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2008/02/05

爆問学問での長谷部憲法学

 今日の爆笑問題のニッポンの教養のテーマは、憲法学。東大の長谷部さんが出ていた。長谷部さんの立憲主義は、このブログを読んでいる人なら、ご存知の人が多いが、いろいろなところで、いろいろな議論を読んでいるし、いわゆる「護憲派」と言われる人たちからが一定の批判がある。そのことは、何度か、このブログでは書いた。

 憲法をめぐる状況は熱さを増している。なにかとイデオロギーの争いになってしまいがちな憲法論議に、憲法学の立場から両陣営に異論を唱えて注目を集めている気鋭の学者が、東大の長谷部恭男教授だ。変えるか否かの前に、冷静に憲法とは何かを問い直すことを呼びかけている。長谷部の主張は、人間は多種多様な価値観を持つが、憲法とはそのすべての価値観が公正な共存を図るためのものであり、どれかひとつの価値観を代表するものであってはならないというのだ。その視点からは、“絶対平和”や“武力を持つ一人前の国”などもひとつの価値観にすぎない。 …

 この番組の紹介にあるように、たしかにかなり刺激的な議論をする人だ。ボクは、彼の議論は、この時代の一定の雰囲気や実際を反映しているし、いまの憲法を変えないという議論をするうえでは一定の意味や役割をになっていると思っている。実際には、そのぐらい、憲法は政治マタ―となってしまっている。
 ボクらが一般に立憲主義と言う、立憲主義のとらえ方というのも、ある種の歴史性をもつ。長谷部さんの立憲主義のとらえ方も、この時代の1つの反映でもあるということは言えるのだと思う。

 ただ、そうはいっても、憲法というものを支える思想そのものが歴史のなかでつくられている。そのことを承認するならば、憲法はある種の価値観と無縁ではいられないということは認めなければならなくなる。この歴史性という視点のをもつかが番組で言われていた「矛盾」を克服するポイントでもあるし、この視野や視点をもつか、もたないかが議論はわかれるのだと思う。もちろん、ボク自身は、前者だし、歴史性を承認しなければ、結局は、解釈と調整の学問に憲法学はとどまってしまう。

 だからといって、長谷部さんの憲法学を否定もしなければ、その意味を低めようとも思わない。彼のセンスには頭が下がるし、その議論にはいつも、耳を傾けていたいと思う。

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