影響評価(アセスメント)をめぐり、風向や風速など気象や潮風による塩害の調査を移設先である名護市のキャンプ・シュワブで実施、アセスの本調査に着手した。
気象や塩害の調査は、本調査に先行して昨年五月から「事前調査」として既に始めていたが、十四日にアセス方法書が確定したことを受けて本調査に切り替えた。週明けからはキャンプ・シュワブ周辺海域の海藻やサンゴの状況、陸上での植物の生育状況などの調査も予定している。
…辺野古で調査着手を警戒しているヘリ基地反対協の大西照雄共同代表は「秘密主義のアセス方法書に基づいた調査は違法アセスだ。アセスをやり直して、もう一度国民の声を聞くべきだ」と指摘。「本来の法律にのっとってアセスが行われれば、防衛省の言う二〇一四年までの完成はあり得ない」として、国内や国際世論に訴えていく考えを示した。
環境アセスは、その内容について方法書を作成し、それにもとづいて実施した調査についてまず準備書をつくり、意見を聞いたのち評価書をつくる。その方法書の内容について、沖縄の環境調査審議会が徹底抗戦をしている。政府のほうは、まずたった7ページの方法書を作成したが、沖縄の反発をうけ2007年に300ページを超える方法書を作成し、不備があきらかになると、150ページの追加説明書をつくった。それに再度修正を加え400ページ近い方法書が今度出され、アセスに着工する。
しかし、沖縄の側がもとめたジュゴンの2年間の調査など重要な点については何もふれられていない。方法書そのものの成り立ちが、アセスを行う以上、正確な建設場所や工事内容、航空機の機種、飛行回数、飛行ルートなど明らかにすべきであるのにかかわらず、秘密にされているというものなのだ。
そもそも、2014年に辺野古の基地移転をおこなうためには、今年の夏には準備書の提出が必要だった。それが、今回アセスに着工したとしても、出されるのは1年後のことで、大幅に予定がおくれている。もうこれ以上遅らせたくないという政府のあせりがあからさまに見える、強引な方法ですすめようとしている。
それ以前に、アメリカの裁判所ではジュゴンの保護計画なしに代替施設を建設するのは違法として、ジュゴンの保護のためのアセスの方法書というべき計画の提出が命じられている。この点からも、政府の強引な態度は、アメリカとの間でも矛盾を今後広げることになる。
この分野でも、沖縄に連帯した大きな抗議、声を広げる必要があると思う。
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